サイバー・バズ 【東証グロース:7069】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」というミッションのもとSMM事業を中心に事業展開を行っております。時代の流れを見極め、成長市場に合わせた事業展開を行い、消費者へ新しい「発見」や「体験」などの価値を生み出し続けていくことが当社グループの使命であると考えております。
また、当該領域において得た収益を、HR事業やライブ配信プラットフォーム事業等、ソーシャルメディアを用いた事業拡大が期待できる新規領域に積極的に投資し、収益化を実現していくことで、当社グループの大幅な売上・利益成長および企業価値の向上を目指してまいります。
(2)経営上目標とする客観的な指標
当社グループの重視する経営指標は、①売上高、②広告粗利の2指標であります。インフルエンサーを活用したマーケティング手法を中心に、ソーシャルメディア広告全般において、クライアントの幅広いニーズに対応するソリューションを提供することで、売上高及び広告粗利の最大化を図ってまいります。
(3)経営戦略
当社グループが今後更なる成長と発展を遂げるためには、「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の事項へ対応していくことが経営戦略上、重要であると認識しております。そのため当社グループは、自社サービスの強化・向上や、優秀な人材の採用、教育を通じた組織体制の整備を行い、インフルエンサーを活用した広告施策におけるシェア拡大とクライアントのニーズに対応できる新たなマーケティング手法の開発、ソーシャルメディアマーケティングの知見を活かした新たな事業開発等により、事業拡大を図る方針です。
(4)経営環境
当社グループが事業展開を行う国内インターネット広告市場は、社会のデジタル化が進むにつれ引き続き拡大をしており、株式会社電通の「2022年 日本の広告費」によれば2022年の同市場は前年比14.3%増の3兆912億円と推計され、継続的に高い成長率を維持しております。また、当社及び株式会社デジタルインファクト調べ「2022年 国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」によれば2022年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場は、前年比23.0%増の9,317億円、2023年は前年比17.0%増の1兆899億円、2024年は前年比16.7%増の1兆2,713億円と推計されております。
このような環境の中、当社グループでは「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」をミッションとし、従来の「SMM事業」、「D2C事業」、「HR事業」を展開してまいりました。なお、当連結会計年度より新たな事業基盤の強化を目的としてライブ配信プラットフォーム事業を営む株式会社WithLIVEを子会社化しております。また、2023年8月15日開催の取締役会において、連結子会社であるスタイル・アーキテクト株式会社の全株式を譲渡することについて決議し、2023年8月18日付(みなし売却日は2023年6月30日)で株式譲渡契約を締結しました。
新型コロナウイルス感染症による行動制限の多くが解除されたことなどから個人消費や設備投資を中心に持ち直し、経済活動の正常化が進んでおり、当社グループが提供するソーシャルメディアマーケティングに対する需要は今後も高まっていくと考えております。
また、テレビ番組などで活動をしていた芸能人が、世代を超えてソーシャルメディアで活動を開始するといったように、様々な分野の著名人がインフルエンサーとして活動することが定着しており、ソーシャルメディアが人々の消費行動に与える影響はますます高まっております。企業のマーケティング活動におけるインフルエンサーの活用は、業種や企業規模の大小を問わず、ますます一般的な施策として定着しつつあります。
したがって、当社グループの提供するサービスに対する需要は、今後も堅調に推移するものと考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①自社サービスの強化
当社グループでは、「SMM事業」において、これまでも「NINARY」「Ripre」「SNSアカウント運用」「to buy」といった自社サービスの開発・提供に注力し、当社でしか提供できない価値をクライアント企業へ提供し、当社の競争力を高めることに注力してまいりました。自社サービスの販売は、他社サービスの販売と比較し、利益率の高い商品であるため、事業上及び財務上の改善に繋がります。ソーシャルメディアマーケティングの特色としては、その技術進歩が非常に早く、新たなマーケティング手法やサービス形態が日々開発されていることが挙げられますが、当社グループでは、クライアントのニーズを満たすインフルエンサーの発掘・拡充・育成、サービスにおける機能充実、利便性の向上を図ることで、「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」という当社グループのミッションの実現に取り組んでまいります。また、自社サービスの強化策の一環として、クライアントへの直販ルートを強化し既存クライアントの深耕を図るとともに、既存クライアントの多くが属する化粧品及び日用品業界に加え、食品業界、コンテンツ配信業界等の様々な業界に属するクライアントと幅広く取引ができるように拡大をしており、今後も引き続き販路拡大を図ってまいります。
②新サービスの拡充
当社グループの継続的な成長のためには、既存事業とのシナジー効果が見込める新事業を展開していくことが必要と考えます。そこで、新たな事業基盤の強化につながり、当社の既存事業とのシナジーも見込めるライブ配信プラットフォーム事業を営む株式会社WithLIVEを100%子会社化し、クライアントのニーズに適した幅広いサービスの提供が可能になっております。
