企業スリー・ディー・マトリックス東証グロース:7777】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)経営方針

 当社グループは、「バイオマテリアルによって医療の進展に貢献する」を企業理念とし、外科領域、組織再生領域等において製品開発を続け、グローバルな競争力を獲得することに努めてまいります。

(2)経営戦略等

 当社は、医療機器の開発企業として、製造承認を取得予定の製品の安定供給体制・販売体制の構築及び製品のグローバル展開を目指しており、国内外の適応拡大に向け経営資源を配置いたします。さらに、その他の各パイプラインや現在国内外の研究機関で応用研究が進んでいる次のパイプライン候補の事業化に注力いたします。

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、医療機器や医薬品の研究開発投資を行う先行投資型企業であります。外科領域では吸収性局所止血材、後出血予防材、粘膜隆起材、癒着防止材等を開発しており、組織再生領域では歯槽骨再建材、創傷治癒材等の開発をしております。このパイプライン群を早期に製品化し、製品販売での収益確保が安定的な企業運営に繋がることから、事業収益を主要な経営指標に位置付けております(2025年4月期の製品販売による事業収益の計画は6,040百万円)。また、そのためには当社グループ内の基礎研究の共有や効率化を実施し、臨床開発等の研究開発費を効率よく管理していく必要があり、その観点からは研究開発費も重要な経営指標に位置付けております(2025年4月期における研究開発費の計画は707百万円)。

(4)対処すべき課題

 当社グループは、医療分野を取り巻く現状を分析し、それらを踏まえた最善の事業戦略の策定及び推進実行に向けて、具体的には以下のような点が事業運営上の課題と認識しております。

①事業収益の拡大とコスト削減

 当社グループは、外科領域では止血材、癒着防止材、粘膜隆起材等、組織再生領域では創傷治癒材等、DDS領域では核酸医薬等のパイプラインを開発しておりますが、これらの早期の製品上市、製品販売による収益獲得が、当社グループ経営の安定化に向けた課題であると認識しております。

 主力製品である止血材については、欧州及びオーストラリアに続き、内視鏡先進国である日本及び世界最大の市場を有する米国においても前連結会計年度より本格的に製品販売を開始しております。売上成長を最大化するために、各極において営業体制を確立・拡大し相応の営業費用を投じてまいりましたが、短期的には奏功せず、当連結会計年度も営業赤字が継続する結果となりました。今後一時的には、当社止血材の優位性が高く、売上成長が確実に見込まれる消化器内視鏡領域に絞り込み、他領域の営業体制は利益貢献が確実に見込まれる範囲内での活動に留めることで、マーケティング費用を含む営業経費を削減し、収益確保を最優先に進めてまいります。

 研究開発に関しては、次世代止血材や粘膜炎の創傷治癒等の最大注力分野を除き、新規開発を一時的に中断し、最大注力分野においても、臨床試験を必要としない又は最小規模で実施できる等、グローバルで見て最も有利な市場を選びながらコストと時間の最小化に努めております。さらに、資本提携や事業提携についても検討を続けており、グループ全体でグローバルの視点から早期の収益性の改善に努めてまいります。

②資金調達

 当社グループの事業運営及び研究開発を進めるための十分な資金確保に向けて、米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対し、2023年7月に第8回無担保転換社債型新株予約権付社債、第35回及び第36回新株予約権を、2024年4月に第39回新株予約権を発行いたしました。これにより、当連結会計年度において、第8回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行により660,660千円、第35回及び第36回新株予約権の発行並びに第35回新株予約権の全部権利行使により1,688,450千円、第39回新株予約権の発行及び権利行使により272,960千円、さらに既発行の第34回新株予約権の残り全ての権利行使により342,600千円を調達することができました。一方で、第8回無担保転換社債型新株予約権付社債について期間内に転換されなかったため、2024年1月に660,660千円を満期償還しております。

 また、株式会社りそな銀行とコミットメントライン契約を締結しており、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き、金融機関からの借入を含む様々な資金調達を検討し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。

③研究開発体制及び経営管理体制の強化

 当社グループは、パイプラインの進展及び事業のグローバル展開に対応するため多様化するリスクを把握し、これに対処するための研究開発体制や経営管理体制の強化を経営課題と認識しております。

 当社グループは、研究開発において小規模の体制で各規制当局の定める基準に準拠した体制を構築し、複数の製品開発を実施しております。今後、研究開発活動がさらに拡大、グローバル化した際にも必要な情報の収集を行い、社内規程の改訂や継続的社員教育等を通して、法令や規則の遵守のための活動を継続して行ってまいります。

 また、当社グループは小規模組織ですがグローバルに拠点を展開しております。そのため、グループ全体での内部統制体制を確立することを目指し、統制項目や業務プロセスを検証し、リスクを洗い出し、それを最小化する取組を実施しております。今後も組織的な内部統制の構築を進めるとともに、組織間の牽制機能の強化やコンプライアンス体制の強化に向け取組んでまいります。

 また今後も、上市製品の増大、事業展開エリアの拡大等、事業ステージに合わせて、充分な体制を維持すべく、事業計画に合わせた人員計画により、高度な専門知識・経験を有する国内外の人材確保や育成、外部リソースの積極活用に努めてまいります。

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