スマサポ
【東証グロース:9342】「サービス業」
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企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は「smartなくらしをsupportする」という経営理念の下、不動産管理会社と入居者をつなぐことにより双方のコミュニケーションを向上させていくことを目指しております。
不動産管理会社が抱える課題の中でも特に入居者とのコミュニケーションは、設備のメンテナンスのお知らせや契約の更新・変更、滞納の督促等多岐にわたるため、不動産管理業態を理解した上でのサービス提供が必要不可欠であります。当社は不動産管理の経験やノウハウを活かして業界の発展に貢献していくために、一つのソリューションだけではなく、不動産管理会社が遭遇する課題を各場面で解決できるソリューションを複数提供することで、不動産管理会社の事業効率化や収益向上を図ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。客観的な指標として、当社の「スマサポサンキューコール」の契約管理会社数は2024年9月末現在で783社となっており、前期比7.7%増となっております。その契約不動産管理会社が管理する世帯数のうち、新入居する世帯数であるコンタクト数は301,787世帯となっております。2025年9月末時点での目標として契約不動産管理会社数900社、コンタクト数は304,750世帯としております。
また、各種サービスをデジタル化するコンテンツである入居者アプリ「totono」の2020年8月の提供開始以降、2024年9月末現在での契約不動産管理会社数は124社、2025年9月末時点の目標として契約不動産管理会社数は197社としております。
また、今後に関しても中期経営計画に基づき、以下のとおり基本方針を掲げ、更なる企業価値の向上を目指してまいります。当社が重要と考えている経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の推移は下記のとおりであります。
a.スマサポサンキューコール
区 分 | 2021年9月末 | 2022年9月末 | 2023年9月末 | 2024年9月末 | 2025年9月末 (目標) |
コンタクト数(件) | 176,744 | 244,232 | 254,093 | 301,787 | 304,750 |
単価(円) | 6,536 | 5,982 | 5,436 | 6,552 | 6,798 |
b.totono
区 分 | 2021年9月末 | 2022年9月末 | 2023年9月末 | 2024年9月末 | 2025年9月末 (目標) |
契約不動産管理会社数(社) | 39 | 72 | 104 | 124 | 197 |
導入社数(課金社数)(社) | 9 | 40 | 63 | 89 | 127 |
MRR(千円) | 5,498 | 23,850 | 29,050 | 34,302 | 46,454 |
(注)totono基本利用料以外にtotonoとの連携がベースとなっている商品についてもMRRに含めております。
具体的な戦略は下記の3点であります。
① 「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化
当社の「スマサポサンキューコール」は入居者に対して電話によりアンケート調査やライフラインの案内を行っており、2023年8月より大東建託パートナーズ(株)の稼働がスタートしました。安定稼働に注力しながら、安定収益の基盤となり、その他取引先の大型受注への展開も進めております。また、(株)リクルートの電子申込システム「申込サポート by SUUMO」との連携を2023年12月よりスタートさせ、より一層の取引先の拡大と安定収益の強化を図ります。
② 入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大
入居者アプリ「totono」の拡販を行うために、各種展示会への出展やセミナーの開催といった積極的な広告宣伝及び営業人員の増強による認知拡大とアフターフォロー体制の強化を図っております。また、開発人員の増強により充実した機能の開発を更に進めていきます。
不動産管理会社と入居者のコミュニケーションを円滑にするプラットフォームとなるシステムを構築し、業務をより一層効率化できるサービスを開発することで、管理世帯数を増加させ、安定的な収益の確保に努めてまいります。
③ 入居者アプリ「totono」の他社提携等による収益機会の拡大
