セレコーポレーション 【東証スタンダード:5078】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社グループでは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ” の企業理念のもと、日本の未来を担う若者に住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献いたします。
① 企業理念“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”
日本の、そして地球のよりよい未来をつくるために、私たちセレコーポレーションが果たすべきこと。それ は、この国の豊かさをつくりだした先人たちに敬意を表し、感謝の気持ちを抱きながら、この豊かさがよりいっそう広がる未来を描くこと。
そのために社会に貢献する永続企業でなければばらないと考えます。
② 事業目的
「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」
生き方にこだわる若者たちの住まいの選択肢を増やし、住まいを通して「最高の笑顔と感動」を提供し続けることで、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼になること。これこそが、私たちセレコーポレーションの社会における存在意義であり、社会貢献であると位置づけています。
「社員一人ひとりの幸せの総和が企業価値」
私たちが実現したい企業価値とは、社員一人ひとりの「しあわせ」の総和という、私たち独自の指標です。会社にとって一番の財産は社員であり、社員一人ひとりの「物心両面のしあわせ」を大切にしたいと考えています。
この「しあわせの総和」が大きくなればなるほど、より大きな歓びと感動をゲストに届けることができ、さらにオーナーの歓びへとつながり、社会が豊かになり、その果実として、私たちの企業価値が高まっていくと信じています。
③ 経営方針「持続可能な安定的成長」
成熟期を迎えている内需型事業を展開する私たちセレコーポレーションにとって大切なこと。それは、リスクの高い性急な成長路線を志向したり、いたずらに規模を追うことではなく、身の丈に合った堅実経営を貫き永続企業を目指すことです。
私たちは、理想として掲げる事業目的を達成するためにも、独創の事業基盤、確固たる経営基盤のもと、他が追随できない圧倒的な差別化の独自路線を邁進することで社会に存在感を発揮し、永きにわたり持続し、事業で社会に貢献する安定した成長を果たしていきたいと考えます。
④ 行動指針「信頼」「人財」「変化」
私たちセレコーポレーションの価値創造のために守るべき原則、それが行動指針です。
「信頼」と「人財」、そして「変化」。それぞれの言葉に、私たちの想いや信念、価値感を託しています。
信頼とは、社会の一員である私たちが、企業として果たすべき約束を守り続けることで得られるものです。会社そのものへの信頼、入居するゲストからの信頼、そして、住まいの品質やブランドに対する信頼。
私たちは、決して一朝一夕では得ることのできない信頼という価値を、日々の事業活動の積み重ねの中で
培っていきます。
人財とは、会社にとって社員が何よりも大切な財産であるという考えです。ゆえに私たちセレコーポレー
ションでは「人材」と記さず、「人財」と記しています。
一人ひとりの社員がよりいっそう魅力ある人財に育っていくことで、私たちの会社は、さらに魅力ある会社へと成長していくと考えています。
変化とは、会社の成長を推進する原動力です。環境の変化をいち早く読み取り、柔軟かつ迅速に対応すること。そして、自らも変化することを恐れず、変化することに積極果敢に挑み、常に進化し続ける先に、豊かな未来が広がっていくと考えています。
⑤ 長期経営ビジョン「ビジョン2030」
当社では、2030年に向けて“ありたい姿” を定め、その実現のための長期経営ビジョン「ビジョン2030」を策定いたしました。この「ビジョン2030」は、さらに長期の経営ビジョンである「CEL未来戦略」の実現に向けた通過点との位置づけです。
「ビジョン2030」の基本戦略のコンセプトは、当社の企業理念に基づく原理原則「セレフィロソフィ」と「CEL未来戦略」に基づき、あくまで本業の付加価値を高めるため、本業及び本業周辺ビジネスの多面的経営の展開により目標を達成することを目指すものです。
ビジョン2030「企業価値の極大化と物心両面の幸せの実現」
・アパート専門メーカーとしてニッチトップの実現
・高付加価値追及による粗利益率の向上
<重要指標> ※目標年度は2030年2月期
売上高400億円、営業利益40億円、営業利益率10%、ROE10%、PBR1倍
平均年収900万円、週休3日制
(2) 経営環境
