コムシード 【名証ネクスト:3739】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「楽しさの種をまく」を経営理念として掲げ、趣味性に富んだエンターテインメントコンテンツを創造し、より豊かで彩りのある社会をつくることへの貢献を目指しております。そのために、「価値を創り出す企業であり続ける」「信頼される企業であり続ける」「成長を目指し、環境に進化適応できる組織であり続け る」を経営方針として、企業活動を推進しております。
また、当社グループ設立以来の事業であるモバイル事業を核に、当社の強みである、特定分野のコアなファン層を中心とする人々に対し、そのニーズをくみ取ったユーザー本位のサービスを追求していくとともに、モバイル技術の進化にあわせた高品質なサービスの提供を目指してまいります。
(2)経営戦略等
現在、当社グループのモバイル事業において収益の主軸であるソーシャルゲーム事業は、バーチャルホール「グリパチ」を中心に堅調に推移しております。一方で、スマートフォンゲーム市場においては、市場環境やユーザーの嗜好、トレンドなど急変する要素が多いことから、事業の継続性と成長のためには新たな収益源の創出を継続的に行うことが必要です。そのためには、安定した収益基盤の維持が重要となってまいります。
そのために、当社グループは次の目標を掲げ、収益性の向上を図る所存であります。
① 主軸となる娯楽コンテンツ領域における既存事業の盤石化
a.「ワンソースマルチプラットフォーム戦略」に基づく既存コンテンツの多面的な展開
当社グループの得意とする娯楽コンテンツ領域、とりわけパチンコ・パチスロコンテンツにおいて、まず第 1フェーズとして、Google PlayやApp Store等のアプリマーケットを中心に、パチンコ・パチスロ等のゲームアプリを提供します。第2フェーズではこれらのコンテンツを基本無料モデルのプラットフォームに横展開します。当社グループで運営するソーシャルゲーム「グリパチ」がこれにあたり、ここでは、アイテム課金等で収益を得ます。そして第3フェーズとして、当該コンテンツを他社プラットフォームへも提供し、さらなる収益を得ます。これら各フェーズへのコンテンツ移植についてもグループ内で内製化を推進することで、外注費等の原価圧縮を図り利益拡充に努めております。
b.自社タイトル運営ノウハウを生かした受託開発・運営
当社グループでは、ノウハウを活かした開発・運営等の請負型クライアントワークにも数年前から力を入れております。運営受託案件など継続的に業務が発生していくストック型案件、アプリ開発請負など、都度契約が発生する単発型フロー型案件を継続的に受託し、収益を積み重ねてまいります。
c. 優良コンテンツを国内外向けに提供するゲームパブリッシング事業
スマートフォンアプリ市場においては、その成長が成熟期に入りつつも、その中で圧倒的に利用されているゲームアプリにフォーカスし、ゲーム市場のトレンドに合わせて迅速にコンテンツを投下することは、当社グループの事業拡大につながるものと考えております。当社グループとしましては、世界中のゲーム開発会社による良質なゲームタイトルを国内市場向けに提供していくとともに、日本の良質なゲームタイトルをアジアと中心とした日本国外に提供していくゲームパブリッシング事業を継続して行うことで、今後の当社グループの成長と収益性の向上に寄与するものと判断しております。
② Web3.0領域においてエンターテインメント性の高いコンテンツを提供するブロックチェーン事業
インターネット関連の技術が Web3.0と呼ばれる潮流にシフトしつつある現在、WEB3.0を代表するブロックチェーン関連の技術を事業化することは、当社グループにとってビジネス拡大のチャンスであると考えております。当社では、子会社である株式会社HashLinkとCommSeed Korea Co., Ltdを中心に、ブロックチェーン関連のビジネスを国内外に向け展開しております。主に『MONGz UNIVERSE』と銘打った経済圏の構築を目指し、PFPと呼ばれるNFTアートを核に、複数のブロックチェーンゲームの展開や、ユーティリティトークンの発行を行っております。こうした、今後成長が見込まれる新規事業分野での事業展開は、当社グループの収益基盤の多様化に資すると判断しております。
③ M&Aや資本提携を含む事業領域の拡大
当社グループは、当社グループの主力サービスであるバーチャルホール「グリパチ」に続くコアタイトルの育成と収益源の多様化が重要であると考えております。
