オーテック 【東証スタンダード:1736】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、建築物の自動制御システムの設計・施工・メンテナンス(保守)並びに建設設備関連の管工機材及び環境関連機器の販売を通じて建物環境の快適性、利便性を図り、持続可能な社会に貢献することを基本理念とし、次の3つの経営理念を掲げております。
①信頼 ~未来を支える共感~
取引先、従業員、地域社会などあらゆる関係先との誠実なコミュニケーションを通じて、ステークホルダーとの信頼関係を築きます。
「信頼」は、私たちの事業の基盤であり、未来を支える共感の源泉です。
②進取 ~革新的な未来への挑戦~
新たなアイデアや革新的なアプローチを常に追求します。高い技術力と優れたサービスを提供することで、お客様の課題を解決し、価値を創造します。
「進取」は、私たちの事業の原動力であり、革新的な未来への挑戦の姿勢です。
③創意 ~個々の成長と社会の豊かさの提供~
従業員の新たな創造力を発揮させることで、会社の成長を実現します。また、会社の成果を社会に還元することで、ゆとりある生活の実現に貢献します。
「創意」は、私たちの事業の目的であり、個々の成長と社会の豊かさの提供の手段です。
この経営理念のもとに、「株主」、「取引先」、「従業員」等あらゆるステークホルダーの期待に応えるべく最善の経営努力を続けております。
そのために、当社は、顧客が要求する製品の品質を確実に実現するため、引き続き技術力の向上と販売体制の継続的改善を図ることで社会に貢献していく所存であります。
(2) 長期ビジョンV100の概要
当社は、2024年5月26日に創業90年を迎え、またこの節目の時をもって10年後の創業100年となるネクストステージに向けた未来を描くものとして、2024年4月から2034年3月までの10年間を対象にした長期ビジョン「長期ビジョンV100」を策定いたしました。
①ミッションステートメント
『建物を快適に、未来をサステナブルに。』
②基本方針
・サステナブル建築に貢献する事業の推進
・専門商社としての機能充実と高い収益構造への改革
・事業拡大に向けた人材確保・エンゲージメント向上
・適切な株主還元の実施と経営資源の配分
・ESGに関するマテリアリティ
③財務目標
・連結売上高 450億円
・連結営業利益 45億円
・ROE 10%以上
・持続的・安定的な増配を実施
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、2022年度から2024年度にわたる第3次中期経営計画を策定しており、2024年度が創業90年の節目の年となることから、創業90年を迎えるための基盤とすべく、第2次中期経営計画の成果と課題を踏まえ、次の3つの項目を基本方針とし、SDGsへの取り組みを含めて、持続的成長とより一層の企業価値の向上に取り組んでまいります。
①経営基盤の充実
②事業基盤の成長
③エンゲージメントの向上
また、セグメントごとの中期経営戦略は、以下のとおりであります。
環境システム事業
①放射空調システムの事業協業展開
②ソリューション事業の強化・発展
③地域連携プロジェクト体制の構築
管工機材事業
①管工機材の新規ビジネスへの展開
②環境配慮型商品の拡販
(4) 経営上の目標達成状況を判断するための戦略的な指標等
当社グループは、株主利益重視の観点から収益性と資本効率を高めるために、連結売上高、連結営業利益及び連結自己資本利益率について、第3次中期経営計画の経営数値目標を設定しております。
第3次中期経営計画の最終年度である2024年度の計画値は、連結売上高300億円、連結営業利益30億円及び連結自己資本利益率8.0%以上であります。
(5) 経営環境
当社グループの事業につきましては、自動制御システムの設計・施工・メンテナンス(保守)及び自動制御機器の販売を行う環境システム事業と管・継手類、特機類及びその他商品の販売を行う管工機材事業により構成されております。
両事業は、得意先が共通することから営業活動において相乗効果を発揮しており、競合他社に対する競争優位性を確保しております。
当社グループをめぐる経営環境につきましては、雇用・所得環境の改善の下で、緩やかな回復傾向が続きました。一方で、物価上昇や世界的な金融引き締めに伴う海外景気の下振れが、景気を下押しするリスクもあり、先行きについては依然不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの事業に関連する建設業界につきましては、公共建設投資については、防災・国土強靭化等を背景に底堅く推移しており、民間建設投資については、企業収益等を背景に持ち直しの傾向が続くなど、良好な受注環境が続きました。
当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。
環境システム事業
当連結会計年度は、都市再開発プロジェクトや工場設備投資の維持更新に関する工事を獲得するとともに、建物のCO2排出量低減に配慮した省エネルギー提案とメンテナンスの提供に努めてまいりました。この結果、新設工事の完成工事高が増加したことから、売上高は165億95百万円(前連結会計年度比13.4%増)となり、営業利益は31億14百万円(同29.1%増)となりました。
環境システム事業における完成工事高は158億83百万円(前連結会計年度比11.3%増)となり、新設工事が78億4百万円(同17.8%増)、既設工事が58億97百万円(同5.7%増)、保守工事が21億80百万円(同5.4%増)となりました。
また、環境システム事業における受注工事高は178億45百万円(同10.5%増)となり、新設工事が94億74百万円(同16.6%増)、既設工事が61億73百万円(同4.2%増)、保守工事が21億97百万円(同4.6%増)となりました。
管工機材事業
当連結会計年度は、商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』を利用促進した卸販売の伸長、施工を
伴う衛生設備機器の販売に努めてまいりました。この結果、売上高は127億78百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりましたが、貸倒引当金繰入額の増加による影響から、営業損失は4億81百万円(前連結会計年度は25百万円の営業利益)となりました。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記(1)から(3)に記載の、会社の経営の基本方針及び第3次中期経営計画を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりであります。
次期の見通しにつきましては、引き続き緩やかな回復基調で推移することが期待される一方、海外景気の下振れによるリスクや物価上昇、金融資本市場の変動等による影響が懸念され、不透明な状況は続くものと見込まれます。
当社グループの事業に関連する建設業界では、大型再開発案件の継続と製造業の省力化に向けた設備投資需要の増加が期待されるものの、建設業就業者数の減少や建設資材価格の高騰が深刻化しており、厳しい経営環境は続くものと思われます。
当連結会計年度における報告セグメントの売上高及び利益の構成につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりでありますが、売上高の56.5%を環境システム事業、同43.5%を管工機材事業が構成しております。また、セグメント利益につきましては、環境システム事業が31億14百万円の営業利益、管工機材事業が4億81百万円の営業損失を計上しております。
このため、第3次中期経営計画の経営数値目標を達成するためには、成長分野である環境システム事業の課題に優先的に取り組むことにより売上高と利益を確保し、続いて、管工機材事業の収益性向上の課題に取り組み進める必要があると判断しております。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
環境システム事業におきましては、都市再開発プロジェクトや工場設備投資の獲得、建物のCO2排出量削減に貢献する省エネルギー提案とメンテナンスの提供に努めてまいります。
(その他の優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
管工機材事業におきましては、商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』の機能充実による卸販売の拡大と、効率配送による物流コストの低減に努めてまいります。
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