ジーエルサイエンス 【東証スタンダード:7705】「精密機器」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社は1968年の創立の際に、会社はどのような思想を持ち、実践していくかという、経営に対する姿勢、理念を「創立の根本精神及経営理念」に掲げました。
その中で創立の目的は、「同一の思想を持ち、信頼し合う事のできる人間が集まって、何かの仕事を通して、(極論すれば、それがどのような仕事、業種であってもよい) 経済的無から、一つの理想体(理想企業体)を造り上げる事への挑戦」と謳っております。
また、「社会に対し社会性を十分発揮してその存在価値を高め、社員個々の幸福を勝ち取り、企業の維持、発展をならしめること」を基本理念とし、そして、その結果得られた利益を株主、社員、社会に公平に分配し、また、一部を社内留保して、会社の事業内容を充実させ、発展させることが、最大の社会性を意味すると考えております。
この基本理念を実現していくために、当社では創立以来毎期、経営計画等を株主、金融機関、社員に公表するなど、情報の開示に努めてまいりました。このようにオープンな経営姿勢に対する社員個々の意識の高まりが、互いの信頼感を強くし、個々の能力を十分に発揮させ、計画達成という一つの目的に邁進することができたと確信しております。
このように、「道は一つ、共に進もう」というスローガンに沿った経営こそが当社の躍進の原動力であり、今後も成長の糧として継続してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループは、経営ビジョンを実現するため中期経営計画を策定しております。現中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の経営目標と進捗状況は、次のとおりであります。
中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の経営目標と実績 (連結)
項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |||
計画 | 実績 | 計画 | 実績 | 計画 | 予想 | |
売上高(百万円) | 29,880 | 33,119 | 34,920 | 38,679 | 38,160 | 38,240 |
営業利益(百万円) | 4,140 | 4,806 | 4,900 | 6,034 | 5,420 | 5,650 |
営業利益率(%) | 13.9 | 14.5 | 14.0 | 15.6 | 14.2 | 14.8 |
なお、2021年5月27日に発表した中期経営計画の経営目標について修正しております。詳細は、当社ウェブサイトで開示しております、2022年5月10日に発表した「中期経営計画の見直しに関するお知らせ」をご確認ください。
(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の経済見通しにつきましては、全世界で新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和の促進や各国における経済対策により、コロナ禍前の市場環境へと向けて、需要の回復は加速されると思われます。
しかしながら、長期化するロシア・ウクライナ情勢を受けた世界経済の見通しの悪化、エネルギー価格の高騰や円安進行による物価高などにより、引き続き先行き不透明な状況が続くものと思われます。
なお、当社グループにおいて現時点での部材の調達不安、原材料の高騰など、調達や納期に関して業績に与える影響は軽微ですが、今後も注視していく必要があると思われます。
当社グループは、分析機器事業、半導体事業、自動認識事業の各事業ともに最先端技術の追求が必須であるため、「研究開発投資」「製造強化や品質向上のための設備投資」に経営資源の重点的投入を行ってまいります。さらに、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)の各施策を遂行することにより、更なる経営基盤の強化と企業価値の増大を図ってまいります。
(分析機器事業)
分析機器事業におきましては、中期経営計画の最終年度にむけて、目標にしております「クロマトグラフィー事業の持続的拡大」、「経営基盤の強化」の達成を目指し、製造技術開発の推進による、品質の安定化を図るとともに効率化とコスト削減を推進してまいります。また、業務提携、新規事業の探査など、持続的成長の為の戦略的投資を積極的に行ってまいります。
当事業が今後とも取り組むべき中長期的な成長戦略と課題は以下のとおりであります。
① アジア市場の強化
