コメリ 【東証プライム:8218】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念は、「企業とは人々の幸せのために存在すべきものであり、それでこそ社会から支持され、存続することができる」という考えに根ざしており、これは創業以来不変のものであります。
上記経営理念に基づき、当社グループは、「遅れた分野の流通近代化」の実現のために、金物・工具、資材・建材分野と園芸、家庭菜園、農業資材分野を核カテゴリーとしてとらえ、流通改革に取り組んでまいります。
(長期ビジョン -当社が目指すもの-)
(2)中長期的な会社の経営戦略等
①経営環境
ⅰ外部環境
・新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う社会経済活動の正常化が進みました。
・ウクライナ情勢の長期化やイスラエル等の中東情勢の緊迫等による、エネルギー価格及び原材料価格の高騰、円安の長期化継続的な物価上昇による個人消費停滞の懸念等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
・天候不順や自然災害等の気候変動の影響による消費行動の変化や、農作物の生産状況の変化や産地移動等の影響があります。
・人口減少や少子高齢化の影響による世帯年齢構成の変化、これから始まる世帯数の減少による社会・地域経済に与える影響・購買力の減少は、増えていくものと考えられます。
ⅱ小売業界
・業種・業態の垣根を越えた競争環境の中、電気代をはじめとしてサービスや生活必需品等の物価上昇による生活防衛意識の高っております。
・人件費や物流コストの上昇、建築材料費上昇による新設住宅着工戸数及び着工床面積の減少等、引き続き厳しい経営環境が続いております。
②経営戦略等
2022年4月26日に、「2023年3月期-2025年3月期 中期経営計画」を公表いたしました。チェーンストアのマスのメリットを発揮し、生産から販売までをトータルコーディネーションし、より良い商品をより安く、お客様には無駄なコストは1円たりとも負担させないという考えのもと、「成長基盤投資」、「暮らしを守り・育てる商品開発」、「チェーンリフォーム」、「ネットとリアルでより身近に」の4つの重点施策を着実に実行することで、資材・建材、園芸・農業資材市場における遅れた分野の流通近代化を進め、更なる成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
③目標とする経営指標
当社グループは、2022年4月26日に、中期経営計画の最終年度である2025年3月期の目標を、以下の通り設定し、公表いたしました。
・営業収益 : 4,180億円 ・営業利益 : 320億円
・R O A : 8.0%以上 ・R O E : 8.0%以上
※総資本経常利益率
(我々がチャレンジする市場 7兆円)
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、気候変動・脱炭素、少子高齢化や人口減少、エネルギー及び原材料価格の上昇等により、お客様の消費意識・消費行動や社会構造等が急激に変化していくものと思われます。
このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2023年3月期から2025年3月期)の3年目となる次期連結会計年度におきましても、引き続き、4つの重点施策「成長基盤投資」、「暮らしを守り・育てる商品開発」、「チェーンリフォーム」、「ネットとリアルでより身近に」を着実に実行し、ホームセンター事業を通じた資材・建材、金物・工具と園芸、家庭菜園、農業資材分野の流通イノベーションとチャネルシフトの実現、及び環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現の両立を行い、更なる成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
①出店の拡大と物流機能の拡充
・出店につきましては、パワー、PRO、ハード&グリーン等の各種フォーマットによる船団方式の出店により、密度の高いドミナントエリアを形成し、商圏内の売上シェアを高めるとともに雇用の創出も図ってまいります。
・物流機能の拡充につきましては、現在国内に11ヵ所ある物流センターを拡充し、物流の内製化・効率化・店舗作業のローコスト化を図り、物流2024年問題にも対応してまいります。
②商品力の強化及び各種サービスの拡充
・全国の店舗インフラと国内11ヵ所の物流センターによるマス化のメリットを活かすことで、生産から販売までをトータルプロデュースし、「お客様の暮らしを守り・育てる」商品開発を推進するとともに、EDLP施策も推進してまいります。
・全店フルリフォームサービスと「住急番」を中心としたサービスの拡充を図り、社会環境等の変化により顕在化した住環境改善ニーズに対応してまいります。
・1,200を超える店舗インフラの強みを活かし、インターネット注文の店頭引き取りやラストワンマイル配送(コッコ便の対応エリア拡大)等のお客様の利便性向上とラストワンマイル配送の社会的コスト削減に資する取り組みを行い、店舗とインターネットの融合を更に推進してまいります。
・連結子会社の(株)コメリキャピタルとともに、コメリカードを中心とするカード会員の獲得を進め、年間の購入金額に応じて翌年のポイント付与率が高くなるFSP(Frequent Shoppers Program)制度によるロイヤルカスタマー化を行い、お客様一人ひとりに合った販売促進や来店誘導等、更なるお客様の利便性向上に資する取り組みの拡大を図ってまいります。
③資材・建材及び農業分野のプロ需要獲得への取り組み
・資材・建材分野につきましては、パワー及びPROの出店を推進し、建設事業者様等の利便性向上に資する取り組みを行い、資材・建材調達に関する社会的コストの削減を図ってまいります。
・農業分野につきましては、農業振興及び地域振興に寄与する取り組みを行い、日本の農業の産業化を支援してまいります。また、各地のJAとの協業を含めた新たな持続可能な農業支援モデルを構築し、食料生産に関する社会的コストの削減を図ってまいります。
④人的資本投資及びDX(デジタルトランスフォーメーション)投資の推進
・コメリ経営要諦の「人は事業の最も大切な柱である」に基づき、従業員の人権を尊重し、性別・国籍・年齢等に関係なく、多様な人材がより能力を発揮し、活躍できる労働環境の整備や「賢和塾」を中心とした教育カリキュラムに基づく人的資本投資を行い、人材の確保にも努めてまいります。
・連結子会社の(株)ビット・エイとともに、DX投資の推進により、店舗及びストアサポートセンター(本社)の業務フロー・組織を更に進化させ、生産性向上とお客様への提案力向上を図り、更なる既存店舗の売上高向上と高収益体制の確立を目指してまいります。
⑤コーポレート・ガバナンスの更なる強化
・引き続き、取締役会の監査・監督機能の強化、意思決定の迅速化を図り、監査等委員会設置会社制度に基づく、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
・当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目的とした適時適切な開示、英文開示及びステークホルダーの皆さまとの建設的な対話にも努めてまいります。
・中長期的な企業価値向上に努め、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応につきましては、CAPM(資本資産価格モデル)に基づいて算出した株主資本コストや株式市場期待水準も考慮したうえで、各種投資の意思決定を行ってまいります。
⑥サステナビリティへの対応
・環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指し、商品や店舗運営、物流等、商品の生産から販売までのすべての過程において省力化・効率化を行い、環境及び社会課題の解決に取り組んでまいります。
・気候変動による将来リスクや事業機会の把握を行い、変化対応型の事業展開を目指し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも進めてまいります。
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