企業兼大株主ダイフク東証プライム:6383】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、2023年3月期末現在において当社グループが判断したもので、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

(1) サステナビリティ全般に関する開示

社是「日新(ひにあらた)」、経営理念「モノを動かし、心を動かす。」のもと、グループ行動規範に従い、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しています。サステナビリティ経営の実践に際しては、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野10原則からなる「国連グローバル・コンパクト」に賛同・署名するとともに、「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて取り組んでいます。また、当社グループは中計と「サステナビリティアクションプラン」を経営戦略の両輪と位置付け、あらゆる事業活動を通じて社会価値と経済価値の両立に努めています。

 当社グループは、社外機関からの環境・社会・ガバナンス(ESG)、サステナビリティに関する評価を重視するとともに、投資家との直接対話にも注力しています。社外からの評価を活用してPDCAのサイクルを回すことで取り組み内容の充実とたゆみない改善を図っています。

 社外機関の評価の詳細については、以下のURLをご参照ください。

社外からの評価

https://www.daifuku.com/jp/sustainability/external-evaluation/

① ガバナンス

 当社は「サステナビリティ経営」に関する審議項目の取締役会への上程、報告、情報提供を適宜行う「サステナビリティ委員会」を設置しています。同委員会はCEOを委員長、事業部門長及び事業部長、関係執行役員等を委員としており、2023年3月期は5回開催しました。同委員会では環境や人権などに関するさまざまなESG課題への対策について、CEOが活動方針や計画実行の指示を行います。取締役会は、同委員会から報告を受け、必要な施策を決議します。同委員会の傘下には「環境経営分科会」及び「人権・サプライチェーン分科会」を置き、テーマごとに取り組みの具体化を図っています。

 また、当社グループの経営目標の達成に影響を与える重要なリスクを組織横断で管理する目的で、2022年4月にリスクマネジメント委員会を新設しました。同委員会はCEOを委員長、事業部門長及び事業部長、関係執行役員等を委員としており、2023年3月期は3回開催しました。当社グループを取り巻く事業環境が急速に変化する中、迅速な意思決定と健全なリスクテイクの裏付けとなる管理体制の増強を目指して、グループ全体のリスクマネジメント活動を統括する独立の委員会を設置したものです。同委員会はリスクに関する重要な課題を取締役会へ適宜報告します。

② リスク管理

 当社は、サステナビリティに関連するリスク及び機会を踏まえたマテリアリティ(重要課題)を特定しています。マテリアリティはグループの中期経営計画の策定時期に合わせて、事業環境の変化や社会動向を踏まえ、見直しを図ります。2021年に特定した18のマテリアリティは、3カ年(2022年3月期~2024年3月期)の行動計画である「サステナビリティアクションプラン」に落とし込み、グループ全体で各課題に取り組んでいます。その取り組みの進捗は、サステナビリティ委員会が監督しています。

 また、当社はグループ全体を対象とした定期的なリスクアセスメントを実施しています。当社グループの経営目標の達成に影響を与えるリスクを対象とし、特定した重要なリスクについては、リスクマネジメント委員会で必要な対策を検討・実施し、リスクが顕在化する前にその可能性や被害の極小化に努めます。さらに非常時は、リスクが顕在化した後の危機対応を行うBCP推進体制を整備しています。BCP推進体制は、リスクマネジメント委員会と連携して平常時より危機に対する備えを検討・準備しています。大規模災害など危機に直面した際には、迅速に体制を確立し初動対応を行うことで、人命を最優先として二次災害の防止を図ります。詳細は以下のURLをご参照ください。

 リスクマネジメント

https://www.daifuku.com/jp/sustainability/governance/risk-management/

③ 戦略

1) サステナビリティアクションプラン

「サステナビリティアクションプラン」は、「スマート社会への貢献」「製品・サービス品質の維持向上」「経営基盤の強化」「人間尊重」「事業を通じた環境貢献」の5つのテーマを設定し、それぞれに関連するマテリアリティについて3カ年の目標と行動計画を策定したものです。すべての社員があらゆる事業活動を通じてマテリアリティに取り組むことでSDGsの達成に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指します。

 サステナビリティ概念図


〔表〕サステナビリティアクションプランの概要

テーマ

2030年に

目指す姿

マテリアリティ

 

 

KPI(実績評価指標)