今後の我が国経済は、賃金上昇等による景気拡大が期待される一方、人財不足の深刻化、世界的な金融引き締めや地政学リスク等による景気の下押しや物価、労務費の上昇の影響が引き続き懸念されるなど、依然として不透明な状況が続くものと想定されます。
全国及び当社の事業エリアとなる東京都の新設貸家着工戸数は、各月の増減はあるものの、当連結会計年度を通じて概ね前年並に推移しました(出典:国土交通省「建築着工統計調査」)。
なお、当社の事業エリアである東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の人口流動は、転入超過が続いている状況です。
(3) 経営戦略等
当社は、東京圏において生き方にこだわりを持つ25歳から35歳を中心とした若者たちに「最高の笑顔と感動を届け続ける」ことをモットーに、経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するため、確立された企業理念と事業目的の下、顧客・エリア・商品・構法など事業ドメインを選択と集中により絞り込み(ニッチ戦略)、いたずらに規模を追わず経営資源を集中させております。また、ゲスト(入居者)の多様な生活シーンに対応する平面に高さを加えた立体的な空間設計を主軸とした差別化商品を提供することによって、同じような間取りによる他社との価格競争を排しております。土地有効活用のコンサルティングから、建物の企画・設計、自社工場での構造部材製造、建物の自社建築、完成後のオペレーションまで一貫して担う「アパート専門メーカー」として収益性の高い独自のビジネスモデルを確立していくことを戦略としております。
各ビジネスモデルの事業戦略は下記のとおりです。
賃貸住宅事業
賃貸住宅事業におきましては、保有する土地の有効活用を検討しているオーナーさまに対し、赤煉瓦調の外壁とデザイン性のある門柱、オートロックや防犯カメラを標準装備し、各住戸を立体的に空間設計した当社基幹ブランド「My Style vintage」を主軸に、アパート経営の企画、設計、施工等を行っております。また、営業面ではオーナーさまがアパート経営を通じて実現したいことは何かを顕在化し、目的達成に向けた課題解決のため、ファイナンシャルプランナー的手法にて総合的な資金計画を提案し、経済的側面から実現に導くことができるようコンサルティング力の強化を図っております。
これらに加えて、今後は、IoTスマートアパート(オートロックの共用インターホンとスマートフォンが連動し、不在時でも宅配便や来客対応が可能なほか、室内の照明器具やエアコンなどをスマートフォンで操作でき、セキュリティセンサーや防犯カメラとスマートフォンが連動できるアパート)の商品化によって競争力強化を図るほか、SDGsに賛同し、高断熱材、ペアガラスサッシ等により断熱性を高め、省エネエアコンや高効率給湯器、LED照明などの省エネ設備の導入により消費エネルギーを低減したアパートへの取り組みなど、アパート建築を通した社会貢献を行ってまいります。
賃貸開発事業
2020年10月より事業を開始した賃貸開発事業におきましては、不動産購入資金に対する家賃収入といった投資利回りよりも、エリアや駅近など地価が下落しづらいことを物件選択において重視される土地を保有されていない富裕層に対して、豊かな資産承継に貢献できるようなアパート経営の提案を行うことで、当社の新たな収益基盤の構築に取り組んでおります。
また、新たな収益基盤を目指し、城南(品川区・目黒区・港区・大田区)・城西(渋谷区・新宿区・世田谷区・中野区・杉並区・練馬区)エリアに絞込み、駅からの距離・規模・見栄えなどを基準に、将来にわたり価値を維持できるような土地を仕入れ、その土地の資産価値に相応する付加価値の高い「My Style vintage」を建築し販売を行ってまいります。
賃貸経営事業
賃貸経営事業におきましては、自社施工物件に限らず、他社の施工物件や他社の管理物件について、管理受託営業を積極的に行い、管理受託物件の拡大に注力しております。
また、「My Style vintage」の入居希望者の会員組織「My Style Room Club」の会員に対し、My Style Room Club専用サイトを活用したゲストの囲い込み等の施策により、入居希望者である「My Style Room Club」会員の増加を目指してまいります。
さらに、管理アパートの入居者募集などを行う賃貸仲介協力業者の組織であるセレリーシングパートナーズ(2024年2月末で16社)、日常の建物点検、清掃や維持管理業務などを委託するメンテナンス協力業者の組織であるセレメンテナンスパートナーズ(2024年2月末で10社)により業者間との連携強化に努め、ゲストに対する課題を共有することにより、機動的かつきめ細やかなサービスの提供に努めてまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ビジョン2030「企業価値の極大化と物心両面の幸せの実現」
