企業クレハ東証プライム:4023】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

(1) 会社の経営の基本方針

世界は、新型ウイルスによるパンデミックが終息する一方で、金融引き締めやインフレ進行による景気後退への懸念、国家間の緊張と紛争は拡大し地政学的リスクが高まるなど、経済・社会環境の先行き不透明感が継続しています。また気候変動や自然災害が甚大化し、カーボンニュートラルの実現やエネルギーおよび食糧の確保、水資源や生物多様性保全のための環境負荷低減など、持続可能な社会の実現に向けた企業の貢献が求められています。

 こうした経営環境の変化を踏まえ、当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と「持続可能な社会への貢献」を両立し、サステナビリティ経営を推進して当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』および「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」を策定し、当該経営計画の達成に向けた活動を開始しました。

<クレハグループ企業理念およびクレハビジョンについて>


<経営方針について>

クレハビジョンの実現のため、2030年度に向けた『経営方針』として3つの目標と3つの最重要施策を定めました。

[目標]

継続的な経済価値の向上

・「環境・エネルギー」、「ライフ」、「情報通信」の3分野を重点事業分野とし、クレハグループの経営資源を集中して経済価値の向上を目指す。

マーケットインの視点で既存商品の性能向上とバリューチェーンの拡大を図り、コスト競争力をもって顧客への提案力を強化し、収益を拡大する。

社会課題解決への貢献

・これまでも、3つの重点事業分野で社会貢献してきたクレハグループの商品を、自社保有技術と外部技術の融合によりさらに進化させ、社会に提供する商品、技術、サービスを拡充する。

環境負荷低減への貢献

・2050年度にカーボンニュートラルを目指す。

・循環型生産にかなう生産技術の高度化を推進し、廃棄物削減やリサイクルの推進により環境負荷を低減する。

[最重要施策]

技術立社の再興(研究・技術開発力の強化)

新商品の研究開発と環境負荷低減に集中的に資源を投下し、差別化された商品の開発を加速する。

・他社との協創・協業、M&A等を通じ自社保有技術と外部技術の融合を図り、新規事業を創出し拡大する。

・成長事業の生産体制の構築を迅速に進めるとともに、環境負荷低減に向けた生産技術力、エンジニアリング力を強化する。

経営基盤の強化

・サステナビリティ経営を推進する組織の強化と、執行体制の効率化、リスク・マネジメントの強化等を継続的に実施する。

・クレハグループの経営資源を有効活用し、強固な連結事業基盤を構築する。

・顧客・社会の潜在ニーズと研究開発、製造、営業をつなぐバリューチェーンの連携により、経営の高度化を実現するデジタル化戦略を推進する。

会社と社員の共生

・社員の『働きがい』と『ミッション』を調和、融合し、社員と会社がともに成長を目指す。

・会社と社員のコミュニケーションを充実するとともに、挑戦する社員を登用する。

・社員の多様な価値観や立場を尊重し、働きやすい職場環境を整備するとともに、障がい者の就労機会を積極的に提供し自立を支援する。


(2) 2024年度定量計画

2024年度の定量計画は、以下のとおりです。

 

(単位:億円)

 

2024年度計画

売上収益

1,700

営業利益

(営業利益率)

140

(8.2%)

親会社の所有者に

帰属する当期利益

100

基本的1株当たり当期利益

191.45

(前提条件) 為替:145円/米ドル、158円/ユーロ、20円/人民元

〔セグメント別計画〕

(単位:億円)

 

2024年度計画

売上収益

営業利益

連結 合計

1,700

140

機能製品

  700

 57

化学製品

  290

 10

樹脂製品

  400

 52

建設関連

  145

 8

その他関連

  165

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(3) 『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025

当社グループは、前述のとおり20234月より中長期経営計画をスタートさせ、2030年度のありたい姿の実現に向けて、取り組んでまいりました。しかしながら、成長ドライバーの中心と位置づけておりましたリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂事業が、EV市場の一時的な成長率の鈍化により停滞を余儀なくされるなど、初年度である2023年度から当社グループの業績は想定を大幅に下回る結果となりました。また、これまでの業績重視に加えて資本収益性も重視するバランス経営が必要不可欠です。現在のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の事業環境変化および資本収益性も重視するバランス経営の重要性を踏まえて、今後の持続的成長による企業価値向上を確かなものとすべく『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を策定しました。本ローリングプランでは、既存事業における成長施策および全社でのコスト削減策に基づいて2025年度の業績目標を修正し、併せて重要業績評価指標および資本政策における新たな目標設定を行いました。

 なお、2030年度の業績目標および重要業績評価指標は、2026年度から始まる次期中期経営計画発表時に改めて開示します。

 [業績目標および重要業績評価指標(KPI)]


 [営業利益の成長シナリオ]


 [資本政策]


 [投資計画の見直し]


 [2025年度までの株主還元]

利益の配分については、将来の事業展開に向けた積極投資に資する内部留保を充実させつつ、安定的な配当を基本方針とし、目標配当性向を30%以上とします。但し、2025年度までの年間配当の下限額は、1株当たり86.7円とします。加えて、自己株式の取得による総還元性向50%以上を目標とし、2025年度末までの3年間累計で400億円程度の自己株式の取得を行い、株価の改善に向けた株主の期待に応えます。

(4) その他の経営課題

① コーポレート・ガバナンスの高度化

 当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方・方針を定め、株主・投資家に対して当社の姿勢を示すために、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しており、経営の「監督機能」と「執行機能」の役割を明確にし、それぞれの機能強化を図ることにより、コーポレート・ガバナンスの高度化に取り組んでいます。

(経営における監督責任と執行責任の明確化)

・経営における監督責任と執行責任を明確にするために、社外取締役と執行役員制度を導入しています。

・取締役会は、業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役3分の1以上を含む10名以内で構成し、監査役(社外監査役2名以上を含む4名以内で構成)も参加しています。

・事業年度の運営に対する責任を明確にするため、取締役、執行役員の任期は1年としています。

(会社機関の機能)

・取締役会は、重要な経営事項の決定と業務執行の監督を行なっています。

・指名委員会、報酬委員会は、取締役会の任意の諮問機関として、取締役会における意思決定の透明性の確保とステークホルダーへの説明責任の強化を図るため、取締役および執行役員の指名および報酬に関する事項を審議し、取締役会への付議内容を検討しています。

・経営会議は、代表取締役社長が議長を務め、執行役員を構成メンバーとし、当社の経営に関する重要案件等について審議しています。

・連結経営会議を定期的に開催し、経営方針、事業戦略について相互に意見交換を行うことにより、連結経営の強化を図っています。

② サステナビリティ経営の推進

 当社は、企業理念に立脚し、「中長期的な企業価値の向上」と「持続可能な社会への貢献」を実現することを目的として、サステナビリティ推進活動を総合的に監督・モニタリングする「サステナビリティ委員会」を取締役会の直下に設置しております。また、「サステナビリティ推進委員会」を設置し、サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティ活動を総括・推進しております。なお、サステナビリティに関する考え方や取組みは「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

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