2030年Goals

SDGs

スマート社会への貢献

社会課題を解決する新たな技術開発と製品・サービスの提供

革新的技術開発、

発明促進

イノベーションによる物流システムへの新たな価値創出


①イノベーション投資額(注1)

②特許登録件数(累計)

新規領域の創出

事業戦略(M&A、アライアンス等含む)による事業領域の拡大


新業態・新市場への進出、新商品の上市

スマート・ロジスティクスによるお客さまニーズへの対応

先端技術を使った効率化、自動化による顧客価値の創出


製品・サービスへの先端技術の導入

製品・サービス品質の維持向上

安心、安全、高品質な製品提供体制・システムの構築・維持

グローバル化による生産の最適地化

グローバル最適地生産の実現


最適地生産実現に向けた生産拠点の新設・増設、その他の対策実施

製品品質、製品安全の追求

製品に対する品質、安全面でのお客さまの信頼獲得


①製品・システムの安全に関する重大事故(注2)発生件数

②生産拠点におけるISO9001統一認証(注3)取得比率

③セーフティアセッサ資格(注4)取得者数

経営基盤の強化

事業運営と社会的責任の両立

ガバナンスの強化

グループガバナンス体制のさらなる強化

①取締役会の実効性向上

②社員意識の徹底

③確実な内部監査実施

コンプライアンスの徹底

重大な贈収賄事案の根絶


贈収賄に関する研修実施

リスクマネジメント

海外子会社を含むグループリスク管理の実践


重要リスクへの対策実施

サプライチェーンでの責任ある調達

グローバルでのCSR調達の実施



CSR調達の制度確立、及び運用範囲拡大



情報セキュリティの強化

社内グローバルスタンダードの徹底と継続運用

①グローバル情報セキュリティ教育実施回数

②グローバルメール訓練実施回数

透明性の高い情報開示と戦略的なコミュニケーションの実践

ステークホルダー・エンゲージメントの向上


①株主・投資家との対話件数(注5)

②ステークホルダーとのコミュニケーション活性化

人間尊重

人々の安心と快適の追求

労働安全衛生の

徹底

事業活動における労働災害・重大災害の根絶


①度数率:日本(海外)

②強度率:日本(海外)

③労働安全衛生研修受講延べ人数

④重篤災害(注6)発生件数

ダイバーシティ&

インクルージョン

多様な人材が活躍できる環境づくり



①女性管理職数

②障がい者雇用率

③男性の育児休業取得率

働きがいのある職場環境の整備

快適、健康、幸福を実感できる職場の実現



①有給休暇取得率

②ストレスチェック高受検率維持

③心と体の健康づくりイベント実施

人材の育成

個々のキャリア志向に応じた成長機会の提供


①管理職層及び管理職候補への教育強化

②オンラインを活用した研修の展開と自律的な学習の促進

人権配慮

事業に関わるすべての人の権利尊重



①人権に関する職場理解促進

②人権デュー・ディリジェンスの実施

事業を通じた環境貢献(注7)

すべての地域、職場において地球環境への負荷低減につながる取り組みの実践

事業運営における

環境配慮

気候変動、資源枯渇など地球環境への負荷低減策の充実



①自社CO2排出総量削減率(2019年

 3月期比)

②サプライチェーンCO2削減プログラム(注8)参加率

③廃棄物のリサイクル率



環境配慮製品・

サービスの拡充

環境配慮による顧客提供価値の最大化



①製品、サービスを通じたCO2削減貢献量(注9)

②環境貢献物件(注10)売上高

 比率

③新製品のリサイクル可能率


 (注) 1 研究開発費+DX(Digital Transformation)投資額

2 当社の製品・システムの不具合を原因とした稼働中における死亡事故及び重傷病(治療に要する期間が30日以上の負傷・疾病)事故

3 同一の認証機関による同一基準・スケジュールでの審査を実施し、認証を取得・維持すること

4 主に設計者を対象とした国際安全規格に基づく安全の知識、能力を有することを認証する資格

5  2023年3月期から目標を「対話社数」に変更

6 自社の業務中における死亡事故(労働災害)

7 「事業を通じた環境貢献」のKPIは、2024年3月期より「ダイフク環境ビジョン2050」のKPIと同一とします。詳細は、以下の「④ 指標と目標」をご参照ください。

