ソトー 【東証スタンダード:3571】「繊維製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、企業理念として「感性技術で未来を拓く」をスローガンとし、優れた感性と技術で新しい「価値」を創造し、人々の暮らしに新鮮な喜びや豊かさをもたらすことを企業の使命とし、事業領域と輸出の拡大を図り、安定的、持続的な成長の実現を目指します。また、ファッション衣料業界のキーインダストリーと言われる染色加工事業を通して、産地のリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立し、産業の発展と企業価値向上に寄与していくことを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、染色加工事業並びにテキスタイル事業において、急速に変化する市場環境に柔軟に対応する体制を確立し、安定的・持続的な利益基盤の確立と成長を目指し、ROE(連結自己資本利益率)5%、DOE(連結純資産配当率)2.5%を当面の目標といたします。
(3)中長期的な会社の経営戦略
基本方針
・既存事業における安定的な収益基盤の確立
・SDGsへの取り組みによる企業価値向上
・DX・IT化推進による業務改革
・水平・垂直展開における新たな事業領域拡大
<構造改革>
染色加工事業における安定的収益基盤を構築します。
①常に全体最適な生産体制を考えた工場運営にあたります。
②染色改革と環境負荷低減活動を推進し、さらなるコストダウンを図ります。
③柔軟な人員体制により、生産性の向上を図ります。
④社員教育を充実させ、従業員の意識改革を図ります。
<成長戦略>
染色加工事業とテキスタイル事業の連携を強化し、素材・加工開発を進め新たな市場を開拓します。
①化合繊のオリジナルな加工開発を進め、事業領域の拡大を図ります。
②市場ニーズを的確に捉えた商品開発・提案により、付加価値の拡大を図ります。
③独自の素材・加工によりソトーブランドを確立し、輸出の拡大を図ります。
④M&Aを視野に入れ水平・垂直展開により利益の拡大を図ります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
繊維産業とりわけ当社の主要取扱商品でありますファッション衣料分野は、かねてから大量生産に伴う大量廃棄が、SDGsの観点から社会問題となっており、アパレルや商社のスタンスが変化し、見込み生産や在庫の縮小の動きが進んでいることから、新型コロナウイルス感染症発生以前のような受注及び生産状況に戻ることはないものと推測しております。特に暖冬の影響によりコート地を中心とする冬物素材の在庫が増加したことから、ウール素材の加工を中心とする当社を取り巻く受注環境は、厳しさが増すものと想定しております。また、円安やウクライナ情勢に加えて中東情勢が不安な状況にあり、エネルギー価格や原材料価格のさらなる値上がりが懸念されております。
このような事業環境が予測される中で、当社グループといたしましては、引き続き染色加工事業とテキスタイル事業の連携を強化し、市場ニーズに沿った差別化加工の開発・提案を積極的に推し進め、付加価値の拡大を図ってまいります。また、新たな事業領域の拡大を目指して、化合繊素材の受注拡大と欧州や中国等への輸出拡大を営業戦略として、加工技術の確立及び開発に取り組み、新たな市場の開拓を進めてまいります。また、工場におきましては、引き続き環境負荷低減や省人化及び営業戦略に資する設備投資を積極的に進めてまいります。
当社グループが長きに渡って培ったウール素材を中心とした染色加工技術は、品質面において国内で高く評価されており、高級志向のファッション業界で高い競争力を有しております。この当社グループの技術を最大限に活かすため、染色加工事業とテキスタイル事業の連携を強化して事業領域の拡大を図るとともに業界内でのステークホルダーとの協業・連携により、優れた日本のテキスタイルの輸出拡大、日本の技術力・管理力を活かした海外展開を模索し、当社グループとして企業価値の向上を図ってまいります。
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