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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営方針

 当社グループは、「三方よしの精神」“売り手よし 買い手よし 世間よし”を基本理念とし、「レンティアグループは 顧客を創造し 社業発展 進歩を図り 社会に貢献する」ことを企業理念としております。その上で「レンタル事業を核として 顧客のニーズにこたえ 環境負荷低減に努め 未来との共生を図る」という環境ポリシーのもと、FF&Eの総合レンタルサービスを軸に、社会から必要とされる企業グループとして循環型社会や持続可能な社会の推進に取り組んでまいりたいと考えております。2026年度を最終年度とする新中期経営計画においては、グループビジョンとして「人的資本の充実を通じて、自律した事業を確立し、企業価値向上を図ると共に、事業の進化によって社会・環境の持続的な発展に寄与する」ことを掲げ、ESG経営を深化する新規事業の創出と経営基盤の強化に取り組むと共に、将来に向けた人的資本の充実を着実に推進してまいります。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、2023年12月期を最終年度とする中期経営計画では、成長力向上を図るため売上高営業利益率とEBITDAを目標指標として採用し、「売上高営業利益率7.8%」、「EBITDA29億5千万円」の達成を目標値としておりました。また、株主資本を効果的に運用するために自己資本当期純利益率(ROE)も目標指標として採用し、「ROE12%以上の確保」を目標値として設定しておりました。2024年度から始まる新中期経営計画では目標指標を「売上高営業利益率」と「自己資本当期純利益率」の2つに定め、目標値を「売上高営業利益率9.1%」、「ROE12%以上の確保」に変更いたします。

(3) 経営環境

 当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、景気の回復が期待される一方、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化、資源価格の高騰による物価上昇、台湾の地政学的リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループでは、このような状況の中、建設現場向けDX関連商品・サービスの創出と一般オフィス市場の新規需要開拓を中心に、事業領域を拡大させてまいります。主力であるレンタル関連事業に関しましては、建設現場向け市場においては、過年度受注分の大型案件の工事進捗が進んでおり、それに伴い旺盛な需要が続いております。また地政学リスクに基づく設備投資の国内回帰、政府による経済安保政策を受け、各地での大型計画が発表されており、都市圏は大型再開発案件、地方は設備投資案件の需要があり、当面は安定した市場環境が続くと見込んでおります。イベント市場におきましては、イベントの開催数は未だ回復途上ではありますが、2023年12月にはコロナ前を凌ぐ開催数を記録しており、イベント開催への需要が高まっていることを示唆しているものと考えられます。また、企業のPRイベントはコロナ禍の5類移行に伴い復調傾向にあります。今後は、音楽フェスやスポーツイベントに代表される参加者の五感を刺激するような体験型・リアル開催のイベントが求められて、リアルの開催数が増えていくものと予想しております。オフィス市場におきましては、企業イベントはコロナを契機にリアル開催からオンライン開催に変更するなど開催方法が変化しており、今後は状況を見ながら柔軟に対応していく必要があります。BPO案件におきましては、短期的にはコロナ関連案件の反動減を受ける可能性がありますが、市場的には堅調に推移していくものと予想されております(㈱矢野経済研究所 国内BPO市場調査公表資料より)。また、一般オフィス市場においては、環境意識の高まりから、今後もレンタルでの需要が伸びてくるものと考えております。競合他社も規模は小さいものの売上を伸ばしており、当社グループの競争優位性を確立する必要があります。

 スペースデザイン事業に関しましては、首都圏分譲マンション市場における2024年の供給戸数は前年比10.7%増加の3.1万戸(㈱不動産経済研究所 公表資料より)と予測されております。東京23区においては、2023年比3.2%増の1.3万戸と予測されており、城東エリアなどでも駅近大型物件が脚光を浴び、底堅く推移すると予想されます。また、埼玉県なども反転増加する見込みであります。

