企業兼大株主サンゲツ東証プライム:8130】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組

(1)ガバナンス

 当社は、2016年4月にCSR推進課を新設、2017年4月には社長を委員長として、全社を横断的に統括するCSR委員会を設置しました。2020年11月からはESG委員会に名称を変更し、ESGに関する国際的なガイドライン(ISO26000、GRI、SASB)などに対応するための分科会を設け、実効的なESGマネジメントを行い、社会的課題解決に向けた取り組みを進めています。

ESG委員会では、ISO26000で示された7つの中心課題を活動テーマとして、それぞれを5つの分科会が担い、活動を推進しています。各分科会は、テーマにおける主管部署だけでなく、管理部門やロジスティクス部門、営業部門など、幅広いメンバーで構成し、議論の多様性を高めています。ESG委員会は、各マテリアリティに対して取り組み目標を設定し、実際に業務を行う社内各部門の業務計画に落とし込みます。また、取り組み状況については、年4回、四半期ごとに、分科会からの報告による進捗管理を行うとともに、課題解決のための意見交換や議論を行っています。組織体制においては、委員長を社長が、総括責任者を担当執行役員が務め、さらに監査等委員である社内取締役の出席のもと実施しています。

ESG委員会の活動内容に関する取締役会への報告は、従来不定期で行っていましたが、2022年度からは年2回の定期報告を行うことを定めており、取締役会のより強い監督のもとでESG活動を展開しています。

ESG委員会体制図

(2)戦略

 当社グループは、社会的要請や当該業界の重要テーマを踏まえ、社会及び長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマテリアリティを特定しました。これらのテーマは、長期ビジョンの実現に向けた重要項目でもあり、事業計画と連動しながらPDCAサイクルを回していきます。

 抽出したマテリアリティは、社会及び長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマッピングを行うとともに(表①マテリアリティマップ)、長期ビジョンで実現を目指す社会的価値や、関連するSDGsと紐づけています(表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性)。また、特筆すべきマテリアリティに関しては、リスクと機会から分析し、リスクの管理と機会の創出・獲得に向けた対応を行っています(表③2022年度 特筆すべきマテリアリティ)。

 表①マテリアリティマップ

 表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性

 表③2022年度 特筆すべきマテリアリティ

区分

マテリアリティ

考え方、「リスク」と「機会」

リスク

・調達面での供給安定性

商品を製造するメーカーの生産キャパシティは、業界全体の低収益構造を反映して年々逼迫している。主たる分野で大きなシェアを有するブランドメーカーとしては、製造設備の不具合などで計画どおりの生産ができず、顧客への商品提供に支障が出ることは、当社の収益に大きく影響するとともに、建設現場での納期遅延などの要因ともなり得る。業界全体のリスク要因として、万全の対応を行っていく必要がある。

・品質安定性

インテリア商品やエクステリア商品を提供する立場として、品質の安定性は顧客要求事項の最上位の項目である。全国に広く販売しシェアを獲得している状況下、品質の低下・劣化による貼り替えなどの対応は、ブランドイメージの棄損になるとともに、収益を圧迫する大きなリスク要因である。品質管理を担う体制と人材の増強に向けた取り組みを継続的に進めている。

・事業活動における環境負荷

(GHG、エネルギー、廃棄物)

当社単体としては、GHGやエネルギーは事務所の照明・空調、ロジの動力など、廃棄物は商品のカット端材や不良在庫、回収見本帳などにおいて負荷が発生しているが、サプライチェーン全体に対する環境負荷は相対的に小さい状況である。一方で、グループ全体では製造を担うクレアネイト、Korosealにおける製品製造面での環境負荷が大きく、気候変動や資源循環といった世界的な課題に対し真摯に向き合い取り組みを進捗させていく必要がある。この取り組みが進展しない事態となることは、地球環境及び企業経営のサステナビリティに対しての大きなリスク要因となる。

機会

・デザインするよろこびの提供

長期ビジョン・中期経営計画に掲げるスペースクリエーション企業への転換に向けての重要課題であり、デザインはプラスアルファの価値を提供する源泉である。インテリアとエクステリアの双方をモノから取り扱う唯一の企業として、デザインを追求し提供することで、企業価値を高めることができる。また、デザインを通じた顧客とのコミュニケーションは、顧客と当社がwin-winな関係を築く結果となり、その実績の積み重ねがサンゲツグループとしての高いデザイン力の構築につながっている。

・サービスと価格の

適切なバランス

顧客にとっては、商品群によって求めるサービスに違いがある。価格を訴求すべき商品や、受注・出荷・配送などのサービス機能を重視すべき商品などさまざまであるため、それぞれのサービス機能に価値を感じていただき、顧客の満足度を高めることは、適切な対価を得る重要な機会となる。

・社員の健康と能力開発

・社員エンゲージメントの向上

・従業員のダイバーシティ・

インクルージョン

人材は最も重要な基盤の一つであり、社員のエンゲージメントの向上が、業績向上に加え、企業価値の向上につながる。中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」から取り組んでいる健康経営・働き方の見直し・社員の能力開発などに加え、2022年4月からスタートした人事制度の導入によりさらなる人的資本の強化を進めている。これは当社グループの持続的な成長に大きく寄与する機会となる。

