企業ダイジェット工業東証スタンダード:6138】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループにおいて、研究開発活動は連結財務諸表を作成する当社のみが行っております。当社の研究開発については以下のとおりであります。
 当社グループにおける研究開発は、超硬工具の一貫製造メーカーの強みを活かし、超硬合金・切削工具・耐摩耗用工具の研究開発部門が連携をとり、市場変化、顧客ニーズに即応した商品性の高い新製品開発を行っております。基本方針としましては、高能率・高精度化及び長加工寿命化によりお客様のリードタイム短縮と加工コスト低減に貢献する。また、製造時の消費エネルギー削減により環境に優しい製品を開発することを掲げております。

・材料及びコーティング被膜の開発

 基本方針のもと、切削工具用コーティング材種及び耐摩耗用工具材種の改良・開発を行い、生産効率、品質、精度向上を目指した取組みを実施しております。

 当連結会計年度の研究開発におきましては、ステンレス鋼切削用インサートの寿命を大幅に向上させたコーティング被膜の開発を完了し、性能評価を開始しました。良好な結果が得られれば、標準化を行い市場投入いたします。また、サーメタルの磁性を超硬レベルにすることで特殊用途に適用できることが判明し、試作品にて目標磁性を達成いたしました。今後ユーザーでの評価試験へと進めてまいります。

・新素材の市場開拓及び加工技術の開発

 耐摩耗用工具分野では、合金から工具までを社内で一貫して製造するメーカーとしてのノウハウを活かした当社独自の材料を開発し、自動車業界を中心に新規事業分野へ金型を投入しております。

 また、顧客ニーズに応えるべく、開発材料の加工方法の違いによる残留応力の疲労寿命への影響や各種基礎データの蓄積を行うと共に、加工技術において、切削工具部門との連携により疲労寿命の向上が期待できる直彫り加工を推進し、金型形状の再現性を高め、寿命の安定化を目指した取組みを進めております。

 今後も当社の開発材料や加工技術等の独自技術を活かした金型を投入してまいります。

・高能率荒加工用刃先交換式高送りカッタの開発

 金型の切削荒加工では、リードタイム短縮や機械への負担軽減の目的で高送り工具を選定し、高能率に加工することが主流となっております。小径多刃工具の刃先交換式高送りカッタ「EXSKS-05形」を開発し、EXSKSシリーズを拡張することで、幅広い加工への対応が可能となりました。

 「EXSKS-05形」の特長は、

①小型多刃による高能率高送り加工が可能なカッタであり、ランピングやヘリカル加工などの掘込み加工において、特に優れた性能を発揮いたします。

②低抵抗なヘリカル形状を採用したインサートは、片面3コーナーネガタイプの両面6コーナ―使用が可能となっており、経済性に優れております。

③カッタ本体の切りくず溝を最適化し、切りくず擦れを防止する外周溝を設けるなど、高送り加工時の切りくず排出性を向上させ、省人化・無人化が可能な信頼性の高い工具となっております。

④インサート拘束面はダブテイル構造を採用し、従来より一回り大きいサイズのクランプねじを使用することにより強固に固定でき、小径工具に起こりやすいクランプねじ折損のトラブルを大幅に低減することを可能としました。

⑤高能率加工による消費電力の削減と長寿命加工による廃却工具の削減で環境に優しい製品として、2023年度日本機械工具工業会の環境調和製品に認定されました。

・アルミニウム合金加工用刃先交換式工具の開発

 自動車や航空機業界では地球温暖化の対策としてカーボンニュートラルに向けた動きがさらに加速しており、部品の軽量化に伴うアルミニウム合金の使用が増加しております。小径かつ多刃化による高能率加工への要求に応え、アルミニウム合金加工用刃先交換式カッタ「エアロチッパーミニ MAM形」を開発いたしました。

 「エアロチッパーミニ MAM形」の特長は、

①小径インサートの多刃仕様として、最小径φ16からのラインナップで、高能率な荒加工から高い立て壁仕上げ精度と正面加工精度が得られる工具仕様としております。

②高精度な3次元ブレーカ形状の研削級インサートにより切削抵抗を低減し、飛散防止キー構造を採用して高速回転仕様とすることで、アルミニウム合金の高能率加工を可能としています。

③超硬シャンクアーバー頑固一徹との組み合わせで様々な突き出し長さの加工に対応でき、肩削りや溝削りだけでなく、ランピングやヘリカルなど多機能な加工を可能としています。


 なお、当連結会計年度の試作製造・技術改良等を含めた研究開発活動に要した費用は353百万円であります。

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