 物販市場に関しましては、民間企業向けのオフィス移転に伴う買い替え需要や2024年に予定されている新紙幣の発行に伴う機器の需要もあり、売上の増加が期待されます。

 ICT事業に関しましては、2025年にWindows10サポート終了を控え、パソコンの買い替え需要やそれに伴うICTに関するサービスやデータ消去等のニーズが高まり、ICT分野の需要が上昇すると見込んでおります。一方、コスト面では、マイクロソフト製品が2024年4月から、法人向けソフトウェアとクラウドサービスの値上げを予定しており、原価面で影響を与える可能性があります。また、パソコンの調達に関しましては、半導体不足は収まりましたが、円安が影響し、全体的に値上げ傾向が続いております。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは地球環境や社会課題への対応など、持続可能な社会に貢献することが、企業の持続可能性の向上や企業価値の向上につながるものと認識しています。

 この考えのもと、2023年にはサステナビリティ委員会を設置すると共に、2024年からの中期経営計画においてESG経営の深化を方針に掲げ、以下の項目を対処すべき課題として取り組んでまいります。

①新商品サービス、新市場の創出

 当社グループは豊富な商品ラインナップと多数の商品を保有し、顧客から一定の評価を得ております。しかしながら、昨今はデジタル技術を活用した業務プロセスの改善ニーズが高まっており、DX関連商品やサービスの提供が課題となっております。

 この考えのもと、当社グループでは、アライアンスパートナーの活用により、新しい商品やサービスの創出に力を入れると共に、既存の商品、サービスと組み合わせ新たな市場の創出を図ってまいります。

②経営基盤の強化

 当社グループは、100万点以上の商品を保有しており、これらの稼働率は損益に影響を与えます。そのためこの商品管理に係る業務プロセスと物流施設は、事業を支える重要な経営基盤であると考えております。

 この考えのもと、当社グループでは、ISO9001認証企業として品質管理システムを適切に運用し、業務プロセスの維持及び改善を行うと共に、物流のDX推進を念頭に物流設備の改修を図ってまいります。

 また、ガバナンスの強化という面においては、法律などに違反した行動を起こさせないように仕組みや規則を作り、管理体制を整備することが課題となっています。

 この考えのもと、当社グループでは、リスクの把握と未然防止を適切に推進できるよう、リスクマネジメント規程を定め、グループ全社に浸透させ継続的に取り組んでいくことを目的にリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。同委員会では、現場が直面しているリスクを把握し、重点管理リスクの決定を行い、リスクアセスメントを有効に実施し、リスク管理体制を拡充していくことにより、経営の健全性及び企業価値の向上に努めてまいります。

③人的資本の充実

 当社グループは、継続的な事業の成長と企業価値の向上にとって人的資本の充実が不可欠であると考えております。そのため、自律的人材の確保、定着、育成、活用等の人事サイクルにおいて、実効性のある施策を立案し、継続的に運用することが課題となっております。

 この考えのもと、当社グループでは、人材開発部を設置し経営幹部研修をはじめとする社内研修の充実に取り組んでおります。今後とも引き続き、人事制度再構築、教育体系の整備・実施内容の充実、誰もが働きやすい環境・風土の醸成への施策を進めてまいります。

④物流の2024年問題への対応

 当社グループは、レンタル商品の配送にトラックを活用しており、2024年4月1日以降、トラック運転手の年間時間外労働時間の上限が960時間となるいわゆる「物流の2024年問題」を大きな課題と考えております。

 2023年に関係省庁から出されたガイドラインでは、実施が必要な事項として、物流業務の効率化・合理化、運送契約の適正化、輸送・荷役作業等の安全確保が明記されました。これらの中には、荷待ち・荷役作業等時間2時間以内ルールや、適正価格の支払いなど具体的な内容が含まれております。

 このガイドラインに対して当社グループでは、物流業務の効率化を推進するため、配車支援システムトやトラックバースの管理システムの導入を進めると共に、運賃や荷役作業を考慮した運賃改定を図ってまいります。

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