(3)リスク管理

 当社では、「(2)戦略」に掲げるマテリアリティに対し、ESG委員会での活動を通じ、これらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのマネジメントレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。

 マテリアリティの特定のプロセスは、以下のとおりです。

 マテリアリティの特定プロセス

(4)指標及び目標

1)中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ]における目標と実績

 当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、社会価値における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この実績(速報値)は以下のとおりです。

①地球環境

・Scope1&2 GHG排出量削減

目標30%

→ 30.1%

達成

・エネルギー使用量削減

目標4%

→ 3.5%

未達成

・廃棄物総廃棄量削減

目標4%

→ 9.6%増

未達成

・リサイクル率

目標83%以上

→ 86.4%

達成

・見本帳リサイクルセンターの新設

・2022年度見本帳リサイクル実績

77,262冊

②人的資本

・障がい者雇用

目標4%

→ 3.91%

未達成

・非喫煙率

目標82%

→ 81.1%

未達成

・女性管理職

目標20%

→ 20.1%

達成(※2023年7月1日付異動後想定数値)

③社会資本

・児童養護施設リフォーム

目標30件/年間

→ 55件/年間

達成

・マッチングギフト

目標13,000 S-mile

→ 15,129 S-mile

達成

 地球環境と人的資本の取り組みに関する詳しい内容は、「2.気候変動に関する考え方及び取組」、「3.人的資本に関する考え方及び取組」をご覧ください。

 また、当社では中期経営計画に掲げる指標以外にも、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)の各項目で詳細なKPIを設け、進捗状況を管理しています。詳しい内容は当社Webサイトをご覧ください。

「ESGマネジメント」KPIと実績

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/management.html

2)中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]における施策と目標

 中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ]の実績をふまえ、より高い社会価値を生み出すために、当社グループでは、2023年5月に新中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]を策定し、サステナビリティに関する新たな目標を設定しました。この達成に向け、さらに取り組みを推進してまいります。

■社会価値向上に向けた施策

[環境]

・連結および単体 GHG(Scope1&2)排出量削減

・GHG(Scope3)排出量の把握と削減方策の明確化

・低環境負荷商品の開発強化

・見本帳リサイクルセンターの拡大含めリサイクルの推進

[社会]

・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進

・児童養護施設の住環境改善活動の推進

・支援が必要な子ども達、開発途上国、難民への継続的支援

■人的資本の拡大・高度化・活躍支援に向けた施策

・組織別人事担当者の配置

・多様性のあるキャリア採用の大幅増と新卒採用拡大

・専門性と事業構築力強化のための教育・研修拡充

・処遇改善と働く環境整備

・非正規社員比率の改善とダイバーシティの推進

■定量目標

①地球環境

GHG排出量

連結

2021年度比 28%削減

 

GHG排出量

単体

2018年度比 60%削減

 

使用エネルギー量

単体

2018年度比  6%削減

 

リサイクル率(有効利用率)

単体

90%以上

 

②人的資本

非喫煙率

単体

85%以上

 

やりがい指数(社員意識調査における“仕事のやりがい肯定率”)

単体

77%以上

 

女性管理職比率

単体

25%以上(2026年4月時点)

 

障がい者雇用率

単体

4%以上(2026年3月末時点)

 

キャリア採用者数

単体

3年間合計 60~80名

 

人的資本投資額

単体

3年間合計 7億円

 

男性育休取得率

単体

2週間以上 100%

 

③社会資本

児童養護施設改修活動

連結

50件/年間

 

マッチングギフト

連結

18,000 S-mile

 

外部団体への寄付を含めた

社会貢献活動費

連結

年間経常利益の0.3%~0.5%を目途とし、

寄付は特定の団体に継続的に実施する

 

(5)その他、2022年度における具体的な取組

 当社グループは、サステナビリティを事業と一体として考え、事業活動を通じて持続可能な社会を実現するため、長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]において「みんなで(Inclusive) いつまでも(Sustainable) 楽しさあふれる(Enjoyable)社会の実現」を掲げ、注力しています。2022年度における、主な取り組みは以下のとおりです。

■環境面における取組

 持続可能な社会の実現に向けた商品開発を進め、リサイクル資源を利用した壁紙「MEGUReWALL(メグリウォール)」やカーペットタイル「NT 700 Fiber Eco」、カーテン「&ECO」など、壁・床・ファブリックと全てのエレメントにわたり低環境負荷商品を拡充しました。また、「sangetsu 見本帳リサイクルセンター」でのリサイクル処理量の拡大に努めたほか、社員が主体となった環境保護活動への参加も積極的に実施しました。GHG削減に向けた取り組みにおいては、Scope1・Scope2の削減に向けた施策とともに、当社グループのGHG排出量において大きな割合を占めるScope3の削減を目指し、仕入先に直接赴き、環境の取り組みや改善について確認やアドバイス等を行いました。

