グローバル・リンク・マネジメント 【東証プライム:3486】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 企業理念、方針と経営戦略等の全体像
② 企業理念
当社グループは、企業理念として「Mission」、「Vision」、「Value」を定めております。当社グループは、「Mission」として「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を掲げ、持続可能な社会の実現と企業としての持続的な成長の両立を目指しております。この企業理念をもとに、不動産事業を通して、環境問題や社会課題に積極的に取組み、お客様や従業員、全てのステークホルダーの皆様の豊かさの実現に貢献し、不動産業界のリーディングカンパニーを目指しております。
③ 「サステナビリティ方針」
当社グループは、投資用不動産業界ではいち早く環境配慮型不動産への取組みを開始し、さらに、当社グループの長期構想である「GLM VISION 2030」において「不動産×環境×DXにより、サステナブルな不動産開発・運用No.1」をゴールに置くなどして、サステナビリティを経営のベースに据えてきました。この度、当社グループ全体でのサステナビリティ推進を強化すべく「サステナビリティ方針」を策定しました。
当社グループの「サステナビリティ方針」は、以下のとおりです。
「サステナビリティ方針」
GLMは、企業理念の一つとして「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を「Mission」に掲げ、 その実現に向けた大切な価値基準として「Value」を定めております。 「Value」には、「No.1」「挑戦」「共創」を掲げており、 社員、顧客、人と社会、地球環境を考慮することを3つの「Value」に込めております。
「Value」に基づき「Mission」を遂行するためには、GLMが注力すべき「マテリアリティ(重要課題)」を特定し、中期経営計画の中に組み込んでアクションプランを立て、事業を通じて実行していくことが重要だと考えております。
GLMは、サステナブルな社会と持続的な企業価値の向上の両方を追求することで成長を目指します。 ・サステナビリティ推進のためのマネジメント体制を構築します。 ・長期ビジョンを掲げ、GLMが注力すべき「マテリアリティ(重要課題)」を特定します。 ・「マテリアリティ(重要課題)」のアクションプランを立て、事業を通じて実行します。
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④ 「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」
当社グループは、多様な社員一人ひとりがスキルを磨き活躍することが、唯一無二の価値創造や生産性の向上をもたらし、その結果が利益に還元される好循環の実現が経営方針を支える最も重要な要因であると考えております。
「Value」に掲げた「No.1」「挑戦」「共創」を踏まえ、当社グループが求める人材像について経営会議で議論を重ね、以下のとおりに、「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」を策定しました。
当社グループの「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」は、以下のとおりです。
「人材育成方針」
~Value(No.1・挑戦・共創)を実現する人材の育成を目指します~
当社は、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」という企業理念のもと、社員一人ひとりを、 プロフェッショナルとして、主体的に挑戦し、新しい価値を創り出せる人材に育成します。
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「社内環境整備方針」
~ウェルビーイングの実現に向けて社内環境整備を積極的に行います~
◆成長と育成 ・当社は、社員一人ひとりがプロフェッショナルであることを目指し、その成長機会を提供します。 ◆挑戦への支援 ◆多様性の尊重 ・当社は、多様な価値観を尊重することにより、新しい価値を生み出す環境を整備します。 ◆心理的安全性の確保 ・当社は、個々を受け入れ、対話をしながら、心理的安全性の高い環境を整備します。 ◆働く環境の選択 ・当社は、社員の生産性・創造性・幸福感を向上させるため、多様な働く環境を整備します。 ◆社員の健康保持 ・当社は、社員一人ひとりが心身ともに健康で、最大限の能力を発揮できる環境を整備します。
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(2) 経営環境認識
① 外部環境認識
当社グループは、「GLM VISION 2030」のゴールに掲げる「不動産×環境×DXにより、サステナブルな不動産開発・運用No.1」に大きな影響を与える要因を調査・分析をしました。
