クラウドワークス 【東証グロース:3900】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループは『世界で最もたくさんの人に報酬を届ける会社になる』というビジョンを掲げ、インターネットを活用して個人が報酬を得るための仕組みであるクラウドソーシングを中心としたオンライン人材マッチング事業を推進しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは上記に掲げたビジョン実現に向け、「個のためのインフラになる」というミッションのもと、すべての働き手に対する報酬の獲得機会や働く選択肢の拡大を行うだけでなく、人手不足に悩む企業に柔軟な人材調達方法の提供を通して市場拡大に努めております。こうした中、当社グループはサービス上で取引される契約の総額である流通取引総額と売上総利益の最大化を最優先事項と捉え、その流通取引総額から生み出される売上総利益を成長原資として事業に再投資することで、継続的な成長と利益拡大を実現していく方針を採用しております。特に、慢性化する人手不足の問題に対し、企業のフレキシブルな人材活用ニーズは年々高まっていくと考えており、2023年9月期についても引き続きマッチング事業への集中と生産性向上に取り組み、成長率の向上と利益拡大を図ってまいりました。
(2) 事業環境
当社グループを取り巻く事業環境においては、日本の構造的な人手不足による企業における採用難、物価上昇に伴う家計リスクの増大に起因する新たな収入源確保の動きがより一層活発に見られています。政府は労働移動の円滑化を目的として、企業における副業者や兼業者の活用を推進する施策を実行し、またフリーランスを企業と同じ「独立した意思のある存在」として認める特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律を2024年秋頃までを目途に施行される見込みです。コロナ禍以降の企業や個人の働き方に関する価値観が更に多様化した中で、企業においてもフリーランス・副業等の人材を活用した生産性向上の動きも見られ始めています。
こうした流れは当社グループにとって追い風であり、2023年9月末時点で登録ユーザー数は588.6万人(前年同期比+61.1万人)、登録クライアント数は93.3万社(前年同期比+8.4万社)となりました。
当社グループは「個のためのインフラになる」というミッションのもと、中長期目標「売上総利益CAGR20%以上10年継続」に、今年度から新たに売上高300億円、EBITDA(Non-GAAP)25億円、営業利益年間成長率+10%以上に向けた中期経営目標「YOSHIDA300」を追加しました。その実現に向けて、既存事業では主軸であるマッチング事業のアカウントセールス体制によるクライアント1社あたりの契約単価向上及び売上・利益の拡大並びにSaaS事業の成長、M&Aでは当社の主軸であるマッチング事業と親和性が高い事業への規律ある投資、人材育成では研修を通じた次期経営人材の輩出、そして人的資本経営による企業価値向上に取り組んでおります。
(3)中長期の成長に向けて対処すべき課題等
今般グループでは、継続的な成長実現のため、以下の事項を重要課題として取り組んでまいります。
①サービスの安全性及び健全性の確保
当社グループが運営する「クラウドワークス」では、不特定多数のユーザー同士が自由にメッセージ機能を利用して取引を行います。ユーザーが安心・安全に取引を行える場を提供するため、不正利用や違反行為などに対する監視体制強化に継続的に取り組んでまいります。
②人材の育成
当社グループはミッション「個のためのインフラになる」実現のために、人への投資は重要な課題と考えています。新たに採用した人材の育成ならびに体制整備のため、企業文化の浸透を目的とした「CW Culture」及び「パーパス経営」フレームワークを通じて、当社のミッションと個人の働く目的や社会的な意義を接続するとともに、日々の業務課題に対する生産性向上をはじめとする様々なポリシーやソリューションの共有により、社員それぞれが「個」として成長できる枠組みを運営しています。引き続き、社員一人一人がより一層活躍できる組織体制を整えてまいります。
③認定ワーカーの確保
当社グループのマッチング事業拡大において、認定ワーカー及びハイスキル・ハイクラスのフリーランスや副業ワーカーの確保が重要と考えています。そのため、メディアに向けた積極的な広報活動に加え、インターネットを活用したマーケティングや広告活動により、認知度向上の取り組みを引き続き強化してまいります。また、当社が運営する「みんなのカレッジ」を通じては、ワーカーにも学びの場を提供しており、ワーカーコミュニティの育成に引き続き取り組んでまいります。
④M&Aとシナジーの創出
中長期目標の達成に向けて、マッチング事業と周辺領域の事業基盤をより強化し発展させるため、M&Aに注力しています。中でも当社グループが保有する国内最大級のクライアント・ワーカーデータベースを活用し、シナジーを生み出す企業等のM&Aを積極的に推進してまいります。
⑤内部管理体制の強化
更なる事業拡大を推進し、企業価値を向上させるためには、効率的な業務遂行体制を基盤としながら、内部管理体制を強化していく事が重要な課題であると認識しています。社員に対する研修等を行うことで内部管理体制の強化及びコンプライアンス体制の強化を図ってまいります。
(4)その他経営における重要な取り組み
①生産性向上に関する取り組み
当社グループは、2020年9月期に策定した生産性向上ポリシーに則り、継続的な生産性の改善活動を行っております。主な取り組みとして週1回開催する全社朝会において生産性向上ピッチを実施し、部門を横断してナレッジを共有するなど、全社最適で生産性向上に取り組んでおります。
②人材に関する取り組み
当社グループは、柔軟な働き方を実現・体現する企業として、「フルフレックス」「フルリモートワーク」といった人事制度や「副業制度」を導入し、社員の働き方の柔軟性を高めるだけでなく、社員のリスキリングの機会や能力向上を図るための「書籍購入制度」を設けるなど、生産性を最大化する取り組みを行っております。
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