ソフトウェア・サービス 【東証スタンダード:3733】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
経営理念
人を活かすシステムの創造で社会に貢献します。明日の健康、医療、介護を情報システムで支援いたします。
基本ポリシー
「専門特化」:健康・医療・介護分野に特化したシステムを開発し、専門性を発揮する。
「創造価値」:無から知識・技術・経験を活かした価値を自ら創造する。
「自主独立」:開発・販売・導入・保守を一貫して自社で行う。
(2)経営環境
我が国の推計によると、将来において人口減少・高齢化率の上昇が見込まれており、国民の健康増進や切れ目のない質の高い医療提供体制を構築が必要不可欠となります。医療分野のデジタル化を進め、医療情報の利活用を推進することで、医療現場等における業務効率化の促進、より効率的・効果的な医療の提供が求められております。
そのような中で、2030年を目途に以下のような医療政策が掲げられており、ICT等を活用した医療分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、新しい診療の在り方が模索されています。
・マイナンバーカードと健康保険証の一体化
・全国医療情報プラットフォームの構築
・電子カルテ情報の標準化(HL7FHIR規格)
・診療報酬DX
これらの要因は、その中核となる医療情報システムの普及拡大をますます進めるものと考えられます。また、既に電子カルテシステムを導入している医療機関等へのリプレイス市場の拡大も見込まれ、今後も確固たる立場を確保するため注力してまいります。
(3)経営戦略・目標とする経営指標
当社グループは、経営理念を実現し、社会に貢献し続けることが使命と考えております。その達成に向けて以下の3つを軸とした経営戦略のもと、成長過程にある医療情報システム市場での確固たる地位を確立し、企業価値の向上を目指してまいります。
① シェアの拡大
成長過程にある医療情報システム市場においては、より多くの医療機関等へ当社システムを導入し、一定の存在感・発言力を維持することが継続的な事業拡大において重要であると考えております。2025年10月期末までに1,000ユーザー以上を目標とし、継続的なユーザーの確保を進めてまいります。
② 保守サービスの拡充によるストック型収益の確保・拡大
保守サービス等のストック型収益を拡充することは、当社グループの市場における確固たる地位の確立につながるのみならず、短期的には経常的な収益に、中長期的には経営基盤の安定にもつながるため重要であると考えております。新規ユーザーを獲得すると同時に、既存ユーザーにも継続利用してもらうことでストック型収益の確保・拡大に取り組んでまいります。
③ 収益力の強化
今後ますます激化する市場競争に対応し、確実かつ継続的な成長をしていくために、現状に甘んじることなく、効率的なシステム導入の実現などを通して、収益力の強化を行っていくことが企業価値の向上につながると考えております。経常利益率20%以上を努力目標値とし、収益力の強化を図ってまいります。
当連結会計年度では、890ユーザー(前年同期比68ユーザー増加)、保守売上高8,059百万円(前年同期比11.1%増)となり、経常利益率19.5%となりました。
(4)対処すべき課題等
① 人財の増強、定着及び継続的な教育
当社グループは開発から販売・導入・保守を全て一貫して自社で行うため、人財の増強の成否が事業の拡大に大きな影響を及ぼします。
継続的にシステム・サービスの品質の向上・拡充や、変化するニーズを満たすためには、医療や介護といった専門領域の知識やそれを具現化するIT分野における専門知識が求められます。
そのために当社グループでは新卒採用を中心に人員の充実に努め、また、社員が中長期で活躍できる環境を整えることで社員の定着に努めております。更に、全社をあげた体系的な教育体制の確立のために各部横断の委員会を作り、社内教育のコンテンツを充実させ、社員に還元することで人財の充実に努めております。
② 製品ラインナップ拡充、品質の向上による販売強化
システムの技術、医療現場のニーズは日進月歩であり、常に成長・変化に対応し続け、毎年着実にシステム導入をすることが経営戦略上重要であると考えております。
当社グループは、主力製品である電子カルテシステムとオーダリングシステムだけではなく、医療機関における様々な部門の業務支援を行うサブ(部門)システムの開発も行っております。また、技術面でもモバイル活用、クラウド技術の活用などの研究開発を行っており、試験運用も含め、新製品開発を進めております。このような取り組みを通じ、現場のニーズを捉え、多くの専門職の要望を満たすために、ラインナップの拡充を図り、より品質の高い製品を提供してまいります。
③ 顧客との関係強化
変化し続けるニーズを捉え、確実に対応するためには、医療機関等の現場での情報発信及び情報収集が重要であると考えております。
システム導入中における導入作業及びシステム導入後の保守期間においても、運用相談やフォローを継続し、ユーザーと共存共栄の関係構築を目指してまいります。医療機関におきましては、その地域特性に合わせた病院・病床機能の役割決めや、医療・介護の連携、在宅医療の推進等、新しい医療介護の在り方や取り組みが求められております。その中で、当社グループはユーザーの良きパートナーとして、システムの提供を通して医療の効率化や品質向上、地域連携の実現等をサポートしてまいります。
④ システム導入の効率化
今後、ますます激化する市場競争に対応し、医療機関及び当社グループの双方において、システム導入の負荷を軽減することは、競争上の強みとなり得ると考えております。現状、当社グループの主力製品である電子カルテシステムの稼働までには約4~6ヶ月間を要します。当社グループの培った経験を活かし、システム導入の過渡期~稼働後を見据えた支援、効率的かつ効果的なシステム導入を行うことが、中長期的にも医療機関に寄与するものと考えております。そのためには、導入作業を標準化・効率化し、一定以上の知識・スキルを持った社員を投下できる体制を整えてまいります。
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