企業兼大株主キユーピー東証プライム:2809】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、世界のお客様の楽しく健やかな食生活に貢献するために、「人の健康」「地球の健康」「未来の食生活の創造」を重点研究領域とし、研究開発に取り組んでいます。マヨネーズやドレッシングをはじめ、様々な分野で培ってきたコア技術を軸に、「キユーピーグループ 2030ビジョン」とその先を見据えた未来創造の実現をめざしています。

「人の健康」領域では、健康機能や栄養面での付加価値向上に注力しています。卵黄コリンを活用した認知機能の一部の維持が期待されるサプリメント「コリンEX」が機能性表示食品として受理され、販売を開始しました。食後血糖値の上昇を抑制する新しい食べ方「さらパン」に関するエビデンスを日本臨床栄養学会で発表し、新しい知見を社会に発信しました。また、ピーマンの苦味を感じるメカニズムと卵黄タンパク質がそれを抑制することを解明し、東京大学と共同で日本農芸化学会にて発表しました。

「地球の健康」領域では、プラスチック資源の循環利用やCO₂排出量削減をめざした取り組みを進めています。当期は、味の素株式会社・株式会社イトーヨーカ堂と連携し、使用済みマヨネーズボトルの店頭回収と水平リサイクルの実証実験を開始しました。また、日清オイリオグループ株式会社・イオン株式会社と連携し、使用済みドレッシングボトルの店頭回収と水平リサイクルの実証実験を開始しました。さらに、再生PET樹脂を使用したボトルを拡大採用することで、年間約430トンのプラスチック削減を見込んでいます。また、この取り組みが2024日本パッケージングコンテスト食品包装部門賞を受賞しました。

「未来の食生活の創造」領域では、アレルギー低減卵の臨床試験結果を日本小児アレルギー学会で発表しました。また、農林水産省のフェーズ3基金事業への採択を受け、応用研究を本格化させました。生産技術のカテゴリーでは、グループ惣菜工場での蓋閉め作業の自動化技術を実装しました。また、未来型食品工場コンソーシアムに参画し、食品産業全体の効率化と品質向上に貢献しています。

 なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は3,865百万円です。

 また、報告セグメントにおける研究開発活動の概要とその成果は下記のとおりです。

(1)市販用

 市販用では、新商品の開発に加え、既存品の改良を通じたさらなるおいしさや機能性の追求、用途拡大に向けた提案を実施しています。

 マヨネーズカテゴリーでは、プラントベースフードの需要に応え、「GREEN KEWPIE 植物生まれのマヨネーズタイプ」を新たに発売しました。また、幅広い料理に合う「キユーピー 具だくさんレモンタルタル」を発売し、夏場の需要拡大に貢献しました。さらに、「キユーピー 燻製マヨネーズ」は燻製香を向上させるリニューアルを実施し、顧客満足度を一層高めました。

 ドレッシングカテゴリーでは、人気の「キユーピー 深煎りごまドレッシング」に大容量商品(1000ml)とカロリーハーフ版を追加し、お客様のニーズに応える商品展開を行いました。また、ノンオイルドレッシングシリーズを塩分・糖質25%カットの新コンセプトでリニューアルし、健康志向の消費者に新たな価値を提供しています。

 調理カテゴリーでは、「あえるパスタソース たらこ」「あえるパスタソース 明太子」を改良し、パスタカテゴリーを強化しました。さらに、新商品「あえるパスタソース ゆず香る和風たらこ」を発売し、ゆずの爽やかな風味を楽しめる和風ソースを提案しました。プラントベースフードとして「GREEN KEWPIE 植物生まれのボロネーゼ」「GREEN KEWPIE 植物生まれのカルボナーラ」を発売しました。

 ベビーフード・介護食カテゴリーでは、「やさいとなかよし」シリーズを拡充し、新たに「キユーピー やさいとなかよし おやこどん風の素」と「鮭チャーハン風の素」を発売しました。

 サラダ・惣菜カテゴリーでは、株式会社サラダクラブにおいて「鮮度長持ち製法」を展開し、パッケージサラダの消費期間を延長する取り組みを進めました。また、フードロス削減に配慮した「千切りキャベツ 極細カット」や「ざく切りキャベツ ダイスカット」を発売しました。デリア食品株式会社では、新たな挑戦として「デリア」ブランドで「野菜ポテトサラダ」を発売し、惣菜市場でのブランド価値向上を図っています。

 中食領域では、昨年に引き続き特定ユーザー向けにアップサイクル商品の開発を進めました。これまで廃棄や粉砕し家畜飼料などにされてきた野菜の食品未利用部を活用して、にんじんジュースを製造する過程で発生する搾りかす「にんじんパルプ」で具材感を出した「トマトの冷製スープ」、キャベツ芯のすりおろしで独特の甘みを付けた「かぼちゃのスープ」、さらにブロッコリーの選果や加工工程で発生する花蕾(花部)や茎の原料化を北海道の生産加工者とともに進め「ブロッコリースープ」を発売しました。また、ロングライフサラダの開発技術を卵加工品に応用した「キユーピーのたまご ネギダレで食べる」シリーズを2品開発しました。サラダと卵加工の技術を持つ当社ならではの商品として、夕食のおかずやお酒のおつまみの一品になり、ごはんにのせれば、簡単にボリュームのある丼物ができる商品で想定以上にヒット商品になりました。また、Amazonフレッシュにおいて「好吃卵(ハオツーたまご)」(調理用液卵+具材のキット)のテスト販売を開始しました。

(2)業務用

 業務用では、原材料高騰や人手不足など、業務用ユーザーが直面する課題解決に向けた独自性のある開発を実施し、おいしさと機能性の両立をめざした、多様なニーズに応える商品を展開しています。

