グッドコムアセット 【東証プライム:3475】「不動産業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、Purpose=「不動産を安心と信頼のできる財産としてグローバルに提供し、社会に貢献する」、Vision=「21世紀を代表する不動産会社を創る」を掲げております。当社グループは、東京23区、最寄駅徒歩10分圏内を中心に1都3県にて、投資用新築マンションを企画・開発し、法人や個人投資家への販売を行い、販売後の管理業務まで行っております。今後も、立地や仕様、アフターサポートなどにこだわり、投資用不動産としての価値を高め、それらをグローバルに提供することで、社会貢献していきたいと考えております。また、21世紀を代表する不動産会社になり、顧客や取引先、株主、従業員など全てのステークホルダーへの責任を果たすため、企業の継続的な発展と企業価値の向上を図ることを基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、主力事業である投資用新築マンションの販売セグメントと販売後の管理セグメントで構成されております。販売セグメントについては、複数の販売チャネルの中で、経営環境に応じて、注力する販売事業を変化させ、管理セグメントについては、安定的に収益を得ることができるストックビジネスとして、販売増に伴った収益拡大が見込めます。このように、様々なチャネルによりシナジー効果を発揮し、また、リスク分散することで、どのような経営環境でも安定的に業容の拡大を図るポートフォリオ経営を実施しております。
更なる発展のためには、全セグメントの底上げに加え、新規事業の推進が必要であると考えております。新規事業としてREIT事業を開始するため、2022年5月に株式会社グッドコムアセット投資顧問を設立し、2023年5月に同事業の許認可を取得しております。同事業では、当社が物件のスポンサーとなり、当社ブランドマンション「GENOVIA」シリーズの販売を通して培った物件の仕入ネットワークを活かすと共に、仕入エリアを1都3県に拡大し、中古物件も対象とすることで、安定的な物件供給をいたします。今後は、まず、50億円から100億円規模の私募ファンドを組成し、徐々に運用資産を拡大させることで、主力事業として成長させてまいります。また、更なる業績拡大に向け、M&Aによる事業の多角化などを積極的に推進してまいります。
さらに、サステナビリティが経営の重要課題の一つであると認識しており、幅広い事業活動を通じて様々な社会課題の解決に貢献することで、当社グループの持続的成長を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、毎期業績予想として開示する営業利益の達成度合いであります。当社は、年平均成長率30%~40%の増収増益により、2030年10月期には、売上高約6,000億円、営業利益約600億円の達成を目指しております。不動産の仕入状況や、積極的なM&A等により、各期における成長率の増減が考えられますが、平均30%~40%の成長を見込んでおります。また、当社の仕入は、手付金のみで仕入契約を締結する専有物件を推進しておりますが、業容の拡大により販売用不動産の取得資金の借入が増加すると見込んでおります。そのため、当該借入に係る支払利息や支払手数料等の影響を受けない本業での業績を最も重視しており、その指標は営業利益となります。
(4)経営環境
当社グループが物件供給している東京23区を中心とした1都3県、最寄駅徒歩10分圏内の投資用新築マンションは、人口の転入超過が続いていることを背景に、安定的な賃料収入が得られる投資商品として、特に法人の需要が拡大しております。日本国内の個人投資家においても同様に、老後の生活資金の不安等から、投資先の選別が行われる中、安定的な賃料収入が見込め、実物資産として価値のある不動産に注目が集まっております。
このように、当社グループは複数の販売チャネルがあり、経営環境に応じて主力の販売先を選択することで、安定的な業績拡大が可能となります。
仕入につきましては、価格の高止まりによる影響や競合等により厳しい状態が続いておりますが、当社の財務能力や信用力の高さを背景に物件紹介の機会等が増加し、仕入は好調に推移しております。
しかしながら、資源価格の高騰や世界的な金利上昇が主要因となり、当社グループにも悪影響を及ぼす可能性があるため、引き続き注視する必要があります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、経営環境等を見極めながら、更なる事業拡大に向けて、特に以下の5点を重要課題として取り組んでおります。
① 仕入物件の継続的な確保
当社グループにおいては、収益性を精査しつつ、積極的な仕入を行っております。当社グループがターゲットとする1都3県、特に東京23区では、地価上昇や建築資材の高騰等により仕入物件の確保が困難になりつつあります。
