企業ダイレクトマーケティングミックス東証プライム:7354】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営方針

 当社は次の「経営理念」を掲げています。

経営理念

1990年代のインターネットの勃興により、インターネットが社会をつなぎ、膨大な情報にローコストでアクセスできるようになり、私たちの社会は大きく変化しましたが、昨今ではAIによる知能の外部提供によって、さらに大きな変化点を迎えつつあります。

 テクノロジーの進化による利便性向上の反面で生じる、情報格差、AI格差をどう克服していくか、今まさに必要とされているのはヒトのチカラと考えています。

 テクノロジーによる効率化を図りながら、ヒトのチカラを最大限パフォーマンスさせることで、より豊かな社会の実現に貢献したいと考えています。

 私たちは変わらないヒトのチカラを信じ、変わらないコミュニケーションの価値を信じ、決してなくなることのないコミュニケーション、“ヒトとヒトの直接対話”を通じて、営業・マーケティングにおけるプロフェッショナル集団として、顧客企業が提供する財・サービスの社会的効用の極大化を図り、顧客企業の「営業改革」にコミットしたいとの思いから、当社では以下の「Vision」を掲げ、提供すべき企業価値を示しています。

Vision

 社会

私たちのセカイに

変えてはならないものがあるから

 声

私たちのチカラで

変えなければならないものがある。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、売上高及びEBITDAを重要な経営指標としています。

(3)経営戦略

 現在の日本経済を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は落ち着きを見せました。一方で、為替市場の急激な変動や国際情勢の緊迫化等による不透明な状況が続いています。また、少子高齢化を背景に労働力需給が一段と逼迫する中、長時間労働の是正や同一労働、同一賃金を目指す働き方改革が政労使一体で進められており、働き方改革と人材不足への対応の両立が大きな課題となっています。中でも特に営業部門は担い手が少なく、教育に時間がかかり、離職率も高いことから、営業人材が逼迫しています。お客様の要望や都合優先になりがちな営業職が、従業員満足向上を目指す働き方改革の障壁になっているケースも見受けられます。しかしコスト競争が激化する中、際限なき人員増もできません。それでも営業・マーケティング活動は企業収益の源泉であり、企業成長において「営業改革」は不可避な状況となっています。他方でICT(Information and Communication Technology)の発展によりエンドユーザーは膨大な情報の中から情報の収集、取捨選択、意思決定を迫られ、エンドユーザーに対する商品やサービスの価値訴求、あるいはエンドユーザー自身による商品やサービスを選択する際の意思決定はいずれも必ずしも容易ではありません。

 このような状況において、当社グループはコアバリューとして“「ヒトとヒトとの直接対話」により、エンドユーザーの「生の声」を捉え、「契約」に繋げる”を掲げ、自動化の難しい営業・マーケティングにおけるプロフェッショナル集団として、顧客企業の「営業改革」にコミットします。顧客企業のエンドユーザー獲得プロセスにおいて集客から成約、その後のアフターサービスまで、ダイレクトマーケティングによるワンストップサービスを提供し、顧客企業の収益最大化を実現してまいります。

 当社グループでは、7.3兆円といわれる企業の広告市場(特にその一領域であり、1.7兆円の市場規模と言われるプロモーションメディア広告市場)や12兆円を超える営業員人件費市場など潜在的な開拓余地のある市場をターゲティングし、市場深耕を図るとともに、ひとつのサービス、ひとつのスキームにとらわれず、商品やサービスを売るという企業活動の普遍的な目的に対して、ソリューションを提供していきます。足元では新規顧客企業の獲得により当社グループの顧客基盤を増強し、収益源を積上げると同時に、エンドユーザーのデータベースとその運用の精度を高めることによって、営業・マーケティングサービスの高付加価値化を進め、既存顧客企業における業務範囲の拡張、他部署展開等を進め取引の大口化を進めていきます。

 また顧客企業の中には、アウトソーシングの活用ではなく、自社内でしっかりノウハウを蓄積したい、自社のコールセンター設備を生かしたいという企業があります。当社グループでは、マネジメント人材の派遣によるコンサルティング業務やプロのコミュニケーターの派遣を中心としたオンサイト事業の展開加速で、こうした企業ニーズに引き続き応えていきます。

 ビジネス・プロセス・アウトソーシング業務についてはインバウンドや調査業務、データ分析作業はテクノロジーを活用することで、ワントゥワンの対応が必要な攻めの経営に人材資源を集中させ、顧客企業の価値向上に取り組んでいます。加えて、外国語サポートセンターの運用やAIコールの活用など多様化する顧客ニーズへの対応強化も行っていきます。

 近年の消費動向の変化や、DXの急速な進展は、当社グループにとって新たな成長機会となっています。主力の通信インフラセクターにとどまらず、金融、Web/IT、公共、医療といった幅広い事業領域への展開を進めるとともに、これまで培ってきた営業・マーケティングの強みを活かし、インバウンド型のコールセンターや事務作業の受託といったビジネス・プロセス・アウトソーシング分野に業務の幅を広げることで、より強固な収益基盤の構築を目指します。

 そして、これらの成長施策実現に向けて、新たな都市型コンタクトセンターの新設や、既存顧客企業との継続的な取引関係を強化していく中で、サポート体制の強化やコンプライアンスを始めとする従業員教育の徹底を行っていきます。