 ドレッシングカテゴリーでは、健康志向を反映したカロリー・脂質・糖質ゼロの「トリプルZEROノンオイル和風」と「ノンオイル柑橘」の2品を発売しました。さらに、レストランやデリカ向けには「具たっぷりソース ガーリックオニオン」と「ゆず醤油」の2品を新たに発売しました。独自のすりおろし技術を活用した具材感のあるソースが、新たなメニューの創出を後押ししています。加えて、ベーカリー業態にはプラントベースフードの需要を受け、「GREEN KEWPIE ソイツナフィリング」を発売しました。ホテルやレストランでは、料理の仕上げに彩りと手作り感を加える「キユーピー ドレスアップソース パセリ&ケール」「アップル&セロリ」「キャロット&レモン」の3品が注目されています。また、簡単に本格的なパスタを提供できる「スノーマン カルボナーラソースベース」や「ほしえぬ パスタソースたらこ(パキッテ)」など4品をリニューアルし、使いやすさとおいしさをさらに向上させました。

 ロングライフサラダカテゴリーでは、「キユーピーのサラダ たまごマカロニサラダ」を開発しました。この商品は卵の風味や手作り感が特徴で、サラダ以外にもグラタンメニューやベーカリーでの採用が進んでいます。また、簡便性と高品質を両立した「スノーマン なめらか食感茶碗蒸し(おぼろ状)」や「スノーマン とろっと 親子丼の素」を発売しました。「スノーマン 料亭風シリーズ たまごやき」「だしまきたまご」は、こだわりのだしを使用し、ふっくらジューシーな食感に仕上げました。

 キユーピー醸造株式会社では、醸造酢の持つ機能性を生かし、洋風酢として「リッシュフェルメンテ ワインビネガー2024」を数量限定で発売しました。日本ワインを原料にした最高峰のビネガーで、今年はルミエール(山梨県)のワインを使用した赤ワインビネガーと白ワインビネガーの2種類を展開しました。また、トマトビネガーやエンハンスビネガーも外食向けに1Lペットボトルを追加し、幅広い用途での利用を促進しています。デリカ・米飯・加工業態向けには、おいしさと日持ちを両立させた「台湾風ピリ辛ベース」を発売しました。この商品は「やみつきになるニンニクの風味」と「持続する唐辛子の辛さ」が特徴で、たまご商品との共通レシピも提案しています。さらに、寿司米飯市場向けに2種類のしょうゆと自家製だしを組み合わせた味飯用調味液を開発し、汎用性の高い商品として展開しています。

(3)海外

 海外では、各国の開発拠点を中心に現地の嗜好性やトレンドにあった開発を進めています。

 中国では、先行販売している「油酢汁」をシリーズ化し、新たに「酸甜風味」と「ガーリック風味」の2品を開発・発売しました。これにより、野菜サラダのみならず、幅広い食事メニューへの需要を取り込むことをめざしています。また、業務用カテゴリーの強化として、顧客ニーズに迅速に対応するための新たな拠点を上海に設け、体制を強化しました。

 ベトナムでは、ドレッシング市場におけるトップメーカーとしての地位を生かし、市場拡大をめざしています。特に、健康志向の高まりを受け、ベトナム初となる健康訴求タイプのごまドレッシングを発売し、新たな価値を提供しました。

 インドネシアでは、業務用ルートで好評を博しているヨーグルトテイストのマヨネーズを、家庭向けリテール市場にも展開しました。これにより、フルーツサラダなどにとどまらず、家庭でのマヨネーズ使用機会をさらに広げることをめざしています。

 タイでは、外食市場でのトレンドを捉えたトリュフドレッシングを発売し、サラダをより楽しめる提案を行っています。また、健康志向の高まりに対応し、脂肪分を50%削減したマヨネーズタイプ調味料を開発・提供しています。

(4)フルーツ ソリューション

 フルーツ ソリューションでは、フルーツ摂取を通じて心と体の健康を支援することをめざし、「香りと色彩」「食感」「栄養機能」「利便性」「環境」など多面的な視点から研究開発に取り組んでいます。当期は、日常生活におけるフルーツ摂取の新しいシーンを創出し、さらなる市場拡大を図りました。

 新商品として、冷凍フルーツ「アヲハタ まるかじゅり」2品を発売しました。この商品は、大きめの果肉を冷凍庫から取り出してそのまま食べられるワンハンドタイプで、もみほぐしながら食べる新感覚の楽しさとジューシーさが特徴です。忙しい日常の中で手軽にフルーツを楽しめます。

 ジャム・スプレッドカテゴリーでは、人気の「55ジャム」シリーズに季節限定品3品を追加し、フルーツの組み合わせによる選ぶ楽しさを提供しました。加えて、スプーンを使わず簡単に使えるボトル容器入りのフルーツスプレッド「アヲハタ Spoon Free」全6品を全面リニューアルしました。

(5)ファインケミカル

 ファインケミカルでは、ヒアルロン酸、たまご成分、酢酸菌といった独自の機能性素材の可能性を最大限に引き出す研究と商品開発を進めています。これらの素材を通じて、新たな価値を市場に提供し、健康と生活の質の向上に寄与しています。

 ヒアルロン酸カテゴリーでは、外部研究機関との共同研究を通じ、修飾ヒアルロン酸の新たな機能開発を推進しました。

 酢酸菌カテゴリーでは、機能性表示食品の表示許可を取得した免疫機能の改善効果をうたった「ディアレプラス」を発売しました。また酢酸菌の機能を原料販売先ユーザーにも提案し、酢酸菌市場の活性化を進めました。

(6)共通

 該当事項はありません。

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