・アパート専門メーカーとしてニッチトップの実現
・高付加価値追及による粗利益率の向上
<重要指標>
指標 | 目標 | 目標時期 |
売上高 | 400億円 | 2030年2月期 |
営業利益 | 40億円 | |
営業利益率 | 10% | |
ROE | 10% | |
PBR | 1倍 | |
自己資本比率 | 60.0% |
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、アパート経営において、コンサルティングから賃貸経営までワンストップでオーナーさまの人生設計における課題解決に向けた選択肢を提供し、フルサポートできる体制づくりを目指しております。
アパート専門メーカーとして、アパート経営に特化し、若者のニーズに合った空間設計とモノづくりによる差別化により付加価値を提供し、経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するために優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。
①人的資本経営の実践
「ビジョン2030」を達成するためには、優秀な人財を継続的に確保し、育成することが最も重要であると認識しております。そのため当社では、全ての従業員に対し、自己研鑚を重ね、高い専門性を身に着けること、自律的に行動していくことを求めております。
従業員個々の能力の向上を図り、当社の人財レベルの向上、ひいてはサービスの質の向上、維持につなげていくためには、人財に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、人財のレベルアップに取り組んでおります。あわせて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、従業員に対し各種研修を実施しております。
また、当社はカンパニー制を導入し、カンパニーごとの判断の迅速化に加え、カンパニー長の成長により次世代の経営者の育成へと繋げております。
②生産性の向上
当社は、付加価値向上による収益力強化と効率性重視による費用削減から、高利益体質の創出を目指します。そのためには、さらなる生産性の向上が必要と考えております。
デジタル化による効率化、技術改革による工期短縮、ロボット等による自動化を推進し、共通部材による生産の効率化を進めます。
③収益力の改善
当社は、付加価値向上による収益力強化と効率性重視による費用削減から、高利益体質の創出を目指します。当社の旗艦ブランド「My Style vintage」の商品構成比を100%まで高めるほか、当社独自の賃貸・建物管理メニューを提供してまいります。
あわせて、着実かつ安定的な成長の実現のため、賃貸住宅事業、賃貸開発事業及び賃貸経営事業を通じて構築されるオーナーさま及びゲストとのネットワークをリソースとする派生ビジネスを主軸とした新規ビジネスモデルを構築し、多面的経営の展開を目指してまいります。
④技術力の強化
日本製鉄株式会社(旧:新日鐵住金株式会社)との共同開発により主要鋼材の軽量化と耐久性強化を実現した“新型式構法:セレZ” の活用により、敷地対応への更なる自在性の向上を図るとともに、生産性の向上とコスト低減を目指してまいります。
また、2020年10月に国土交通大臣より型式部材等製造者認証を千葉工場で取得し、生産品質の更なる均一化を図るほか、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上の共同研究を行うなど、新たな部材の開発と効率的な施工方法の研究を進めてまいります。
⑤内部管理体制の強化
当社グループの継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化が重要な課題であると考えており、財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、ステークホルダーに対して経営の適正化や健全性を確保しつつ、より一層効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
⑥当社株式の流動性の向上
当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所が定める流通株式比率は当社の上場するスタンダード市場においては25%以上と定められております。
当社の流通株式数は投資家の売買を通じて変動いたしますが、当社はその動向を注視し、必要に応じて主要な株主に保有株式の売出し等にご協力をいただくなど、当社株式の流動性向上に努めてまいる方針です。
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