企業兼大株主オープンハウスグループ東証プライム:3288】「不動産業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の基本的な経営方針

 当社グループは、以下の企業理念に基づき、持続的な成長及び企業価値の向上に取り組んでおります。

<企業理念>

 オープンハウスグループは、「お客さまが求める住まい」を愚直に追求し続けます

 オープンハウスグループは、やる気のある人を広く受け入れ、結果に報いる組織を作ります

 オープンハウスグループは、業績をあげ規模を拡大し、社会に必要とされる不動産会社となります

(2) 経営環境

 わが国経済の先行きにつきましては、雇用、所得環境が改善するなか、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、更なる円安の進行及び地政学リスクによるエネルギー価格の高騰を背景とする国内物価の上昇に加え、世界的な金融引き締めによる景気の下押しリスクには注意が必要であります。

 当社グループの属する不動産業界につきましては、緩やかな景気回復のもとで、政府による金融緩和政策が継続されるなか、収益不動産等の投資用不動産に対する高い需要が見込まれております。また、利便性の高い都心部において、手頃な価格の住宅に対するニーズは、高水準で推移することが想定されております。一方で、建設資材の価格が上昇していることに加えて、戸建住宅における市中在庫が滞留している状況を踏まえ、分譲住宅の着工数は当面弱含みで推移していくことが予想されるなど、今後の見通しにつきましては不透明な状況が続いております。

 このような事業環境のもと、当社グループにつきましては、戸建及びマンションによって構成される実需不動産並びに収益不動産及びアメリカ不動産によって構成される投資不動産によるポートフォリオ経営により、事業の拡大を図ってまいります。

(3) 中期的な経営方針及び対処すべき課題

① 3カ年の基本方針

 当社グループは、2023年11月に3カ年の基本方針(2024年9月期~2026年9月期)を発表いたしました。今後の見通しにつきましては不透明な状況が続くことが想定されることから、3カ年における一定の利益前提を設定し、そのもとでの財務方針、投資方針、株主還元方針を策定したものであります。

 利益前提につきましては、3ヵ年累計の当期純利益を2,500億円と設定いたしました。2024年9月期の業績予想において当期純利益は925億円を掲げております。株式会社三栄建築設計(以下「三栄建築設計」という)の買収(詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)(株式会社三栄建築設計の連結子会社化)に記載のとおりであります。)に伴う一時的な負ののれん発生益を除いた事業に起因する当期純利益である800億円が、2026年まで継続すると想定し、累計2,500億円と設定したものであります。そのため、三栄建築設計以降に今後実施するM&Aに伴う当期純利益の増加分は含んでおりません。

 始めに、財務方針につきましては、重視する指標として、自己資本比率をこれまでの30%以上から35%以上に引き上げます。ネットD/Eレシオは1.0倍以下を継続いたします。ROEは、2024年9月期は20%以上、2025年9月期以降は15%以上を想定しております。いずれも、不透明な経済環境の中で、より安全性の高い財務体質を維持するとともに、引き続き資本効率は重視しつつ、M&A等の成長投資にも機動的に対応できる資金調達力を保持することを目的としております。

 次に、成長投資方針につきましては、3ヵ年で5,000億円の成長投資を想定しております。内訳としましては、国内、海外を合わせたM&Aに3,500億円(2023年11月の三栄建築設計の完全子会社化に伴う投資額約1,000億円を含んでおります。)、棚卸資産の増加並びに米国開発事業、DX、サステナビリティ等の既存事業への投資に1,500億円となります。

 最後に、株主還元方針につきましては、3ヵ年で1,000億円を想定しております。内訳につきましては、配当金に600億円及び自己株式の取得に400億円(2023年11月14日発表の自己株式の取得(取得し得る株式の総数2,200千株、取得する株式の総額100億円、取得期間2023年11月15日から2024年4月30日)を含んでおります。)となります。引き続き、配当性向20%以上の安定的な配当及び機動的な自己株式の取得を実施してまいります。

 以上の通り、財務の健全性維持、成長投資及び株主還元の3点について経営資源の適切な配分を重視した企業運営を行ってまいります。

② 2024年9月期の課題

イ.三栄建築設計の経営の正常化

 当社グループは、三栄建築設計を当社の完全子会社とすることにより、役員体制等の経営体制の整備に取り組み、同社の信用力の回復ひいては経営の正常化を推進してまいります。また、三栄建築設計の物件供給力と当社グループの販売力を活用した戸建事業全体の底上げ等を通じて、当社グループ及び三栄建築設計のシナジー効果を実現し、両者の企業価値の向上に取り組んでまいります。