入居者アプリ「totono」の利用者である入居者が生活をする上で、必要な情報や商品をタイムリーに提供するために、他業種との提携を強化してまいります。具体的には、家具のサブスクリプションサービスを提供する会社や自転車の購入時における自転車保険への加入等、くらしに密着したサービスを提供することで、サービス提供会社から収益を得る仕組みを充実させていきます。また、入居者アプリ「totono」の利用者である入居者から不動産管理会社へのチャットによる問い合わせへの対応業務に関して、不動産管理会社から業務委託により請け負うことで更なる収益確保を行ってまいります。このことにより、利用料以外の収益の機会を構築することで、長期的な収益の拡大を目指してまいります。
(3)経営環境
当事業年度におけるわが国経済は、社会・経済活動の持ち直しの傾向が続いている一方で、国際的な紛争の長期化や米国景気の後退懸念やそれに伴う為替相場の変動など依然として先行きが不透明な状況が続いております。当社が主にサービスを提供する不動産業界におきましては、特に東京や大阪などの主要都市において賃料水準の上昇の兆しがみられ、また、既存物件の入居率も入居者のライフスタイルの多様化などにより、引き続き堅調に推移すると見込んでおります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりです。
① 営業力の強化
当社の収益の源泉において最も重要な存在は不動産管理会社であり、テレビCMやWeb広告等のマス向けプロモーションではなく、全国にある不動産管理会社に直接コンタクトを取り営業をしていく必要があります。そして、当社の経営方針にもあるように、一つのソリューションだけではなく、不動産管理会社が遭遇する課題を各場面で解決できるソリューションを複数提供することで、不動産管理会社の事業効率化や収益向上を図っていくことで不動産管理会社の満足度をあげる必要があります。そのためにはセミナーの開催を定期的に行う等、知名度を広めることで、スマサポサンキューコール、totono、SKB等の各商材の見込顧客である不動産管理会社の獲得を図っていくことが重要となります。
また、営業部門とカスタマーフォロー部門が緊密に連携することできめ細かいサービスを展開してまいります。
② 収益基盤の強化
当社の事業は顧客である不動産管理会社の満足度によって支えられているものと考えております。継続的な取引を維持するために、不動産管理会社の満足度を向上させるためにも常にサービスの内容を更新するとともに、当社サービスの導入企業の中でも、特に、売上の大きな増加や経費・工数の削減が実現した他社取組における成功事例の共有会等を通じタイムリーな情報提供を行っております。
③ アプリ・サイトの安全性強化
インターネット技術の進化に伴い、インターネット上の情報共有の重要性は認識されてきておりますが、一方で、アプリ・サイトの安全性維持に対する社会的要請も一層高まりを見せてきております。当社が取得する個人情報は、不動産管理会社が保有する入居者の情報であり、その中には、住所・氏名はもちろん、勤務先、家族構成、年収といった極めて重要な個人情報が含まれております。そのため、当社が取り扱う情報が通常のインターネットサイトに比して、より重要であると認識しております。このため、サイトの信頼性・安全性強化を経営上の最重要課題として、今後も個人情報の保護に関する法律、消費者契約法、景品表示法等各種関連法規の遵守を徹底してまいります。
④ 優秀な人材の採用
当社は、入居者アプリ「totono」を中心とした不動産管理会社向けサービスを提供することを将来的な主力事業へ成長させる方針であり、その利便性及び機能の維持向上のためにも、アプリ構築を担当する技術者の安定的な採用が当社の事業成長にとっての課題であると認識しております。テクノロジーに対する専門性が高いことは当然のこと、不動産業に対する知見を有した人材は稀有でありそのような人材の採用は困難な場合があるため、近年採用コストは増加傾向にあります。
これらの課題に対処するため、従業員が高いモチベーションを持って働ける環境の整備や人事制度の整備を行い、必要な人材を適時に採用できるような組織体制の整備を進めてまいります。
⑤ 経営管理体制の強化
当社が継続的に不動産管理会社や入居者に対して安定的にサービスを提供し、企業価値を継続的に向上させるためには、経営管理体制の更なる強化が必要と認識しております。当社は、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように内部統制の整備、強化、見直しを行うとともに、コンプライアンスの強化に努めてまいります。
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