SDGsに代表されるサステナビリティを巡る様々な課題、当社グループの事業を取り巻く環境の変化、日本国内における人々の住まいや働き方等に関する価値観・志向の変化等を踏まえ、当社グループが認識している特に注視すべき外部環境は、以下のとおりです。
<中長期的に注視していく経営環境> ・労働人口の減少や人材獲得競争の激化 ・激甚化する自然災害の増加 ・都市の環境・エネルギー負荷増大 ・サイバー攻撃の増加(ネットを介した接続性の拡大) ・科学技術やイノベーションへの投資 ・サステナビリティ・ESGに対する意識の高まり
<短期的に注視すべき経営環境(不動産関連市場・資金調達環境・海外情勢)> ・住宅・建築物に対する環境規制の強化 ・建設資材の価格の上昇や人件費の高騰による原価の上昇 ・国内外の資金調達市場の変動 ・不動産売買マーケットの変動 ・デジタル・トランスフォーメーション(DX) ・グリーン・トランスフォーメーション(GX) ・サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)
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② 「GLM VISION 2030」
当社グループは、外部環境の認識を踏まえ、以下のとおり「GLM VISION 2030」を設定しました。
(注)「LCCM」とは、ライフサイクルカーボンマイナスの略称です。建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取組み、さらに太陽光発電等を利用した再生可能エネルギーの創出により、ライフサイクルを通じたCO₂の収支をマイナスにする取組みです。
(3) 対処すべき課題「マテリアリティ」
① 「マテリアリティ」
当社グループは、「GLM VISION 2030」の達成を確実なものとするために、2030年を期限に、重点的に解決する課題として、9つの「マテリアリティ」を特定しました。「マテリアリティ」の評価では、ステークホルダーにとっての重大なESG課題はもちろんのこと、「GLM VISION 2030」を実現する上で必要な経営基盤の強化や、2030年、さらにその先に向けて企業価値を向上させることも考慮しております。
<マテリアリティ、2030年あるべき姿/ありたい姿、2030年のKGI>
② 「マテリアリティ」特定の目的とプロセス
当社グループは、「GLM VISION 2030」と「マテリアリティ」を連動させ、持続的な成長と企業価値の向上を達成し、事業を通じて社会課題の解決を図っていきます。そのために、「マテリアリティ」ごとに“2030年のあるべき姿/ありたい姿”と“2030年のKGI”を設定し、担当部署がKGI達成に向けたKPIと具体的なアクションプランを策定、それらを「年度経営計画」に反映させております。
<マテリアリティ特定のプロセス>
(4) 中期経営計画
当社グループでは「2022年中期経営計画」を策定しております。「2022年中期経営計画」では、①開発物件の資産価値の向上(環境配慮型建築「ZEH・ZEB等」への取組み)、②開発物件の販売効率・利益率向上(レジデンス:オフバランス開発強化・1棟バルク販売による営業効率改善と成長加速)、③時代に即した新しいセグメントの確立(非レジデンス:物流施設、用地仕入、ビルディング)、④事業エリアの拡大(開発エリアの拡大)を成長戦略として掲げております。
① 環境配慮型建築(ZEH・ZEB等)への取組み
開発物件の環境対応により資産価値の向上を図ってまいります。「(3)(対処すべき課題)「マテリアリティ」」においても特定しているように、サステナブルな社会を実現するために、カーボンニュートラルに向けた物件開発は必然であり、社会的ニーズはさらに高まるものと認識しております。そのニーズの高まりは、既に海外では、環境認証を取得した物件の成約価格や賃料が向上するというデータからもうかがうことが出来ます。当社グループでは、日本国内においてもZEH・ZEB・BELS等の環境認証取得が資産価値の向上に繋がると考えております。
当社グループは、2022年2月、経済産業省がネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の推進に向けて導入した登録制度である「ZEHデベロッパー」に認定されました。2024年12月期での自社開発物件の環境対応比率100%(ZEH-M Oriented・BELS認証取得)を達成し、開発物件の資産価値向上を図り、「マテリアリティ」の解決、企業理念(Mission)である「不動産を通じて、豊かな社会を実現する」ことを目指してまいります。
2023年12月期末までに、ZEH-M Oriented又はBELS認証取得済みの開発物件は22棟、そのうち7棟が竣工しております。
② レジデンス:「オフバランス開発」強化・「1棟バルク販売」による営業効率改善と成長加速
「オフバランス開発」とは、当社グループで物件開発の企画・検討を行い、パートナー企業に土地の購入や開発を行っていただく開発方法を言います。「オフバランス開発」では、当社グループのバランスシート上の資金制約を受けることがなくなるため、事業拡大の速度を速めることができます。今後パートナー企業の数を増やし、物件の供給量を増やしてまいります。