 ロ.重要課題(マテリアリティ)

 当社グループは、3ヵ年の基本方針の策定にあたり、新たにマテリアリティを設定いたしました。

<重要課題(マテリアリティ)>

(ⅰ) ガバナンス、コンプライアンスの改革

(ⅱ) 顧客満足の向上

(ⅲ) 人材採用の強化

(ⅳ) サステナビリティの推進(サステナブルな社会および企業の成長)

  (イ) 人的資本の価値最大化

  (ロ) 健康および安全な暮らしの実現

  (ハ) 脱炭素への貢献

 なお、その他の事業推進にかかる対処すべき課題につきましては、以下の通りであります。

③ 戸建関連事業を中心とする継続的な成長
イ.戸建を主軸とする既存事業の成長

 当社グループは、戸建関連事業を主力事業と位置付けており、土地の仕入れから、設計・施工、販売までの業務をグループ内で行う製販一体体制を特徴としています。同事業においては、好立地の用地を適正価格で仕入れる仕入力、良質な住宅を低コストで建設し、マーケットインの発想でお客様のニーズにあった商品をリーズナブルな価格で提供する商品力、現住居の徒歩圏内で購入されるお客様の比率が高いという特性に合致した多店舗展開に支えられた営業力の全てが当社グループ独自の経営資源として重要であります。今後も、仕入力、商品力、営業力を更に強化し、戸建を主軸とする既存事業の成長を図ってまいります。

ロ.戸建関連事業の関西圏への進出

 当社グループの戸建関連事業を今後も拡大させるためには、新築一戸建住宅の販売拠点となる営業センターの出店を継続することが重要であります。これまで、東京都23区、神奈川県川崎市及び横浜市から周辺エリアに加え、愛知県名古屋市並びに福岡県福岡市等への出店に取り組んでまいりました。加えて、前連結会計年度より関西圏においても販売を開始いたしました。今後も、4大都市圏における市場シェアの拡大を目指してまいります。

ハ.マンション事業の着実な成長

 当社グループは、利便性の高い都心立地でコンパクトタイプの居室を中心としたマンション事業を展開しており、お客様から立地と価格に関しての高いご支持をいただいております。これまで、首都圏、名古屋圏、福岡圏の都心部において事業を展開してまいりました。引き続き、マンション事業の拡大を視野に入れつつ、物件ごとの採算も重視し着実な成長を目指してまいります。

ニ.収益不動産事業の持続的成長

 金融緩和政策の継続により、引き続き投資用不動産に対する需要は高水準で推移することが見込まれております。今後も、当社グループが展開する収益不動産事業においては、規模が小さく、事業期間の短い物件を中心として展開することにより、事業リスクをコントロールし、短期的には金融機関の融資姿勢等に鑑み慎重に事業を運営しつつ、収益不動産事業の持続的成長を図ってまいります。

④ プレサンス社とのグループシナジーの追求

 首都圏での新築投資用マンション事業の展開

 当社グループが持つ首都圏での膨大な土地情報とプレサンス社が持つ投資用マンション事業のノウハウ及び強力な販売力を活用するために、両者が協力して首都圏での投資用マンション事業の展開に向け、取組みを進めております。引き続き、プレサンス社との資本業務提携によるシナジー効果の実現を追求してまいります。

