オリエンタルランド 【東証プライム:4661】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループが目指すサステナビリティ経営とは、「持続可能な社会への貢献」と「長期持続的な成長」を両立することであり、具体的には、ゲストの多様なニーズにより応える運営へと進化させること、需要変動への対応力の向上による東京ディズニーリゾート全体の付加価値向上を図ること、また、ESGマテリアリティの取組みを通じて、SDGsの達成への貢献など社会課題の解決に寄与することであります。今後も、「夢、感動、喜び、やすらぎ」を提供し続けるという企業理念を起点として、50年、100年先もハピネスを創造し続けることを目指してまいります。
(1)ガバナンス及びリスク管理
①ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ経営の実現に向け、2022年3月の取締役会において、「2030年に目指す姿」、機会を取り込み、リスクを低減する「8つのESGマテリアリティ」を含む「中長期の取組み方針」について決議いたしました。
「2030年に目指す姿」、「中長期の取組み方針」の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略 2030年に目指す姿」に記載しております。
ESGマテリアリティを中心としたサステナビリティに関わる事項は、環境対策委員会、企業行動委員会などの委員会や業務遂行組織で検討され、代表取締役社長執行役員を議長とした「サステナビリティ推進会議」において、取組み内容における優先順位や資源配分等についての議論を深めた後、経営会議や取締役会に付議する体制としております。
「取締役会」は「経営会議」で協議・決議された内容の報告を年1回以上受け、サステナビリティに関する重要課題について議論・監督を行っております。当社の社長は「サステナビリティ推進会議」の議長を担い、サステナビリティに係る経営判断の責任を負っております。
また、ESGマテリアリティごとに、目標、そして進捗状況を評価するための指標として、2030KGI、2026KPI、2024中期経営計画のKPIを設定しており、年1回以上、取締役会及び経営会議に進捗を報告しております。
取締役会における2022年度のESGマテリアリティを中心としたサステナビリティに関わる主な付議事項 ・TCFDフレームワークに沿った開示内容について ・「OLCグループ環境方針」改定について ・「OLCグループ調達方針」策定について ・2021年度の環境対策委員会の活動について |
②リスク管理
当社グループのリスクは、「OLCグループリスク管理規程」に基づき個別リスクの予防・対応策を策定するリスクマネジメントサイクルを設定し、運用しております。当社の社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」にて、事業活動に係るリスクを抽出・評価し、「戦略リスク」と「運営リスク」を特定しております。
サステナビリティ関連リスクを含む「戦略リスク」は、所管組織が予防策・対応策を策定・実行し、その対応状況を「戦略リスク」を統括する経営戦略部が確認しております。その確認結果は、経営戦略部が取りまとめ、年に1回、「経営会議」並びに「取締役会」に報告を行い、「取締役会」の監督体制の下、当社グループの戦略に反映いたします。
サステナビリティ関連リスクとして、人権・多様性に関するリスク、気候変動に関するリスク、循環型社会に関するリスクを特定しており、各所管組織は、当該リスクについて「戦略リスク」対応の一環として実行計画に落とし込んでおります。
リスク項目、発生可能性や影響度の評価の詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に掲載しております。
(2)重要な戦略並びに指標及び目標
当社グループでは、サステナビリティ経営を推進するにあたり、2030年までに優先して取り組む8つのESGマテリアリティを特定しております。ESGマテリアリティごとに、関連するリスクと機会を洗い出し、戦略と指標及び目標を策定し、上記サステナビリティのガバナンスにおいて、ESGマテリアリティごとの進捗状況をモニタリングしております。
ESGマテリアリティにおける戦略並びに指標・目標
従業員の幸福 | 人的資本に関わる戦略、指標・目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標」に記載しております。 |
子どものハピネス | 戦略 |
-機会- ・事業活動において重要な子どもに関わる社会課題の解決 -リスク- ・子どもを取り巻く社会課題の深刻化 未来を担う子どもたちの夢や心を育むことによって豊かな社会を実現するために、東京ディズニーリゾート事業を通じた子どもたちの信頼や共感を育む取組みや、子どもに関する社会課題の解決への取組みを実施 | |
指標・目標(2030年KGI) | |
