オプティム 【東証プライム:3694】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社は、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、もはや生活インフラとなったインターネットが、いまだに利用にあたりITリテラシーを必要とする現状を変え、インターネットそのものを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていくことをミッションとして、創業以来すべての人々が等しくインターネットのもたらす創造性・便利さを享受できるようサポートする製品・サービスの開発に尽力しております。
また、常に新しい分野において積極的に研究開発を行い、知的財産を構築することにより、新しい市場の創出とイノベーションの創出を同時に行うことで、「世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創りだす」ことを目指しております。
(2) 経営戦略等
当社は、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、『1.IoTプラットフォームサービス』、『2.リモートマネジメントサービス』、『3.サポートサービス』、『4.その他サービス』の4サービスを展開しており、「世界の人々に大きく良い影響を与える普遍的なテクノロジー・サービス・ビジネスモデルを創りだす」ことを実現するため、以下の3つの成長戦略により事業の拡大を図ってまいります。
① 既存製品・サービスによる国内シェアの拡大と潜在市場の開拓
・エンタープライズ向けの強固なセキュリティ技術・製品群提供によるシェア拡大
・豊富な特許群を組み込んだ独自製品・サービスによる優位性の拡大
・販売チャネルの販売力とカバレッジの広さを利用した販売拡大
・成長市場でのシェア1位を利用したアライアンス戦略の推進、及び相互シナジーによる価値提供
・新たに創出される市場・環境変化への製品・サービスの研究開発及び展開
② 既存製品・サービス延長領域(周辺領域)による市場創出
・オフィス業務の効率化・コスト削減を実現するDXの推進
③ 新規製品・サービスによる市場創出
・AI・IoT・Robotics市場の研究開発及び製品・サービス展開
・各産業領域とITの組み合わせによる産業構造の再構築(農業、医療、建設など)、DXの推進
・デバイスマネジメントテクノロジーとビッグデータを活用した製品・サービス展開
・豊富な特許群を組み込んだ独自製品・サービスによる優位性の確立
・継続的なプラットフォームへの開発投資によるプラットフォーム強化
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2024年3月期も引き続き「第4次産業革命」において中心的な企業となるための開発投資が重要であると考えております。そして、売上高の増加がこの投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加を客観的な指標として重視しております。
(4) 経営環境
昨今、AI・IoT・Roboticsなどの技術進歩は目まぐるしく、あらゆる産業において、新しい技術革新である「第4次産業革命」が起こりつつあります。AI・IoT・Roboticsが融合することで、生産・製造現場の効率化にとどまらず、全ての産業を変えるインパクトを持つものと考えられています。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。
① 売上の拡大
当社グループのビジネスモデルは、ストック型のライセンス収入を中心とした売上構造となっております。当社グループでは、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、急速に拡大するDX市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現するべく事業展開を行ってまいりました。このような戦略のもと、当社グループでは、引き続き、順調なモバイルマネジメントサービスを着実に成長させつつ、X-Techサービスについては、特にアグリテックのドローン農薬散布サービス、オフィスDXの文書管理系サービスなどの大幅な成長を実現させるべく積極的な投資を進めてまいります。なお、当社グループは、第4次産業革命において中心的な役割を果たす企業となることを標榜しており、その実現に向け優良な投資機会が生じた場合、柔軟かつ積極的に成長投資を行っていきたいと考えております。
② 開発人員の拡充と組織の強化
当社グループの主要な収入源であるストック型のライセンス収入においては、複数の大規模プロジェクトに対応するために開発部門人員の拡充及び開発体制の強化が最重要課題となっております。当社グループでは、優秀なエンジニアが競争力の主要な源泉となると考え全社一丸となり採用活動に取り組んでおります。
一方で、当社グループの事業分野であるIT関連の人材、特にAI関連の人材については、市場全体でエンジニア不足が顕著となっております。優秀なエンジニアを獲得していくほか、現在の開発人員に対して研修や勉強会を実施するなど組織の底上げを図るとともに、人事制度や給与制度の見直しを行い退職リスクの削減にも努めてまいります。
また、プロジェクトに合致した技術を有している派遣社員を活用し、プロジェクトマネジメント手法の改善などによりさらなる開発体制の強化・改善を図ってまいります。
③ 知的財産戦略の強化
当社グループは、「事業成長の源泉はイノベーションにある」と考えており、創業以来、研究開発活動に積極的に取り組んでまいりました。特に2018年3月期からは、「第4次産業革命」において中心的な企業となるための足がかりを作るため、研究開発部門の人員体制及び運営体制の強化に取り組んでまいりました。
また、知的財産権は、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取り組んでまいりました。
このような取組みの一例として、「OPTiM Contract」での研究開発成果を権利化した特許第6290459号「契約書管理システム、契約書管理方法、および契約書管理プログラム」(令和3年度九州地方発明表彰・文部科学大臣賞)や、「OPTiM Geo Scan」での研究開発成果を権利化した特許第6928217号「測定処理装置、方法及びプログラム」が挙げられます。
また、取組みで得た知見は、知的財産による産業発展に寄与すべく国内外に発信しております。2023年4月の世界知的所有権機関(WIPO)主催イベントでは、当社代表取締役社長の菅谷への知財活用に関するインタビューが紹介されました。また、WIPOのIP Advantage(世界各国の知財活用事例データベース)に、当社農業事業での知財活用事例が掲載されました。
今後も、知的財産権獲得による競争優位の確保に取り組んでまいります。
④ 資本コストや株価を意識した経営
2023年3月31日に東京証券取引所より発信された「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に 関するお願い」に従い、PBR(株価純資産倍率)などの指標を意識した経営を実践することにより、重点分野への戦略投資・成長投資の強化などの施策を実践することで持続的な成長を図り、企業価値の向上に取り組んでまいります。
⑤ プライム市場の上場維持基準への適合
当社は、2022年4月の株式会社東京証券取引所の市場区分の再編において、プライム市場に移行いたしましたが、「流通株式比率」については、基準を充たしておりません。今後、当社が中長期的な企業価値の向上を図るうえにおいては、その前提として当社がプライム市場の上場維持基準を充足することが重要な経営課題になるものと考えております。
当社は、2024年6月27日付け提出の「上場維持基準の適合に向けた計画書に基づく進捗状況について」に基づき、流通株式比率の適合に向けた取組みを実施することで、2025年3月期中を目途に、上場維持基準を充足させていく方針です。
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