⑤ M&Aの推進
イ.M&Aの進捗状況

 当社は、更なる成長に向けて、事業シナジーを発現できるM&Aに積極的に取り組んでおります。例えば、2015年1月にはOHAを、2018年10月にはホーク・ワンを、それぞれ完全子会社化いたしました。OHAについては、引渡棟数が2,173棟から5,359棟へ3,186棟(注1)増加し、ホーク・ワンについては、引渡棟数に占めるOH仲介件数が25棟から1,489棟へ1,464棟(注1)増加するなど、いずれも、当社の連結子会社となって以降、受注棟数の大幅な増加等による売上高の増加を実現しています。また、当社グループとしてのスケールメリットの実現による調達コストの低減や仕入れの効率化を通じた営業利益の大幅な伸長も実現しており、更に、当社グループの採用ノウハウ、リソースを相互に活用することで、より多くの人材採用にも成功しております。このように、当社は、M&Aを通じた当社グループ全体としての着実な業績拡大及び経営効率の改善を実現してまいりました。加えて、当社は、地域補完及び商品補完関係の構築等を目指し、当社とプレサンス社の経営資源や経営ノウハウを融合することによる事業シナジーを発現させること等により、両者並びに両者のお客様、株主、従業員、取引先及び関係者の皆様にとっての利益の最大化を図るべく、2020年4月にプレサンス社との間で資本業務提携契約を締結し、その後、2020年5月にはプレサンス社の総議決権数(2020年3月31日現在)の31.9%の取得を完了し、プレサンス社を当社の持分法適用関連会社といたしました。しかしながら、2020年9月、プレサンス社の足許の事業環境については、取引金融機関のプレサンス社に対する融資姿勢は依然として慎重になっており、加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大は沈静化するに至っておらず、今後更なる感染の流行により、コロナ禍の影響がより深刻化するおそれもあることが改めて認識されました。かかる状況を受け、当社はプレサンス社の信用補完及び資金調達の安定化、並びにシナジーの実現可能性の更なる向上のために、プレサンス社を連結子会社とすることの検討を開始し、2021年1月には第三者割当増資及び金融商品取引法に基づく公開買付により、2020年5月の取得分と合わせてプレサンス社の総議決権数(2020年9月30日現在)の64.45%を取得し、プレサンス社を当社の連結子会社といたしました。当社は、かかる連結子会社化が実現したことを受けて、独立系総合不動産会社として、当社グループの連結売上高を競合の大手不動産会社に迫る規模とすること及び業界におけるポジショニングの更なる向上を目指してまいります。

(注1)それぞれ、OHAにおける、株式取得完了日(2015年1月15日)の直前決算期(2014年12月期)から当社の直近決算期(2023年9月期)までの引渡棟数の増加数、ホーク・ワンにおける、株式取得完了日(2018年10月1日)の直前決算期(2018年9月期)から当社直近決算期(2023年9月期)までの当社仲介件数の増加数を記載しております。

ロ.既存領域及び新領域への積極的な投資

 当社グループは、戸建関連事業を主力事業と位置付けるとともに、外部環境の変化を踏まえた成長分野への新規参入を図ることにより、効率的な事業ポートフォリオを構築することを目指しております。今後も、既存領域での規模の拡大並びに収益力の改善に加え、新領域への進出等により成長スピードの加速を目的とするM&Aに取り組んでまいります。

⑥ 住居系を中心とする私募リート事業の展開

 当社グループ及びプレサンス社の投資用不動産の開発力及び情報収集力を活用し、株式会社オープンハウス不動産投資顧問が資産運用委託を受けるオープンハウスリート投資法人(私募REIT)のスポンサー企業として、賃貸マンション並びにホスピタリティアセット等の投資用不動産を継続して供給することにより成長をサポートする事業を展開しております。前連結会計年度に投資法人を設立し、当連結会計年度末は資産規模約247億円にて運用しております。今後は、中期的に上場REITへ成長させることも視野に、更に取組みを推進してまいります。

⑦ ゼロコロナからウィズコロナに向けた環境の変化に伴う新たな事業機会の獲得

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、当社が属する不動産業界においては賃料の低下及び不動産売買市場の状況悪化が散見され、当社においても2020年4月の戸建の仲介契約件数は前年同月比で相当程度減少するなど、一定の影響がみられました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大による環境の変化をきっかけとして、家族が揃って自宅で過ごす時間が増えたこと並びにテレワークの機会が増えたことにより、住まいに対する新たなニーズが発生し、戸建に対する需要は一気に高まりました。このように、新型コロナウイルス感染症が拡大する環境下においても、当社グループの主要事業である戸建関連事業が牽引する形で、中期経営計画における取組み事項は、順調に進捗いたしました。

 その後、ゼロコロナからウィズコロナに向けた環境の変化に伴い、戸建に対する極めて高い需要は平準化する傾向を示したものの、都心部の利便性の高い戸建に対する需要は堅調に推移しております。かかる環境下においても当社グループにとっての新たな事業機会を獲得するべく、引き続き、当社グループの主要事業である戸建関連事業を推進してまいります。

(4) 目標とする経営指標

 当社グループは、安全性において自己資本比率30.0%以上を維持することを、目標とする経営指標として定めております。当連結会計年度においては、自己資本比率は34.7%となりました。なお、今後につきましてはより安全性の高い財務体質を保持するため、自己資本比率は35.0%以上を維持することといたします。

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