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企業概要

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) サステナビリティ全般

①ガバナンス及びリスク管理

 当社は、「ICTの活用によって持続可能な医療(Sustainable Medicine)を社会に提供し続けること」をミッションに掲げており、当社の事業活動そのものを通じて社会の持続可能性の向上と当社の企業価値向上の両立に努めております。

 当該ミッションを達成するためのガバナンス体制として、当社では、取締役会を中心に、経営戦略やミッションとの関連性を踏まえ、サステナビリティに関する重要課題や方針、具体的な対策等について議論を行っており、経営と一体となった、実効性のあるサステナビリティ活動を推進しております。なお、具体的な施策については、取締役会での議論をもとに、社内の関係部署において社内横断的に取り組んでおります。

 また、サステナビリティに関する重要課題に関する各種リスクについては、リスク及び機会の識別及び評価を行い、その管理方法について検討の上、関係部署と連携し、対応することとしております。具体的には、原則として3ヶ月に1度の頻度でリスク管理委員会を開催し、リスク評価とモニタリング、リスクの見直しを実施し、その内容について取締役会へ報告を行なっております。取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有していることから、リスク管理委員会から報告のあった内容を含め、当社のサステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針及び実行計画等についての討議・監督を行なっております。なお、具体的なリスクの内容、管理体制は「3 事業等のリスク」をご参照ください。

また、具体的なガバナンス体制及びリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

②戦略、指標及び目標

 当社ではサステナビリティに関する重要課題を選定するとともに、それぞれに対する戦略を策定し、サステナビリティ活動に取り組んでおります。社会の持続可能性の向上と当社の企業価値向上を一体と考える当社では、これらの重要課題に適切に対応する戦略を定め、取り組んでいくことが、ひいては当社の企業価値向上にも寄与するものと考えております。

当社のサステナビリティに関する重要課題については、上記のガバナンス及びリスク管理を通じて以下のプロセスにより検討を行っております。

(特定のプロセス)

 ステップ1 SASBやGRIなどが公表している各種指標やSDGs、ESG評価機関などの評価手法を参考に、当社の事業内容、経営計画を勘案の上、当社と関係するサステナビリティの課題項目を抽出(課題の抽出)

 ステップ2 取締役会において、ステークホルダーにとっての重要度と、当社の経営戦略やミッションとの関連性など当社にとっての重要度の両観点から、その妥当性や網羅性を議論(抽出した課題の評価)

 ステップ3 上記議論を踏まえ、重要課題及びその具体的な実施策を検討(重要課題の特定)

 ステップ4 取締役会での審議、承認を経て決定(重要課題の決定)

 上記プロセスを経て、当社では、サステナビリティに係るマテリアリティ及び当該マテリアリティに対する戦略の概要を以下のとおり確定しております。特定・整理を行った重要課題については、当社のサステナビリティ活動の基本とし、当該重要課題の解決に向けた具体的な取り組みを推進していきます。

分類

マテリアリティ

戦略の概要

E

(環境)

環境への貢献

自社事業の推進による持続的な医療の実現

医療課題解決のための製品・サービスの提供

自社アプリ・システムの開発、提供の推進

S

(社会)

人材育成・社内環境整備

社員の成長と活躍推進

多様な人材の活躍(多様な働き方)

社員の健康と安全

G

(ガバナンス)

コーポレート・ガバナンスの強化

コーポレート・ガバナンス

コンプライアンス(企業倫理・腐敗防止)

リスクマネジメント(BCP管理、個人情報・データセキュリティ)

知的財産の維持・強化

なお、人材育成・社内環境整備以外の各マテリアリティの取り組みの進捗を管理する指標及び目標については、現在検討中であります。また、サステナビリティに関する重要課題は当社の事業進捗や事業を取り巻く環境の変化に応じて、定期的に見直しを実施していきます。

上記枠組みを通じて特定された重要課題のうち、人材育成・社内環境整備に関する「戦略」及び「指標及び目標」については下記「(2)人的資本に関する考え方及び取組」をご参照ください。

(2) 人的資本に関する考え方及び取組

①戦略

 当社は、医療現場におけるニーズとIT技術を有機的に組み合わせ、新しい医療をつくり、持続可能な医療(Sustainable Medicine)を実現することを使命としております。そのためには、医療を中心とした社会課題の解決に強い関心を持つ様々な分野のプロフェッショナルが協力し、一人ひとりが本来有している専門性を更に高めながら研究開発・事業化を推進していける環境の整備及び高い専門性を有した社員の貢献に報いるための制度の構築が重要だと考えております。

当社は、以下に示す5つの「行動指針」を定め、採用基準の1つとするとともに、これらの価値観に基づく環境整備、制度構築に取り組んでおります。


②指標及び目標

 当社では、以下の3点を上記の戦略への取組における重点項目として、その状況を定量・定性両面の複数の指標で測定、評価しております。

a 社員の成長と活躍推進

b 多様な人材の活躍(多様な働き方)

c 社員の健康と安全

a 社員の成長と活躍推進

当社は、研究開発型の企業として、学会等での講演や論文発表、知的財産権の取得などを積極的に行っており、「本質的な成果にこだわる」「成長を楽しむ」という行動指針に示されているように、社員に対しても、職務発明規程を定め、研究開発の実施、研究成果の公表、知的財産権の出願等を推奨しております。

また、社員自身のスキルを高めることができる機会として副業を許可しており、当事業年度は、短期のものも含めて延べ8件の副業が行われました。副業に関する定量的な目標は設定しておりませんが、今後も社員のスキル獲得のための副業が可能となるような環境の整備を進めてまいります

b 多様な人材の活躍(多様な働き方)

 当社は、「プロフェッショナルとして尊重する」という行動指針を定め、年齢や性別に限らず、異なる経験や専門性を持つメンバーがお互いにその多様性を認め、尊重し合う企業文化の醸成に取り組んでおります。

 その一環として、働き方の多様性を確保するために、リモートワークと出社のハイブリット勤務、コアタイムのないフルフレックスタイム制度等を導入しております。働き方に関する指標は以下のとおりです。

・  年休取得率

67.3%

・  子の看護休暇取得日数

9.5日(延べ)

  リモートワーク率

100%(週3日以上53.3%)

・  フルフレックス制度を評価している

96.7%

今後、社員のライフステージの変化や組織体制の変更を視野に入れ、更に多様な働き方を可能とする環境を目指した制度づくりを推進します。

c 社員の健康・安全

 医療分野で事業を行う企業として、まず働く社員が健康であることが重要と考えており、健康診断や健康増進イベントの参加率向上など、身近な取組から社員の健康対策を推進しています。また、現時点で導入義務はありませんが、ストレスチェックもすでに開始しており、社員のメンタル面での健康や安全のサポートを行っております。健康診断受診率、ストレスチェック受検率はともに100%です。

少数精鋭の組織体制のため社員数は多くありませんが、採用による体制強化を継続的に進めており、社員1人あたりの平均所定外労働時間は9時間5分/月と、効率良く安定した勤務環境の整備に留意しております。

以上の重点項目への取り組みの結果、今期実施したエンゲージメントサーベイでは、エンゲージメント率を示すeNPS®※(employee Net Promoter Score®)が+6.67と、日本企業では多くがマイナスポイントとなる中、プラスの結果となりました。eNPS®の更なる向上を目指すとともに、定着率についても指標の1つとし、80%程度(今期は79.2%)を目標として、組織運営を行っていきます。

※NPS及びNet Promoter Scoreは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。

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