企業クラダシ東証グロース:5884】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項につきましては、情報の適時開示の観点から、積極的に開示しております。

 当社は、これらのリスクの発生可能性を考慮した上で、発生の回避及びリスクの軽減に努める所存でありますが、当該株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本頁以外の記載事項を、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

 各リスクについての顕在可能性、影響度、発生時期については、下表のとおりです。

分類

リスク

顕在可能性

影響度

発生時期

(1)事業環境に関するリスク

①フードロス市場について

中期

②競合他社の動向について

中期

(2)事業内容に関するリスク

①特定事業への依存について

長期

②新規事業への取組について

長期

③自然災害等について

長期

④保管コストについて

中期

⑤配送コストについて

中期

⑥知的財産等について

中期

⑦ブランドの確立、堅持等の重要性について

中期

⑧食品の安全性及び商品表示について

中期

⑨訴訟等の可能性について

中期

⑩供給不足の可能性について

中期

⑪固定資産の減損について

不特定

⑫繰延税金資産の回収可能性について

不特定

⑬広告宣伝活動について

中期

(3)システム等に関するリスク

①システムについて

中期

②技術革新について

中期

③情報セキュリティについて

中期

(4)事業運営体制に関するリスク

①小規模組織であることについて

短期

②社歴が浅いことについて

短期

③特定経営者への依存について

中期

(5)法的規制に関するリスク

①個人情報の保護について

中期

②インターネット及び食品並びに酒類に関する法的規制について

中期

(6)その他

①資金使途について

中期

②配当政策について

長期

③新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

中期

④大株主について

長期

 各リスクの具体的な内容は下記のとおりです。

(1)事業環境に関するリスク

① フードロス市場について(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:中期)

 農林水産省及び環境省の推計によると、日本では、まだ食べられるものの廃棄される食品、いわゆる「フードロス」が食品製造業、食品卸売業、食品小売業合計で年間1,760千トン(上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境及び経営戦略等」(※9)参照)発生しているといわれております。当社が削減する食品ロス量の占有率は1%未満と大きく伸びしろを残していると考えております。当社は問題なく消費できるが廃棄されてしまう商品を価値あるものに変え、中古でも新品でもない商品を市場に提供する1.5次流通を創出し、フードロス市場規模拡大の取り組みを行っております。今後、フードロス問題の社会的要請を背景に、同市場は成長を続けるものと考えておりますが、当社の予測通りにフードロス市場が拡大しなかった場合には、売上高の減少等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 競合他社の動向について(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:中期)

 本書提出日現在において、当社が運営する「Kuradashi」と明確に競合する高い資本力や知名度を有する会社はないものと認識しております。当社は長年培った顧客基盤、品質を活かし、社員教育体制を整備することで、サービスにおいても同業他社の追随を許さぬように日々努力しております。しかしながら、今後、高い資本力や知名度を有する企業が類似サービスに参入することにより競争が激化した場合、会員の流出や集客コストの増加等が予想されます。そのような場合には、売上高の減少や集客コストの増加等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業内容に関するリスク

① 特定事業への依存について(顕在可能性:低 影響度:高 発生時期:長期)

 当社は、「Kuradashi」運営事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。収益源の分散を図るため、今後の新たな柱となる事業の育成を継続しておりますが、事業環境の変化等により、「Kuradashi」運営事業が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、売上高の減少等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 新規事業への取組について(顕在可能性:低 影響度:高 発生時期:長期)

 当社はさらなる収益基盤の拡大を目指し、「Kuradashi」に付随する形の新規事業の展開を企図しております。しかしながら、新規事業には不確定要素が多く、当社の目論見どおりに新規事業が推移せず、投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、投資に対する損失の計上等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 自然災害等について(顕在可能性:低 影響度:高 発生時期:長期)

