コーセー 【東証プライム:4922】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループは、お客様のニーズに合った化粧品を市場に提供するために、主に、以下の国内二拠点を中心として研究開発活動に取り組んでおります。
コーセー製品開発研究所‥‥‥‥‥‥‥製品開発研究・管理、海外市場研究、薬事戦略、
サステナビリティ研究、研究戦略・管理
コーセー先端技術研究所‥‥‥‥‥‥‥先端技術研究、皮膚科学研究、基盤技術研究、品質保証研究、
IT関連技術開発・管理
当連結会計年度におきましては、更なる顧客価値創出のための技術開発力と品質保証体制の強化、グローバル化への対応を進め、研究開発活動のより一層の向上に努めました。
当連結会計年度における研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
製品研究分野の研究成果として、当連結会計年度において開発いたしました主な製品は以下のとおりであります。
スキンケア製品・ヘアケア製品
製品名称等 | 特徴 | セグメントの名称 |
コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアアイセラム | バリア機能が低く乾燥しやすい目元専用に開発した美容液。セラミドをナノサイズでカプセル化したナノバイセルと、リポソームとを共存させたダブルカプセル処方で1滴(0.1mL)に合計1.6兆個のカプセルを配合した。乾燥によるくすみ、肌あれ、乾燥小じわなど複合的な悩みを持つ目元に働きかけ、滑らかな明るい肌に整える。 | 化粧品事業 |
コスメデコルテ AQスキンケアライン | 世界有数の植物研究施設と共同開発した金香木の花のエキスをはじめとする厳選した美容成分、肌の内側から輝くようなツヤ感にこだわりぬいて開発した独自処方、金香木の香りと幸福感についての研究を応用したフレッシュフローラルムスキーの香りを組み合わせ、全9品種を開発。 | 化粧品事業 |
ONE BY KOSÉポアクリアオイル | 独自に開発した角栓クリア技術を初めて応用し、メイクアップ料だけでなく毛穴に詰まった角栓までもやさしくスルンと落とし、毛穴の黒ずみやざらつきの無いすべすべの肌に導く。 | 化粧品事業 |
ONE BY KOSÉセラムシールド | 肌の水分保持能改善とシワ改善の2つの効能を持つ、日本で初めての有効成分ライスパワー®No.11+を固型バームの中に閉じ込めた独自処方。みずみずしい使用感と高いシールド効果の両立を実現。 | 化粧品事業 |
雪肌精クリアウェルネス 日やけ止めシリーズ | コーセーサステナビリティプランに基づき、海で使用してもサンゴの成育に影響を与えないことを目指して開発。ジェルタイプ、ミルクタイプ、マイルドタイプ、トーンアップタイプなど様々な使用シーンに対応した4製品をラインアップ。 | 化粧品事業 |
スティーブンノル ブリーチケアシリーズ | 鮮やかな髪色を楽しむトレンドに対応し、独自に開発したカラーキープ成分と、高浸透補修カプセルを配合し、カラーリングによるダメージの補修とヘアカラーの持続の両立を具現化した。 | コスメタリー |
メイクアップ製品
製品名称等 | 特徴 | セグメントの名称 |
アディクション ザ ファンデーション リフトグロウ | 頬等に光を集めてリフレクトさせ、リフトアップしたような立体感を叶えるグロウ系ファンデーション。高化粧持ち技術も併用し、ツヤがありながらテカらずよれない美しい仕上がりの持続も実現。 | 化粧品事業 |
メイク キープ パウダー | メイクキープシリーズとして化粧崩れ防止に特化したフェイスパウダーを開発。撥水性と肌付着性を両立する新規開発粉体によりこれまでにない高機能性を具現化した。 | コスメタリー |
ヴィセ ネンマクフェイク ルージュ | マスクを着けても外してもツヤと色の仕上がりが続く口紅を開発。唇上で分離するカラー層とツヤ高いフィルムコート層により高機能を実現。 アフターコロナの顧客ニーズにマッチした品質でセルフマスメイク売り上げV字回復に大きく貢献、ベストコスメ受賞多数。 | コスメタリー |
ジルスチュアート ブルーム リップ キャンディ | 立体お花型多色充填の口紅。新規紅型開発、それをかなえるベース開発、充填設備導入、充填技術開発において多部署が連携して初めて優れた外観審美性を実現。コーセーの高い「ものづくり力」が発揮された一品。多くの「かわいい」モノ好きの顧客のハートをつかんで、発売後即完売、SNSでも話題の大ヒットとなった。 | 化粧品事業 |
ファシオ ウルトラ WP マスカラ (ボリューム) | “落ちない”機能をより一層強化。まつ毛にふさふさとしたボリュームをあたえ、にじまずにくっきりと濃密なまつ毛を演出するボリュームマスカラを開発。 | コスメタリー |
基礎研究分野では様々な研究を進めております。同一供与から年代別に得られた細胞を使った研究を通じて、真皮線維芽細胞の老化運命を左右する因子が存在することを発見いたしました。また引き続きフランスリヨンとグラッドストーンへ研究員を派遣し、美白や老化メカニズムの解明を進め、皮膚の若返りを目指す研究を進めております。またマイクロバイオーム(細菌叢)研究では菌種の比率を見るだけでなく、実際の肌上菌数の多寡が肌の赤みと関係があることや、肌に塗った化粧塗膜中の成分分布を質量分析機を用いてビジュアライズする手法を開発し発表しております。
一方でデジタル技術を駆使した先端的な研究にも取り組んでおります。2018年から開始した量子コンピュータの処方開発への応用に関する研究において、初めて具体的な成果を上げております。超高速な計算処理が得意な量子コンピュータと既存のコンピューティング技術を掛け合わせ、何億通りもある原料の組み合わせの中から、自動で優れた化粧品処方を生成するオリジナルの計算システムを開発いたしました。今日まで、量子コンピュータの現実社会での活用事例は未だ稀であり、この研究成果は化粧品分野における代表的な国際学会であるIFSCCにおいて高い注目を集めております。今後、これらの研究から得られる成果を、新製品の開発や製剤のパーソナライズサービスなどに随時応用していく予定であります。また、ウェルビーイング領域やサステナビリティ推進に向けた研究も、今後強化していく方針であります。
以上の結果、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は6,459百万円であり、セグメントごとの内訳は、化粧品事業5,167百万円、コスメタリー事業936百万円であります。また、各事業部門に配分できない基礎研究費用は355百万円であります。
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