カッパ・クリエイト 【東証プライム:7421】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「お客様の喜びが私たちの喜びです」を社是とし、「お客様に喜びと満足を提供し、社員自ら改善、改革、成長しながら社会に必要とされ、貢献し続ける競争力No.1の企業を目指す」というビジョンのもと、社会の持続可能な発展と中長期的な企業価値の向上を図る取組みを進めてまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、お客様に喜ばれる店舗づくりのため、市場環境・顧客ニーズに対応した取組みが必要であると認識しており、以下の取組み等を進めることで、安定した事業展開が行えるよう、グループ全体の収益の向上に努めてまいります。
①既存店強化
当社グループは、持続的な企業発展のためにも、既存店の収益力強化が重要であると認識し、以下の取組みを推進してまいります。
イ.価格訴求×価値訴求
当社の根幹をなす100円商品の拡充による価格競争力の強化、幅広い顧客層への訴求を行うとともに、100円商品以外の商品の付加価値・提供価値を高めることで、店舗での顧客体験価値の向上に努めてまいります。
ロ.客層拡大を企図した集客
マスメディアやSNSを活用した継続露出による顧客接点の最大化、お子様などに人気のキャラクターなどとコラボすることでの新たな顧客層への訴求、顧客層に応じた新商品やサービスの積極的投入などによる来店動機の最大化を図ってまいります。
ハ.QSC改善
切付マイスター、サービスマイスターなどの資格制度の導入・活用、パートナーから正社員までの評価制度の見直し等を通じ、優秀な人材を育成し定着を図っていくことで、店舗でのQSC改善に努めてまいります。
②店舗配置の最適化
当社グループの主幹事業である「かっぱ寿司」では、ロードサイドを中心に出店してきましたが、将来的な国内の人口減少や人口分布の変化に適応するため、三大都市圏の繁華街や駅前立地への出店、不採算店舗の閉鎖・移転など、出店地域の最適化に努めてまいります。
③コストの最適化
中長期的に原材料費、人件費等の高騰が見込まれておりますが、そのような中でも安定した収益力を維持できるよう、コロワイドグループのシナジー効果を活かした調達コスト等の低減、店舗改装や積極的なシステム・設備導入による生産性向上に取組んでまいります。
④ESGの取組み
当社では長期にわたる持続的な成長を目指し、ESG(環境、社会、ガバナンス)への取組みに注力しております。具体的には「環境」への取組みの一例として、店舗では、配送頻度の見直しや配送時のドライアイス使用の中止、環境配慮型包材への切り替え等、環境負荷の低減を推進しております。「社会」への取組みの一例として、地域貢献活動の一環として小・中学生の「職場体験」の受け入れや、「障害者の社会への完全参加と平等」の理念に基づき店舗の軽作業での障害者雇用の促進を図っております。さらにダイバーシティ推進の観点からは女性管理職の積極的な登用や女性活躍プロジェクトによる定期的なセミナー開催、外国人雇用の促進などを行っております。「ガバナンス」への取組みの一例として、取締役会の機能強化の観点から社外取締役の1/3以上の維持、指名報酬諮問委員会の設置などを行っております。
⑤コンプライアンスの強化
当社は、元役員及び社員による競合会社の営業秘密に係る不正競争防止法違反の疑いに関して、2022年10月21日に元役員及び社員と共に同法の両罰規定に基づき起訴されており、元役員については、2023年5月31日に有罪判決が言い渡され、同判決が確定しております。当社及び社員は2024年2月26日に東京地方裁判所より有罪判決(当社罰金30百万円、社員罰金2百万円)が言い渡されましたが、これを不服とし東京高等裁判所に控訴いたしました。当社は、当社の主張に確固たる根拠があるものと考えており、社外弁護士と連携の上、応訴体制を整備し、適切に対応しております。今後の推移によって当社の将来の連結業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点において最終的な判決の結果を予想することは不可能であり、その影響額を合理的に見積ることが困難であるため、連結財務諸表には反映をしておりません。
また、当社は、株式会社はま寿司から営業秘密に係る損害賠償として、2023年12月27日付けで東京地方裁判所に5億11百万円の支払いを求める訴訟を提起されております。本件について、社外弁護士と連携の上、応訴体制を整備し、適切に対処してまいります。今後の推移によって当社の将来の連結業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点でその影響額を合理的に見積ることが困難であるため、連結財務諸表には反映をしておりません。
なお、当社は、従前より食品衛生・メニュー表示、ハラスメント、インサイダー情報管理、個人情報保護、ソーシャルメディアリスク等のコンプライアンスに注力しておりましたが、2022年10月21日の起訴を受け、営業秘密管理を含むコンプライアンス教育を継続不断の取組みとし、コンプライアンスに関する取組みをより一層強化し徹底しております。
以上のような取組みにより、持続的成長を推進できる企業体質に進化することを当社経営の重要課題に位置付けております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、基幹事業である回転寿司事業を安定的な成長軌道に戻し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、ROE8%以上、ROIC6%以上、Net Debt(純有利子負債)/EBITDA倍率3倍以内を経営指標としております。
(4)経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類感染症へ移行したことから、経済活動正常化の動きが加速し、大企業を中心とした賃金増も後押しとなり、景気は緩やかに回復してきております。一方で、円安や原材料・エネルギー価格の高騰、賃金増を上回る物価の高騰などにより依然として先行き不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、インバウンド消費は拡大しているものの、原材料・エネルギー価格の高騰や人手不足によるコストアップが継続し、厳しい経営環境が続いております。また、新型コロナウイルス感染症を契機としたライフスタイルの変化により、多様な価値観が生まれてきております。
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