企業兼大株主シモジマ東証プライム:7482】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

[1] 経営方針

 当社グループは、包装用品とこれに関連する事業を通じて快適な社会づくりに貢献することを基本理念としております。

 長期ビジョンとして「“パッケージ×サービス”でお客様に元気を届けるトータルパートナーを目指す」ことを掲げ、その実現のために(1)事業の拡大 (2)経営基盤の強化 (3)経営体制の強化 の3項目を長期方針として定めています。

 上記に立脚し当社は2021年11月に、2026年3月期までの5年間を対象とした中期経営計画を策定し、開示を行いました。中期経営計画では、2026年3月期の目標として、売上高を650億円、営業利益率を3.0%、ROA(総資産経常利益率)を5.0%と設定しました。しかし、その後の業績の推移を勘案し2度の目標修正を行い、営業利益率を5.5%、ROA(総資産経常利益率)を8.5%と引上げています。売上高は650億円で据え置いています。

[2] 経営戦略等

(1) 事業の拡大

 当社グループは、長期方針に掲げる(1)事業の拡大においては、販売力強化と商品力強化の2つの施策で活動しております。

① 販売力強化施策 「シモジマオンラインショップ 100万×100万プロジェクト」活動

 中期経営計画最終年の2026年3月末までに当社ECサイト「シモジマオンラインショップ」に登録されている商品数を100万SKUまで拡大し、サイト登録会員数を100万人まで増やすもので、「100万×100万プロジェクト」と銘打って活動を行っております。

 商品数を増やす活動については、今年の3月末までに2年前倒しで、目標を達成することができました。当期はシモジマオンラインショップ内に立ち上げた当社独自のモールである「シモジマモール」にご参加頂ける企業様が大幅に増えたこともあり登録商品数が増加致しました。2025年3月期はお客さまにこれらの商品の認知度を上げるためのアピールを強化していくとともに、仕入先様への参加を促す活動を続け、商品掲載数のさらなる増加を目指してまいります。

 会員数を増やす施策としては、顧客との関係性・コミュニケーションを管理しながら、その関係を長期的に深めて行くマネジメント手法であるCRMデータを活用して、業界別にそれぞれ違った勧誘活動を行っています。今後2年間での目標達成に向けて割引クーポンを発行して、入会キャンペーンを大々的に実施するなど、新たな施策も取り入れて100万会員の達成に向けて活動を続けてまいります。

② 商品力強化施策 「環境配慮型商品」の開発と普及

 当社は、包装用品の専門商社としての立場から、SDGs活動の積極的推進と環境配慮型商品の開発と普及に注力しています。当期も様々な環境配慮型の商品を開発し、上市してまいりました。

 当期、当社はプラスチックのリサイクルを中心とした環境事業を展開する「株式会社esa」(イーサ)、パッケージ業界大手の「株式会社サガシキ」と、エコフレンドリーな再生プラスチック原料「Repla®」を活用した低エネルギー・低コストのレジ袋・ゴミ袋を共同開発し、販売を開始いたしております。

 当社は、今後も循環型社会の実現を目指す企業と連携して活動を進めてまいります。

(2) 経営基盤の強化

① 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた基本方針と目標

ⅰ) 資本コスト

 当社グループは、自社の資本コストについて、一般的な計算方法で導き出される数値及び実際に外部から要求される数値の両面を把握する取組みを行ってまいります。

 当社の資本コストは、自社内では6.5%と想定しております。ROEが常に資本コストを上回る水準を目指します。そして、ROEと株主資本コストの差であるエクイティ・スプレッドを拡大させていくことを目標としております。

ⅱ) ROE

 当社グループは、2026年度までの中期経営計画の中で、ROAを目標とする指標として掲げ活動しておりますが、今後は一般的な企業価値評価の一つであるROEを意識した経営を行う所存です。

 2024年3月末時点のROEは7.1%です。

 現段階での目標値を8.0%といたします。

ⅲ) PER

 2024年3月末時点のPERは13.1%です。

 12.5%以上を維持することを現段階での目標値といたします。

ⅳ) PBR

 2024年3月末時点のPBRは0.93倍です。

 現段階での目標値を1倍以上といたします。

ⅴ) 自己資本比率

 当社グループは、直近の20年に亘り、自己資本比率80%前後の水準を維持してまいりました。今後も、盤石な財務基盤をベースとした経営を続けていく方針ですが、足元で得られた利益は、成長投資の拡充と株主還元のさらなる充実に充てていく所存です。

