企業シンプレクス・ホールディングス東証プライム:4373】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という目標を掲げ、全社員が一丸となり、顧客企業のビジネスの成功に貢献する「高付加価値サービスの創造」を追求してまいりました。ビジネスに深く精通したテクノロジーパートナーとして顧客企業に貢献し、持続的な成長と高い収益性の実現を常に目指していくことが、当社グループの経営における基本方針であります。この基本方針に基づき、当社グループは、幅広い業種の顧客企業に対して、ビジネスの成功に貢献するITソリューションの提供を行っております。

 今後、DXの潮流の中で、当社グループが一定の社会的インパクトを持つために、まずは売上収益1,000億円を目指すことが重要であると考えております。こうした考えの下、今後予想される事業環境や顧客ニーズの変化に適切に対応し、持続的な企業価値向上を図っていくための長期成長戦略として、当社グループの目指すべき姿を定めた「Vision1000」を策定し、2023年10月に発表しております。

 長期成長戦略「Vision1000」においては、業績目標と併せて、当社グループの目指すべき姿を「for Client:唯一無二の戦略的パートナー」、「for Employee:Biz×Techの圧倒的イノベーター」、「for Society:DX時代のゲームチェンジャー」と定めております。この「Vision1000」においては、当社グループが重点的に取り組むテーマとして、「イノベーションと競争力」、「クライアントとの関係管理」、「人的資本管理」、「製品の品質と安全性」、「地球環境問題への対応」、「高度なガバナンスの実現」からなる6つのマテリアリティを特定しております。これらのマテリアリティは、当社グループの長期成長戦略の実現を確実なものとする重要な要素であると認識しております。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長と高い収益性の実現を目指す観点から、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益、売上総利益率、営業利益を重視しており、中でも、売上総利益率を最重要視しております。これは、当社グループが、豊富なビジネスノウハウと高度なテクノロジーの両方が求められる、参入障壁が高い領域に特化した事業を展開していることから、当社グループが提供するサービスの付加価値を測る客観的な経営指標が重要であると考えているためであります。

 売上総利益率が高いことは、すなわち、①売上原価の大半を占めるエンジニア・コンサルタントの質が競合他社と比して優位であること、②優秀な人材の生産性を向上させる仕組みが整備され、機能していること、③当社グループのチームが築いた付加価値を価格に反映してもなお顧客から支持されていることを示すものであると考えております。

 また、当社グループは、資本効率を意識した経営に取り組んでおり、重要な経営指標の1つとしてROE目標を掲げ、資本効率の向上に資する株主還元についても、キャピタルアロケーションにおける重要施策として認識しております。

(3)経営戦略等

 当社グループは、「Vision1000」の実現に向けた中間地点として、2025年3月期から2027年3月期までの3か年の中期経営計画「中計2027」を2023年10月に発表しております。「中期2027」においては、2022年3月期から2024年3月期までを期間とする3か年の前中期経営計画「中計2024」における3つの注力施策、(1)事業領域の拡大、(2)事業領域の深耕、(3)採用育成の強化のさらなる進化を図り、より一層のグループシナジーを発揮することで、持続的な成長と高い収益性の実現を目指してまいります。

 新たな中期経営計画では、これまで推し進めてきた従来の成長戦略の延長線にある「オーガニック成長」に加えて、従来の業務委託・受託関係を超えた顧客企業との新たなスキーム構築や、M&Aの推進、更なる利益率向上を目指した成功報酬型ビジネスの拡大等を注力テーマとする「インオーガニック成長」に向けた取り組みを強化していく方針です。

 最大のグループシナジーは、Xspear Consulting株式会社が戦略コンサルティングやITコンサルティングを通じて策定したビジネスモデルやシステム化構想を、シンプレクス株式会社の技術力で具現化することにあると認識しております。具体的には、Xspear Consulting株式会社からシンプクス株式会社に向けて、非金融顧客の送客やシステム開発案件を提供する等が挙げられます。さらに、シンプレクス株式会社からXspear Consulting株式会社に向けても、金融顧客の送客やテクノロジー人材の出向等が図られております。テクノロジー知見がシンプレクス株式会社から提供されることにより、Xspear Consulting株式会社がDX分野において一段エッジの効いたコンサルファームとしてのポジションを確立するに至っております。

 当社グループは、「中計2027」の最終年度となる2027年3月期に、売上収益600億円、営業利益150億円、売上総利益率45.0%、営業利益率25.0%、ROE17%を目指しております。

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループは、金融フロンティア領域における国内のトップブランドとしてのポジションを確立し、順調な成長を遂げてまいりました。他方、あらゆる産業において、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していく、DXへの対応が急務となっていることを踏まえると、金融フロンティア領域以外の領域へ事業領域の拡大を図り、さらに、事業領域の深耕を推進することが優先的な課題であり、これらに対処することが市場環境や顧客ニーズの変化に適切に対応することとなり、同時に当社グループのさらなる成長につながるものと考えております。

 また、これらを実現するため、競争力の源泉となる優秀な人材を確保・定着させることも重要課題であると考えております。こうした課題認識に対処するため、当社グループが推進する主要戦略は以下のとおりであります。