 大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限、配送網の分断、混乱等の不測の事態が発生した場合には、当社によるサービス提供に支障が生じる可能性があります。当社はリスク管理に係る規程等を整備し、リスク管理体制を構築しております。しかしながら、当社の想定する範囲を超えた大規模災害や、それに伴う被害の復旧が遅れた場合には、売上高の減少や復旧に関するコストの発生等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 保管コストについて(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:中期)

 当社が運営する「Kuradashi」の流通形態は、弊社倉庫から会員へ配送する形態とパートナー企業から会員へ直接配送する形態に分類されております。前者については、当社が保管場所を用意する必要があるため、倉庫会社に在庫保管業務を委託しております。将来的には、後者の割合を増やしていく予定であるため、保管コストは圧縮されていく予定ですが、当社の目論見通りに移行しなかった場合には、物流コスト増加により費用負担が増加することで、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 配送コストについて(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:中期)

 当社が運営する「Kuradashi」では、商品販売に際し運送会社に商品配送業務を委託しております。現在は委託価格の安定化を図っておりますが、今後配送コストが上昇した場合には、物流コスト増加により費用負担が増加することで、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 知的財産等について(顕在可能性:低 影響度:低 発生時期:中期)

 当社では、当社が運営する事業に関する知的財産権を確保するとともに、定期的に知的財産権に関する周辺調査を実施することで、第三者の知的財産権を侵害しない体制の構築に努めております。
 しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立していることにより当社の事業運営が制約を受ける場合や、第三者の知的財産権侵害が発覚した場合等には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ ブランドの確立、堅持等の重要性について(顕在可能性:低 影響度:高 発生時期:中期)

 当社は、「楽しいお買い物で、みんなトクするソーシャルグッドマーケットを創る」というブランドパーパスのもと、ECサイトで様々な商品を日々販売し、高品質のコンテンツを作り続けており、フードロスを削減する企業及びソーシャルグッドマーケットを展開する企業として独自の位置づけと信頼及び評価を得てきました。今後もコンテンツを生む力を強化し、ECサイト及び商品のブランド価値を高めていきます。そのために、ミッション及びビジョン並びにブランドパーパスに則って事業を運営していきますが、フードロスを削減する企業としての評価の変化及び生活者の志向の変化、風評被害等をきっかけに当社のブランド価値が低下した場合には、会員数や販売数量の低下により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 食品の安全性及び商品表示について(顕在可能性:低 影響度:高 発生時期:中期)

 当社は、食品に携わる企業として、パートナー企業や委託先である倉庫及び運送会社の協力のもと、品質管理及び適正な商品表示のために社内体制の整備・強化に注力しておりますが、万が一、食品の安全性等についてトラブルが発生した場合や産地偽装等による不可抗力的な商品表示の重大な誤りが発生した場合、また、その対応に不備があった場合には、当社のブランドイメージが棄損され、売上高の減少等により、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 訴訟等の可能性について(顕在可能性:低 影響度:低 発生時期:中期)

 会員による違法行為やトラブル、第三者の権利侵害があった場合等には、当社に対して会員、その他の第三者から訴訟その他の請求を提訴される可能性があります。また、当社が第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合には、訴訟等による当社の権利保護のために多大な費用を要する可能性があります。

 訴訟等の当事者となる可能性のあるクレーム・トラブル案件につきましては、速やかに経営層や関係部署が情報共有して対処方針を検討するなど適切な対応をとっており、また、必要に応じて顧問法律事務所等外部の専門家と緊密に連携する体制を構築しております。
 しかしながら、このような事象が発生した場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 供給不足の可能性について(顕在可能性:中 影響度:中 発生時期:中期)