東京ディズニーリゾート:日々の生活を潤し、心豊かな子どもを育てる活動の実施 社会貢献活動:未来をひらく子どもたちを育む・支える活動の実施 | |
ダイバーシティ& インクルージョン | 戦略 |
-機会- ・変容する社会や顧客ニーズへの対応による体験価値向上 -リスク- ・ダイバーシティへの対応不足による体験価値の低下 ・人権尊重への対応不足によるリスクの顕在化 変容する社会や顧客ニーズの変化に対応し、顧客の多様な価値観を尊重した事業活動を展開するために、人権尊重への体系的な取組みや、既存製品・サービスの見直しと多様性に配慮するための仕組みの構築などの取組みを実施 | |
指標・目標(2030年KGI) | |
・特定した重要人権課題に対する人権デューデリジェンスプロセスの構築と運用 ・多様性を尊重した事業活動ができる仕組みの構築 |
サプライチェーン・マネジメント | 戦略 |
-機会- ・サプライチェーン全体での環境や社会への配慮による競争力拡大 -リスク- ・サプライチェーン全体への社会的関心の高まり 取引先と協働し、持続可能な調達を実現するために、方針整備を実施 | |
指標・目標(2030年KGI) | |
・一次サプライヤーへ「調達方針」「お取引先行動指針」の周知と承認100% ・社内で特定した品目について持続可能な原材料調達100% | |
気候変動・自然災害 | 気候変動への対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)気候変動への対応(TCFD提言への取組)」に記載しております。 |
循環型社会 | 戦略 |
-機会- ・環境価値も備えた新製品やサービスの提供による新たな需要の創出 -リスク- ・資源枯渇や資源価格の高騰 循環型社会の構築に貢献するために、製品・サービスの省資源化と廃棄物削減、持続可能な資源利用などの取組みを実施 | |
指標・目標(2030年KGI) | |
・廃棄物総量削減(重量)2016年度比10%削減 ・リサイクル率(実績)80% | |
ステークホルダー・エンゲージメント | 戦略 |
-機会- ・社会情勢変化への対応力強化 -リスク- ・新たなニーズの変化や潜在リスクへの対応力の低下 事業活動を進化させ、持続可能な社会に資するために、ステークホルダーに対して適切で開かれた情報開示と対話を大切にする取組みを実施 | |
指標・目標(2030年KGI) | |
ステークホルダーに対する適切で開かれた情報開示と双方向でのコミュニケーションを大切にすることで、事業活動を進化させ、持続可能な社会に資する活動の実施 | |
企業経営の公正性 | 戦略 |
-リスク- ・適切な意思決定機能の欠如による、成長機会や社会的信用の低下 各種法令及びコーポレートガバナンス・コードを遵守し、変化に柔軟に対応し、成長できる体制の構築 | |
指標・目標(2030年KGI) | |
各種法令及びコーポレートガバナンス・コードを遵守できており、変化に柔軟に対応し、成長していける体制となっている |
(3)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
次世代にも大きな影響を与える気候変動に対し、企業が責任を果たすことが求められております。また、環境に配慮した事業活動を展開することは、企業の持続可能性にもつながります。かけがえのない地球環境を次世代につなぎハピネスを提供し続けるために、OLCグループでは、真摯な姿勢で気候変動リスクの低減に取り組みます。
当社グループは、2030年までのESGマテリアリティとして「気候変動・自然災害」を設定しており、温室効果ガスの排出削減によって温暖化の進行を食い止める「緩和」、温暖化による渇水・気温上昇・台風の増加などが今後起こるものと想定し、その影響がゲストに及ぶことを最小限にする「適応」への取組みを行います。
①ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)ガバナンス及びリスク管理 ①ガバナンス」に記載しております。
②リスク管理
気候変動に関するリスクは、サステナビリティ関連リスクとして、「戦略リスク」に含まれております。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)ガバナンス及びリスク管理 ②リスク管理」に記載しております。
③戦略
「持続可能な社会への貢献」と「長期持続的な成長」を両立したサステナビリティ経営を目指す中において、気候変動は長期間にわたり、事業活動に影響を与える可能性があると考えております。そこで、「2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロ」を目標に掲げ、気候変動の緩和と適応に取り組んでおります。気候変動の影響は長時間かけて顕在化していく性質のものであるため、「2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロ」の時間軸と整合した中長期事業戦略の策定の検討を行います。
