サマンサタバサジャパンリミテッド 【東証グロース:7829】「その他製品」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
本書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上で重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。なお文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
(1)パンデミック発生等に関するリスクについて
新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックが発生した場合、世界各国で渡航制限や外出制限などの措置が行われ、経済活動に大きな影響が及ぶ可能性があります。当社グループにおきましても、政府や自治体の外出自粛要請に基づく店舗の休業や営業時間の短縮、個人消費の大幅な縮小等による売上高の減少、国内外での商品調達網の寸断等の懸念があり、このような事態が長期化した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)ブランド展開について
① ブランド力の維持について
当社グループは、商品ブランド力の維持のため、主要な顧客層である20代の女性はもとより、より幅広い年齢層に支持されることを念頭に、SNSや顧客層別の雑誌や書籍に取り上げられることにより積極的な広告宣伝・販売促進活動を行っていく方針を採っております。しかしながら、各顧客層の嗜好やライフスタイルの変化等により当社グループのブランド戦略が受け入れられなくなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 今後のブランド展開について
当社は、主力商品ブランドである『サマンサタバサ』を中心にコーポレートブランドの強化、育成を行い、更に連結子会社である株式会社バーンデストローズジャパンリミテッドのアパレルブランドにつき、当社が持つ総合力によって尚一層の向上を図る方針であります。しかし、今後顧客の嗜好やライフスタイルの変化があった場合、あるいは既存主力ブランドに続く当社グループの今後のブランド戦略が遅れ、顧客の支持を得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 商品戦略について
当社グループの商品戦略は、主に各ブランドの担当デザイナーが中心となり立案及び実施しております。当社グループの商品は、いずれも流行等に左右されやすい性質を有していることから、女性向け雑誌や書籍等の出版社等との情報交換を通じて早い段階から商品企画を進めております。このように最新の情報に基づいて顧客の嗜好や流行を捉えた商品企画に努めておりますが、顧客の嗜好やライフスタイルの変化があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)店舗展開について
出店政策について
当社グループは原則としてブランド別の出店戦略を実施しております。
海外店舗を含む当社グループの部門別店舗数の推移は以下のとおりであります。
部門 | 2021年2月期 (店) | 2022年2月期 (店) | 2023年2月期 (店) | 2024年2月期 (店) |
バッグ | 184 | 169 | 157 | 131 |
ジュエリー | 32 | 32 | 29 | 19 |
アパレル | 51 | 46 | 44 | 45 |
その他 | 42 | 41 | 40 | 30 |
合計 | 309 | 288 | 270 | 225 |
(注)1.バッグ部門には、サマンサタバサ事業におけるリボーン計画店舗、「サマンサタバサ」、「サマンサベガ」、「サマンサタバサプチチョイス」、「キングズ」、「&シュエット」等の店舗が含まれております。
2.ジュエリー部門には、「サマンサティアラ」、「サマンサシルヴァ」の店舗が含まれております。
3.アパレル部門には、「ウィルセレクション」、「スウィングル」、「レディアゼル」、「アンド クチュール」等の店舗が含まれております。
4.その他は、「フィットハウス」、「サマンサタバサNEXT PAGE」、「サマンサタバサ ゴルフ」の店舗であります。
5.店舗増減要因は、新規出店及び退店、ブランド変更、店舗統廃合によるものであります。
当社グループは、新たな店舗業態による事業をベースとしたビジネスモデルへの転換を念頭に、先ずは新業態開発の計画設計に着手し、「Reborn計画」として構想を進めてまいりました。3年後のありたい姿へのマイルストーンとして、2024年2月期を「リカバリー期」と位置づけ、サマンサタバサ事業本部においては、従来ブランド単独での出店を基本としておりましたが、複数ブランドによる結合型店舗、複合型店舗、そして旗艦店の位置付けとしての総合型店舗にて、お客様の「ワンストップ・ショッピングニーズ」に対応し、店舗環境面からは新店装の開発により全店舗統一環境を実現し、ブランドイメージの再構築を目的とした新たなビジネスモデルを開発し、市場に順次投入してまいりました。
また当該ビジネスモデルは、販売費及び一般管理費の節減にも大きく寄与するモデルとして実現を推進してまいります。
フィットハウス事業本部におきましても店舗総点検を実施し、これまでロードサイドの単独大型店舗中心のビジネスモデルでしたが、郊外モール型商業施設への新型モデル店舗での出店、及び展開MDについても出店先の商業施設ごとに商品動向を分析し、最適な商品MDミックスを開発することで収益性の高いビジネスモデルとして再構築を図ってまいりました。
出店政策として、当社グループでは顧客層の動向や流行を勘案しながら総合的に判断し、計画を立案しております。しかし、今後、当社グループの出店計画が順調に進まない場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、出店形態は主要都市にある百貨店等へのインショップが中心となっているため、今後出店交渉が難航した場合には出店の遅れ等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)社内体制について