また、当連結会計年度においてはUGC(ユーザー生成コンテンツ)に特化したクリエイターと企業のマッチングプラットフォームである「DETEKURU」をローンチいたしました。当該サービスは順調に登録企業・クリエイターが増加しており、引き続き利用企業・クリエイターの獲得に努めるとともに、新機能の開発等によるサービスの更なる向上を図ってまいります。
HR事業については、100%子会社である株式会社BuzzJobにおいて人材紹介事業を行っております。ソーシャルメディアマーケティングの知見を活かし、企業規模を問わず、求人企業の求めるマーケティング人材を中心に国内の人材ニーズにお応えしております。
上記に加えて、当社では新事業や新サービスの拡充に注力する事業開発室等の部署を設置しており、今後も積極的にサービスの拡充に努めてまいります。
③新サービス等の開発体制の構築
インターネット市場の技術革新のスピードは非常に早く、またソーシャルメディアマーケティング市場においては、新たなサービスや競合他社が次々と現れます。当社グループでは、競合優位性の確保及び事業の拡充を図るため、新規広告商品やサービスの開発、投資を行っております。当該開発に際しては、システム開発の必要性から優秀な人材の拡充が必要となるため、エンジニアの採用・育成強化に努めてまいりました。今後も継続して取り組む激重要な課題であると認識しておりますので、より一層迅速な開発が行える体制整備や優秀な人材の確保を行ってまいります。
④当社グループ及びサービスブランドの知名度向上
当社グループが今後も成長を続けていくためには、自社サービスの知名度向上により、インフルエンサーの拡充及びクライアント企業からの認知の拡大が必要不可欠と考えています。今後も費用対効果に注意を払いながらもプロモーション活動を強化してまいります。
⑤組織体制の整備
当社グループは、更なる成長を図る為に、成長フェーズにあった組織体制の確立と優秀な人材の確保、また確保した人員の早期育成の仕組みが不可欠だと考えております。採用活動の強化を図るとともに、社内研修制度、ノウハウの共有の仕組みの確立を行ってまいります。
⑥情報管理体制の強化
当社グループは、インフルエンサー等の個人情報を多く取得しており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報管理規程を制定し、その取得・提供・管理についての方針を定めております。また、個人情報取扱いの専用の端末を設置し、アクセス権限者を限定した上で、アクセスログについても取得し、不正なアクセスがないか随時モニタリングを実施しております。また、個人情報以外のパーソナルデータとして、cookie情報や行動履歴情報等の取扱いについても、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の「行動ターゲティング広告ガイドライン」を遵守した取扱いを実施しております。これらの施策により個人情報の取扱い等の管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステム整備などを継続的に行ってまいります。
⑦内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、当社グループといたしましては、コーポレート部門の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。
⑧広告審査体制の整備
当社グループのSMM事業における広告手法は、クライアント企業の商品の体験等をインフルエンサーが各種SNSにおいて投稿、拡散するものですが、インフルエンサーによる当該投稿が広告関連法令やインターネット広告業界の自主規制に違反しないよう、当社グループでは顧問弁護士への確認等により広告関連法令を網羅した厳格な広告審査基準を定め、全広告案件における投稿の審査を実施しております。また、2023年10月1日より、ステルスマーケティングが景品表示法の規制対象になることが決定した時点で、いち早く規制内容の検討、社内ルールの再整備、社内外への勉強会の実施等を実施しており、その後も継続して厳格な社内ルールの周知・徹底をしております。
広告審査体制としては、社内に専門の部署を設け、審査を実施している他、外部機関による審査も実施し、社内外での二重の審査を実施しております。また、当該外部機関と定期的な広告審査に関する会議を実施し、必要に応じて顧問弁護士等へ相談する体制を整えております。広告審査の結果、審査基準に抵触するインフルエンサーの投稿については、修正を依頼している他、インフルエンサーが適切な投稿を行うよう随時注意喚起を実施し、その法令遵守意識の啓蒙に努めております。その他にも、当社はデジタル広告市場の健全な発展を目指す一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)の品質保証を取得しております。今後、事業拡大による広告案件の増加や、新たなマーケティング手法を開発した際においても、広告審査体制の整備、対応を行ってまいります。また、一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)及びWOMマーケティング協議会(WOMJ)に加入し、ガイドラインを遵守することで健全な事業運営に努めております。
⑨法規制等の変動に対応する社内体制
当社グループの事業は、広告関連法令、インターネット広告業界の自主規制、各種SNSプラットフォーム規約等の制約を受けますが、それら規制の改正、変更等の事業環境の変化に迅速に対応するため、SMM事業部門とコーポレート部門が連携して情報の収集、分析、管理を行っております。また、規制等の変更に伴い対応が必要である際は、社内への周知、教育等によりその徹底を図っており、これら対応を継続的に行ってまいります。
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