| 期間 | 定義 |
短期 | 2022年度~2024年度まで | 2024中期経営計画期間 |
中期 | 2030年度まで | 当社グループの温室効果ガス排出量中期目標設定期間 |
長期 | 2050年度まで | 当社グループの温室効果ガス排出量長期目標設定期間 |
また、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握及び2050年時点の世界を想定した当社グループの戦略・レジリエンス(強靭性)と、さらなる施策の必要性の検討を目的に、2021年度に初めてシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照しております。
シナリオ分析の内容など、TCFD提言に沿った情報開示の詳細については、弊社ウェブサイトに掲載しております。(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/environment/climate/tcfd.html)
④指標と目標
気候変動リスク対応において、温室効果ガス排出量の削減が重要であると認識しており、気候変動への緩和と適応の取組みを進めております。また、パリ協定で定められた日本政府の削減目標及び日本政府が産業界別に定めた方針に合わせた温室効果ガス排出量削減目標を設定しております。
※スコープ1、2の排出量実績と指標・目標は以下のとおりであります。
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
温室効果ガス排出量スコープ1・2 | ・2050年度までにネットゼロ ・2030年度までに51%削減(2013年度比) | 174千t |
(4)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標
当社グループにおける、人的資本の考え方、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
当社グループにとって人材とは、事業の価値を創出していくうえで何よりも重要で不可欠なものです。特に東京ディズニーリゾート事業においては、ゲストを魅了するハードへの継続的な投資と同様に、事業に誇りを感じエンゲージメントの高い従業員によるゲストサービスが強みの源泉であるといえます。
当社グループでは、2030年に目指す姿を実現するために、ESGマテリアリティのひとつに「従業員の幸福」を掲げております。「仕事のやりがい」(働くことによって得られる喜びや達成感)の向上と、「働きやすさ」(社内環境や制度)の整備を目指す取組みを行うことで、当社グループで働くすべての従業員が働きがいを感じられること、そして、これからも働きたい場所として選ばれ続けることを目指し、人的資本への取組みを行っております。
「従業員の幸福」を実現し、働きがいを高めていくためには、従業員は「自ら一歩踏み出す」こと、会社・マネジメントはその「一歩」を引き出し支援する姿勢が重要であると考えております。双方向で刺激しあいながら、求めあい、高めあう関係性を構築していくことを目指していきます。また、そのために必要な要素は「自ら創造する人材の育成」と「多様な人材の活躍」、そして「活き活きと働ける環境整備」の3つと整理しております。こうした働きがいの最大化は人事施策だけで達成できるものではなく、各組織のマネジメント力、従業員一人ひとりの意識向上、仲間とのより良い関係性の構築など、複数の取組みが行われてこそ達成できるものであり、全社一丸となって働きがいを高めることに取り組んでいく姿勢が必要だと考えております。
当社グループでは、上記に記載したESGマテリアリティ「従業員の幸福」について、次の指標・目標を設定しております。
指標 | 目標(2030KGI) |
従業員の働きがいの向上 | 「働きがいに関する調査」の働きがい総合設問 ポジティブ回答率 8割以上(OLCグループ全体平均) |
①多様性の確保を含む人材育成方針
当社グループでは、人材教育において、従業員と会社の「求めあい、高めあう」関係性の実現を目指して、さまざまなプログラムを実施しております。従業員が自身のキャリアに責任を持ち、志をもって成長し続けられるよう、キャリアと能力を開発し続ける機会を提供しております。さらに、部下の育成を担う管理職層に対する教育プログラムを拡充することで、人と組織の成長を推進しております。
また、教育体系としては、従業員一人ひとりが自ら考え役割を果たすことで、企業使命を実現することを目指し、役割に応じた教育体系を構築するほか、全従業員が、役割にかかわらず、入社時にディズニーのフィロソフィー(哲学)やディズニーテーマパークについて学ぶプログラムを実施しております。
<人材の育成方針>
■社員
全社員の、自立的な成長やチャレンジ意欲を一層高めるために、各役割に応じた「求める行動」を明確化しております。この行動要件をベースに、管理職がメンバーの活躍状況の把握、育成計画の策定、業務アサイン、日々の育成・支援、目標設定・評価を行う、「育成サイクル」を整備しております。