8 調達先におけるCO2排出削減に向けた取り組み(目標の共有と削減対策支援など)に関する当社独自の枠組み

9 お客さまに納入した製品・サービスから排出されるCO2排出量を、基準年度である2012年3月期時点の製品・サービスによるCO2排出量から差し引いたもの

10 ダイフクエコプロダクツ認定製品などを通じて、お客さまに環境配慮の面で貢献した物件(プロジェクト)

2) ダイフク環境ビジョン2050

「モノを動かし、心を動かす。」という経営理念のもと、世界中の人々が心豊かに生きられる社会を創造するためには、健全な地球環境を守ることが前提であり、気候変動をはじめとする環境課題への対応は、極めて重要な経営課題です。当社グループは、2021年2月に2050年を展望した新たな環境ビジョン「ダイフク環境ビジョン2050」を策定しました。そして2023年5月、より高い水準で社会の要請に応えていくため、本ビジョンを改定し、目指す姿をより明確化しました。2050年に「マテリアルハンドリングシステムが環境負荷ゼロで動く世界を実現します。」と掲げ、重点領域を「気候変動への対応」「資源循環の促進」「自然との共生」とし、それぞれの目標を設定しています。当社グループは、サプライチェーン全体で企業としての責任を果たすとともに、私たちが創造したい未来の社会を見据え、本ビジョンの実現を目指します。詳細は、以下〔図〕〔表〕をご覧ください。

 今後、目標達成に向けた具体的なロードマップを策定する予定としており、取り組みの進捗状況はCEOを委員長とするサステナビリティ委員会が管理し、重要な事項は取締役会へ報告します。

〔図〕ダイフク環境ビジョン2050(2023年5月改定)


〔表〕ダイフクグループが取り組む重点領域(2023年5月改定)

3つの重点領域

気候変動への対応

目指す姿:サプライチェーン全体でCO2排出ゼロ

脱炭素社会の実現に貢献する製品・サービスの開発・提供、グループ拠点及びサプライヤーにおけるエネルギーの効率的な利用、再生可能エネルギーの導入などにより、事業活動に伴うCO2排出量をサプライチェーン全体でゼロにします。

資源循環の促進

目指す姿:循環型社会の実現

水をはじめとする資源の持続可能な利用と使用量削減に努めます。また、製品の長寿命化や生産拠点から排出される廃棄物量の最少化、使用済み製品・部品のリサイクル拡大などにより循環型社会の形成に貢献します。

自然との共生

目指す姿:自然資本に与える負の影響ゼロ

事業活動が地球環境に与える影響を把握したうえで、生態系サービスの持続可能な利用と生物多様性の保全に努めます。大気・水・土壌など自然資本への負の影響の最小化を図り、ステークホルダーとともに自然との共生を実践します。

3) 人権デュー・ディリジェンス(DD)への取り組み

2021年10月、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、「ダイフクグループ人権方針」を策定しました。2023年3月期より、当社のサプライチェーンを含め事業活動全般に関係する人権への負の影響を特定・分析・評価し、是正・緩和・予防する仕組みの構築と運用及び人権DDを継続的に実施するためのリスク評価に取り組んでいます。2023年3月期は人権DDの最初の取り組みとして、人権への負の影響評価及び人権課題を特定するための「人権リスクアセスメント(潜在的リスク評価)」を実施しました。その結果、当社グループが優先的に取り組むべき人権課題として「委託先を含むサプライチェーン上の国内の外国人労働者」と「原材料調達先の労働者」を特定しました。サプライチェーンへのヒアリング等を実施し、人権の負の影響や助長が明らかとなった場合には、適切かつ効果的な救済措置を講じていきます。

〔図〕人権デュー・ディリジェンスのプロセス


 詳細は以下のURLをご参照ください。

 人権

https://www.daifuku.com/jp/sustainability/society/human-rights/

④ 指標と目標

1) サステナビリティアクションプラン

 サステナビリティアクションプランにて、それぞれのマテリアリティについてKPIを設定し2022年3月期~2024年3月期の目標を設定しています。なお、テーマ「事業を通じた環境貢献」に関連するKPIについては、2024年3月期より変更し、改定後の「ダイフク環境ビジョン2050」のKPIと同一とします。詳細は、以下の「2) ダイフク環境ビジョン2050」をご覧ください。2023年3月期の実績は、当社ウェブサイトにて2023年8月に開示予定です。詳細は以下のURLをご参照ください。

