システムズ・デザイン 【東証スタンダード:3766】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1967年の創設以来、システム開発事業とアウトソーシング事業を柱とするデジタルサービス企業として着実に実績を重ねてまいりました。近年、社会情勢の変化が激しく不確実性が高い時代と言われる中、社会の持続的な成長に対する社会的な責任も高まってきており、企業としてさらなる変革が求められています。
このような環境を踏まえ、第57期において、企業理念、企業ビジョン、行動理念等の見直しを図りました。新たにコーポレートスローガンを掲げ、グループ全社一丸となって、企業理念・ビジョンの実現に向け、以下の経営方針に基づき、企業価値のより一層の向上に取り組んでおります。
[コーポレートスローガン]
Design for the future 人とデジタル技術でより良い社会を実現する
[企業理念]
ステークホルダーとともに 社会の持続的な成長に貢献する
[企業ビジョン]
デジタルサービス企業として 価値ある技術・サービスを提供し続ける
[行動理念]
カスタマー・ファースト
[経営方針]
・透明性を高め、企業倫理に基づく公正で健全な企業であり続ける
・市場環境および顧客課題の変化に対し、適時対応する
・デジタルサービス企業として、各事業の発展と維持向上を図るとともに、事業の融合により、企業価値をよ
り一層高める
(2)経営環境
当社グループの属する情報サービス分野においては、AI分野の活況も目覚ましい昨今、DXによる社会変革が、今後より一層進んでいくことが予想される中、IT人材等の技術者不足、その中でも専門技術を有する高度IT人材の確保が急務となっております。
また、「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向け、社会全体としての取り組みが進んでおり、各企業もビジネスイノベーションを発揮し、事業を通しての社会課題の解決や、ダイバーシティ、働き方改革等に取り組んでいくことが求められております。
当社グループは、システム開発事業、アウトソーシング事業の2つの事業から構成されており、デジタルサービス企業としての強みを活かした取り組みを図ってまいります。
システム開発事業においては、システムの企画、開発から運用までをトータルでサポートするSIサービスを提供しております。なかでも、ローコード開発ツールなどを活用したサービスを得意としており、サービス・先端技術・業務アプリへ拡大し、DXへ展開するべく取り組んでまいります。
アウトソーシング事業では、これまではデータエントリーサービス、ビジネスプロセッシングサービス、コンタクトセンターサービス等と、業態別にサービス提供を行ってまいりました。その長い年月にて培った技術力と品質を、今後は時代や環境の変化に伴って、顧客ニーズに柔軟に合わせて複合的なサービスを提供するべく取り組んでまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題
このような環境の中、当社グループが持続的な成長を続けていくためには、市場の変化や顧客企業の動向を捉え、ステークホルダーの皆様のご期待にも応えられるよう収益力を高めていくとともに、上場企業として高い信頼を得るべく、コンプライアンスの徹底やコーポレート・ガバナンスの強化に努める必要があります。さらには、社会的課題である働き方改革にもより一層取り組むことにより、社員が働きがいを高めて業務に従事できるような環境作りも課題となっております。
これらの経営環境、課題認識を踏まえ、当社グループは、持続的・安定的な収益基盤の確立を図るとともに、今後のあるべき姿を見据えて、第55期より第7次中期経営計画を推進してまいりましたが、その成果をさらなる成長に繋げるべく、第58期より、第8次中期経営計画を進めております。
「ONEsdc -ステークホルダーとともに新たなステージへ- 」を基本メッセージに、「安定的収益を拡大する」、「社会の持続的な成長に貢献する」の2つをビジョンとして定め、以下の5つの基本方針に基づき、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に取り組んでおります。
①成長事業を拡大する
第7次中期経営計画において、不採算案件の極小化や、高収益案件へのシフトなど選択と集中を進めてきた結果、利益率の改善や、強みとするビジネス領域、重要顧客の明確化を図ることができました。第8次中期経営計画においては、それらのビジネス領域、顧客を軸とした成長事業のさらなる拡大に努めております。
・システム開発事業における業種別戦略の強化、ローコード・Salesforce・SAP・クラウドを活用したソリュー
ションビジネスの拡充、自社ノウハウ・他社ノウハウを活用した新しいサービスの企画
・アウトソーシング事業におけるオンサイトビジネス強化、低収益ビジネスの見直し、新たなビジネスモデル
への変革
また、グループ会社やビジネスパートナー各社との相互連携や情報共有をより一層強化し、グループ間の営業連携や共同開発などを拡大、ビジネスパートナーのサービスを活かした営業活動や事業展開などを推進しております。
②新たな収益基盤を確立する
