企業兼大株主シャープ東証プライム:6753】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

①経営理念・経営信条

 当社の創業者 早川徳次の言葉の一つに「他社がまねするような商品をつくれ」があります。この言葉には、次の時代のニーズをいち早くかたちにした“モノづくり”により、社会に貢献し、信頼される企業を目指すという当社グループの経営の考え方が凝縮されています。

 当社グループは、1973年に、この創業の精神を「経営理念」「経営信条」として明文化しました。さらに、2016年には、早川創業者の「誠意と創意」の精神を、これからも変わらない当社グループの“原点”として受け継ぎ、オリジナリティ溢れる新たな価値を提供し続けることを世界中のお客様と約束する言葉として、新コーポレート宣言“Be Original.”を制定しました。

 当社グループは、今後も引き続き、「経営理念」「経営信条」を体現し続けることで、社会の発展に貢献していきたいと考えています。

②目指す方向性

 当社グループは、2024年5月14日に公表した中期経営方針に沿って、今後、「ブランド事業に集中した事業構造の構築」の具体化を加速するとともに、将来の飛躍に向け、ブランド企業としての新たな成長モデルの確立に取り組みます。

 これにより、「強いブランド企業“SHARP”」の早期確立を目指してまいります。

(2) 経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 昨今、当社グループを取り巻く事業環境は、巣ごもり特需の反動減やエネルギーコストの上昇、インフレの加速、急激な円安等、様々なマイナス要因が重なる極めて厳しい状況が継続しています。こうした中においても、ブランド事業では毎期着実に利益を確保することができていますが、ディスプレイデバイスにおいて変化への対応が遅れた結果、近年、全社の業績が大きく悪化しています。

 他方、長期的視点で見ると、当社グループは、資本力が競争優位に直結するデバイス事業において、十分な投資が行えず徐々に競争力が低下、一方、堅実な業績をあげているブランド事業においても、投資が制限され、将来に向けた打ち手が不十分で、その成長ポテンシャルを十分に発揮することができていません。この結果、全社のキャッシュ創出力が向上せず“負のサイクル”に陥ったことが、当社グループの成長が足踏みしている大きな要因の一つであり、今後、将来に亘って成長し続けるためには、このサイクルから早期に脱却し、持続可能な収益構造を確立することが重要であると考えています。

 このような認識の下、当社グループは今後、中期経営方針に沿って、2024年度を「構造改革」の1年、2025年度から2027年度を「再成長」の3年と位置づけ、将来の飛躍に向けた変革に取り組みます。

 まず、デバイス事業において「アセットライト化」、即ち、工場の最適化や他社の力を活用した事業展開へと舵を切り、ブランド事業に集中した事業構造を確立します。

 そして、ブランド事業の投資を拡大し、売上/利益成長を実現するとともに成長領域へのシフトを加速していきます。さらに、成長する新産業分野、Next Innovationの事業機会獲得に挑戦し、さらなる事業成長、企業価値向上を目指します。これにより、既存ブランド事業とNext Innovationの“正のサイクル”が回る新たな成長モデルを確立していきたいと考えています。

 加えて、将来の飛躍を牽引する“強い本社”の構築にも取り組んでまいります。

 また、重要なビジネスパートナーである鴻海精密工業股份有限公司との連携をより一層強化し、構造改革と再成長の両面で彼らのリソースを有効活用することで、それぞれの取り組みのスピードを加速していきます。

(3) 2024年度の取り組み

 ブランド事業では、円安がさらに進行する非常に厳しい事業環境下にありますが、特長商品や新規カテゴリー商材の創出、海外事業の強化、低収益事業の改善等に取り組み、各セグメントにおいて前年に対して増収増益を目指します。

<スマートライフ&エナジー>

 白物家電事業では、独自特長商品の投入による日本市場のシェアアップや、米州/ASEAN市場の重点強化に取り組みます。エネルギーソリューション事業では、電力会社等との連携による国内住宅向けのシェア拡大及びV2Hの販売拡大に取り組みます。

<スマートオフィス>

 ビジネスソリューション事業では、ソリューション提案力強化による顧客基盤の維持拡大に取り組むとともに、ITサービスディーラーを開拓し、サービス領域の拡張を進めます。PC事業では、B2B向けプレミアムモバイルモデルの販売拡大や、ライフサイクルマネジメントサービスの拡大に取り組みます。

<ユニバーサルネットワーク>

 TVシステム事業では、日本市場において、独自特長商品の販売拡大による収益力強化を図るとともに、海外市場において、他社との連携による事業拡大に取り組みます。通信事業では、国内携帯電話事業におけるハイエンド/ミドルエンド比率の向上に取り組むとともに、XR事業や決済端末事業の立上げを進めます。

 一方、デバイス事業では、アセットライト化を推進するとともに、ディスプレイデバイスの抜本的な収益改善に取り組みます。

<ディスプレイデバイス>

 2期連続での大幅赤字となった堺ディスプレイプロダクト㈱は、子会社化後の市場の変化により当初想定の再生計画の遂行が困難になったことから、2024年度上期中に大型ディスプレイの生産を停止します。今後は、他社への技術支援やAIデータセンター関連ビジネスへの事業転換を進めていきます。

 中小型ディスプレイ事業においては、売上規模に見合った生産能力の最適化や人員の適正化等、抜本的な固定費削減に取り組むとともに、車載向けやVR向けの販売を拡大し、赤字幅の縮小を図ります。

<エレクトロニックデバイス>

 カメラモジュール事業及び半導体事業において、事業の親和性が高く、両者のさらなる成長に資するパートナーへの事業譲渡を推進します。

 センサー事業では、ファクトリーオートメーション向けデバイスの拡大に取り組みます。

(4) 目標とする経営指標

 今年度も、世界的なインフレや円安の加速等、非常に厳しい事業環境が継続する見通しにありますが、デバイス事業の赤字幅縮小に取り組むとともに、ブランド事業の収益力向上を図り、年間黒字の必達を目指してまいります。

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