■社会面における取組

 継続的に実施している児童養護施設への内装改装支援は、新型コロナウイルス感染症防止対策を行いつつ活動を展開し、当連結会計年度の実績は55件、2014年からの累計では187件となりました。また、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みでは、女性管理職比率と障がい者雇用率の向上に努め、多様な人材が幅広い組織で活躍できるように職場環境の改善を行いました。さらに、開発途上国の子ども達を支援するNPOへの協力や産学連携のプロジェクトへの参画、LGBTQ+への理解を深めるセミナーの開催など、幅広い活動に取り組みました。

■人材価値の向上に向けた取組

 人材価値の向上に向けた取り組みにおいては、人事制度改革により管理職にジョブ型を導入することで、職務と報酬の公平性を重視し、社員がより幅広いキャリアを描き、挑戦できる組織の構築に向けた体制整備を行いました。さらに、社員の健康診断に対する保健指導や生活習慣の改善といった、健康経営方針に基づく長期的な取り組みが評価され、「健康経営優良法人2023」に認定されました。当認定は昨年に続き4年連続、通算では5度目となります。

 こうしたサステナビリティ活動に関する積極的な情報開示が評価され、2023年1月には当社のサステナビリティサイトが、一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会が実施する「サステナビリティサイト・アワード2023」においてシルバー(優秀賞)を受賞しました。当社グループはこれからも、サステイナブルな社会の実現に向けた取り組みを強化し、全てのステークホルダーとともに、新しい価値創造のよろこびを分かち合える企業になることを目指してまいります。

2.気候変動に関する考え方及び取組

 当社の事業は地球環境との関わりが深く、企業として環境保全に努めることは当然の責務です。当社では、自らの事業活動における環境負荷の低減はもとより、地球環境に配慮したより良い住環境の創造に努めております。持続可能な社会の実現に、企業としてより主体的に参画するため、2021年10月には「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言に賛同を表明しました。環境負荷の低減に向け、この提言への対応を進めています。

 地球温暖化による気候変動は、人間の生活や自然の生態系にさまざまな影響を与えています。この主たる原因である温室効果ガス(以下、GHG)を削減させるためには、エネルギーを最小限に無駄なく有効活用することが必要であり、エネルギー削減を推進することが地球温暖化防止、地球資源の有効活用に繋がると考えております。

(1)当社を取り巻く環境負荷の状況

 当社が行う事業活動においては、当社グループによるGHG排出や商品・見本帳の廃棄に加え、取引先でのGHG排出、また建築現場での使用済み廃材などさまざまな状況・場所において環境負荷が発生しています。当社ではこのそれぞれのスコープにおける環境負荷の状況を把握し、環境負荷を低減する取り組みを行っています。

■サンゲツを取り巻く環境影響図

■Scope3を含めたGHG排出量(単体)

 ファブレスを主とする当社において、事業活動により発生するGHG排出量は、Scope1&2(1.4%)と比較して、Scope3が大きな割合を占めています。Scope3の中でも、仕入先での製品製造に伴うカテゴリ1(購入した製品・サービス)が約9割となっており、サプライチェーン全体のGHG排出量削減を進めるには、仕入先と協業した削減の取り組みが不可欠であると考えています。

2021年度※ Scope3を含めたGHG排出量

分類

GHG排出量(t-CO2)

構成比

 

Scope1&2

5,992

1.4%

 

Scope3

 

403,851

 

98.6%

 

 

カテゴリ1(購入した製品・サービス)

 

364,167

 

88.9%

 

 

カテゴリ4(輸送・配送(上流))

 

22,302

 

5.4%

 

 

その他

 

17,382

 

4.3%

 

合計

409,843

100.0%

 

※数値算出時期の都合上、2021年度数値を参考掲載しております。

■サンゲツグループ全体でのGHG排出量内訳(Scope1&2)(連結)

 グループ全体のGHG排出量は、商品製造機能を持つ会社(クレアネイト・Koroseal)が総排出量の約8割を占めており、環境負荷低減を実現するためには、この製造部分の排出削減を進める必要があります。このために、グループ全体での2030年を見据えた具体的な目標・計画を立てるとともに、製造にかかるエネルギーにおいては省エネ設備への更新、事務所やオフィスの電力使用においては再エネ電力への切替といった、各社の事業の特徴に合わせた削減施策を実行しています。

2022年度 グループGHG排出量内訳(Scope1&2)

社名

GHG排出量(t-CO2)

構成比

 

㈱サンゲツ

5,668

19.1%

 

クレアネイト㈱

(国内・製造会社)

18,652

62.8%

 

Koroseal Interior Products Holdings,Inc.