 サステナビリティアクションプラン

https://www.daifuku.com/jp/sustainability/management/plan/

 サステナビリティアクションプラン 2022年3月期実績

https://www.daifuku.com/jp/sustainability/assets/pdf/management/plan/actionplan_results_2021.pdf

〔表〕サステナビリティアクションプランのKPI及び目標

テーマ

マテリアリティ

KPI

(実績評価指標)

スコープ

目標

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

スマート社会への貢献

革新的技術開発、発明促進

①イノベーション投資額(注1)

グローバル

①150億円

①150億円

①150億円

②特許登録件数(累計)

②3,600件

②3,800件

②4,100件

新規領域の創出

新業態・新市場への進出、新商品の上市

グローバル

・大学・企業との共同研究や協業による開発

・新たな自動化ソリューションの提供

・新規顧客の開拓、グローバルでのビジネスエリア拡大

・サービス事業の拡大

スマート・ロジスティクスによるお客さまニーズへの対応

製品・サービスへの先端技術の導入

グローバル

・無線・5G技術、二次電池の活用

・AI技術を活用した高効率なシステム、予知保全システム導入

・給電装置の高度化による消費電力の削減

・IoT活用による保守サービスの効率化

製品・サービス品質の維持向上

グローバル化による生産の最適地化

最適地生産実現に向けた生産拠点の新設・増設、その他の対策実施

グローバル

・グローバルでの調達ネットワークの構築と

 生産技術の共有
・海外子会社における対応力

 (営業~生産・サービス)の強化
・集約・内製化による最適分担生産

製品品質、製品安全の追求

①製品・システムの安全に関する重大事故(注2)発生件数

②生産拠点におけるISO9001統一認証(注3)取得比率

③セーフティアセッサ資格(注4)取得者数

①②
グローバル
③日本

①0件
②60%
③160名

①0件
②60%
③190名

①0件
②65%
③220名

テーマ

マテリアリティ

KPI(実績評価指標)

スコープ

目標

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

経営基盤の強化

ガバナンスの強化

①取締役会の実効性向上
②社員意識の徹底
③確実な内部監査実施

グローバル

①実効性向上への取り組み実施

②グループ行動規範のグローバルでの浸透策実施

③国内部署・海外子会社での内部監査(全300件/3カ年)実施と内部評価の適合維持

コンプライアンスの徹底

贈収賄に関する研修実施

グローバル

受発注権限を持つ国内外全対象者への研修実施・フォローアップ

リスクマネジメント

重要リスクへの対策実施

グローバル

・定期的なリスクアセスメント
・リスクマネジメント方針の策定と周知浸透
・重要リスク対策の実施
・リスク対応トレーニングの実施

サプライチェーンでの責任ある調達

CSR調達の制度確立、及び運用範囲拡大

グローバル

CSR調達基準の見直しと新規ガイドライン策定、国内外への展開

情報セキュリティの強化

①グローバル情報セキュリティ教育実施回数

②グローバルメール訓練実施回数

グローバル

①2回
②3回

①4回
②4回

①4回+訓練フォロー教育

②4回

透明性の高い情報開示と戦略的なコミュニケーションの実践

①株主・投資家との対話件数(注5)

グローバル
②日本

①370件

 (ESG関連10件)

①1,200社(ESG関連20社)

①1,200社
(ESG関連20社)

②ステークホルダーとのコミュニケーション活性化

・日に新た館のリニューアルオープンを基軸としたブランド訴求施策の実施

・理工系学生向けモノづくりイベント実施

・社員による社会貢献活動への参画

テーマ

マテリアリティ

KPI(実績評価指標)

スコープ

目標

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

人間尊重

労働安全衛生の徹底

①度数率:日本(海外)

②強度率:日本(海外)

③労働安全衛生研修受講延べ人数

④重篤災害(注6)発生件数

グローバル

①0.4(0.9)
②0.02(0.03)
③1,500名
④0件

①0.4(0.8)
②0.01(0.02)
③1,600名
④0件

①0.3(0.6)
②0.01(0.02)
③1,700名
④0件

ダイバーシティ&インクルージョン

①女性管理職数
②障がい者雇用率
③男性の育児休業取得率

日本

①19名
②2.3%
③5%

①25名
②2.3%
③8%

①31名
②2.3%以上
③20%(50%)(注7)

