コンヴァノ 【東証グロース:6574】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、別段の表記がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの企業理念は「新しい価値の創造と機会の拡大」の追求であり、それはCreation Of New Value And New Opportunities の頭文字を取り「Convano(コンヴァノ)」と名付けられた社名にも込められております。
この企業理念に基づき、従来の常識や既成概念にとらわれず課題にチャレンジし続けることで、一般的に高価格かつ施術に時間がかかるため、限られた人だけがする贅沢品と考えられていたネイルサービスを、「手軽、リーズナブル、安定品質」を実現する業界唯一のポジションを構築してまいりました。
今後は「ネイルで世界を変える」のビジョン実現のため、またネイル業界全体の発展に貢献するためにも、更なるブランド認知の促進を図り、より多くの方々に「ジェルネイル」を経験していただくべく、新規ユーザーの開拓並びに雇用機会の創出に取り組んでまいります。
(2) ネイル業界の市場環境、競争環境
当社が属するネイル業界は、コロナ禍により一時的に市場規模が減少したものの、現在は回復基調に転じております。また、ネイルを普段使いする利用者の比率及び1人当たりの平均利用回数も緩やかに伸びていく見通しがあり、短期的に大幅な市場成長は見込めないものの、中長期的には未だ成長余地のある市場となっています。
一方で国内の構造的な人手不足を背景とする採用難及び雇用維持に伴う人件費の上昇、不動産賃料の高騰などのコスト増加は、ネイル業界においても大きな影響を与えております。
競争環境においては、参入障壁の低さからも、「安価・短時間」を売りにする小規模事業者の出店が増加傾向にあります。一方、「リーズナブルさ・スピード」と「品質・仕上がりの安定感」を両立しているのは当社のみであり、独自のオペレーションによるポジションと優位性を確立している業界唯一のネイルサロンであると認識しております。そのため、参入企業が増えている中においても、当社はシェアの拡大を目指せるものと考えております。
(3) 目標とする経営指標
当社は主要財務指標として、全社及び各事業の売上収益、営業利益、EBITDA及びその成長率を重視しています。また独自のオペレーションによる高い生産性が当ビジネスモデルの根幹であるため、各ネイリスト別の施術時間や顧客の店舗での滞在時間など、様々な時間の動向を注視しております。さらに予約によるご来店が大半であるため、予約手段の割合や、予約可能数に対する予約率、キャンセル率などの動向を事業上の重要な指標として注視しております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、2025年3月期から2027年3月期までを事業再構築フェーズとして位置づけ、足元の利益よりも成長のための投資を優先し、その後の飛躍的な成長を遂げるための基盤作りを行います。そのために、新規出店を最小化しつつ、既存店舗の収益性向上を目的とした、人材・情報・財務の各領域の基盤を整えるための投資を実施します。当該フェーズにより、当社が展開するネイルサロン「ファストネイル」のベストプラクティスを確立し、新規店舗の拡大を実施して、事業規模の拡大を目指してまいります。
(5) 会社の対処すべき課題
① ネイリストの定着率向上による店舗稼働率の改善
当社グループは、ネイリスト人数の不足による店舗の生産性低下を早急に対処すべき経営課題として認識しております。当年度において、ネイリストの採用及び育成について重点的に投資を行ってまいりました。ネイリストの求人応募数は増加したものの、その後の定着率が当初の想定よりも芳しくありません。ネイリストの定着は教育環境・職場環境の改善が必要であるとの認識のもと、採用後の定着率改善に努めてまいりますが、ある程度の長い期間が必要と思われます。当該改善により人員不足が解消されれば、店舗の座席数を十分に活用出来ると共に予約の一部を断っていた状況が改善し、店舗の生産性向上に資するものと考えております。
また、店舗の老朽化やカスタマーサポート体制が不十分であることが、お客様の満足度低下のみならずネイリストの離職要因にもなっていると想定しています。よって今後は、店舗設備の改修とカスタマーサポート体制への必要な投資も行っていきます。
② 基幹システム及び予約システムの改善
本社の業務システムについては、システムを活用した効率的な業務フローが構築・運用されておらず、未だに手作業による非効率な体制となっております。店舗の業務システムにおいては老朽化が進んでおり、店舗のオペレーションが一気通貫で管理できるものではなく、各種KPI管理や業績管理も非効率な運用のままとなっております。そのため、本社及び店舗の基幹システム等のITインフラの構築とDX化を実施していく予定でございます。
また、ネイル事業における新規お客様の集客は、他社広告媒体に依存している状況であるため、2024年1月から3月にかけては新規顧客数の減少に苦戦しました。自社媒体での集客によるお客様獲得単価の減少及び自社集客力の強化を実施する必要がございます。そのため、アプリケーションの大規模修繕及びSNSやデジタル広告での情報発信の強化に努めてまいります。
③ お客様単価の向上
当社のネイル事業は低価格帯で効率的なオペレーションを強みとしておりますが、高品質で高単価なサービス提案機能が著しく低下している側面がございました。現状の低価格帯のネイル市場の競争環境は激化しており、2024年1月から3月にかけてはお客様の来店単価の低下に苦戦しました。高品質で高単価な提案型サービスの事業モデルを構築していく必要がございます。2024年度においては提案型サービスの運用を開始しており、今後は当該オペレーションの強化と各店舗への展開を進めてまいります。
④ 経営基盤の強化
当社は持続的な企業価値向上を目指すにあたり、機動的かつ実行力のある経営体制の構築が必要であると認識しております。当年度において雇用型の執行役員制度に加え、委任型の執行役員制度を導入することで、経験豊富な専門家人材を執行役員として登用いたしました。今後は経営意思決定の迅速化を目的とした経営会議体の再設計や必要な経験・スキル・マインドを持つ人材の登用による役員構成の見直し及び中長期的な企業価値向上を目的としたインセンティブの導入等を行っていく予定でございます。
- 検索
- 業種別業績ランキング