(海外・製造会社)

4,183

14.1%

 

他グループ6社

(国内外・非製造会社)

1,176

4.0%

 

合計

29,679

100.0%

 

(2)ガバナンス

 気候変動への対応は、社長を委員長とするESG委員会のもとに設置した環境分科会が行っています。環境分科会の構成は、環境施策の企画・立案を担うESG推進部門、エネルギー使用を伴うファシリティや車両管理を担う総務部門、商品開発を担う各事業部門、ロジスティクスセンターでの配送部門、営業部門などさまざまな部門が参加しています。分科会では、事業活動によるGHG排出の環境負荷といったマテリアリティに対し、2030年3月期の当社単体でのカーボンニュートラル、グループ連結では2030年3月期55%減(2021年度比)の達成に向けた目標を設定し、削減計画の策定、施策の検討や実行といった気候変動への対応を進めています。これらの取り組みは四半期ごとに進捗状況をレビューし、取締役会にて年2回の進捗状況に関する管理・監督を行っています。

 また当社は、ISO14001の認証を取得しています(認証範囲の従業員比率38.5%)。環境マネジメントシステムを統括するISO管理責任者のもと、これを補佐するISO事務局を設置し、各事業所において環境活動を実施しています。

 環境活動推進体制図

※ESG委員会の体制については、「1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組 (1)ガバナンス ESG委員会体制図」をご覧ください。

(3)戦略

2022年度から、気候変動リスクについてTCFDの提言に沿ったリスクと機会の見直しを行っています。見直しにあたっては、事業活動におけるGHG排出量を低減できないこと、商品・見本帳を低炭素化できないことや回収・リサイクルできないこと及び急性・慢性的に起こりうる物理的なリスクといった観点で検討を進めています。

①気候変動によるリスクと機会

 把握した環境負荷においては、要素ごとにリスクと機会を分析し、対応策を進めています。

リスク

項目

移行リスク

法規制

・GHG排出やプラスチックに対する規制強化による収益の圧迫

技術

・脱炭素・再生材使用・リサイクル技術の不足

市場

・脱炭素技術やリサイクル設備を導入することでの設備コスト増

・リサイクル可能商品の回収にかかるコストの増加

・脱炭素(CO2フリー)・再生原材料への切換による原価アップ

・事業活動に伴う排出のオフセットによるコスト増

・消費者行動の変化による販売機会の喪失

…既存製品のニーズ減退

…脱炭素ニーズ増加 (対応製品の不足)

評判

・脱炭素製品、回収・リサイクルできる製品が提供できない事での評判低下

・サンゲツブランドの指名買いの低下・ESG投資家からの失望

物理リスク

急性

・台風やゲリラ豪雨など自然災害(洪水や浸水、強風)の激甚化による、

安定供給(仕入~納品・施工迄)に資する各機能の棄損と停止

慢性

・平均気温上昇に伴う空調などの稼働コスト増大

機会

項目

機会

資源の効率性

・資源循環することで資源の効率性が向上する

エネルギー源

・商品・見本帳を低炭素エネルギー(再エネなど)で製造ができる

製品/サービス

・商品・見本帳を低炭素化することによる環境配慮対応

・資源循環することによる環境配慮対応

市場

・低炭素商品・見本帳の拡充により環境配慮のニーズに応える

・再生材使用/リサイクル可能商品の拡充により環境配慮のニーズに応える

強靭性

(レジリエンス)

・商品・見本帳の低炭素化といったニーズの変化に対しても、

よりサステイナブルな商品・サービスが提供できる

・バージン材が枯渇する事態が発生しても資源循環するフローを

構築していることでサステイナブルな商品・サービスが提供できる

②マテリアリティ

 当社では、環境面における重要課題を以下の4つと捉え、それぞれの課題に対して取り組みを行っており、各項目における具体的な取り組みは、当社Webサイトに公開しています。

事業活動における

環境負荷

GHG排出量・エネルギー使用量の削減、廃棄物の削減、リサイクル率の向上

[詳細]

気候変動への対応

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html

資源循環

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/recycling_society.html

サプライチェーンの

環境負荷

グループ環境負荷の把握と低減プラン策定

[詳細]スコープ3への対応

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html#sec06

見本帳リサイクル

リサイクル処理キャパシティの向上、リサイクル率の向上

[詳細]見本帳リサイクル

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/recycling_society.html#sec03

環境商品の開発

低炭素、資源循環に資する商品の開発

[詳細]商品を通じた地球環境保全

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/product.html

(4)リスク管理

 当社では、マテリアリティを特定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのマネジメントレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。

 特に、気候変動を含む環境に関するテーマに取り組む「環境分科会」では、①事業活動における環境負荷、②サプライチェーンの環境負荷、③環境商品の開発 をマテリアリティとして掲げ、当社グループの事業全体の環境負荷を把握し、地球温暖化防止や持続可能な資源循環に向けた体制の構築を目指しています。

※ESG委員会におけるマテリアリティの特定プロセスについては、「1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組 (3)リスク管理」をご覧ください。

(5)指標及び目標

 当社では、中期経営計画(2020-2022)[ D.C. 2022 ]において、事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減に向けた定量目標を設け、取り組みを進めました。目標と2022年度までの進捗は、以下のとおりです。

①環境負荷低減に向けた定量目標と進捗

 当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、環境面における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。