働きがいのある職場環境の整備

①有給休暇取得率

②ストレスチェック高受検率維持

日本

①73%
②96%

①76%
②96%

①80%
②96%以上

③心と体の健康づくりイベント実施

③主要拠点を中心としたイベントの継続実施

人材の育成

①管理職層及び管理職候補への教育強化

②オンラインを活用した研修の展開と自律的な学習の促進

日本

①昇格候補者の特性に応じた教育の実施
②研修教材のオンデマンドライブラリ整備

人権配慮

①人権に関する職場理解促進

②人権デュー・ディリジェンスの実施

グローバル

①グループ社員への人権研修実施

②人権方針策定、社内外への周知、デュー・ディリジェンス実施

事業を通じた環境貢献

事業運営における環境配慮

①自社CO₂排出総量削減率(2018年度比)

②サプライチェーンCO₂削減プログラム(注8)参加企業率

③廃棄物のリサイクル率(注9)

①③
グローバル
②日本

①2.5%削減

②32%

③海外拠点調査、目標設定

①5.0%削減
②34%
③99%

2024年3月期のKPIは、改定後の「ダイフク環境ビジョン2050」に合わせて変更となりました。詳細は下記表をご覧ください。

環境配慮製品・サービスの拡充

①製品、サービスを通じたCO₂削減貢献量(注10)

②環境貢献物件(注11)売上高比率

③新製品のリサイクル可能率

グローバル

①30,000  t-CO₂

②43%

③90%

①60,000  t-CO₂

②46%

③90%

 

(注)1 研究開発費+DX(Digital Transformation)投資額

2 当社の製品・システムの不具合を原因とした稼働中における死亡事故及び重傷病(治療に要する期間が30日以上の負傷・疾病)事故

3 同一の認証機関による同一基準・スケジュールでの審査を実施し、認証を取得・維持すること

4 主に設計者を対象とした国際安全規格に基づく安全の知識、能力を有することを認証する資格

5  2023年3月期から目標を「対話社数」に変更

6 自社の業務中における死亡事故(労働災害)

7 ()内は改正育児介護休業法に基づいた数値を記載

8 調達先におけるCO2排出削減に向けた取り組み(目標の共有と削減対策支援など)に関する当社独自の枠組み

9 北米拠点を除く

10 お客さまに納入した製品・サービスから排出されるCO2排出量を、基準年度である2012年3月期時点の製品・サービスによるCO2排出量から差し引いたもの

11 ダイフクエコプロダクツ認定製品などを通じて、お客さまに環境配慮の面で貢献した物件(プロジェクト)

2) ダイフク環境ビジョン2050

「ダイフク環境ビジョン2050」の改定にあたっては、2030年の目標も合わせて見直し、CO2排出量削減目標をパリ協定が求める1.5℃目標の水準に設定したほか、水資源及び生物多様性保全についても新たに目標を設定しました。刻々と変化する社会動向や事業環境に対応できるよう、目標は定期的に見直し、必要に応じて再設定します。また、今回設定した「気候変動への対応」に係る2030年 環境目標については、企業に対し科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出量削減目標の設定を求める「SBT(Science Based Targets)イニシアティブ」に目標を申請中です。2024年3月期中のSBT認定取得を目指します。

〔表〕2030年 環境目標

重点領域

KPI(実績評価指標)

2024年3月期

(目標)(注1)

2031年3月期

(目標)

気候変動への対応

自社CO2排出量

(スコープ1+2)

2019年3月期比

21.0%削減

2019年3月期比 50.4%削減

購入した製品・サービスに伴うCO2排出量(スコープ3 カテゴリ1)

サプライチェーンCO2削減プログラム(注2)運用開始

 

2019年3月期比 

30%削減(注3)

 

販売した製品の使用に伴うCO2排出量

(スコープ3 カテゴリ11)

2019年3月期比

12.5%削減

資源循環の促進

廃棄物の埋立率

国内:1%未満

海外:5%未満

1%未満

水使用量売上高原単位(注4)

2019年3月期比

12.5%削減

2019年3月期比 

30%削減

自然との共生

主要拠点(注5)における生物多様性保全活動実施率

 ・保全活動のメニュー化

・グループ全体への周知活動実施

100%

サステナビリティアクション(注6)年間延べ参加者数

1万2,000人

 

3万人

(注)1 サステナビリティアクションプランの2024年3月期の目標

2 調達先におけるCO2排出量削減に向けた取り組み(目標の共有と削減対策支援など)に関する当社独自の枠組み

3 スコープ3のカテゴリ1及びカテゴリ11合わせての目標

4 水使用量(千㎥)/売上高(億円)

