タダノ 【東証プライム:6395】「機械」 へ投稿
企業概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の大半は、当社の開発部門及び技術研究部門で行われており、両部門では国内及び海外の市場ニーズに即したクレーン車、高所作業車及びそれらの応用製品、新技術・先端技術の研究開発活動を行っております。開発部門では近年、国内外での次期排ガス規制対応と脱炭素化に向けた研究・開発に取組んでおります。一方、技術研究部門では大学や他企業との共同研究等を通じ、AI等の最新ICT技術を活用して、作業容易化、自動化、省力化等に関する技術開発に取り組むことで、より安全で迅速、効率的な作業の実現を目指しております。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動に要した金額は、研究材料費、人件費等、総額9,352百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)日本
①技術研究部門の取り組み
技術研究部門は、当社製品が使われる建設現場でのより安全な作業環境確保の要請や、少子高齢化による生産年齢人口の減少を背景に、建設施工の安全性と生産性の向上を目指し、未来を見据えた新技術開発に取り組んでおります。その取り組みの一部として、次のようなものがあります。研究開発を加速させるために、従来の構造解析に加え、油圧・空圧の流体解析、制御シミュレーションや安全解析に注力しております。対象領域も、機械自体の状態検出という内界センシングから機械周囲の外界センシング、さらに環境認識へと範囲を広げた研究開発に取り組んでおります。また、建設施工の安全性と生産性を向上させる取り組みとして、作業所におけるさらなる高効率化や省人化を目指し、建設業界全体の生産性及び魅力向上を推進するために設立された建設RXコンソーシアムに参画し、技術連携を推進しております。
大学との共同研究においては、包括連携共同研究を行っている京都大学との間で、新たな分野の共同研究を開始し、文系理系の枠にとらわれず、広く応用可能な研究・学術的視点を包括連携で得て研究を推進しております。また、ベンチャーを含め民間企業との共同開発も活発化させ、オープンイノベーションへも積極的に取り組んでおります。
②日本市場向け25t吊りフル電動ラフテレーンクレーン「EVOLT eGR-250N」の開発、発売
・特長
1)世界初、フル電動ラフテレーンクレーン
2)最大吊上げ性能25t、最大作業半径34m、最大地上揚程44.2m、最高速度49km/h。従来機のG5シリーズで搭載しているタダノビューシステムやセットアップラジコンなど継続搭載。
3)走行及びクレーン作業時の騒音が大きく改善
4)走行用に高出力電動モータを搭載。加速性能が飛躍的に向上し、ギア変速時のショックもなくスムーズな走行が可能
5)バッテリは容量226kWhのリチウムイオン電池を使用。満充電で平均的な1日のクレーン作業と走行が可能。
6)CHAdeMO急速充電方式と三相交流200Vの普通充電方式を採用
③日本市場向けオールテレーンクレーンAC 5.220-1、AC 5.140-1の開発、発売
・特長
1)従来のATF-220N-5.1、ATF-140N-5.1の高い搬送性、クレーン性能、ジブ仕様、作業の効率と快適性、安全性はそのままに、新モデルとして開発
2)現在、世界で最も厳しい排ガス規制のひとつである欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載
3)テレマティクスWeb情報サービス「HELLO-NET」を標準装備。「HELLO-NET」は携帯通信によるクレーンの稼働状況の掌握と、GPSによる位置情報確認、さらに保守管理のための情報をウェブサイトでサポート。
④日本市場向けオールテレーンクレーンAC 6.300-1の開発、発売
・特長
1)現在、世界で最も厳しい排ガス規制のひとつである欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載。また、クレーン部とキャリヤ部共通のシングルエンジン方式を採用し、定期メンテナンスの負担を低減。
2)200t-400t吊りクラス最長の80mロングブームを採用し、高揚程の作業とパワフルな吊り上げ性能を両立
3)スタンダード仕様の油圧チルト式ジブのほか、フルスペック仕様では8種類の豊富なジブ仕様を設定
⑤日本市場向け高所作業車AT-280XTGの開発、発売
・特長
1)3.5t車クラスへの架装が可能となったことで準中型免許での走行が可能。コンパクトな車両は従来機(AT-270TG)より走行燃費の向上や、CO2排出量の低減など環境改善にも貢献。
2)フルハーネス型墜落制止用器具装置の装着時でもバスケットへの乗り降りが容易な扉付きのバケットを採用
⑥日本市場向け高架道路・橋梁点検車BT-300の開発、発売
・特長
1)デッキ本体に180°の旋回機能を追加し、デッキ作業範囲を約73%拡大(既存モデルBT-200との比較)
2)右側アウトリガの張出により、車両右側性能を確保
3)車両総重量を11t未満に抑え、中型免許で運転が可能
⑦日本市場向け軌道陸上兼用高所作業車AT-150DWの開発、発売
・特長
1)車両総重量を8t未満に抑え、中型免許(8t限定)で運転が可能
2)作業時でも揺動フレームを固定することで安定した状態を保ち、オンレール作業の性能を大きく向上
3)山側性能と谷側性能を自動で切り替え、カント上での作業効率を向上
4)車両中央付近の転車台により、スピーディな載線・離線が可能
⑧北米市場向けトラッククレーンGT-1200XL-2、GT-800XL-2の開発、発売
・特長
1)広々としたフルサイズキャビンは2人定員とし、フロント、リヤには独立したエアサスペンションを搭載、長距離の移動も快適な乗り心地を提供
2)GT-1200XL-2は51.0mのブーム長で5段ピンニング方式を採用、GT-800XL-2は47.0mのブーム長で5段同時伸縮方式の長尺ブームを採用
3)クレーン操作部にはキャブチルト、大型のモニター(AML-E)、スマートチャート性能など、ラフテレーンクレーンと共通の機能・コンポーネントを採用
当事業セグメントに係る研究開発費は5,365百万円であります。
(2)欧州
海外市場向けオールテレーンクレーンAC 4.070-2の開発、発売
・特長
1)現在、世界で最も厳しい排ガス規制のひとつである欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載
2)全長11.7m、全幅2.55m、全高3.8mは同クラスの4軸クレーンで最もコンパクト
3)車軸レイアウト(軸間の寸法)の変更により、米国の広いエリアで通行許可取得を容易化
4) 安全装置IC-1 Plusにより任意のアウトリガ張出長さへの対応が可能
当事業セグメントに係る研究開発費は3,728百万円であります。
(3)米州
当連結会計年度において新たな製品の発売はありませんが、テレスコピックブームクローラクレーンの開発を継続して行っております。
当事業セグメントに係る研究開発費は258百万円であります。
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