カシオ計算機 【東証プライム:6952】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
当グループでは気候変動をはじめとする企業と社会の中長期的な持続可能性に係る事項への対応を経営上の重要課題と認識し、CEO、CHRO、CFOそして、事業運営マネジメントを行う「事業軸」と「機能軸」の各責任者を主なメンバーとする「サステナビリティ委員会」において十分に議論の上、「取締役会」に諮っています。これにより、重要事項に関する経営としての意思決定や、重要事項の推進状況に対する監督が適切になされる体制を整備しています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制図は、「第4 提出会社の状況 4 (1) ① コーポレート・ガバナンス体制の概要等」をご参照ください。
(2) リスク管理
当グループでは、自然災害リスクを含むサステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、「サステナビリティ委員会」の中でより詳細な検討を行ったうえで、年二回取締役会に報告しております。
特に重要と認識されたリスクについては、リスクマネジメントを統轄する「内部統制委員会」の監督の下、関連組織が相互に連携を取りながら適切に対処しております。
(3) 戦略
(気候変動)
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、当グループが直面する気候変動影響がもたらすリスクと機会について、発生可能性と事業影響度から重要度を評価し、シナリオ分析に基づく評価結果を開示(※)しています。特定されたリスクについては、今後の環境変化を踏まえ、定期的に分析を実施してまいります。
(※) 詳細については、当社ウェブサイト(https://www.casio.co.jp/csr/concept/tcfd/)をご参照ください。
(人的資本投資)
“人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。”(経済産業省)との考えに基づき、産業構造の変化、技術革新の進展、労働者の就業意識・形態の多様化といった外部環境を踏まえ、当社の状況、経営方針、重点戦略に即した人材(人的資本)に対する基本コンセプトと方針を以下のように定め、それに従った各施策を行います。
経営方針:市場に新たな価値軸を創り出し、唯一無二のブランドに育て上げる
重点戦略:2030年度までに各事業品目に新たな価値軸となるコアブランドを確立し、企業価値を最大化する
基本コンセプトと方針
①健康経営 ~人員構成上の課題より
当社における平均年齢の高まりや年齢中央値、年齢分布などに鑑み、身体的・精神的な充足度、アブセンティズムやプレゼンティズム改善への着手を通じた社員一人ひとりのプレゼンス向上に取り組むことは、会社業績への貢献にも大きく寄与すると考えます。
当社では2022年度に「CASIO健康基本方針」を定め、健康経営への取り組みを開始しました。2022年度の健康経営度調査の結果は600位程度でしたが、ランキングのみならず、男性労働者の育児休業及び休暇取得率・健康診断再検査受診率・適正体重維持者率・喫煙率をKPIとし、カシオ健康保険組合と連携した健康経営推進体制を整備の上、健康意識の向上・職場活性化・生活習慣病対策等、9つの重点項目を設定し、引き続き各種健康増進施策を推進します。
②自律人材 ~求められる自律人材とキャリアサポート制度のさらなる充実
当社では、「自ら考え行動し、その成果として会社の成長発展に貢献する」という社員像を求めております。パフォーマンスの高い自律人材に成長してもらうには、自らキャリアを高めたいというキャリア観が必要だとの考えから、2019年より社員の自律的キャリア形成の実現を支援するキャリアサポート制度を開始しました。キャリアサポート制度は、自身のキャリアに対する気づきとインプットを得る機会としての「キャリア研修」を中心に、社内の自発的な異動を支援する「社内公募制度(ジョブチャレンジ)」、より幅広いキャリアの可能性を拡げるために社外転身も視野に含めた「副業兼業制度」、「セカンドキャリア制度」で構成されています。
キャリア研修では、従来の30歳、40歳、49歳を対象にしていたものに加え、2022年度より55歳の方まで対象に広げました(2022年度受講実績384名)。社内公募制度では年間30名程度の方が異動しており、自発的なキャリア開発の一助となっております。セカンドキャリア制度も年間20名程度の方が毎年申請しており、副業兼業制度ではこれまで40名程度が社外での活動に従事しております。