図版:全社員に求める行動要件/育成サイクル
■テーマパークオペレーション社員及び準社員
当社では、キャストがゲストのハピネスを創造することで得られる「自己効力感」と、キャスト自身も成長を感じる「成長実感」の2つの側面から、活き活きと働ける組織風土の醸成を行うことで、さらなるキャストの成長につながると考え、教育プログラムの整備やパフォーマンス発揮への支援体制を含めた環境整備に取り組んでおります。
テーマパークオペレーション社員には、社員同様、自立的な成長やチャレンジ意欲を一層高めるために、「求める行動」を明確化しております。具体的には、「より良く」を求め続ける改善意識や、最後まで諦めることなく徹底して「やり切る」姿勢、一人ひとりが自らの責任を全うしたうえで「一丸となって」組織としての力を発揮する行動を定め、それをベースに育成サイクルを整備しております。また、役割に応じた育成プログラムに加え、自己を理解し、自分のキャリアを考え実現するためのキャリア支援プログラムを整備し、自立的な成長への支援を行っております。
すべてのテーマパークオペレーション社員及び準社員には、キャストの目指すゴール「We Create Happiness」に基づき、ディズニーフィロソフィー(哲学)やキャストとしての行動規準について学ぶ導入研修教育プログラムを実施しております。配属後には、OJT(実地トレーニング)を含む部門ごとのトレーニングも実施しております。ほかにも、トレーナーとして後輩を育成する役割を担う制度、ディズニー教育プログラムがあります。
なお、具体的な研修・キャリア支援プログラムについては弊社ウェブサイトに掲載しております。(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/relation/careers.html)
<多様な従業員を活かすための基本的な考え方>
当社グループでは、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境づくりを重視しております。さまざまな強み・個性・価値観を持つ従業員同士が、互いに認めあい、活かし高めあうことで、活き活きと働くことができると考えます。そのうえで、仕事に情熱を持って取り組むことができ、会社と仲間への安心感・信頼感を持つことができる状態を目指していきます。また、従業員が私生活を充実させながら活躍できるよう、仕事と生活の調和を支援する制度を整えるとともに、それを支える風土づくりにも努めております。
<多様な価値観を活かすための取組み事例>
従業員が多様性への理解を深めるために、社内報やイントラネットを通じて多様性に関する情報を発信するなど、さまざまな社内教育を実施するほか、誰もが自分らしく働くことができる環境作りを多角的に推進しております。
・ゲストやキャストの多様性を理解し、受容するマインドとサポートスキルを学ぶ「ノーマライゼーション・クリエイター・クラス」の実施
・全従業員への「ダイバーシティ&インクルージョンハンドブック」の配布
・従業員の身だしなみを規定した「ディズニールック」の一部変更(男女別の表記撤廃など)
・一部コスチュームにおけるユニセックス運用の開始
・性別に関わらず利用できる個室の着替えスペースの増設
<仕事と生活の調和を図るための取組み事例>
従業員が仕事と生活の調和を図るための取組みとして、育児休職、子の看護休暇、介護休職、介護休暇、半日単位の有給休暇、病気有給休暇(家族の介護事由でも取得可能)などの各種制度を整えております。
社員には、業務内容に応じ、フレックスタイム制や在宅勤務制度、時間単位の有給休暇制度を導入しております。テーマパークオペレーション社員は、社員の制度の中で適用可能なものを準用しております。準社員は、主婦や学生が生活に合わせた働き方ができるように短時間のシフトを用意するほか、より積極的に勤務に就きたいという要望に応えられるよう、個人のスマートフォンから勤務可能なシフトを見つけて就業申請ができるシステムを整備するなど、より柔軟な働き方ができる体制を整えております。
<両立支援施策>
従業員が仕事と子育ての両立を図れるよう、さまざまな制度を整えるとともに、従業員の相談に対する相談窓口を設置しております。
・産前産後休暇
・配偶者出産休暇
・育児のための勤務時間短縮
・所定外勤務の免除
・深夜勤務の免除
・休日勤務の免除
・子の看護休暇
・搾乳ができる施設「マミールーム」の設置
・シフト勤務社員に対する勤務時間を固定・短縮するミドル復帰プログラムの導入
・共働きの社員などを対象にしたベビーシッターなどの育児補助金支援施策の導入
・企業主導型保育所「キッズビレッジあるぶる」の設置
<女性活躍の推進>