当社グループは、これまでよりも大規模なマンションを仕入れることで、規模にかかわらず1つの現場に最低1人は必要となる現場監理等の人員を効率化し、また、建築資材等の一括仕入れ等により建築代金の抑制を行っており、コストを抑えた仕入を実現しております。
なお、原則、入札には参加せず、事業主、仲介業者、建設会社等から相対取引で開発用地及び物件を仕入れることで他社に比べ低価格での仕入が可能となっております。さらに、これまでの実績を踏まえ、過去の取引先から、仕入物件のリピート紹介を受けており、継続的に仕入が可能な体制を構築しております。
今後も前述の方針に基づき、マンション用地等の情報収集を強化し、既存取引先、新規取引先から多くの情報を集め、立地や価格等の諸条件を勘案しながら、採算性の高い仕入物件の継続的な確保に努めてまいります。
② 販路拡大・多様化による安定的な業績拡大の実現
自社ブランド「GENOVIA」シリーズの間取りは、単身者向けの1KやDINKS向けの1LDK・2LDK等が中心となっております。また、供給エリアは、1都3県であり、特に東京23区で賃貸需要の高い立地としております。日本国内の人口が減少している中、当該地域は転入超過であり、「GENOVIA」シリーズの賃貸需要は高く、今後も安定的な投資商品として需要の拡大が見込まれます。
当社グループは、「GENOVIA」シリーズの販売戸数の増加による業績の拡大を達成するために、新たな販路を確保・拡大する必要があると考えております。具体的には、ホールセールについては、1棟販売を強化するとともに、新設子会社の株式会社グッドコムアセット投資顧問にて行う不動産流動化事業の推進など、更なる販路の拡大を図ってまいります。リテールセールスについては、国内外の個人投資家へ積極的にアプローチを行うため、大阪支店の設立を足掛かりに、北海道や九州地方及び沖縄県まで販路の拡大に努めております。
また、世界及び日本経済全体の景況悪化、税制改正や為替変動等によって、国内及び海外投資家の不動産購入意欲が一時的に減退することも考えられます。しかしながら、当社グループは、販売チャネルであるホールセール及びリテールセールスに加え、当社マンションの賃貸管理・建物管理、入居者の家賃債務保証事業を行うストックビジネスであるリアルエステートマネジメント及び上場・IRコンサルティングやGood Com Fund事業を含めたその他という4つの事業ポートフォリオを確立しており、これらにより、業績の拡大・安定化を図る考えであります。
さらに、当社グループは、中長期目標として、年平均成長率30%~40%、2030年10月期の決算発表までに不動産会社の時価総額ランキングの上位に入るため、現行事業の拡大やM&A等による事業の多角化にも積極的に取り組んでおります。
③ 人材の確保と育成強化
当社グループは、定期的な研修・教育制度の充実等により、人材を成長させることで、業容を拡大してまいりました。今後さらに事業の発展及び業容拡大を加速するためには、既存事業及び新規事業の全ての事業組織において、採用方針に従った当社グループが求める優秀な人材の確保・定着及び育成が重要であると認識しております。
当社グループは、引き続き積極的な新卒採用及び専門職等の中途採用による人員拡大により、各事業部門を底上げし、業績拡大を図る方針であります。
④ 財務体質の改善と資金調達手段の多様化
一般的な新築マンションは、用地を仕入れ、マンションを建設しますが、当社グループの主な仕入方法は、初期段階における自己負担は手付金等のみであり、用地仕入資金やその後の建築資金はマンション建築事業主が負担するため、当社グループとしては、多額の先行資金をかけずに物件の仕入ができることになり、資金効率が向上し、健全な財務体質を維持することが可能となります。
なお、販売物件の採算を考慮し、当初想定された販売期間を延長する場合は、資金調達が必要となります。
当社グループは、運転資金の確保を含め、資金調達手段の多様化、財務体質の改善及び財務基盤の充実を図っておりますが、更なる強化に努める方針であります。具体的な施策につきましては、随時機動的に検討しております。
⑤ サステナビリティへの積極的な取り組み
当社グループは、サステナビリティが経営の重要課題の一つであると認識しており、事業活動を通じて、様々な社会課題の解決に貢献することで、持続的な成長が実現できるものと考えております。
持続的な成長に向け、自社ブランドマンション「GENOVIA」シリーズの壁面・屋上緑化や社内外資料のペーパーレス化、給与のベースアップや働きやすい職場環境として人事・休暇制度等の拡充、各種ガバナンスの強化によるコンプライアンス意識の醸成等を行っております。引き続きサステナビリティ委員会が中心となり、社会課題や経営課題への取り組みを検討、実施することで、長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
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