2023年12月期におきましては、仕入の約8割が「オフバランス開発」となっており有利子負債を抑制する一方で仕入戸数(パイプライン)を順調に積み上げ、「マテリアリティ」にある「資本効率の最適化と財務健全性の両立」の実現に貢献しております。
「1棟バルク販売」とは、開発物件を数棟から数十棟をまとめて販売することを言います。日本において土地価格の上昇や建築費の高騰の影響により物件供給量が伸び悩む中、機関投資家が複数物件を一度に購入できる「1棟バルク販売」へのニーズは強く、投資効率の向上の観点からも、引き続き強い需要が見込まれます。
当社グループは、「1棟バルク販売」を取り入れることで、機関投資家に対する竣工前の売買契約締結による営業活動の効率化を図っております。当社グループが仕入を進め確保している、豊富なパイプラインを背景に、機関投資家の「1棟バルク販売」へのニーズに応え、当社グループの更なるプレゼンス向上を図ってまいります。
③ 時代に即した新しいセグメントの確立(非レジデンス:物流施設開発、用地仕入、ビルディング)
主力事業であるレジデンス開発販売に加えて、非レジデンス領域においては、物流施設開発事業、用地仕入事業、ビルディング事業を検討してまいりました。物流施設開発事業につきましては、市場の過熱感もあり慎重に調査を継続しております。
用地仕入事業については、地権者等の権利関係を整理し用地の新たな価値創生後に売却することを目指し、事業を開始し、2023年12月期においては4案件の販売を完了し、既に収益貢献を実現しております。
ビルディング事業につきましては、既存のオフィスビルを購入し、環境対応・労働環境改善等のバリューアップ後の売却を目指して事業を開始し、2023年12月期においては情報収集に注力し、2024年12月期から収益に貢献する見通しです。
また、「GLM VISION 2030」及び「マテリアリティ」に関わるDX領域事業につきましても、IoT及びIT関連事業を行う中核子会社としてAtPeak株式会社を2023年12月18日に設立しております。
本項目についても、計画の前倒しが実現できている状況です。
④ 開発エリアの拡大
当社グループではこれまで東京23区内中心の開発を行ってまいりました。首都圏への人口流入・世帯数増加の傾向は継続すると考えております。一方で、リモートワーク等の普及により人口流入先が都心だけに限定されず、周辺広域まで拡大しております。こうした人口動態やニーズの変化等を柔軟に捉え、当社グループでは、1都3県にも開発エリアを拡げております。
<目標とする経営指標>
当社グループは中長期的な企業価値の増大を目指しております。この観点から、「2022年中期経営計画」においては、2024年12月期に達成すべき数値目標として売上高500億円、経常利益50億円を設定しておりましたが、直近の外部環境及び計画進捗状況を勘案し、売上高は上方修正を行い600億円、経常利益は50億円を設定しております。また、販売戸数につきましては1,300戸、環境対応比率自社開発物件100%を目指してまいります。
<利益目標>(注)1
| 2022年12月期 (実績/計画) | 2023年12月期 (実績/計画) | 2024年12月期 (計画) |
売上高 (億円) | 356/350 | 412/400 | 600 |
経常利益 (億円) | 22/20 | 42/33 | 50 |
<財務目標>(注)1
| 2022年12月期 (実績/計画) | 2023年12月期 (実績/計画) | 2024年12月期 (計画) |
売上高経常利益率 | 6.4%/5.7% | 10.3%/7.5% | 8.3% |
ROE | 22.7%/22.6% | 37.5%/27.5% | 30.0% |
販管費率 | 9.1%/9.4% | 7.6%/8.8% | 6.7% |
<事業指標>(注)1
| 2022年12月期 (実績/計画) | 2023年12月期 (実績/計画) | 2024年12月期 (計画) |
販売戸数合計 (戸) | 979/1,000 | 1,079/1,120 | 1,300 |
環境配慮対応比率 自社開発物件(注)2 | ― | 100.0%/100.0% | 100.0% |
環境配慮対応比率 当社取扱全物件 | ― | 21.2%/40.0% | 50.0% |
(注)1.計画値は、中期経営計画公表後に見直しを実施した項目については、見直し後の数値を記載しており
ます。
(注)2.自社開発物件における環境配慮認証取得件数
(2023年12月31日現在)
環境認証 | 2022年12月期 竣工物件数 | 2023年12月期 竣工物件数 | 2024年12月期 竣工予定物件数 |
BELS★★★★★ | ― | 2 | 7 |
BELS★★★★ | ― | 3 | 6 |
ZEH-M Oriented | ― | 2 | 2 |
合計 | ― | 7 | 15 |
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