当社ではすべての従業員が安心して働ける環境づくりを進めており、男女が分け隔てなく働く社風のもと、多くの女性従業員が活躍しております。現在では、社員の男女の勤続年数の差は4.8年、社員の女性比率は54.4%、準社員など社員以外の女性比率は78.0%となっております(2023年3月末現在)。今後も、これまで以上に女性が力を発揮しやすい職場づくりに配慮しながら、男女分け隔てなく能力を開発し、キャリアが継続できるよう支援します。また、2025年度に管理職に占める女性従業員の割合を25%以上にすることを目標に掲げ、女性管理職候補者向けの勉強会を実施するほか、育児や介護などでキャリアが中断しないように両立を支援する制度を整備しております。
指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
女性管理職比率 | 管理職に占める女性従業員の割合 2025年度までに25%以上 | 18.1% |
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
②社内環境整備方針(人材の採用・維持並びに従業員の安全・健康に関する方針)
中長期的な企業価値向上のためには、少子高齢化の進行などによる労働人口の減少や、働き方への多様な価値観などを踏まえたうえで、従業員の働きがいを最大化し、持続可能な人員体制へ変化することが必要であると考えております。そこで、当社グループでは、現状維持にとどまらず新たな発想でゲストサービスの向上、オペレーションの改善、業務改革を推進できる多様な人材・組織づくりを推進しております。また、限られた人員数で高い付加価値を提供し続けることのできる体制へと変化することが重要であると考え、そのために、一人ひとりがポテンシャルを最大限に発揮できる環境を整えることに努めております。
加えて、社員においては新卒採用だけでなく経験者採用など、さまざまな強みを持つ人材を採用し続けることで、多様な人材が活躍できる環境づくりに努めております。また、キャストにおいては、パークでのゲストサービスにより醸成される当社事業への高い共感や、キャストとしての働きがいを今後も育んでいくために、組織での対話風土を醸成する仕組みや、パフォーマンスの発揮に向けた支援体制を整えるなど、キャストの成長にも繋がり、働きたい場所としても選ばれ続けるための環境整備に取り組んでおります。
<企業風土醸成>
「夢、感動、喜び、やすらぎ」を提供し続け、常に新たな感動を創造し続けるための企業風土を育んでおります。人の喜びを自分の喜びと感じるマインド、年齢・ジェンダー・役職に関わらずともに称えあう文化が培われ、そして、受け継がれております。これらは、従業員全員が一丸となってゲストサービスに取り組む姿勢が約40年にわたり、脈々と受け継がれていることによるものです。全社活動として、モチベーションを高め、意欲的に仕事に取り組めるよう、独自のユニークな施策を導入しております。
・会社表彰「Award of Excellence」
・ドリームアップ アイデア!(全従業員対象のアイデア提案制度)
・マジカルディズニーキャスト(従業員同士で称賛メッセージを送り合う活動)
・ウォルト・ディズニー・レガシー・アワード(最もすばらしいキャストを選出するプログラム)
・サンクスデー(年1回キャストに対して感謝を伝えるイベント)など
<心と体の健康維持及び労働安全衛生への取組み>
従業員が長く健康に生活し、働くことができるように主体的に心と体の健康を維持するための環境を構築し、心と体を整える支援を行っております。健康管理センターには産業医と保健師が常駐し、健康相談への対応や診断後のフォローを行っているほか、常用労働者の定期健康診断とメンタルヘルスチェック、ストレスチェックを実施し、健康状況を把握したうえで、対策を行っております。
また、従業員の健康を会社が後押しする施策という位置づけの「心と体の健康プロジェクト」を開始しました。社長の健康宣言を皮切りに、健康に関する社内啓発や知識インプットを定期的に実施しております。2023年1月には、「OFS(オリエンタルランド・フレンドシップ・ソサエティー)」、健康保険組合、共済会、グループ会社と合同で、従業員向けの「健康フェスタ」を開催しました。
心の健康については、ストレスチェックや健康診断の結果を踏まえ、従業員自身のセルフケアや、各組織におけるラインケアの強化を中心に取組みを推進し、体の健康については生活習慣病の予防を目的としたBMIの適正化や喫煙率の低下に向けた継続的な取組みを実施しております。
<快適な施設・デジタル環境の整備>
従業員に対する施設環境への調査などを基に、特にパークオペレーションに関わる従業員が利用する施設の改修を計画的に進めております。主に、アトラクション施設周辺で働く従業員向けのオフィス改修工事の中で、オフィスレイアウトの変更や会議スペースの増設など、キャストと社員が日々の面談・コミュニケーションを行うためのスペース増設を行っております。施設環境だけでなく、IT化に伴う業務ワークフローシステムの見直しなども行い、効率的に働くための環境整備も推進しております。
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