人材の確保及び育成について
当社グループは、店舗従業員の確保・育成が重要な経営課題の一つであると認識しております。このため、当社グループにおいては店舗計画に合わせた新卒採用、中途採用を展開しています。さらに、本社研修及びセミナー等の研修制度の充実化に努める等、人材の確保・育成に注力しております。しかしながら、店舗計画に見合った人材の確保・育成がなされなかった場合、顧客に対するサービスの低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報の管理について
当社グループの商品は、店舗、インターネット及び雑誌媒体において、一般消費者に販売されております。店舗における販売では、販売促進活動の一環として、お客様の個人情報を取得し利用しております。現在、当社ではお客様の情報を各店舗において管理し、本社ではお得意様である会員に関する情報を管理しております。お客様の情報は販売促進を目的とする場合等、内部で利用することがありますが、外部に公開することは一切ありません。さらに、個人情報については社内管理体制を整備し、情報管理への意識を高めるとともに、情報アクセス権を制限する等、安易に個人情報が漏洩することのないように取扱いには十分留意しております。インターネット及び雑誌媒体における販売では、信頼できる外部業者に業務委託し、徹底した管理を行っております。しかしながら、外部からの不正侵入等、不測の事態により万が一個人情報が外部に漏洩するような重大なトラブルが発生した場合には、当社グループへの損害賠償や信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)大規模な自然災害等について
当社グループは、店舗による事業展開を行っており、大規模地震・自然災害や火災等の事故災害、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)借入金の財務制限条項について
当社グループは、機動的かつ安定的な資金調達を行うため取引金融機関とシンジケートローン契約を締結しており、以下の財務制限条項が付されております。
① 2022年2月期末日及びそれ以降の各事業年度末日において、連結及び単体の貸借対照表に記載される純資産金額を、2021年2月期末日における連結及び単体の貸借対照表に記載される純資産金額の75%に相当する金額、又は直近の事業年度末日における連結及び単体の貸借対照表に記載される純資産金額の75%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。
② 2021年2月期末日及びそれ以降の各事業年度末日におる連結及び単体の損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと。
③ 株式会社コナカの連結子会社であることを維持すること。
④ 全貸付人及びエージェントの事前承諾なく、株式会社コナカを債権者とする2020年10月15日付の8億円の借入金の弁済を行わないこと。
当連結会計年度において、当社は上記の財務制限条項に抵触しておりますが、主要取引銀行と緊密な関係を維持し、定期的に建設的な協議を継続していることから、今後も主要取引銀行より継続的な支援が得られるものと考えております。
また、当連結会計年度において、上記のシンジケートローンの変更契約を締結しており、下記の⑤⑥の財務制限条項が追加されております。
⑤ 2023年11月末日時点及びそれ以降の毎月末日時点における連結貸借対照表に記載される現金及び預金の合計金額を、3億円以上に維持すること。
⑥ 2023年11月及びそれ以降の毎月末日における単月の連結の営業損益の実績が貸付人に提出した計画を下回らないこと。
なお、新たにシンジケートローン契約を締結し、2024年5月15日にリファイナンスを実行しております。
このリファイナンスの詳細につきましては、連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(8)継続企業の前提に関する注記について
当社グループは、前連結会計年度において、当社グループの流動比率(=流動資産/流動負債)が61%となったことに加え、営業損失17億17百万円、経常損失15億48百万円、親会社株主に帰属する当期純損失19億96百万円を計上しました。また、当連結会計年度においては、流動比率が76%まで改善したものの、営業損失10億27百万円、経常損失12億16百万円、親会社株主に帰属する当期純損失16億円を計上し、5期連続で営業損失、経常損失、8期連続で通期の親会社株主に帰属する当期純損失を計上する状況となっております。これらのように当社グループには、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。
このような事象又は状況を解消するために、当社グループでは2022年下期以降、「Reborn計画」における全方位的な構造改革の下で収益構造の改善及び資本の増強を喫緊の経営課題と捉えて取り組んでおります。
まず収益構造の改善におきましては、店舗別の収益構造から強化店舗、撤退店舗を区分けし、経営資源の効率的な投下に向けて構造的体質改善を行います。さらに既存ブランド事業の進化形態として多様なニーズに対応した新業態事業モデルであるReborn計画店舗の出店を拡大しております。サマンサタバサ事業においては、新業態店舗であるReborn計画店舗の拡大を進めるとともに、ブランド&デザインの一元化を行うことで、販売面での世代別マーケティングを強化いたしました。加えて、高級素材を用いた本革製品の構成比を従来の15%前後から30%超に押上げ客単価の向上に奏功し、さらに戦略的ブランドパートナー企業との協業を加速し実店舗並びにECでの販売を拡大するなど、新たなる市場領域を通じて売上高向上に向けた諸施策を推進しております。また、製造原価低減への取り組みとともに品質向上のために、点在していた中国の製造拠点をブランド別に2拠点に集約し、専用化ラインの契約と生産開始を行うとともに、ASEAN地域での生産拠点化にも取り組む一方、本革製品の構成比が急速に向上されたことに対応して子会社工場を中心に国内での生産力の向上に努めております。さらには高コスト化が大きな課題であった従来の配送管理と店着物流において、ロジスティクス総合化計画に取り組んでおり、従来の関東エリアの5拠点に点在していた物流倉庫を、新物流センター(名称:「サマンサタバサグループロジテックセンター」)に移転統合を行い、IT化で支援した保管と配送の効率化により大きく改善するとともに、「店着物流」の合理化と効率化を行い、2024年度問題も視野に入れて物流構成比の削減に取り組んでおります。