(注)1.営業員人件費市場は、国内の営業職従事者に対する人件費の総額を指します。

2.企業の広告市場、プロモーションメディア市場の市場規模については株式会社電通「2023年 日本の広告費」より。営業員人件費市場の市場規模については総務省「労働力調査」より、週35時間以上労働を行う営業職従事者数272万人(2023年)に、国税庁「民間給与実態統計調査」より、平均給与所得458万円(2023年)を乗じて算出。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、中長期的な会社の経営戦略の実現を果たすため、以下を対処すべき主要課題と捉えています。

① ガバナンス体制の強化

 当社グループでは、社会から信頼され続ける企業となるため、充実したガバナンス体制を礎に、コンプライアンス体制の強化、充実に努めています。また、当社グループの特徴である、顧客価値を高め、成果を出すことにこだわった経営を実現するため、経営の強い意識と企業文化創りに注力すると同時に、企業グループとして社会規範からの乖離を防止するため、内部統制基本方針に則った経営管理体制の強化を着実に図っています。

 しかしながら、当社グループにおいては、2023年7月18日に公表いたしました「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」のとおり、当社連結子会社である株式会社マケレボにおいて、一部の顧客企業に対する過大請求が発覚いたしました。当社は、この事態に対し、外部の専門家(弁護士及び公認会計士)及び当社の社外取締役(弁護士及び公認会計士)から構成される特別調査委員会を設置し、2023年10月13日に公表した「特別調査委員会からの調査報告書の受領及び第7期(2023年12月期)第2四半期報告書の提出完了のお知らせ」及び「内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせ」のとおり、特別調査委員会から、再発防止策の提言を含めた調査報告書を受領し、過年度の内部統制報告書の訂正報告書の提出を行っております。

 当社は、今回の事態を厳粛に受け止め、特別調査委員会からの4つの提言(①契約遵守を含めたコンプライアンス意識の向上のための措置、②適切な業務実施のための措置、③人事評価制度の見直し、④内部統制上の見直し)に則って再発防止策に順次取り組んでおり、一層のガバナンス体制の強化に努めて参ります。

② 持続的成長基盤の確立

 当社グループのターゲット市場はテレマーケティング市場にとどまらず、7.3兆円といわれる企業の広告市場(特にその一領域であり、1.7兆円の市場規模と言われるプロモーションメディア広告市場)や12兆円を超える営業員人件費市場においてもダイレクトマーケティングのニーズは存在しており、当該市場を含め開拓可能領域が存在する市場であると認識しています。

 当社グループは上記の市場からシェアを獲得すべく当社グループが提供する営業ソリューションサービスのパフォーマンスを梃子に、新規顧客による小口の試験的な取引から本契約へと移行することにより新規顧客を獲得し続けています。また、既存顧客では、顧客企業の営業・マーケティング機能全体の代替、提供する業務範囲の拡張(複数のダイレクトマーケティングチャネルの提供)、取引部署の横展開により取引を拡大し、高い顧客継続率を実現することにより持続的な成長基盤の確立に努めています。

③ 優秀な人材の確保・育成について

 当社グループは、多種多彩な人材の採用やフレキシブルな勤務体系、成果に報いる報酬体系など、独自の採用方針、育成方法により、幅広い人材を確保しつつ、早期に戦力化し、営業・マーケティングのプロフェッショナルスキルを持つ人材プールを構築しています。今後も新規市場を開拓し、持続的に成長し続けるために、優秀な人材を数多く確保・育成することは当社グループの事業展開を図る上で重要であると認識しています。この課題に対処するため、引き続き独自の採用方針、育成方法により、幅広く採用した人材を早期に戦力化し人材を確保することで稼ぐ人材プールの更なる強化を目指していきます。

④ 積極的なICTの利活用

AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などICTを積極的に利活用することで、顧客企業にとって付加価値、利便性の高い営業・マーケティングサービスを提供します。AIやRPAの利活用により、エンドユーザーへの提案精度を高め、エンドユーザーとの“直接の対話”に人材資源を集中し、営業成果を向上させることで顧客企業の価値向上に貢献します。現状では、コミュニケーターの会話のモニタリング、会話スクリプト分析などにおいて、AIやRPAの利活用を進めています。

 当社グループはアウトバウンド中心のコンタクトセンター業務からスタートし、現在では顧客企業の大切な個人データをお預かりし、お客様との関係づくりと営業活動のお手伝いをするCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)のパートナーとなるまで信頼を積み重ねてきました。営業・マーケティングのP(Plan=営業計画)D(Do=コール)C(Check=データ分析)A(Action=フィールド営業・改善)の各フェーズに対して、一貫したサービス体系で貢献できることが当社の強みです。

 当社グループが提供する営業ソリューションサービスを通じて得られた情報は、貴重な個人データの宝庫です。アウトバウンド、インバウンドコールにおけるエンドユーザーの要望やクレーム及び成約・非成約理由をホットボイス(エンドユーザーの本音・生の声)として履歴を残し、ロボットで分析した有益なデータを顧客企業にフィードバックしていきます。分析データは顧客企業が商品の改善やマーケティング手法の構築に活用されるだけでなく、当社グループがその情報に基づいたフィールド営業を行うなど、顧客企業のビジネスを支援します。

⑤ 情報管理体制のさらなる強化

 当社グループの取り扱う情報は、重要な情報資産であり、その情報管理を継続的に強化していくことが重要であるとの認識から、各子会社において情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準規格「ISO27001」の認証及び個人情報の保護体制に対する第三者認証制度であるプライバシーマークを取得しています。

 現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底していますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備などを継続して行っていきます。

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