オールアバウト 【東証スタンダード:2454】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「システムではなく、人間。」をフィロソフィーとして掲げ、「個人」に注目し、「人間ならではの創造性」を活用することで、新しいマーケットを生み出すことを目指しております。また、「個人を豊かに、社会を元気に。」をミッションとして掲げ、ESG/SDGsの観点からも、世の中の人々が多様な価値観やライフスタイルを発見、実現することを支援し、一人ひとりが豊かに人生を楽しめる社会の実現に貢献したいと考え、企業活動を行っております。
(2) 経営戦略等
当社グループは、「テクノロジーと人の力で『不安なく、賢く、自分らしく』を支えるプラットフォームになる。」というビジョンのもと、デジタルメディア領域の「メディア&デジタルマーケティング」「グローバルマーケティング」、コマース領域の「トライアルマーケティング&コマース」に加え、「生涯学習」、「ヘルスケア」、「マネー」、「キャリア」、「ホーム(恋愛・結婚・家族・コミュニティ)」といったライフアセットマネジメント領域を中期的な注力領域とし、それぞれの領域に対しWEBとリアルの両面から最適なソリューションを提供すべく事業の強化に努めてまいります。
今後の当社グループの事業展開として、デジタルメディア領域である「メディア&デジタルマーケティング」と、コマース領域である「トライアルマーケティング&コマース」の2つをコア事業として、今後は、ライフアセットマネジメント領域の分野において、新しい事業の開発やチャレンジをしてまいります。また、各事業のグローバル展開も積極的に模索してまいります。
さらに、独自の強みをもつベンチャー企業へ投資を進め、キャピタルゲインはもとより、マーケティング支援など当社グループのアセットを活かして当該ベンチャー企業の成長に貢献し、ひいては当社グループの事業拡大の加速に向けてベンチャー企業とのシナジー効果を狙うなど、多面的な効果を期待しております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、景気の先行きが不透明な経営環境を鑑み、着実に営業利益を創出し、そのうえで、中長期的な事業計画に基づいた戦略投資を行い、競争優位を確立できるよう努めてまいります。
当社グループにおいては、より高い成長性を確保し、成長性向上を継続していくために「売上高」「営業利益(営業利益率)」「経常利益」を重要な指標として位置づけ、事業基盤の強化による企業価値の継続的拡大を目指しております。
(4) 経営環境
当社グループの事業運営の主要なフィールドとなるインターネットを取り巻く市場は、テクノロジーの進化等を背景に、引き続き高い成長が見込まれております。目まぐるしく変化する市場の中で、新技術、新サービスの実現により、顧客に対してより付加価値の高いサービスを提供できるよう努めてまいります。
① デジタルメディア領域
当社グループの重要な事業ドメインであるデジタルメディア領域におけるコンテンツマーケティング市場は、アメリカにおいて、今、一番注力すべきマーケティング分野として成長が期待されておりますが、日本でも大きな市場に育っています。
例えば、コンテンツマーケティングの代表例であるデジタルメディア上でのタイアップ型広告は当社グループの創業時から得意としているサービスですが、そのデジタルタイアップ型広告市場規模は1,000億円程度(※当社グループ独自推計)が見込まれます。また、コンテンツマーケティングをより効果的にするネイティブアドネットワーク市場が2,000億円規模あります。そして、各企業が自社サイト(オウンドメディア)により顧客との接点を強化するマーケティング活動を支援する市場(オウンドメディア&コンテンツ制作支援市場)があり、この市場規模も3,000億円程度あると見込んでおります。合計すると約6,000億円の市場規模となります。
このデジタルメディア領域は、当社グループの一番の強みが発揮できるマーケットでありますが、ここに対して、業界のトップランナーとして、当社の運営する個々のメディアがどう対応していくかという視点だけではなく、他社のメディアや広告代理店も含め業界全体でどのような価値創造ができるかという視点でチャレンジしてまいります。
② コマース領域
コマース領域では、経済産業省が発表している国内eコマース市場調査(物販系分野市場規模)においては、2022年のBtoC-EC市場規模は前年比5.37%増の13.9兆円、物販系分野におけるEC化率は、9.13%となりました。日本のEC化率は年々右肩上がりに上昇しており、さらなる上昇余地があると考えられます。2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛要請を契機にeコマースの利用が拡大しました。2022年において消費者の間で徐々に外出機会が回復したにもかかわらず、eコマースの市場規模は引き続き増加する結果となりました。これに対し、「サンプル百貨店」や「dショッピング」など、当社グループの手がけるコマース領域の成長機会は更に大きくなると考えております。