■2022年度 目標と実績(単体)

 

目標

実績

 

GHG排出量(Scope1&2)

30%削減(2018年度比)

30.1%

:達成

 

エネルギー使用量

4%削減(2018年度比)

3.5%

:未達成

 

廃棄物総廃棄量

4%削減(2018年度比)

9.6%増

:未達成

 

リサイクル率

83%以上

86.4%

:達成

 

■実績推移(単体)

 

単位

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

GHG排出量(Scope1&2)

t-CO2

8,118

6,638

6,233

5,992

5,668

エネルギー使用量

GJ

127,535

127,178

127,681

125,355

123,021

廃棄物総廃棄量

3,695

4,195

4,098

4,283

4,134

リサイクル率

75.0

80.1

81.5

85.0

86.4

②気候変動に関連する今後の目標と取組

長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]における目標:2030年カーボンニュートラル実現に向けて

 当社では、長期ビジョン[ DESIGN 2030 ]において、単体カーボンニュートラルを掲げています。当社のGHG排出量削減の取り組みは、これまでも営業車両のハイブリッド化やエコドライブの推進、CO2排出係数の少ない新電力への切替などを行ってきましたが、2029年度の目標達成に向けて、省エネ、創エネ、再エネ、オフセットの4つの施策を中心に削減に取り組んでいきます。設備更新などでの「省エネ」、太陽光発電設備導入による「創エネ」、再生エネルギー調達による「再エネ」、植林・電力証書・排出権などでの「オフセット」などを計画的に実行し、GHG排出量の実質ゼロに向けて取り組んでいきます。

■定量目標

GHG排出量(Scope1&2)

・グループ連結 55%減(2021年度比)

・サンゲツ単体 カーボンニュートラル

■GHG排出量カーボンニュートラルに向けた計画値(単体)

※2023年5月12日に発表した中期経営計画(2023-2025)[ BX 2025 ]における施策と目標の詳細につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご覧ください。

■カーボンニュートラルに向けたロードマップ(単体)

 当社の環境に関する取り組みの詳細は、環境レポート「Environmental Report 2022」で開示しています。

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/report/report_environmental.html

3.人的資本に関する考え方及び取組

 当社グループは、ブランドステートメント“Joy of Design”のもと、さまざまな空間創造を通じた“デザインするよろこび”の提供を目指しています。豊かな感性が重要な価値を持つ「デザイン」を経営の軸とする当社にとっては、社員一人ひとりが自らの個性を多様性として活かし、互いに尊重しあいながら成長することが、事業における強い原動力となります。この力を最大限に生み出すために、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンや健康経営といった施策を通じ、社員が自らの仕事に誇りを持って生き生きと働き、社会に新たな価値を提供する企業を目指しています。

(1)ガバナンス

 人的資本への取り組みについては、社長を委員長とするESG委員会のもとに設置した人的資本分科会が行っています。分科会では、多様な社員の活躍支援や社会的弱者の就労支援に向けた取り組みを進めており、これらの取り組みは四半期ごとに進捗状況をレビューし、取締役会にて年2回の進捗状況に関する管理・監督を行っています。

※ESG委員会の体制については、「1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組 (1)ガバナンス ESG委員会体制図」をご覧ください。

(2)リスク管理

 当社では、マテリアリティを特定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのマネジメントレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。

 特に、人的資本に関するテーマに取り組む「人的資本分科会」においては、①社員の健康と能力開発、②社員エンゲージメントの向上、③従業員のダイバーシティ・インクルージョン を掲げています。この特定においては、GRIとSASBの定めるガイドライン等を参考に当社に特に関係するESG課題を特定し、社会及び長期投資家にとっての重要度や当社事業の持続的成長への影響を踏まえて評価しています。マテリアリティに対する進捗状況については、ESG委員会にて四半期ごとにレビューを行っています。

(3)戦略、指標及び目標

 当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりです。

■人材価値の向上に関する基本的な考え方

 当社グループは、持続可能な企業価値の向上を追求しています。ここでの「企業価値」とは「人材価値の総和」に他なりません。経営において「人材価値の向上」は何よりも優先すべき課題と捉え、課題解決のためにさまざまな施策を実行しています。この基本的な考え方に基づき、当社では人的資本に関する各方針を定め、具体的な取り組みを着実に実行するとともに、目標や参考指標を通じた実態把握や進捗管理を行い、人材価値の拡大を図っています。

 具体的な取り組みとしては、「人権方針」や「企業理念」あるいは「長期ビジョン」など当社グループの共通の価値観を全従業員と共有しています。また職務・職責に応じた人事制度の導入、年齢・性差・国籍などによらない能力基準の配置・登用、専門性のある人材のキャリア採用拡大、外国籍人材の採用強化、教育研修の拡充(業務へのIT活用を前提としたIT教育、現場力向上のための職種毎の教育支援)等を実行しています。