フィットハウス事業におきましては、これまでの郊外ロードサイド単店舗型の事業構造から、ショッピングモール内での新たなReborn計画店舗業態を開発し、今下期よりテスト店舗でのゾーニング化とMDプランの実証実験を行いながら、業態開発店舗の出店を開始しております。
以上の取り組みにより、業績を改善してまいります。
一方で、当社の資産効率の向上と手元資金の確保を目途として、当社保有の有形固定資産の売却に関しまして、今後も適時に進めてまいります。
これら事業構造改革を着実に実行するために、各本部の責任者に執行役員を配置することにより、業務推進の責任体制、更には組織・人事改革を推し進めております。
全社員が高いモチベーションを維持し、日々の業務に取り組める就労環境の改善整備を進めるとともに、行動指針である「3つの一手間かけた思いやり」を実行実現することで、お一人お一人のお客様をお迎えする環境をつくっております。
財務面におきましては、2023年5月30日開催の当社定時株主総会にて株主の皆様からのご承認を受けまして、株式会社コナカ(当社親会社)を引受先とする18億円のA種種類株式の発行と減資等の実施、並びに有形固定資産の譲渡の実施により、資本増強と資本構成の最適化を図り、株式会社コナカからの新規の借入も受け、「Reborn計画」の確実な実行のための資金調達を行っております。今後も引続き、保有不動産の売却により借入金の返済を進めるとともに、ご支援頂いております取引金融機関や親会社に対しましては、既存の借入金の返済期限の延長など、引き続きご支援を頂くことにより、さらなる財務体質の改善に取り組んでまいります。これらの対応策に加え、当社は(重要な後発事象)に記載のとおり、2024年4月10日開催の取締役会において、2024年5月29日開催予定の当社定時株主総会での承認可決を条件として、当社は株式会社コナカ(当社親会社)との株式交換による経営統合について決議いたしました。またそれに先立ち、当社普通株式は2024年6月27日付で上場廃止になる見込みであります。当社グループでは、コナカ社との経営統合を前提とし、見込まれる相乗効果からなる収支改善に加え、管理部門や上場維持コストの削減を図るとともに、事業戦略へ経営資源を集中させることにより、収益力の改善に努めてまいります。
しかしながら、これらの対応策は実施途上であり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、当連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を当連結財務諸表に反映しておりません。
(9)実質的存続性審査について
当社は2020年7月20日に「「合併等による実質的存続性の喪失」に係る猶予期間入りに関するお知らせ」を公表し、株式会社東京証券取引所より、当社が実質的な存続会社ではないと認められるとの指摘から、有価証券上場規程第601条第1項第9号aの規定により、同日付で、合併等による実質的存続性の喪失に係る猶予期間入り(猶予期間は2020年7月21日から2024年2月29日まで)を公表いたしました。当期(2024年2月期)末に期限を迎えるにあたり、当社は審査に向けて社外ファイナンシャル・アドバイザーを採用し、市場への上場基準に照らし、実質基準の充足に向け準備を進めてまいりましたが、猶予期間終了日である2024年2月29日までに適合審査の申請を行う事は現実的に困難であるとの判断に至りました。
このような状況を踏まえ、2024年4月10日に「株式会社コナカと株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドの株式交換による経営統合に関する最終合意について」を公表し、本件株式交換の効力発生日(2024年7月1日予定)に先立ち、当社の普通株式は、株式会社東京証券取引所グロース市場において、2024年6月27日付で上場廃止(最終売買日は2024年6月26日)となる予定です。
(10)流通株式比率について
当社は、株式会社東京証券取引所の市場区分の見直しに関して、2021年12月24日付にてグロース市場を選択する申請書を提出し、同日、移行基準日時点(2021年6月30日)において、「株式流通比率流通株式比率」については当該市場の上場維持基準を充たしていないことから、新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書を作成し2024年2月末を計画期間と定め、上場維持基準を充たすために各種取組を進める旨を公表いたしており、2023年5月31日に「上場維持基準への適合に向けた計画に基づく進捗及び計画期間の変更」を公表しております。
当社の2024年2月29日時点におけるグロース市場の上場維持基準への適合状況は、流通株式比率について基準に適合しておりません。
このような状況を踏まえ、2024年4月10日に「株式会社コナカと株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドの株式交換による経営統合に関する最終合意について」を公表し、本件株式交換の効力発生日(2024年7月1日予定)に先立ち、当社の普通株式は、株式会社東京証券取引所グロース市場において、2024年6月27日付で上場廃止(最終売買日は2024年6月26日)となる予定です。
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