 当社の取扱商品の特性上、特定の商品の安定供給を受けることは困難であります。また、当社は、商品の確保にあたっては、複数のパートナー企業を確保する等、不測の事態には備えておりますが、パートナー企業の経営悪化、災害、規制環境の変化等により、当社が求める品質及び数量の商品の供給に遅延や中断が生じた場合又は原材料等の価格高騰が生じることにより仕入数量が低下する場合があります。さらに、既存パートナー企業のフードロス品発生機会の減少及びフードロス品が発生しているパートナー企業の逸失により、仕入数量が低下する場合があります。以上の事象が生じた場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 固定資産の減損について(顕在可能性:低 影響度:低 発生時期:不特定)

 当社は、有形固定資産及び無形固定資産等の固定資産を保有しており、今後のシステム開発等により、無形固定資産の増加を見込んでおります。これらの資産の取得にあたっては事前に必要性や収益性を十分に検証した上で決定しております。しかしながら、経営環境や事業の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合には、対象資産に対する減損損失の計上により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 繰延税金資産の回収可能性について(顕在可能性:低 影響度:低 発生時期:不特定)

 当社は、繰延税金資産に対して、将来の課税所得の予測等に照らし、定期的に回収可能性の検証を行っております。しかし、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により課税所得の見積もりの変更が必要となった場合や、税率の変動を伴う税制の変更等があった場合には、繰延税金資産が減額され、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑬ 広告宣伝活動について(顕在可能性:低 影響度:低 発生時期:中期)

 当社は、新規会員の獲得を目的として継続した広告宣伝活動を行っております。当社の広告宣伝は、Web広告(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、アフィリエイト広告等)を中心に活用をしております。

 広告宣伝活動においては、広告手法や媒体、その実施方法及びタイミング等について、費用対効果を検討した上で効率的な広告宣伝費の投下を行い、広告効果の最大化に努めておりますが、著しい広告効果の低下や広告費用の上昇が生じた場合、新規会員の獲得等に影響が生じ、また、当該費用負担により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)システム等に関するリスク

① システムについて(顕在可能性:低 影響度:高 発生時期:中期)

 当社が運営する「Kuradashi」の利用に関しては、会員のインターネットへのアクセス環境が不可欠であると共に、当社のITシステムも重要となります。

 当社は、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できる体制を整えております。しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウェアの不具合、コンピュータウィルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故等、当社の予測不可能な要因によってシステムがダウンした場合や、当社のシステム外で会員のアクセス環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、売上高の減少や復旧に関するコストの発生等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 技術革新について(顕在可能性:中 影響度:低 発生時期:中期)

 インターネット関連市場では、技術革新が活発に行われており、新しいサービスが次々と生まれております。そのため、当社では、常に業界の動向を注視し、適時に事業戦略を見直し、必要に応じて、迅速に技術革新に対応するため、既存サービスに新たな技術を展開できる開発体制を構築しております。

 しかしながら、技術革新の内容によっては、対応するための相当な開発費用が発生する可能性があり、また、適切な対応ができない場合は当社サービスの競争力が相対的に低下する可能性があります。そのような場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 情報セキュリティについて(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:中期)

 当社は、厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業の一環として得意先から預託された機密情報や個人情報の収集・保管・運用を行っております。ISMS認証(※)を取得し、社内で運用する他、従業員研修を繰り返し実施する等、これらの情報管理には万全な方策を講じておりますが、万が一当社の従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、当社が企業としての社会的信用を喪失し、売上高の減少等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

※ ISMS(アイ・エス・エム・エス):Information Security Management Systemの略

 情報セキュリティ管理の国際標準に基づき定められた情報セキュリティマネジメントシステムの適合性評価制度。継続的に情報セキュリティリスクを管理しリスク回避や軽減を図り、この認証基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体が第三者機関により認証される。

(4)事業運営体制に関するリスク

① 小規模組織であることについて(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:短期)

 当社は組織規模が小さく、規模に応じた業務執行体制となっております。また、今後の堅調な事業成長のためには、有能な人材の確保と育成が必要と認識しており、適宜、採用を図り、社内研修制度の充実及び組織力の強化に注力して参ります。