当社グループは、特定ジャンルのユーザーが最大限楽しさを感じて頂けるコンテンツやサービスを提供していくことを強みとしており、当社グループとは異なる分野においてコアユーザー向けサービスに強みをもつ企業との業務提携を行うことで、新しいビジネス領域を開拓するとともに業務提携先の強みを生かした市場での事業モデルを創出し、企業価値の向上と経営基盤の強化を図る所存です。また、海外拠点等の力を活用し、守備範囲となる娯楽コンテンツ領域をさらに拡大し、当領域における唯一無二の存在を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは既存の事業を一層強化し、周辺領域の拡充及び関連企業との関係強化を行うとともに、新規領域でのサービスを早期に軌道に乗せることで、安定した収益の拡大を目指します。
このため、当社グループでは売上高の拡大を目指すとともに、中長期的に売上高経常利益率10%の達成を目標に経営指標として管理しております。
当社グループが利益率を重視する理由は、安定した利益成長を継続するとともに、新規領域でのサービスへの投資判断についても採算性を意識することが重要と考えているためです。
また、当社グループは利益剰余金が欠損であることから、利益率を重視することで中長期的に自己資本の充実による財務基盤の強化が図れ、今後の事業展開に備えるための内部留保の充実にもつながるものと考えております。今後は既存サービスを一層強化し、さらにコンテンツの企画開発・版権取得、業務提携、M&A等の業容拡大に
つきましても、資金の状況等を勘案しながら、キャッシュ・フローを重視した事業展開を行う所存であります。
(4)経営環境
当社グループは、スマートフォン向けコンテンツビジネスのさらなる成長及びシェアの拡大を図るべく、既存サービスの拡充及び新規サービスの開発に注力しております。
当社グループの主力サービスであるバーチャルホール「グリパチ」やアプリのコンテンツはパチンコ・パチスロジャンルが主であります。オンラインでパチンコ・パチスロがプレイできる「グリパチ」は、現在稼働中の機種だけではなく、過去の人気機種やオリジナルコンテンツがプレイでき、またユーザー同士のコミュニケーションや競争が楽しめるオンラインゲームの要素を強く持っているため、遊技人口減少による影響は少ないものと考えております。
しかしながら、パチンコ・パチスロ市場は遊技参加人口の減少を背景にパチンコホール数も減少傾向であることから、遊技機市場も影響を受け低調に推移することも予想されます。アプリのコンテンツにつきましては、これらの市場の動向に左右されやすく、スマートフォンゲームを核としたジャンルの多角化は、当社グループとしては避けて通れない道であります。一方で、当ジャンルの市場には、当社グループにしかできないと自負する強みも根強く存在し、その資産を最大限に活かしつつ、周辺領域にチャレンジしていくことは、当社グループにとって喫緊の課題でもあります。
よって、引き続き既存事業で収益基盤を維持しつつ、引き続き新規タイトルの発掘育成を継続していくほか、新規ビジネスを早期に軌道に乗せることが重要な課題です。
あわせて、前期より開始したブロックチェーン事業を並行して展開することで、リスク分散を図ってまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき課題は次のとおりであります。
① 既存事業による収益基盤の維持・強化
スマートフォンゲーム市場においては、市場環境やユーザーの嗜好、トレンドなど急変する要素が多いことから、事業の継続性と成長のためには新たな収益源の創出を継続的に行うことが必要です。そのためには、安定した収益基盤の維持が重要となってまいります。まずは主力事業であるソーシャルゲーム『グリパチ』、有料アプリ、ゲームパブリッシング事業及び受託事業など既存事業の維持で足場を固め、収益基盤を維持してまいりま す。
② 新規ビジネスの早期事業化
当社グループが中長期的な成長を目指すには、『グリパチ』に続くコアタイトルの育成と収益源の多様化が重要となるため、引き続き新規タイトルの発掘育成を継続していくほか、新規ビジネスを早期に軌道に乗せることが重要な課題です。
2022年にNFT及びGameFi※事業を推進することを目的に設立された株式会社HashLinkによってブロックチェーン事業推進しておりますが、引き続き同事業を成長させるべくプロジェクトを拡大させていくほか、新たな事業開拓を継続し、引き続き業容拡大を目指してまいります。
※「Game」と「Finance」からくる造語。ゲームに暗号資産等をからめたサービス。
③ 株主の皆様への利益還元
当社は、前期に続き、繰越利益剰余金が欠損の状態となっております。このため当期及び次期の株主配当につきましても、誠に遺憾ではございますがその実施を見送らせていただくことといたしました。剰余金配当については、業績や経営基盤の充実並びに将来の成長などを総合的に勘案し、継続的に実施しなければならないとの基本認識でおり、引き続き早期に配当原資とすべき利益の計上を行えるよう、収益基盤の強化を図ってまいります。株主の皆様には、何卒ご理解のうえ、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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