① 事業領域の拡大

 事業領域の拡大にあたっては、コンサルティングファームとして2021年4月に始動した当社の100%子会社であるXspear Consulting株式会社を中核企業として、官公庁、通信、製造、エンターテイメントといった多様な非金融業種を対象とした戦略/DXコンサルティングを強化してまいります。
 金融機関(既存顧客企業)においても、直接的にはシステム開発に紐づかないコンサルティング案件を積極的に受注していく等の取り組みにより、これまで当社グループが手掛けてこなかった分野におけるDX案件の獲得を目指してまいります。
 具体的には、「中計2027」最大の注力エリアとして、コンサルティング経験者の中途採用とテクノロジー人材のグループ内出向によるコンサルタントの増強を推進すると共に、リカーリングビジネス化の促進に寄与する金融顧客を対象としたクロスセルを強化してまいります。

 加えて、足元は、通信=拡大フェーズ/製造=開拓フェーズと位置づけ、コンサルティング業界の有望市場の深耕を図ると共に、「中計2027」におけるインオーガニック成長(2027年3月期売上収益として35億円程度を計画に織り込む)に寄与する、ブティックコンサルファーム買収のクロージングに注力してまいります。

② 事業領域の深耕

 近年、金融フロンティア領域においても、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していくDX推進が活発化しております。当社グループとしては、Simplex Wayを推進することにより、金融機関のDX推進パートナーとしてさらなる高付加価値サービスを提供することで、安定的な成長を図ってまいります。

 具体的には、当社グループのビジネス領域におけるキャピタルマーケットが、利益率が高いリピートオーダー中心の安定成長領域であり、高度なBiz×Techが求められる人材育成に最適な領域であるという環境認識の下、安定的な案件を着実に積み重ねていくと同時に、中長期でのさらなる成長に向けて、大手金融機関のワンプラットフォームに資する大型案件を選択的に受注してまいります。また、金融リテールにおいては、戦略/DXコンサルティングに次ぐ、「中計2027」の成長ドライバーと位置付ける領域であるという環境認識の下、株式会社SBI証券との合弁会社の圧倒的な成功を成し遂げ、長らく内製主義を貫いてきた金融機関のゲームチェンジャーとなることを目指してまいります。

 また、非金融領域においても、他の産業に先駆けて新たなテクノロジーの導入を積極的に推し進めてきた金融フロンティア領域での豊富な実績/ノウハウをテコとしながら、Simplex Wayを徹底することにより、参入障壁の高い領域で高い収益性の実現を目指す戦略を推進し、事業領域の深耕を実現してまいります。具体的には、保険においては、「中計2027」後の本格拡販に向けて、保険ソリューションであるSimplex xInsuranceのライブラリ拡充に注力すると共に、上記拡販に向けて、「中計2027」においては、大型生損保顧客の開拓と当社レピュテーションの向上に注力していく方針です。また、エンタープライズDXにおいては、DXに特化したコンサルティングファームであるXspear Consulting株式会社とのシナジーの最大化を図ると共に、金融領域で培ってきたUI/UX、クラウド、web3等のキーテクノロジーを活かした案件の獲得を推進してまいります。

③ 収益性の向上

 売上総利益率については、戦略/DXコンサルティングのミックス効果や生産性の向上等により2027年3月期売上総利益率として45.0%を目指すと共に、営業利益率については、売上総利益率の向上に加え、販管費率の低減等により、25.0%を目指していく方針であります。

④ 採用育成の強化

 当社グループの事業において中心的な経営資源の一つは人材であり、顧客企業からの要求に応えるためにビジネスとテクノロジーの双方に精通した優秀な人材を確保・定着させることが課題であり、最重要戦略の一つです。

 顧客企業のDX推進を担う人材の採用においては、国籍/年齢/性別/職歴不問とする採用ポリシーの下、ビジネスパーソンとして高いポテンシャルを秘めた最優秀層のみをターゲットとする新卒採用に加えて、高い専門性を有した中途採用の強化に取り組むことにより、当社グループの成長に寄与する人材の確保に努めてまいります。

 また、複数のリテンション施策を拡充・実行していくことにより、人材の定着率の向上に努めてまいります。「働きがい」と「働きやすさ」を両立しながら、個々人の働き方に沿ったキャリアプランの実現をサポートするための環境支援・制度整備、さらなる教育機会の提供・制度整備、労働分配率の向上施策等、様々な施策を通じて人材定着率の向上を図り、離職率の低減を目指してまいります。

(5)キャピタルアロケーション方針

 当社は、高いキャッシュフロー創出力を礎として、財務健全性を維持した上で、事業基盤の強化に繋がる成長投資を優先的に実行することが、持続的な利益成長と企業価値の向上に資すると考えております。

 加えて、当社は、資本効率を意識した経営に取り組んでおり、重要な経営指標の1つとしてROE目標を掲げ、資本効率の向上に資する株主還元についても、キャピタルアロケーションにおける重要施策として認識しております。

 こうした認識に基づき、当社は、業績動向やROE水準、成長投資の機会等を総合的に勘案した上で、配当を基本として株主還元の充実に努めております。

 配当については、利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を基本方針とし、連結配当性向40%を目安として配当を行う方針です。

 なお、自己株式の取得についても、資本効率の向上に資する株主還元策として、前述の配当決定に係る検討事項に加え、株価を含めた市場環境を考慮した上で、機動的に実施していく方針です。

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