キャンディル 【東証スタンダード:1446】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「革新創造」を社是とし、「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」というグループ理念に基づき、「全ての建物に“キャンディル”」というグループビジョンを実現すべく、健全かつ適切な業務運営を通じて、持続的な事業の成長とさらなる企業価値の向上を目指しており、お客様や地域社会からの長期にわたる揺るぎない信頼の確立を図らなければならないものと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、持続的な事業の成長とさらなる企業価値の向上を実現するため、収益力の拡大が最重要課題と認識しており、特に安定的な企業価値の向上につながる営業利益とその成長率、及び営業活動によるキャッシュ・フローの増加を最重要指標として、収益性の向上・財務体質の充実に取り組んでまいります。
(3)経営環境
当社グループの主力事業を取り巻く外部環境としては、新型コロナウイルス感染症が第5類感染症に位置づけられたことで一層社会活動の制限は緩和されてきており、概して個人消費マインドも持ち直しの動きが見受けられました。また円安や賃上げなどの影響による全体的な商品・サービスの価格上昇が続いており、インフレ傾向で推移いたしました。一方、実質賃金の継続的低下による足元での消費マインド停滞の兆しや、コスト上昇に見合った価格転嫁の実施割合が芳しくない現状など、経済下振れリスクを抱え、先行きの不透明な側面も見受けられました。
建築業界における市場環境としては、人口減少や技術者の高齢化、労働市場における需給バランスの崩れなどの影響もあり、今後の人手不足の深刻化が懸念されております。そして人々の生活スタイルは働き方改革やコロナ禍等を経て大きく変わってきており、オフィスや商業施設、住宅に対するニーズも日々変化しております。
商環境市場においては、インバウンド需要や国内旅行の増加、再開発や建物の老朽化による建て替え・メンテナンスの必要性により、需要は好調に推移すると見込んでおります。また住宅市場においては、新築市場は人口減少に伴う新設住宅着工戸数の減少により将来的に下降トレンドとなる見通しですが、一方で今ある建物を長く快適に住まうために手直しするといったメンテナンス・リフォーム市場は堅調に推移すると見込まれます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
建物を取り巻く環境や建物に対するニーズが大きく変化する中で、主力サービスを安定成長させながら、市場の需要拡大が見込まれる分野のサービスをしっかりと伸長できるように施工体制・経営基盤の強化に一層注力する必要があると認識しております。具体的には、①「労働力の確保と早期戦力化」、②「アライアンスの推進」、③「人的資本経営の推進」の3点を重要課題として取り組んでまいります。
①「労働力の確保と早期戦力化」については、当社グループは労働集約型のビジネスモデルであり、人材は当社グループの事業にとってなくてはならない重要なファクターであると捉えております。採用環境は厳しくなっており、自社技術者の採用だけでなく社外の労働力の活用が必要不可欠であります。前期に引き続き、今後も自社技術者・協力業者の双方から労働力を確保することでサービス提供網の拡充を図り、自社技術者・協力業者を早期に戦力化できるよう教育体制を強化することで着実に市場の需要を取り込んでまいります。
②「アライアンスの推進」については、これまでも様々な企業と業務提携に関するアライアンスを進め、受注機会の創出、相互送客の推進、提供サービスの多様化などを追求してまいりました。今後も広い視野で異業種を含む様々な業界とのシナジー効果を積極的に検討し、進めてまいります。
③「人的資本経営の推進」については、前述のとおり、当社グループは労働集約型のビジネスモデルであるため、新規の労働力を確保していくだけではなく、既存の労働力を可能な限り維持し生産性を向上させていくことが非常に重要だと捉えております。前期は人事制度改定や年間休日の増加等による待遇改善の実施や教育・研修体制の強化を当社グループ全体で推し進めてまいりました。今後は、ワーク・ライフ・バランスの推進や、多様な人材の確保に向けた社内体制整備にも注力することで、長く働き続けられる組織風土の醸成の実現を目指してまいります。
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