企業サイジニア東証グロース:6031】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、国内のデジタルマーケティングソリューション領域で No.1 を目指し、企業と消費者のエンゲージメントを高めて幸福な購買体験を実現するための取り組みを進めております。

 この方針のもと、「株主」「顧客」「社員」等全てのステークホルダーの視点に立った経営を行い、当社グループの企業価値の最大化を目指しております。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、適時・適確な判断による事業展開を可能にするため、目標とする経営指標は特に設けておりません。しかしながら、当社グループは、業容を拡大し、経営基盤を安定化させるため、収益率の向上を経営課題と認識しております。

(3) 経営環境

 当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルスに対する行動制限や経済活動の制限が緩和されたことで、個人消費に持ち直しの動きがみられました。その結果、企業業績については総じて改善傾向がみられました。一方、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源価格の高騰に加え、欧米中央銀行の利上げによる円相場の急落や物価の急速な上昇等、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。

 このような環境の下において、非接触型ソリューション需要の高まりにより当社が関連する国内BtoCのEC市場は拡大傾向にあり、「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、令和3年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は20.7兆円(前年19.3兆円、前々年19.4兆円、前年比7.35%増)に拡大、令和2年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は372.7兆円(前年334.9兆円、前々年353.0兆円、前年比11.3%増)に拡大しており、令和3年における日本国内のBtoC-EC及びBtoB-EC市場規模は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が強まる前の令和元年における市場規模を超えたと評価されております。

 また、EC化率はBtoC-ECで8.78%(前年比0.7ポイント増)、BtoB-ECで35.6%(前年比2.1ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展していることからも、当社に関連するCX・DXソリューション市場も拡大すると見込まれております。

CX改善サービスについては、前連結会計年度より連結子会社となったZETA株式会社の事業が好調に推移したため、大きく伸長しました。同社が有する「ZETA CX」ソリューションは、顧客が運営する「ECサイト」の検索エンジンの性能を高め、利用するユーザーの購買体験や意欲を高めることに貢献するサービスを行っております。本サービスはライセンス販売を主としており、ソリューション提供後は継続して使用いただく傾向が強いため、安定的な収益が見込まれます。当サービスは、ZETAが手掛ける「ZETA CX」シリーズとして、導入件数はネット通販売上高トップ100社のうち28社に及び、導入先への流通総額は3兆円にも及びます。

 ネット広告サービスについては、今後適用が予定されているサードパーティCookie規制への不安やクライアントの広告戦略見直しによる影響により減少いたしました。

 また、米国のクラウドプラットフォーム「Yext Knowledge Engine」を使用し、顧客の企業情報(新商品や新規店舗の開店情報等)を正確に管理、最適化してユーザーに発信するDKMサービスを行っております。本サービスはそれを利用するユーザーが新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりによる外出規制により使用割合が減少したため全体として需要は低調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染症の広がりが収束傾向に向かい、ユーザーの行動規制が緩和されれば需要が伸長するものと思われます。当社グループにおいても業績の推移は低調ではありますが、既存の大手顧客からの新規受注もいただき始めたため、業績は前連結会計年度と比べ上回りました。

(4) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの事業の一つであるネット広告サービスにおいては、サードパーティーCookieの規制動向を受け、今期におけるネット広告サービスは前期実績を下回っております。この減少傾向は来期以降も続くものと思われ、当社グループでは、ネット広告サービスからは撤退を致しました。

 一方で、当社のもう一つの事業であるCX改善サービスにおいては、既存製品の販売が順調に推移していることに加えて、新製品の引き合いも増えているなど、売上高、利益ともここまで好調に推移しており、また今後さらなる成長が見込まれます。

 そこで当社グループでは、成長性の高いCX改善サービスに経営資源を集中させ、更なる新サービスの投入、有力クライアントへの複数サービス導入、提携やM&Aによる事業領域の拡大、AIなど先端技術の活用及び知的財産戦略の加速する体制を整備し、更なる成長と発展を目指してまいります。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが、今後も持続的に成長して企業価値を高めるために対処すべき課題として認識している事項は、以下の通りであります。

① サービスに関する課題

a. 適切な事業領域の選択

 ネット広告サービスに代わり、CX改善サービスに経営資源を集中投下し継続的な成長を目指すとともに、自社サービスの展開も視野に入れ規模の拡大を目指していくことが必要です。

b. データの管理と活用

 当社グループは、膨大な行動履歴を集積し、これを元に各種パーソナライズの実現及び広告の配信の最適化等のサービスの提供を行っております。また、新しく当社グループに加わったZETAは膨大な検索履歴やレビューデータを有しております。今後より一層の需要が見込まれるこれらの有用なデータをどう管理し、またどのようなテクノロジーを活用して有用な推論を行い、企業のサービスの向上に貢献できるかが重要となってきます。

c. 検索履歴やレビューデータの活用に関する投資

ECサイト等ではユーザーによるクチコミやスタッフの投稿などのUGCの活用が加速するとともに、単なる購買の場だけでなくメディアとしての役割が高まりつつあり、こうしたUGCデータを集合知として活用していくことは、今後のECサイト等におけるCX向上にとっては必須と考えられています。

またCookie規制の動向などにより今後リターゲティング広告が難しくなることが予測されるため、サイトとしてのオーガニックな流入を高めていくことはこれまで以上に重要な課題となってきます。当社グループでは今後、リテールメディアテックをはじめとする技術革新や新規サービスを創出するため、なお一層のテクノロジーの進化について取り組んでいきます。

② 組織能力等に関する課題

a. マーケティング

 デジタルマーケティングソリューションを提供していく上で、重要となるのが当社グループ自体のマーケティングです。当社グループ自体のマーケティングを積極的に行うことで収益力を向上させ、それによって得られた超過収益をさらに投資していくことで、正の事業成長のスパイラルを獲得することが、より良いサービス・ソリューションの提供を行う上でも必要不可欠です。

b. 優秀な人材の確保

 適切な事業領域の選択、競争力の高い製品・サービスの開発・提供、効率の良いマーケティングの実践等を行う上では、優秀な人材候補を確保し続けることは最重要な経営課題の一つです。

 当社の企業風土を固定せず、当社グループにおける社員全員の価値を最大化できるような企業へと、経営陣も含めた企業文化の最適化を追求しつづけ、常により良い組織へと変貌をし続けることが、変化の激しいデジタルマーケティング事業領域においては重要であると考えます。

 人材採用においては、採用時点のスキルだけではなく将来獲得すると思われるスキルを重視し、当社グループ全体における教育・育成の質を向上していく予定です。

c. 経営管理体制の構築

 当社グループが継続的に成長をコントロールし、顧客に対して安定してサービスを提供し続けていくためには、継続的な内部統制の整備、強化に取り組んでいくことも必要と考えております。当社グループは、サイジニアをコーポレート機能に特化し、ZETA、デクワスを事業会社として、また株式会社サイジニアアドバンスド研究所をR&D会社として、各事業・各サービスに応じて運営することで組織強化・効率化を図っております。

 今後も組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように内部統制の整備、強化、見直しを行っていく方針であります。

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