企業ジェイ・エム・エス東証スタンダード:7702】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 外科医でもあった創業者の現場視点での課題解決ポリシーを受け継ぎ、コロナ禍により一層厳しさを増した医療現場の課題を捉えた製品開発に注力しました。特に近年課題となっている医療事故、医療従事者の働き方改革にも着目、IoT、AI等の最新技術を活用し、医療機器の情報の一元化の推進等にも努めました。

区分

分野

輸液・栄養領域

輸液、経腸栄養、摂食嚥下 等

透析領域

透析(血液透析、腹膜透析) 等

外科治療領域

人工心肺、カテーテル、急性血液浄化 等

血液・細胞領域

血液・細胞分離、細胞関連デバイス(培養、搬送) 等

その他

組織再生、生分解性材料、IoT・AI技術 等

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,518百万円であります。

 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) 日本

 当連結会計年度における研究開発費は1,518百万円であります。

① 輸液・栄養領域
輸液領域では、患者さんはもとより、医療従事者の安全、並びに医療業務の省力化に供する輸液製品システムの構築に主眼を置き、昨年度に引き続き抗がん剤等の安全な調製、投与に寄与する「薬剤調製・投与クローズドシステム」の拡充に努めました。また本システムの簡便確実な着脱機構を応用したコネクトシステムは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が公募した「定型化細胞培養装置クイックコネクトディスコネクト(QCD)」に採択され、国際宇宙ステーションを構成する「きぼう」日本実験棟での細胞生物学実験での使用が予定されています。

 また、栄養領域では、摂食嚥下障害に対する舌圧トレーニング効果の高まりを受け、舌圧トレーニング機能を付与した訓練用舌圧測定器の提供を開始しました。

② 透析領域

 透析領域では、血液透析と腹膜透析の双方を取り扱う唯一の国内企業として、患者さんのQOL向上を念頭に、より安全確実に、また、より効率の高い透析システムの提供に努めました。血液透析では、透析効率の向上を図るべく、新機能を追加した血液透析装置「GC-X01」の提供を開始するとともに、日々患者さん自身が在宅で施行する腹膜透析において、患者さん視点に立った操作性の追求と、DX推進を意識した遠隔通信による医療機関からのモニタリング機能により、さらに信頼性を高めた自動腹膜灌流用装置「APD装置 PD-Relaxa」の提供を開始しました。本装置はこの観点が高く評価され、2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。

③ 外科治療領域

 外科治療領域では、当社が持つ急性血液浄化分野と循環器分野双方の特長を生かし、集中治療における術後管理の利便性の向上を図る製品開発に努めました。多くの機材が配置される手術室、集中治療室の環境で、医療従事者の視点に立ってより安全、確実に操作できる装置の改良に努めております。

④ 血液・細胞領域

 血液・細胞領域では、当社の持つ閉鎖系バッグ技術を生かし、有用性が期待される血液成分を閉鎖的、かつ、簡便に分離できるデバイスの開発に注力するとともに、分離した有用成分は、本分野での見識の高いアカデミア、企業とも連携、次世代の細胞培養技術の醸成に向け努めております。

⑤ その他

 引き続き少子高齢化、医療従事者の働き方改革等、近年の医療を取り巻く環境変化を迅速に捉え、潜在するニーズを具体化し、価値ある医療ソリューション、デバイスを提供すべく、産学官連携協力による先端技術の活用にも注力しております。

(2) 日本以外

 シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ、その他のセグメントについては、既存製品の改良等に取り組んでおります。

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