企業が持続的な成長を図っていくためには、既存事業の拡大だけでなく、新規顧客の獲得も含め、新たな収益基盤の構築も重要な要素となります。顧客企業においては、AIやIoTといったデジタル技術の革新を受けて事業競争力の強化や事業モデルの変革を目指した攻めのIT投資需要が継続しており、また、社会の持続的な成長に向け、社会課題の解決に繋がる新たな取り組みを図っていくことも求められています。当社においても、「DX推進室」を中心に、外部とも共創しながらデジタル技術を活用し、社内外に対して革新的な価値を創出することを引き続き目指してまいります。併せて、M&A、マイノリティ投資も積極的に進めてまいります。
③コンプライアンスを徹底する
当社グループでは、企業倫理に基づく公正で健全な企業であり続けるため、コンプライアンス違反を発生させない体制整備に継続して取り組むとともに、コンプライアンス意識の維持向上のための教育を継続的に実施しております。これによりコンプライアンス意識をより一層向上させ、一人一人が自らリスク回避に取り組み、レベルの高い対応をしていけることを目指してまいります。
④社員の働きがいを高める
第7次中期経営計画では、基本ビジョンの一つに「社員の働きがいを高める」を掲げ、「働きがいのある環境を作る」を基本方針として、処遇体系の見直しや、時間単位有給休暇、看護休暇、育児短時間勤務等の制度拡充、再雇用制度の柔軟化、本社オフィス環境の整備、大阪支社移転、教育研修内容の見直し、特別一時金の支給等、諸施策を実施してまいりました。第8次中期経営計画において、コミュニケーションをより一層強化し、心理的安全性を考慮したマネジメントを通じて挑戦する風土を醸成するとともに、人的資本投資の観点からも、基本給の引上げを始めとして経営戦略と人財戦略の連動性を意識した諸施策を進め、広い視野を持ち能動的に考え行動する人財を育成してまいります。また、健康経営に対する取り組みも進めている他、本社移転
を行い、コミュニケーション活性化、生産性の向上、帰属意識及び社員満足度の向上につなげ働きがいを高めるとともに、優秀な人材の確保を実現し、事業の持続的な成長を目指してまいります。
⑤SDGsを推進する
企業理念として掲げた「ステークホルダーとともに社会の持続的な成長に貢献する」の実現に向けて、SDGsの取り組みにつき、社内への浸透をより一層図るとともに、サステナビリティ基本方針を定め、取り組みの加速化を進めております。ダイバーシティ推進にも繋がる働き方改革、働きやすい職場環境作りを継続推進し、外国人、女性、障がい者、シニアを含むあらゆる人が働きがいを感じ、活躍できる環境作りを進め、採用活動にも積極的に取り組んでまいります。また、女性管理職の育成に引き続き努めるとともに、脱炭素社会の実現に資するESG投資、SBT認定取得に向けた温室効果ガス排出量削減への取り組みを進めていく他、教育福祉等における地域社会への貢献、社会課題の解決に繋がるソリューション提供の推進等も含め、当社グループ全
体として持続的成長が可能な社会の実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。
なお、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」は、当社の現状を評価および分析し、PBR(株価純資産倍率)改善に向けて以下の諸施策の実行により、ROEならびにPER(株価収益率)の改善を図り、PBR(=ROE×PER)の向上を目指してまいります。
a.成長事業の拡大、新たな収益基盤の確立によるROEの改善
b.資本政策の見直しによるROEの改善
c.非財務戦略の推進によるPERの改善
d.IR活動の強化によるPERの改善
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営の効率性向上による収益性重視の観点から、売上高経常利益率を主たる経営指標としており、長期目標として従来より8.0%以上を目指しております。また株主重視、資本コストを意識した経営の観点からROEについても重要な経営指標と考えております。
PBR向上のためには資本コストを上回るROEの達成が求められるとの認識のもと、当社グループは、中期経営計画目標としてROE8.0%以上を掲げております。2024年3月期においては、売上高経常利益率6.0%、ROE7.9%となり、2025年3月期は、将来の成長に向けた人的資本投資の拡充、本社移転等の影響で一時的に落ち込む想定ですが、2026年3月期には、中期経営計画目標である売上高経常利益率5.0%以上、ROE8.0%以上の達成を目指してまいります。また、株主への利益還元強化の観点から新たな財務指標としてDOE(純資産配当率)を採用し、2023年3月期実績2.0%を大きく上回る3.5%以上を目標に加えます。
| 第58期 2024年3月期 | 第59期 2025年3月期見通し | 第60期 2026年3月期見通し |
売上高経常利益率 (%) | 6.0 | 4.2 | 5.7 (中計目標5.0%以上) |
ROE(自己資本利益率) (%) | 7.9 | 5.3 | 8.0 (中計目標8.0%以上) |
DOE(純資産配当率) (%) | 3.2 | 3.4 | 3.7 (中計目標3.5%以上) |
また、サステナビリティに関する取り組み指標および目標として、現時点においては、第60期における提出会社の女性管理職比率を15%以上(第58期末実績は9.8%、本報告書提出時点では11.1%)とすることを目指しております。今後、新たな指標および目標の設定も検討してまいります。
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