活動制限の緩和に伴い人流が回復し、消費マインドの持ち直しの動きが見られるものの、ロシア・ウクライナ情勢や物価高騰など様々な影響を受け、企業のマーケティング活動は業界によりまだら模様となり、全体としては不透明な状況にあります。新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式と消費行動の変容と定着、SDGsに対する関心の高まりと広がりの影響は、デジタルビジネスの環境にも及んでおります。いずれにしましても、デジタルメディア領域、コマース領域共に、多くの業種、業態、企業のデジタルトランスフォーメーションが大きく進み、中長期的にはオンラインとオフラインの融合が進むことが予想され、大きなチャンスが待っているという前提で当社グループの各事業を推進してまいります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① メディアの強化について
当社グループにおきましては、専門の知識や経験を持った“ガイド”が分野別に情報発信するメディア「All About」が国内最大級の総合情報サイトに成長しておりますが、それにとどまらず、世の中に必要とされる新しい価値を生み出すために、様々なメディアの開発を進めております。国内外在住の外国人ライターが外国人目線で日本の情報を発信する、外国人向けの日本総合情報サイト「All About Japan」の運営、また、株式会社オールアバウトナビにおいては、ソーシャルメディアでの拡散力をベースにした「Facebook navi」や「ツイナビ」等のSNSアカウント運営をしております。
今後も、最新のインターネット利用の潮流を的確に捉え、新たな手法でのコンテンツプランニングに取り組むことで、メディア基盤の強化を図ってまいります。
② メディア&デジタルマーケティング事業について
当社グループにおいては、「All About」などのコンテンツを生み続けてきた編集ノウハウを最大限に活かした独自性の高い記事風の広告「編集型広告」に加え、当社のコンテンツ生成スキルとメディア集客力を活用したコンテンツマーケティング領域におけるオウンドメディア構築支援、最新のアドテクノロジーへの対応、カスタマーの行動データ等の活用及びSNSマーケティング支援事業等を推進しております。当社グループとしましては、インターネット広告の黎明期より当社グループが培ってきたノウハウをベースに最新の動向を見据えた多彩なマーケティングソリューションを提供し、広告主のニーズに対して新たな価値を創造・提供し、総合的に応えてまいります。
③ トライアルマーケティング&コマース事業について
当社連結子会社である株式会社オールアバウトライフマーケティングが運営する累計利用者数400万人・日本最大級のお試しサービス「サンプル百貨店」では利用者の増加が継続し、それに伴う商品やCRM施策、物流の拡充が必要となっております。コマース領域においては株式会社NTTドコモと「dショッピング」や「d払いネットショッピング」、「ふるさと納税百選」を共同運営するなど、EC・キャッシュレス決済の伸長を背景にドコモ経済圏との連携強化を重視しております。また、事業全体を通じてイベントや販促支援などマーケティングソリューションを組み合わせ、クライアント・パートナー企業への貢献を追求してまいります。
④ その他の新規事業について
当社グループは、中長期的な経営戦略に基づき、当社グループの経営資源を活かした新規事業を創出し、収益源の多様化を進めてまいります。コンテンツマーケティングプラットフォーム「PrimeAd」においては、コンテンツマーケティングの分野において、自社メディア「All About」にとどまらず、他社の優良メディアや広告主、広告代理店がそれぞれメリットを得られるようなビジネスマッチングの仕組み作りにチャレンジするなど、新たな収益機会の獲得に取り組んでまいります。
また、キャピタルゲインはもとより、マーケティング支援など当社グループのアセットを活かしてベンチャー企業の成長に貢献し、ひいては当社グループの事業拡大の加速に向けてベンチャー企業とのシナジー効果を狙うなど、多面的な効果を期待し、独自の強みをもつベンチャー企業への投資事業を積極的に進めております。
⑤ 管理体制等の強化について
当社グループは、企業価値の最大化のために、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化、並びに内部統制の継続的な改善及び強化を推進してまいります。また、当社グループの事業に関連する法規制や社会的要請等の環境変化にも対応すべく、コンプライアンス体制の整備及び改善に努めてまいります。
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