5 従業員数100人以上の拠点

6 サステナビリティに関する啓発・教育のための当社独自の社員参加型プログラム

 その他のESGに関するデータの詳細は以下のURLをご参照ください。

ESGデータ

https://www.daifuku.com/jp/sustainability/esg-data/

(2) 気候変動に関する開示

 当社グループは、2020年にTCFD提言に基づく気候関連のリスク及び機会の分析結果について公表しました。その後、2023年5月の「ダイフク環境ビジョン2050」の改定に伴い、気候関連の指標及び目標を変更しています。今後、気候変動へのより具体的な取り組みを加速し、TCFD提言へのさらなる対応を進めていきます。TCFDに基づく開示(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)及び気候関連のデータの詳細は以下のURLをご参照ください。2023年3月期のCO2排出量は、2023年8月に開示予定です。

 気候変動

https://www.daifuku.com/jp/sustainability/environment/climate-change/

 シナリオ分析

 気候変動関連のリスクと機会について、21世紀中の気温上昇が①4℃となる場合(現状のまま世界が温室効果ガスを排出)、②1.5℃未満となる場合(温室効果ガスの排出規制が急速に強化される)の2つのシナリオに基づいて分析しました。その結果、①では台風や水害など、②では炭素税課税により利益ベースで5.6億円(2020年6月時点)が減少する可能性などがあり、事業コスト増加の影響が見込まれますが、いずれのシナリオにおいても自動化投資の促進や環境配慮製品のニーズの高まりが見込まれ、コストを上回る製品・サービス需要が拡大する見通しであることが示されました。

〔表〕気候変動関連のリスクと機会(2020年6月時点)

シナリオ
 (2050年)

事象

影響

ダイフクの備え

物理的シナリオ
 (4℃上昇)

リスク

急性

大雨の増加(洪水)

入出荷物資・設備の毀損、自社工場等の操業停止

2社購買の徹底

BCPの継続的な見直し

慢性

年平均気温の上昇

夏場の高温による工場等での従業員の熱中症リスク

作業環境の改善、インフラ整備

機会

物理

気温上昇による顧客からのコールドチェーン・eコマース・省力化需要の高まり

コールドチェーン・eコマース・省力化に向けた自社製品・サービス需要の増加

東南アジアで需要拡大に向けた生産体制の構築

移行シナリオ
 (1.5℃上昇)

移行

CO2排出規制強化による顧客からの効率改善(省エネ)需要の高まり

顧客要望変化への対応が可能に(顧客のCO2排出削減に貢献する製品・サービス需要増)

ダイフクエコプロダクツを通じて顧客のCO2排出量削減に貢献

リスク

政策・法規制

CO2排出関連規制の強化

炭素税等による調達コスト・操業コストの増加
⇒グローバルのCO2排出量(2019年3月期)約40,000tの場合、炭素価格14,000円/t(2040年)とすると5.6億円/年

自社のCO2排出削減を推進 

・グローバルなエネルギー管理 

・再エネ設備の導入

・省エネ設備更新

① 移行リスク対策

 顧客による物流、生産における環境負荷低減ニーズのさらなる高まりを織り込んで、環境配慮製品(83製品:2023年5月時点)の開発・販売に注力します。また、事業運営における脱炭素化を進めるべく、グローバルの主要生産拠点の再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査や同エネルギー導入計画の立案を行っています。

② 物理的リスク対策

 当社グループ全体で実施しているリスクアセスメントの中で、台風や洪水を含む自然災害を重要な影響を与えるリスクとして特定しています。サプライチェーンも含めた事業継続計画の実効性向上のため、事業影響度の分析や各事業部門における体制表の見直しを実施するとともに、生産拠点の多様化や重要部品における2社購買の実施など供給停止のリスクを低減しています。さらに生産及び工事・サービス現場においては、高温化に対する作業環境の継続的な改善や安全衛生管理の徹底に努めています。

(3) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

① 戦略

当社は、経営理念に基づいた多様な人材の雇用と、従業員の一人ひとりが「働きがい」と「働きやすさ」を感じ、いきいきと仕事ができる環境の整備を推進しています。中計では、多様な人財マネジメント制度の採用やグローバルベースでの企業カルチャー醸成をテーマとして掲げ、人財育成・登用や従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。