 基本的な考え方に基づく、各方針や具体的施策、指標及び目標は以下のとおりです。

1)人材育成

①人材育成方針

 自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する。

・社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する

・昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う

・計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う

②具体的な取組

■人事制度改革

 当社では、「社員が経営を担う事業基盤の整備」を重要施策の一つとして人事制度改革を進めており、2022年4月には新たな人事制度の運用を開始しました。新人事制度では、管理職に対する任用を従来の「能力等級×役職」から「職務に対応するグレード制」へと変更することで、職務の目的・成果に応じた報酬体系を明確にしました。さらに、組織運営能力や経営力に特化した「マネジメント系」と高度専門的な能力を発揮する「プロ系」の2系統の職務グレードとすることで、キャリアの幅を広げ、専門人材の育成や強化、採用に備えます。

 新たな制度は「職務型」の人事制度ですが、いわゆるステレオタイプのジョブ型とは異なります。新たな制度における「職務とそのグレード」は、時代に合ったもの、より競争力のある仕事・職務へと臨機応変に変えていく必要があり、基本的な部分はありつつも、常に変化していくものとしています。この新たな人事制度を活用しさらに積極的な人材登用の機会を創出していきます

 職務グレード・職能等級制度の全体像

■研修制度

 当社では、ビジネスパーソンとしての基礎力を身に付けるための階層別研修の他、テーマに応じた目的別研修を行っています。

[主な研修(一部)]

 基礎力育成に向けた階層別研修

研修名

対象者

 

新入社員研修

新入社員(全員)

 

ロジカルシンキング研修

2年目社員(全員)

 

クリティカルシンキング研修

3年目社員(任意)

 

リーダーシップ研修

主事相当昇格者

 

ティーチング・コーチングスキル研修

係長相当昇格者

 

マネジメント研修

新任管理職任用者

 

評価者研修・目標設定研修

管理職任用者

 

 テーマに応じた目的別研修

研修名

対象者

 

LGBTQ+研修

部門長 ※その他社員任意参加

 

ハラスメント研修

(感情把握とコントロールのためのEQ研修)

部門長、グループ会社マネージャー層

 

メンタルヘルス研修

部署責任者、新入社員

 

キャリア研修

30歳・40歳・54歳到達時(任意)

 

各種健康増進研修

全社員(任意)

 

経営幹部育成研修

選抜社員

 

IT・DX関連研修

選抜社員

 

 その他、通信教育や資格取得の助成、表彰制度等により、社員が自ら主体的に学ぶ風土の醸成に努めております。

2)ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(社内環境整備)

①サンゲツグループダイバーシティ基本方針

 サンゲツグループを取り巻く国内外の外部環境の変化がますます激しくなる中で、強固な事業基盤を築き持続的な発展に繋げていくためには、多様化する需要分野・地域・お客さまに対し、多様な機能や商品、深い専門性をもったサービスの提供が不可欠です。

 サンゲツグループは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進します。

 背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげる「ダイバーシティ・マネジメント」を経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいます。

②具体的な取組

■多様な人材の活躍支援

 当社では、従業員の多様性を活かすことで、一人ひとりの意欲や能力を最大限発揮することを目指し、新たな価値創造を組織にもたらすべく、経営戦略の一環としてさまざまな取り組みを行っています。多様な人材の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、障がい者雇用については、処遇改善や各組織でのトライアル雇用などに取り組んでいます。また、新卒の採用だけでなく、空間デザイナーや施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等において、多様性のあるキャリア採用を拡大し、人的資本を強化しています。

■女性活躍支援

 戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しています。女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的とし、人事部内にダイバーシティ&インクルージョン推進担当を配置し、目標達成に向け各種施策を展開しています。性別にかかわらず、社員の知見・経験や専門性を組織に活かすことを目指し、2021年度から3年間の行動計画に沿ってダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。

 女性活躍推進法に基づく行動計画

目的

女性社員が長く働き続け、自身の強みを活かし、活躍できる組織及びそれを応援する風土の実現

計画期間

2021年4月1日~2024年3月31日までの3年間

目標①(定量)

管理職層に占める女性割合を2022年度までに20%とする →2025年度25%以上

目標②(定量)

正社員の有給休暇取得率を75%以上とする

目標③(定性)

社員全体の長時間労働是正

 実施策

キャリア形成支援

・女性社員及び、上司に対するキャリア形成支援と支援スキル向上研修の導入

・多様なキャリア選択が可能な人事制度検討

男女格差の解消

・男性育児休職制度の整備と取得啓蒙

働き方改革の継続実施

・テレワーク勤務等、柔軟な働き方に関わる制度の再整備と拡充及び、積極活用の促進

・業務効率化のためのDX推進

■LGBTQ+に関する取組

 サンゲツグループ人権方針、サンゲツグループダイバーシティ基本方針を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認及び性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進することを社内外へ周知しています。こうした考えからLGBTQ+を積極的に支援するためのヘルプラインの設置やALLYステッカー掲示による意志表明支援などに取り組んでいます。また、2022年度には、全社員(部門長 ※その他社員任意参加)を対象としたLGBTQ+研修を行いました。