海外販売の強化方針を継続し、海外現地企業とのパートナーシップ構築を検討いたします。各国のニーズに合わせた製品の展開を積極的に図ってまいります。
② 主力製品の強化及び収益力の向上
主力製品の増産体制強化方針を継続いたします。クロマトグラフィー用カラムの製造設備及び自動化に投資し、さらに、製造技術開発の推進により、品質の安定化を図るとともに効率化とコスト削減を実現します。また、物流拠点の新たな設置を検討し、納期短縮や効率化による収益力向上を狙うと同時に災害等のリスク回避を図ります。
③ 持続的成長の為の戦略的投資
持続的成長のために、M&A、業務提携等を視野に入れ事業拡大を目指します。また、外部との共同研究や、新規事業の創設を検討してまいります。
④ ESG推進による企業価値向上
より良い社会の形成と企業の持続可能な発展のため、ESG経営を推進してまいります。また、SDGsの社内啓蒙を通して、持続可能な開発目標への取り組み又は深化の推進を目指してまいります。
⑤ 企業総合力の強化
DXの取り組みを推進し、経営のスピードアップを図ります。業務のオンライン化や自動化など、社内業務のデジタル化と業務全般のコスト削減を進め、生産性の向上を検討してまいります。さらに、リスク管理の観点から、人的に関わる危機管理マニュアルの整備を進めてまいります。
⑥ 人材基盤の強化
人材が経営における最も重要な財産であり、その育成が中長期的視点での経営課題であるという考えの元、グローバル人材の採用や育成、積極的な女性社員の採用に取り組んでまいります。また、次世代幹部社員を含む管理職のマネジメント力強化を行ってまいります。
(半導体事業)
半導体業界におきましては、「コロナショック」を契機に本格化した生活の多様化、世界的なリモートワークの広がり、データセンター等におけるメモリー需要の高まりなどプラス要因は持続し、また、5G通信や IoT、AI/ディープラーニング、自動運転の本格化等でデータ量の更なる増加も見込まれることから、今後も半導体不足が想定され、中長期的に半導体需要拡大のトレンドは継続していくものと予想されます。
当事業の受注環境は、足元では半導体市場が調整局面に入っており停滞感がみられますが、市況回復を見据えた各メーカーの先行的な投資活動は継続方向にあります。また、世界各地域で半導体に対する政府補助を伴う計画が進められるなど、今後とも半導体市場は底堅い潜在需要を背景に着実な拡大が見込まれており、当事業は、今後の中長期的な受注拡大の見通しを変えておりません。
当事業が今後とも取り組むべき中長期的な成長戦略と課題は以下のとおりであります。
① 生産能力増強
・中国第三工場の稼働拡大や各工場の生産性向上等により、生産能力の増強を図ります。
・品質管理の高度化を進めるとともに、社外パートナー、外注先等との連携強化を通じて、生産能力の向上 を目指します。
② 営業力強化
・コロナ後の取引先との関係強化を図るとともに、高付加価値製品の開発と拡張を行い、石英・シリコンの量産品のマーケット拡大を目指します。
・シリコン製品の開発品、量産品の更なる売り込みを強化するとともに、火加工製品等、高難易度製品の拡大を図ります。
③ 業務効率化
・業務フロー、作業手順等の見直しを進め、業務自動化・効率化等のDXを推進します。
・テレワーク、会議システム等、効率化に資するシステムツールの更なる活用を図ります。
④ 経営基盤強化
・ESG経営、SDGsへの対応を進めるとともに、会社法改正への対応や新市場区分への移行を見据えたコーポレートガバナンスコード等への対応を行います。
・財務指標や株価を意識した経営を行い、IR機能強化、リスクマネジメント強化を図ります。
⑤ 人材育成
・各種研修の充実、業務マニュアルの作成推進、人事ローテーションの活発化等により、優秀な人材の育成に努めます。
(自動認識事業)
自動認識事業におきましては、部材調達の長納期化は継続しているものの、特にマイコンは改善の兆しが見えはじめており徐々に納期への課題は解消されていく見通しです。
このような市況の中で積極的な活動を行っていくためにも、営業部門・技術部門・品質保証部門が効率的に連携するように取り組んでまいります。
当事業が今後とも取り組むべき中長期的な成長戦略と課題は以下のとおりであります。
① 成長期待分野の推進
セキュアマイコン搭載製品のリリース開始・市場への拡販、ソリューション分野の更なる拡販を強化してまいります。
② 品質向上の推進
ISO9001(品質マネジメントシステム)の実行と遵守に積極的に取り組み、「品質のGL」を目指します。
③ 積極的な営業体制の推進
営業を営業部(売る仕組みづくり)と営業推進室(新規商材・マーチャンダイジング活動)に分け売上強化を図ってまいります。
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