企業サンコール東証スタンダード:5985】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「技翔創変」を経営理念とし、技術集約型精密製品の創造を通じてお客様の問題解決を図り社会に貢献することを基本方針としております。

 当社グループといたしましては、お客様の海外現地調達の加速、激化する価格競争や為替の変動、その他いかなる環境の変化にも耐えうる経営体質の構築が不可欠と考え、持続的成長を支えるため経営効率を高めることにグループ一丸となって積極的に挑戦してまいりました。

 そのような状況下、当社は中期経営計画GGP24(GLOBAL GROWTH PLAN 2024)~変化から成長へ~を策定し、2022年2月に発表いたしました。中期経営計画では「2030年の事業ポートフォリオ確立に向けた実効的な戦略の加速」を基本方針に掲げ、ステークホルダーの皆さまの期待に応えるため、資本コストを上回る資本収益性を意識し、ポートフォリオ改革を実行してまいります。前中期経営計画で実施した先行投資分野の確実な利益成長を実現するとともに、売上拡大、利益貢献が見込める分野には積極的に投資を行うなど「成長」を意識した企業価値向上に取り組んでまいります。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 中期経営計画GGP24において策定した最終年度(2024年度)の連結売上高630億円、営業利益45億円、営業利益率7.1%、当期純利益35億円、ROE9.0%を経営指標としておりました。一方で、2022年度下期以降、各国での金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が継続し、当社の業績も大きく影響を受けております。結果として、最新の経営状況の見通しは、2024年度連結売上高590億円、営業利益4億円、営業利益率0.7%、当期純利益1億円であり、中期経営計画GGP24の達成は難しい状況となっております。なお、2025年度以降の中期経営計画については改めて公表させていただく予定です。

(3)経営環境

 世界経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限が緩和され、社会・経済活動の正常化が進んでおります。一方で、ロシアのウクライナ侵攻長期化によるエネルギー・原材料価格の高騰や、各国の金融引き締めによる景気後退懸念の継続により、先行きは不透明な状況が続いております。

 また、わが国経済においては社会経済活動が正常化する中、非製造業で改善が見られるものの、製造業においては不安定な為替相場・物価上昇によるコストの増加が収益の下押し要因となっております。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ア 事業上の対処すべき課題

①  EV等電動化関連成長事業(グローバルに売上拡大・次世代主力事業へ)

 EVおよびHVやPHV等を含めた電動車の需要が大きく増加することが予測されることから、高精度に電流を検出するニーズが増してきています。これに対して当社グループでは以下の重点戦略を実行してまいります。

・電動車ニーズに応えるべく「バスバー」「シャントバスバー」「電流センサー」の開発と量産体制の拡大

・EV等電動化製品の欧州・中国・米国での拡販の展開

②  電子情報通信関連成長事業(飛躍的成長の実現・利益成長の追求)

 データセンターではIoTの拡大や映像データの蓄積など、ニアラインドライブと呼ばれる大容量ハードディスクドライブ(HDD)の高い需要が見込まれておりましたが、2024年3月期はデータセンター投資抑制の影響が継続しました。

 2025年3月期には市場の回復が見込まれます。

 また、光情報通信産業の三大用途市場であるデータセンター/テレコム/ワイヤーレス市場においては、5G・IoT関連の強い需要により、今後も市場拡大していく見通しです。これらに対して当社グループでは以下の重点戦略を実行してまいります。

・サスペンション関連は顧客需要回復への対応と生産効率の向上

・通信/プリンター関連は製品開発、工法改善を通じた、生産効率の向上

③  自動車関連既存事業(産業構造の変化に対応・収益力改善)

 電動車の需要増加が予想される中で、当社の自動車関連既存事業のうちエンジンやミッション系精密機能部品は、2030年以降の減少を見据える必要があります。これに対して当社グループでは以下の重点戦略を実行してまいります。

・製品別に市場成長性と収益性を検証

・徹底的な製品別採算管理により、既存案件の収益力改善に注力

・生産・営業拠点の最適化

 イ 財務上の対処すべき課題

 企業価値向上のために従来の事業収益性改善だけでなく、不採算事業からの撤退を含めた事業ポートフォリオ見直しを図ってまいります。更に資本コストを意識した投資判断の徹底を継続し、必要な資金調達を進めてまいります。

 なお、当社グループは第107期(2024年3月期)において3,542百万円の営業損失を計上しており、当連結会計年度末において現金及び預金を7,422百万円保有しておりますが、借入金は14,488百万円(内短期借入金(1年内返済長期借入金を含む)は12,636百万円)となっています。これらの状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が発生していると認識しておりますが、資金面においては当連結会計年度末における手元流動性の確保状況をもとに、当社グループの年度経営計画に基づく今後の収支推移見込みを踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

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