② 実現に向けた取組み

ⅰ) 資本コストの低減

a) 2024年3月期のROEは7.1%と表面的には資本コストを上回っている状態ですが、今後は、適正な資本コストを的確に把握するために、説明会や面談を通じて株主や投資家の皆様に当社の資本コスト水準についてヒアリングを行っていく所存です。

b) 情報開示が不十分であると、経営の不透明性が高まるとともに、投資家の不安要素につながり、資本コストの上昇要因となります。当社グループは開示情報の拡充や投資家との対話や交流推進を図っていく所存です。具体的には、従来行ってきた機関投資家や個人投資家に対する説明会の内容を充実させつつ継続し、投資家との個別の対話機会をさらに増やしてまいります。

c) 当社は2022年に代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を立ち上げ、マテリアリティ(重要課題)を特定し、その解決に向けて取組んでいます。今後も気候変動対応、人的資本対応やコーポレートガバナンスの強化対応を念頭に取組んでまいります。

ⅱ) ROEの改善

a) 高収益率が見込まれるオリジナル商品の販売比率向上を目指します。特に環境配慮型商品の開発と普及に努めてまいります。また収益性の向上が見込めない事業や拠点については撤退や閉鎖を検討すると同時に、適正な販売チャネルを整備し生産性の向上に努めてまいります。

b) 当社グループは、これまでも投資活動を行ってまいりましたが、今後も今まで以上に積極的に成長投資やM&A投資を行っていく所存です。具体的には、DX投資、物流投資や人的資本投資といった成長投資に加え、商流の上流から下流まで範囲を広げたM&Aを展開していくことを視野に入れてまいります。従来はこれらの活動は、ほぼ自己資金で賄ってきましたが、今後は外部借入れを含めた資金調達も行っていくことを検討してまいります。

ⅲ) PERの向上

 これまで当社グループの配当政策は、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保すべく配当性向30%を目途とすることを基本としながら、同時に安定的な配当水準を維持することも重視してまいりました。

 今後も安定的配当に重きを置くことを基本方針としますが、株主の皆様への還元姿勢をより一層明確にするために、2024年3月期より連結配当性向の目途を30%から50%に変更いたします。

(3) 経営体制の強化 サステナビリティ経営の推進

 当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応が経営の最重要課題であると認識しています。

 当社はマテリアリティ(重要課題)を6項目定めており、それぞれの課題解決に向けて取組んでいます。

 マテリアリティに対する2024年3月期の実績例と今後の取組み

a.環境への貢献:シモジマが考える気候変動対応

 マテリアリティⅰ) :カーボンニュートラルの取り組み強化

a) 三重県多気郡大台町で「シモジマの森」を作り植林活動を開始

 大台町の林野の内1.2haを「シモジマの森」と名付け、2024年3月末時点で43種類の樹木を990本植林しております。当社は、複数の樹種が混在し共生する、多様性のある森づくりに取組んでまいります。

 マテリアリティⅱ) :循環型社会の実現

a) 再生プラスチック原料「Repla®」を使用したレジ袋、ゴミ袋を上市

b) 使用済みストレッチフィルムの再利用や段ボールのクローズド・リサイクル開始

 今後も、循環型社会の実現に向けて、協業可能な企業様と取組んでまいります。

b.人的資本投資:シモジマらしい自由闊達な社風の醸成

 マテリアリティⅲ) :従業員エンゲージメントの向上

a) エンゲージメントアンケート初実施

 アンケート結果も参考に、2025年3月期は全体の賃上げ率を7.9%といたしました。今後は年2回実施し当社の強みや課題を精査し、従業員エンゲージメント向上につなげてまいります。

 マテリアリティⅳ) :ダイバーシティの取組み

a) 男性の育児休暇取得率の向上を目指し、該当者との面談を継続

 従業員の育休制度に対する理解度を高め、取得率の向上に努めています。

c.責任ある企業として:シモジマの三意精神に基づくガバナンス体制の整備

 マテリアリティⅴ) :ステークホルダーとの対話・迅速な情報開示

a) 機関、個人の投資家に対する説明会:各年2回開催

b) 投資家に対する個別面談:18回開催

 今後も個別面談のリピート率を向上させ、面談の回数増加に努めてまいります。

 マテリアリティⅵ) :サプライチェーンマネジメントの最適化

a) サステナビリティ調査:海外サプライヤー12社に対して新規で実施

 サプライヤーのサステナビリティに対する意識向上に努めています。

 当社グループは、今後ともサステナビリティ経営を推進し、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

※弊社ホームページをご参照ください

 サステナビリティに関する取組み

   URL:https://www.shimojima.co.jp/sustainability.html

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