サンリオ 【東証プライム:8136】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サンリオの経営の基本方針
当社はホームページにおいて、企業理念を下記のとおり公表しております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 業績ボラティリティ(変動幅)の抑制
当社グループはこれまで、『ハローキティ』をはじめとしたキャラクターをブランドとして育て、他社にライセンスし、また、ギフト商品の企画・製造・販売を行うことで利益を獲得し事業を拡大してまいりました。その主たる事業はライセンスビジネスであり、『ハローキティ』を中心とするものでした。また、2014年3月期に当時の過去最高の営業最高益を達成した後、2015年3月期から2021年3月期まで7期連続で営業減益となるなど、過去の歴史において業績のアップダウンを繰り返してきました。しかしながら、2022年3月期以降は複数キャラクター展開が奏功し、キャラクターポートフォリオ(売上総利益ベース)に占める『ハローキティ』の比率は2014年3月期の75%から2024年3月期には30%まで低下し、営業利益も過去最高を更新いたしました。エンターテイメント事業は一般的に業績変動が大きいですが、キャラクターポートフォリオの多様化等、今後も業績のボラティリティを抑え、安定化させることが経営課題であると認識しております。
② マーケティング・営業戦略の見直し
当社グループのIPが外的要因に依拠したブームに左右されることから脱却するためには、ブランディングを変えることが重要と認識しております。海外を中心にEvergreen(認知や好意度が常に新鮮で維持されること)なIP化を実現するため様々な施策を実施してまいります。具体的には大型周年イベントなどの「グローバルコンテンツへの投資」や、動画配信チャンネルとの取り組みとして「グローバルプラットフォーマーとの連携」、グローバルのキャラクター横断マーケティングなどの「グローバル規模でのブランディング監修の強化」、海外各地域のニーズを起点とした「現地デザイン/現地クリエイティブの強化」を中心とする施策を実行してまいります。
③ グローバル成長基盤の構築
当社グループが海外展開を強化するためには、グローバル視点でのマネジメント体制の構築、経営資本を適切にアロケートできる財務戦略及びグループガバナンスの確立が不可欠と考えております。具体的にはグローバル戦略室を新設し、グループガバナンスの強化を図り、そして、新たに立ち上げた投資委員会を通じて投資基準を設計し、投資プロセスの整備を行ってまいります。加えて、人的基盤の構築として、「グローバル人材」「クリエイティブ人材」といった人材への投資もしっかりと行ってまいります。
④ IPポートフォリオ拡充とマネタイズ多層化
IPの提供価値の幅を拡げていく取り組みに関しては、これまでの「グッズ中心」から、推し活等の付加価値提供、映像・ゲーム接点でのストーリー型IPの確立、教育・リアル体験等を通じたIP体験の創出といったグッズに依拠しない価値提供へと拡げていくことを考えております。
また、マーケット/ターゲットの幅を拡げていく取り組みに関しては、サンリオキャラクターのマルチIP展開の他、UGX※を活用した創作支援・二次創作関連事業の創出、マーケット起点の新規IP創造、キッズ・男児などの空白セグメントの開拓を進めてまいります。
※UGX: User Generated xの略称:User Generated Content,User Generated intellectual propertyなどの総称
⑤ ダイバーシティ・マネジメントの活用
当社グループは130の国と地域にキャラクタービジネスを展開しており、今後もさらに地域を拡げていこうと考えております。また、キャラクタービジネスはお子様からお年寄りまで年齢に関係なくマーケットが拡がっており、ダイバーシティの考えに根差した商品開発と企業との密接な協業が必須となると考えております。一方で、地域・文化・思想で分断された戦略ではグローバルな人材の確保、商品の流れ、流行への迅速な対応が困難となります。そこで、グローバルに一体化した情報管理システムとダイバーシティ・マネジメントによるグループ経営の確立が必須と認識しております。
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