企業スーパーツール東証スタンダード:5990】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは創業以来一貫して、プロ用作業工具・特殊専用工具をはじめ、特殊クレーン等のマテハン類や工作機械用の治工具類にいたるまで幅広い品揃えを行い、国内はもとより世界数十か国のあらゆる産業でご愛顧いただいております。幅広い産業を支える一翼を担わせていただいているという自負のもと、今後も省人、省力、安全、環境整備をコンセプトとして、プロ用工具、機器類の開発により産業社会に貢献したいと考えております。

 また、環境関連事業である太陽光発電などの展開においては、微力ながらも、限りある資源の消費を抑制するとともにCO2などの削減を行い、次世代のための社会貢献活動として進めてまいります。

 これらの事業を通じ、お客様のお役に立てる、愛されるメーカーを目指すとともに、経営の効率化に努め、より一層の経営基盤を強化し、業績向上に努めてまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)、EPS(1株当たり当期純利益)、自己資本比率を経営の主たる指標としております。株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を行うことが、株主の皆様及び従業員を含めたすべての利害関係者の利益に合うものと考えております。特に売上高経常利益率を向上させることを基本におき、今後の成長が見込め、収益性の高い金属製品事業の中の産業機器の構成比率を高めていく方針であります。また、技術力と開発力を背景に、各事業領域において顧客ニーズを反映させた特色ある新製品、新事業を創出し、深耕拡大し続ける価値創造企業としてグループの連携強化を図ってまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは1918年の創業以来、「開発指向型」企業として、時代に応じた製品を提案し、生産工場、倉庫など広範な産業界における作業現場に関わってまいりました。

 近状では、あらゆる市場において電動化や自動運転化など、技術の進展とともに省力化が進んでいます。この好機に当社の強みである多彩な製品群と高い信頼性を深化させ、ブランディングの確立と収益基盤の強化を進めてまいります。コア事業である金属製品事業については、お客様ニーズを第一に捉え、画期的で魅力ある製品開発を軸に「攻めの構造改革」として次の事項を実施してまいります。

①付加価値を持つ製品開発と既存製品のリニューアル化を中心とし、他社製品との差別化及び特許製品の拡大を継続してまいります。

②韓国に開設いたしました子会社を軸に販路拡大を進め、アジア諸国から北米のマーケットを中心とし、世界を視野においた海外戦略を推進いたします。

③顧客ニーズを踏まえた顧客目線での物作りのため、優れた品質、技術を持った国内外の他メーカーとの連携や生産委託を含め、徹底した品揃えを図ってまいります。

④徹底したコストカットを継続的に行ってまいります。

 これらを着実に実行し、経営の合理化、製品グループの徹底強化を図り、時代の流れに沿った物作り、販売戦略を軸に、企業体質の転換を図ってまいります。

 また、環境関連事業については、売電事業に加え、次の柱となる新しい価値を生み出す事業を模索しており、将来この事業を育成していきたいと考えております。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 次期の見通しといたしましては、わが国経済は雇用や所得環境の改善など景気回復への期待が高まる一方で、世界経済においては、ウクライナ情勢の長期化や中東地域をめぐる情勢の悪化、資源・原材料価格の高止まり、円安の継続など依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

 このような状況のなか、当社グループは、開発型企業として100年以上にわたり磨き続けた鍛造技術とアナログ製品の製造販売にこだわり、その匠の技術を継承してまいりました。一方、デジタル技術の進化が著しい近年においては、先進技術も組み合わせながら、更に顧客満足度を追求し、あらゆる産業へのソリューション提供を通じ社会に貢献してまいります。また、販売体制については、マーケティングやメンテナンス体制の強化などによりブランドイメージ向上と販売の拡大に取り組み、生産体制については、鍛造技術の更なる向上に取り組みながら、老朽化施設・設備の更新や、最新設備の増設による生産能力増強を行い、QCD向上に努めてまいります。さらには、コミュニケーション改革による組織力強化を推し進め、全社一丸となって収益改善に注力するとともに、次世代を担う人材のキャリア形成のための教育研修や制度体系を整備することにより、時代の変化に素早く対応できる状況分析と戦略思考を持った人材育成に取り組んでまいります。

 主要事業である金属製品事業の国内市場では、当社主要製品の吊クランプについて、国内初となるRFIDチップ等による次世代の安全を支える管理システム「S・M・A・Я・T」を令和6年4月に公開いたしました。これは、本体に埋め込まれたRFIDチップを読み取り、専用のシステムに登録することで、お客様において点検整備状況等を1台ずつ確認することができ、安全かつ効率的な資産管理を可能とするサービスとなっており、メンテナンス体制の強化と併せてお客様のメリット最大化を図り、販売拡大に取り組んでまいります。

 海外市場につきましては、当社の主要市場である韓国では現地法人の強みを活かした営業施策を展開し、その他の地域については、新規市場開拓に注力するとともに、吊クランプを中心とした販売拡大に向けたソリューションビジネスを展開してまいります。

 また、今秋、本社工場の隣地に建築した新たな物流倉庫と組立工場の稼働を予定しております。これにより、高効率化、安全性、作業環境向上を図るとともに、今後、本社工場敷地内に機械工場を増設し、最新のマシニングセンタなどの新規導入により、主力製品の吊クランプ増産を計画しております。

 環境関連事業につきましては、大阪府河南町及び柏原市に設置した3ヵ所の発電所は順調に稼働しているものの、事業を取り巻く環境は厳しい状況が続いていることから、より収益性の高い案件の受注に注力するなど、筋肉質な事業体制の構築を図ってまいります。

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