〔表〕人材育成の重点施策

重点施策

内容

管理職候補者への事前履修制度

部長職、課長職、係長職候補者の計画的な育成及び自律的な学びの促進を目的に、ビジネススキル及び知識に関するeラーニングの履修を管理監督職への推薦要件としている

リーダー養成研修

幹部候補を早期に養成するため、係長層を対象にビジネススクールのMBAプログラムに基づき実施。2022年3月期からは女性特別推薦枠を設定している

トレーニー制度

1.語学トレーニー制度:国内研修を経て、海外大学等への語学留学
2.ビジネストレーニー制度:海外スタッフが日本本社にて勤務し、OJTを中心に研修を実施

eラーニングシステムの更新

2023年3月期にeラーニングマネジメントシステムを更新し、海外グループ会社にも展開している

② 指標と目標

 人的資本に関する戦略に基づき、体系的かつ重点的に施策を展開しています。指標及び目標については、サステナビリティアクションプランとも連動させ、従業員エンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョン、職場環境整備等の観点から以下のとおり設定しています。

〔表〕指標及び目標

指標

2022年

3月期実績

2023年

3月期実績

2024年

3月期目標

備考

従業員エンゲージメントサーベイ

働きがい:

56%
働きやすさ:51%(肯定的回答率)

2022年3月期:国内グループ会社対象に実施

2024年3月期:海外グループ会社で

       実施予定

2025年3月期:国内+海外グループ会社で

       実施予定

女性管理職数

20名

26名

31名

障がい者雇用率

2.54%

2.48%

2.3%以上

2022~2024年3月期の法定雇用率:2.3%

ストレスチェック高受検率維持

97%

99%

96%以上

③ 目標に対する取り組み

1) 従業員エンゲージメント

 当社グループでは、従業員エンゲージメントを、従業員の「働きがい」、「働きやすさ」、そして「従業員と会社が相互に成長できるキャリアの実現」と定義し、各要素の向上を目指しています。2022年3月期は国内グループでエンゲージメントサーベイを実施し、お客さま志向や経営層への信頼といった強みの部分が見られた一方、組織間の連携や従業員個人のキャリア形成支援については課題として認識されました。全社横断的な施策と個々の職場での改善活動を組み合わせ、従業員エンゲージメント向上に取り組んでいきます。加えて、当社グループがグローバルで成長を続けるためには、これまで築き上げてきた企業風土や、大切にしてきた価値観をいかに共有し、発展させていくかが重要な課題です。2024年3月期には海外グループエンゲージメントサーベイの実施を予定しており、グループ全体で企業カルチャーの醸成に取り組んでいます。

2) 女性管理職数

 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画にて設定していた女性管理職者数の目標を2021年12月に上方修正し、女性管理職の登用への取り組みを一層強化しています。毎年、新任マネージャー職研修において、「ダイバーシティ及びワークライフ・マネジメントの推進プログラム」と「女性部下育成セッション」を実施しているほか、幹部候補養成を目的とした「リーダー養成研修」に女性特別推薦枠を設定するなど、管理職を育成する環境を整備しています。こうした取り組みにより、女性社員に管理職へのキャリアパスを意識付けるとともに、スキルアップに取り組む機会を提供し、管理職候補の裾野拡大を図ります。

3) 障がいのある従業員の活躍

 滋賀事業所に所属の「業務サービスグループ」では、公共職業安定所、就労アドバイザーならびに学校関係者等と連携しながら障がい者の定期採用を継続的に行っており、一人ひとりが能力を発揮し、やりがいを持って働き続けられるよう、独自の教育プログラムを組んで人材を育成しています。入社後5年程度を目安に実習を重ねながら適性を見極め、職務能力を段階的に高めることで、各事業部の製造部門をはじめとする現場で活躍できる人材を輩出しています。

4) 健康経営の実践

 当社では、健康課題を特定し、それらを解決するための手段や具体的取り組みを見える化した上で、さまざまな施策に取り組んでいます。生活習慣の改善・疾病予防については、KPIを設定し、目標の達成を目指しています。

〔図〕健康経営の戦略マップ


 当社における人材の多様性の確保を含む社内環境整備に関する方針、人材の育成に関する方針等は以下のURLをご参照ください。

 コーポレートガバナンス・コードの各原則に係る当社の取り組み状況

https://www.daifuku.com/jp/ir/assets/governance_policy_initiative.pdf

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