※ALLY(アライ):LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人のこと。

 サンゲツALLYステッカー

③指標及び目標

 当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンにおける定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。

■中期経営計画[ D.C. 2022 ]における目標と実績(単体)

 

目標

実績

[女性管理職登用支援]女性管理職比率

20.0%

20.1%(2023年7月見通し)

:達成

[障がい者雇用の拡大]障がい者雇用率

4.0%

3.9%

:未達成

■実績の推移(単体)

・女性管理職比率

 女性が自身の強みを生かして活躍できる組織と制度作りを進めた結果、女性管理職比率は20.1%(2023年7月見通し)と、中期経営計画[ D.C. 2022 ]で掲げた目標を達成しました。引き続き、2025年度目標25%を目指してまいります。

※人事異動時期の変動により、2023年のみ7月時点の見通しで算定しております。

・障がい者雇用率

 障がいを持つ方の雇用率は3.9%と、目標にわずかに届かなかったものの、法定雇用率2.3%を超える結果となりました。2025年度目標4.0%に向け、引き続き取り組みを進めてまいります。

④その他の参考指標(単体)

・平均勤続年数

 社員一人ひとりが意欲を持って仕事にチャレンジできる、働きがいのある会社を目指しています。その結果を示す指標の一つとして、平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示しています。

・男性育児休業取得率

 性別問わず、誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする体制の推進として、男性育児休業取得率の推進を行っています。現在、女性社員の育児休業取得率は100%となっておりますが、男性社員においても、2025年度の目標取得率100%(2週間以上)を目指してまいります。

※男性育児休業取得率(育児休業には出生時育休を含む):

 年度内に育児休業を取得した男性社員数÷年度内に配偶者が出産した男性社員数

3)働き方の見直し(社内環境整備)

①働き方に関する方針

 サンゲツでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、

 社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運用と、

 安全で働きやすい職場環境を確保する。

②具体的な取組

■仕事と家庭の両立支援

 社員が能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代の育成に貢献するため、社員の育児・介護を支援しています。介護に関するセミナーの実施、ベビーシッター・病児保育費用の助成、民間保育所との法人提携、また、子を持つ社員への理解促進や家庭内コミュニケーション促進のためのこども参観日の開催等、さまざまな施策で仕事と家庭の両立を支援しています。

 育児・介護支援制度

妊娠・出産

育休中

育児

介護

産前・産後休業

・育児休業者支援プログラム

(上司面接・

育児サポートセミナー)

・育児休職の一部有給化

・育児短時間勤務制度

(小学2年生始期まで)

・民間保育所の法人提携

・病児保育サービス費用助成

・ベビーシッター費用補助制度

・フレックスタイム制度

・時間有給休暇制度

・在宅勤務制度

・介護休業

(法定+最長1年まで延長可)

・フレックスタイム制度

・時間有給休暇制度

・在宅勤務制度

■働き方の多様性

 当社では、社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善強化策を実施しています。フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な勤務制度をはじめ、「Google Workspace※」などICT技術の活用、ベビーシッター費用の助成、民間保育所との業務提携など、社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っています。

※Googleが提供するクラウドコンピューティングで、生産性向上のためのグループウェアツール。

 働きやすい環境づくりに向けた施策

働き方の柔軟性

コアタイム無しのフレックスタイム勤務や在宅勤務、時差勤務や時間単位の有給休暇制度等、職種や職場環境に応じて活用しやすい制度を整備。サテライトオフィスやグループ会社のオフィス利用を可能とし、働く場所の選択肢を拡充。

過重労働の防止

PCログによる労働時間の可視化やPC自動シャットダウン時間の設定、Google Workspaceを活用し、リモート会議やチャット機能による円滑なコミュニケーション、お互いの業務状況を共有することで、業務をシェアし過重労働を防止。保健師や産業医への相談窓口の設置。

オフィス環境

敷地内の全面禁煙の実施、グループアドレスの推進やコミュニケーションエリアの設置等、働きやすいオフィス環境の整備。

③参考指標(単体)

・育児短時間勤務利用者数

 仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境の整備の一環である「育児短時間勤務」の利用者数は年々増加しています。

・ワーキングマザー比率

 子育て期間中の社員が継続して就業できる制度や環境づくりを推進しています。女性社員におけるワーキングマザー比率は、年々増加しています。なお、2022年より、ワーキングマザーの定義を「子のいる女性社員全員」から、「18歳未満の子のいる女性社員」へと変更しています。

※ワーキングマザー比率:ワーキングマザー人数÷女性正社員人数

・有給休暇取得率

4)健康経営(社内環境整備)

①健康経営方針

 健康に働き、人生を送る 「従業員が生き生きと働くために」

・心身の健康づくり(本人やその家族)

 心身の健康づくりに向けた体制の充実、健康の保持・増進活動に取り組みます

・人生をより豊かに

 健康経営により、本人やその家族、地域社会全体への幸せづくりに貢献します

・働きやすい環境づくり

 安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保します

 当社では、サンゲツグループ企業倫理憲章5原則のひとつに「従業員が生き生きと働くために」を掲げ、従業員の多様性、人格、個性を尊重し、従業員一人ひとりが会社経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運営と、安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保することに取り組んでいます。引き続き、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、健康の保持・増進活動に努めてまいります。