 しかしながら、適切なタイミングで当社の求める人材の確保が十分にされない場合や、当社の役員や重要な業務を担当する従業員の流出等により、必要な人材を確保できなくなった場合には、売上高の減少等により、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 社歴が浅いことについて(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:短期)

 当社は、2014年に設立され、未だ社歴が浅く成長途上の会社であるため、過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。当該リスクへの対応策として、当社は、投資家の投資判断に寄与するよう、財務情報だけでなく、会社の方針等の非財務情報もIR情報として積極的に開示していく方針であります。

③ 特定経営者への依存について(顕在可能性:低 影響度:中 発生時期:中期)

 当社創業者であり代表取締役である関藤竜也は、当社の経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。当社は、取締役会や経営会議等において役員及び社員への情報共有を行うと共に、執行役員制度を導入しており、また、非連続な成長と中長期の企業価値の向上を目指す経営体制を構築することを目的とし、2024年7月1日付で代表取締役2名体制に移行し、河村晃平が代表取締役社長CEOに就任しております。

 代表取締役2名体制への移行や執行役員に業務執行の権限を委譲する等、組織体制の強化を図りながら同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由で同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)法的規制に関するリスク

① 個人情報の保護について(顕在可能性:中 影響度:高 発生時期:中期)

 当社は、会員登録情報をはじめとする個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報については、個人情報保護規程を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。しかしながら、何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② インターネット及び食品並びに酒類に関する法的規制について(顕在可能性:中 影響度:中 発生時期:中期)

 当社が運営する事業は、「景品表示法」、「消費者保護法」、「食品表示法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「健康増進法」、「特定商取引法」、「酒税法」の対象となっております。当社は、これらの法規制を遵守した運営を行っており、今後も社内教育や体制の構築等を行っていく予定でおります。しかしながら、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化等が行われ、当社が運営する事業が規制の対象となる等制約を受ける場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)その他

① 資金使途について(顕在可能性:中 影響度:低 発生時期:中期)

 東京証券取引所の新規上場時に行った公募増資による資金調達の使途につきましては、主に、さらなるユーザー獲得に向けてユーザー体験価値向上のため、EC Kuradashiの機能的価値向上のためのUI/UX開発、中期経営計画の実現のためのシステム開発費に充当する予定でおりましたが、資金使途及び充当時期を見直し、システム開発に加えて、調達した資金の一部を中期経営計画の実現のため、M&Aに関する資金として充当する予定でおります。しかしながら、当社が属する業界の急速な変化により、計画通りに資金を使用した場合でも、想定通りの投資効果をあげられない可能性があります。また、将来に亘っては資金調達の使途の前提となっている事業計画・方向性が見直される可能性があります。

② 配当政策について(顕在可能性:低 影響度:低 発生時期:長期)

 当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。現時点では、当社は成長過程にあると考えているため、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在可能性:高 影響度:低 発生時期:中期)

 当社は、取締役及び従業員に対して、財政状態及び経営成績向上に対する意欲を高めることを目的とした新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。新株予約権が行使された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は773,020株であり、発行済株式総数10,807,808株の7.1に相当しております。

④ 大株主について(顕在可能性:低 影響度:高 発生時期:長期)

 当社の設立者であり代表取締役会長関藤竜也は当社の大株主であり、本書提出日現在で発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式割合は46.5となっております。

 同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

 当社は、同氏が安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2024年6月7日付で、同氏の資産管理会社であるSocialGoodが保有する当社普通株式2,906,000株(譲渡予約権が全て行使された場合の最大株式数)を対象として、SocialGoodと新たに代表取締役となる河村晃平ならびに経営幹部との間で譲渡予約権(コールオプション)付与契約を締結しておりますが、河村晃平および経営幹部は安定株主であると認識しており、当該譲渡予約権付与契約の存在が直ちに安定株主比率に重要な影響を及ぼすことはないと認識しております。

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