クラウドワークス 【東証グロース:3900】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
当社グループは『人とテクノロジーが調和する未来を創り、個の幸せと社会の発展に貢献する』というビジョンを掲げ、フリーランス業界No.1プラットフォーム(登録ワーカー600万人・登録企業100万社)を基盤に、IT人材&コンサルティングサービスを提供しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは上記に掲げたビジョン実現に向け、ワーカーに対しては報酬の獲得機会や働く選択肢の拡大を、企業に対しては柔軟な人材調達方法及び生産性向上に資するテクノロジーの提供を通して市場拡大に努めております。当社グループは売上高から主にワーカーへの報酬を除いた売上総利益の最大化を最優先事項と捉え、成長原資として事業に再投資することで、継続的な成長と利益拡大を実現していく方針を採用しております。慢性化する人手不足の課題に対し、企業のフレキシブルな人材活用ニーズ及び業務効率化に資するDX推進ニーズは年々高まっていくと考えており、2024年9月期についても引き続きマッチング事業への集中と生産性向上に取り組み、成長率の向上と利益拡大を図ってまいりました。
(2)事業環境
当社グループを取り巻く事業環境においては、日本の構造的な人口減少による社会全体の人手不足が深刻化し、企業は人材確保の課題に直面しています。その影響で若手社員に対する人的投資を増加するなど、従来の終身雇用・年功序列を主とした労働構造に変化の兆しがあり、個人の自律的なキャリア選択やライフステージに応じた多様な働き方が加速すると見られます。政府としても、賃金上昇を伴う労働移動の円滑化を目的として、法制度の整備を推進しています。一例として、フリーランスを企業と同じ「独立した意思のある存在」として認める「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」が2024年11月に施行され、フリーランスを始めとする多様な働き方がより推奨される社会が実現されようとしています。
こうした流れは当社グループにとって追い風であり、2024年9月末時点で登録ユーザー数は672.2万人(前年同期比+83.6万人)、登録クライアント数は100.6万社(前年同期比+7.4万社)となりました。
当社グループは「個のためのインフラになる」というミッションのもと、中長期目標「売上総利益CAGR20%以上10年継続」及び売上高300億円、EBITDA(Non-GAAP)25億円、営業利益年間成長率+10%以上に向けた中期経営目標「YOSHIDA300」を掲げています。その実現に向けて、既存事業では主軸であるマッチング事業のアカウントセールス体制によるクライアント1社あたりの売上・利益の拡大、SaaS事業の成長に注力しております。M&Aでは当社の主軸であるマッチング事業と親和性が高い事業への規律ある投資、人材育成では研修を通じた次期経営人材の輩出、そして人的資本経営による企業価値向上に取り組んでおります。
(3)中長期の成長に向けて対処すべき課題等
今般グループでは、継続的な成長実現のため、以下の事項を重要課題として取り組んでまいります。
① 収益基盤の拡大
当社グループはこれまで人材マッチングを軸に企業の生産性を向上するソリューションを提供してまいりました。しかし、我が国が構造的な人口減少の課題に直面する中、当社グループも収益基盤を拡大することが重要と考えています。そのため、当社の保有するITスキルを持つ人材に、M&Aによって獲得した企業のDX化の知見を組み合わせた、DXソリューションの提供を強化し、クライアント企業の生産性向上に貢献してまいります。
② M&Aとシナジーの創出
収益基盤の拡大および中長期目標の早期達成に向け、当社グループが保有する国内最大級のクライアント・ワーカーデータベースとのシナジー創出が期待できる企業のM&Aを推進しています。この状況下で安定した事業拡大を図るには、グループイン企業を含めた内部体制の盤石化が重要な課題と捉えております。グループ間の連携強化やコーポレート機能の統合を行うことで、グループイン企業のさらなる成長の実現を目指します。
③ フリーランスワーカーの確保
当社グループのマッチング事業拡大のためにはハイスキルのフリーランスワーカーの確保が重要と考えています。そのため、フリーランスコミュニティ「クラウドタウン」の運営や、エージェントサービス利用ワーカーのサポート強化により、ワーカーの定着に努めてまいります。また、リスキリングサービス「みんなのカレッジ」およびAIリスキリングサービス「クラウドワークス AI道場」を通じ、ワーカーのリスキリングにも取り組んでまいります。
④ サービスの安全性及び健全性の確保
当社が運営する「クラウドワークス」では、不特定多数のユーザー同士が自由にメッセージ機能を利用して取引を行います。ユーザーが安心・安全に取引を行える場を提供するため、不正利用や違反行為などに対する監視体制強化に継続的に取り組んでまいります。
⑤ 従業員育成と組織体制の強化
当社はミッション「個のためのインフラになる」実現のために、人への投資は重要な課題と考えています。人材育成並びに体制強化のため、当社のミッションと従業員一人ひとりの働く目的や社会的な意義を接続し、各々が「個」として活躍できる組織体制・企業風土を整えてまいります。また、従業員の給与向上に向け、人事制度の刷新に取り組んでまいります。
⑥ 内部管理体制の強化
事業拡大・推進および企業価値向上のためには、効率的な業務遂行と内部管理体制の盤石化が重要だと考えています。経営指標のモニタリングや会議体の設計・運用等を通して、健全かつ生産性の高いマネジメントを推進してまいります。また、従業員に対する研修等を行い、業務フローや情報管理を認知させ、コンプライアンス体制強化を図ってまいります。
(4)その他経営における重要な取り組み
① 生産性向上に関する取り組み
当社グループは、2020年9月期に策定した生産性向上ポリシーに則り、継続的な生産性向上のための活動を行っております。主な取り組みとして週1回開催する全社朝会においてPersonal Purpose Pitchを実施し、部門を横断してナレッジを共有するなど、全社最適で生産性向上に取り組んでおります。
② 人材に関する取り組み
当社グループは、柔軟な働き方を実現・体現する企業として、「フルフレックス」「フルリモートワーク」といった人事制度や「副業制度」を導入し、社員の働き方の柔軟性を高めるだけでなく、社員のリスキリングの機会や能力向上を図るための「書籍購入制度」を設けるなど、生産性を最大化する取り組みを行っております。また、会社の重要な方針について議論する経営合宿へのオブザーバー参加制度を取り入れ、経営幹部候補人材の育成に努めています。
③ PMIに関する取り組み
当社グループは、多様化・複雑化する企業の経営課題解決の実現に向け、M&Aによるケイパビリティの拡大を重要視しています。グループイン企業と既存事業が相互に影響を及ぼし合いながら相乗的な成長を遂げるために、当社の経営ノウハウを「CW Growth Driver」としてポリシー化し、アセットとともにグループ各社に提供しています。
- 検索
- 業種別業績ランキング