②健康経営推進体制

 代表取締役社長執行役員を健康管理最高責任者とし、人事部健康経営推進室の健康経営推進担当・保健師が中心となり、快適な職場環境と心身の健康づくりを実践するため、各事業所の健康経営推進担当、産業医と連携して従業員の健康保持・増進活動を展開しています。

③具体的な取組

 当社では、従業員が生き生きと働くために安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、「計画年休の取得促進」「敷地内全面禁煙実施」「全社員対象にしたストレスチェックの実施」など、健康の保持・増進活動に継続的に取り組んでいます。2019年には「サンゲツ健康保険組合」を設立し、健康経営に向けた組織体制を整備し、健康に関する情報発信や各種健康イベントの開催など、心身の健康づくりに向けた取り組みを強化しました。さらに、保険診療対象外である「先進医療制度」の治療を受ける社員の経済負担を軽減させる「がん先進医療補償制度」を導入し、従来進めている疾病予防・早期発見に向けた啓蒙活動と併せ、経済面からの「治療と仕事の両立」の支援制度を整えました。

 これらの活動が評価され、当社は2020年以降4年連続で健康経営優良法人(大規模法人)に認定されました。

④指標及び目標

 当社では、2020年度から2022年度までの中期経営計画[ D.C. 2022 ]において、健康経営における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。

■中期経営計画[ D.C. 2022 ]における目標と実績(単体)

 

目標

実績

 

非喫煙率

82.0%

81.1%

:未達成

 

■実績の推移(単体)

・非喫煙率

 継続的な取り組みにより非喫煙率は増加傾向にありますが、2023年3月末時点で81.1%と目標未達となりました。

 当社では、この他にも定期健康診断における有所見率やがん検診受診率といった数値に定量目標を設け、健康経営を推進しております。詳しい情報は当社Webサイトをご覧ください。

 健康経営

https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html

⑤その他の参考指標(単体)

・退職者数(年間・定年除く)/離職率

 社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、不当な差別やハラスメントを禁止し、公正で明るい職場づくりに努めています。心身の健康が保てる職場環境の整備を推進しており、直近5年の離職率は低い水準を保っています。

・時間外労働時間の推移

 新型コロナウイルス感染症の影響による働き方や市場動向の変化により、時間外労働時間にも年度による変動が見られますが、多様な働き方を可能にするシステム・制度の積極的な導入により、時間外労働の低減に努めています。

・ストレスチェックの受験率と結果(高ストレス者比率)

 直近年度においては、高ストレス者は10%程度となっています。定期的なストレスチェックにより、メンタルヘルス不調の未然防止・職場環境の改善に努めています。

5)労働安全衛生(社内環境整備)

①労働安全衛生基本方針

・社員の安全確保、健康増進を図り、安全で快適な職場づくりを推進する

・安全や心身の健康に関する法令、社内規定を遵守する

・労働災害、車両事故や交通違反の件数削減を推進する

②安全衛生管理体制

 当社では、安全衛生担当取締役を、全社統括安全衛生管理者とし、全社の安全衛生を統括管理しています。全社統括安全衛生管理者の下に、全社安全衛生管理委員会をおき、その下に本社及び各支社とロジスティクスセンターの安全衛生管理委員会を設けています。安全衛生管理委員会では、総務部長または各支社長を委員長とし、衛生管理者、安全管理者、産業医、そして各部署から安全衛生委員を選出しており、当委員会での審議項目については、定期的に取締役会に報告しています。

 さらに、身体的な作業が多く発生するロジスティクスセンター内における安全衛生活動は、別途定める「ロジスティクスマニュアル<安全衛生>」に基づき実施しています。また、同職場における請負会社への安全対応も、ロジスティクスセンター内の安全衛生活動の中で行っています。

③具体的な取組

・新入社員を対象とした安全衛生研修を行い、安全衛生の考え方や組織体制の理解、活動内容の周知、安否確認方法の訓練を行いました。(2022年度55名)

・労働災害が発生した場合には、該当部署が発生日を含め翌日までに「発生報告書」を作成、発生後1週間以内に「対策報告書」を作成し、対策会議を行った上で事務局に提出することで、発生状況の共有・管理と再発防止に努めています。

・国内で発生が懸念される地震などの大規模災害に向けた労働安全衛生の取り組みの一環として、2013年度より事業継続計画(BCP)の作成、飲料水・食料・トイレなどの備蓄品の整備に加え、全員参加型防災訓練や救命救急講習、AED講習会、安否確認サービスでの報告訓練などの対策を講じています。

・車両事故防止対策として、「ドライブレコーダー」と「テレマティクス」の全営業車両への設置、バックモニターや安全機能を標準装備した車両の段階的な導入を行うとともに、エコドライブの推進や交通違反に対する個別指導を行うなど危険運転の抑

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