今後も自律人材育成のため、正社員に占めるキャリア研修実施カバー率、ジョブチャレンジ実施延べ経験人数をKPIに定め、キャリアサポート制度のさらなる充実に努めてまいります。
③マネジメント強化 ~多様な人材のマネジメントを通じた価値創造
全社で高いパフォーマンスを発揮し続けるためには、社外でも活躍できる優秀な人材(自律人材)に、いかに社内で活躍頂くかが重要です。キャリアサポート制度によって育成した自律人材をいかにマネジメントし、成果を生み出す集団にするかは当社にとって喫緊の課題です。上位層の高いマネジメント能力は、その部下たちの能力に影響を与えます。その観点から、次期役員候補育成人数をKPIとして設定し、部門長クラスを対象とした経営幹部育成施策を実施し、役員候補の人材プールを充実させることで、上位層の質向上に努めます。
また、正しい意思決定に不可欠な要素であるといわれている意思決定層の多様性も、成果を生み出すために必要となります。その観点から、次期女性所属長候補育成人数をKPIとし、ポジティブアクションとして、女性管理職候補の選抜育成施策を実施します。併せて上記取り組みの結果指標となる管理職に占める女性労働者の割合と、職位による処遇差が明らかになる正社員の男女の賃金の差異をKPIに設定し、その進捗を確認していきます。
2022年度は経営幹部育成施策・女性管理職候補の選抜育成施策それぞれについて、トライアルとして少人数を対象に実施しましたが、2023年度は対象を広げて実施予定です。
(4) 指標及び目標
(気候変動)
当社は、2050年までに当グループの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指して、2030年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を策定し、SBT(Science Based Targets)イニシアティブ(※)の認証を取得しました。現在の目標値はパリ協定のWB2℃目標に則っていますが、今後はSBTイニシアティブの基準(1.5℃目標)を含め目標値の見直しを検討してまいります。
(※) 企業の温室効果ガス排出削減目標が、パリ協定が定める水準と整合していることを認定する国際的イニシアティブ
項目 | 目標(2018年度対比) | 2021年度 実績(※) |
Scope1及びScope2 (マーケット基準に基づく) | 2030年度までに2018年度の温室効果ガスの排出量を38%削減 | 23,799.8 t-CO2 |
Scope3 | 2030年度までに2018年度の温室効果ガスの排出量を30%削減 | 456,731.9 t-CO2 |
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
(※) 第三者検証を伴う2022年度の確定値は、検証終了次第、当社ウェブサイト
(https://www.casio.co.jp/csr/environment/data/#02)にて開示を予定しております。
(人的資本投資)
テーマ | KPI | 2022年度実績 | 2030年目標 |
健康経営 | ①男性労働者の育児休業及び休暇取得率 | 78.2% | 100% |
②健康診断再検査受診率 | 76.9% | 80% | |
③適正体重維持者率 | 68.9% | 70% | |
④喫煙率 | 13.5% | 10% | |
自律人材 | ①正社員に占めるキャリア研修実施カバー率 | 30.1% | 95% |
②ジョブチャレンジ実施延べ経験人数 | 124人 | 300人 | |
マネジメント 強化 | ①次期役員候補育成人数 | 4人 | 50人 |
②次期女性所属長候補育成人数 | 7人 | 90人 | |
③管理職に占める女性労働者の割合 | 6.7% | 10% | |
④正社員の男女の賃金の差異 | 74.6% | 80% |
(注) 1 連結グループにおける記載が困難であるため、提出会社の実績及び目標を記載しております。
2 健康診断再検査受診率、適正体重維持者率及び喫煙率は臨時従業員を含めた実績及び目標を記載しております。
3 正社員は正規雇用労働者のうち無期雇用契約社員ではない者であります。
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