オエノンホールディングス 【東証プライム:2533】「食品業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、グループ企業理念「自然の恵みを活かし、バイオ技術をベースに、人々に食の楽しさと健やかなくらしを提供します。」の下、発酵技術等を核とする「バイオテクノロジー」をベースとした事業を展開しております。その中で、お客様に「安心」「安全」をお届けすることを第一に考え、普遍の概念である「顧客志向」と「収益志向」に則り事業活動を行い、併せて「将来価値の共創」に資する取組みを進め、経営品質の向上、ひいてはグループの持続的成長及び企業価値の最大化を目指しております。
(2) 経営環境
酒類市場におきましては、人口減少や少子高齢化、若年層の飲酒離れ、健康志向の高まりにより、国内需要の減少が続いており、企業間での販売競争が激化しております。また、円安基調や人件費上昇、物流の2024年問題による物流費上昇など、依然としてコストの上昇が見込まれます。さらには、商品の値上げの収束が見えない一方で、節約志向の高まりや、買い控えが顕著となり、消費の鈍化が予想されます。
食品産業用酵素市場におきましても、国内外での研究開発競争や販売競争が益々激化することが予想されます。
(3) 長期ビジョン
当社グループは、創立100周年の節目を迎える2024年に向けて、「長期ビジョン100」を2015年に策定しております。「長期ビジョン100」は、当社グループが、持続的に成長し、企業価値を増大するための、企業理念に基づく使命・将来像を描いたものであり、これを実現する上での最重要課題である5本の柱を定めております。
<7つの指針>
① 顧客重視の経営
② 収益重視の経営
③ 株主重視の経営
④ グループ全体最適化
⑤ 経営監督機能の強化
⑥ 強固な財務体質の確立
⑦ 社会的良識を意識した経営
<5本の柱>
① 焼酎事業に集中
・焼酎に経営資源を集中
・焼酎事業の拡大
② アルコール事業 販売の拡大
・販売シェアNO.2を目指す
・アルコール増産に向けた設備投資
・新分野への積極的な販路拡大
③ 生産改革
・東西の生産物流拠点確立を目的としたグループ工場再編
④ 酵素医薬品事業の新展開
・新たな取組み(ポストラクターゼの開発、発酵技術を活かした発酵受託ビジネス)
・酵素医薬品事業の拡大
⑤ CRE戦略
・銀座ビルの「不動産価値」活用
・遊休不動産の活用
(4) 中期経営計画及び対処すべき重要課題
当社グループを取り巻く環境は、今後も厳しい状況が続くものと見込まれます。一方で、チューハイにおきましては、人流の回復に伴い、料飲店市場への需要流出が懸念されましたが、家飲み需要が根強いこともあり、今後も堅調に推移することが予想されます。また、国産酒類の輸出におきましては、昨年は、アメリカで市中在庫の消費に時間がかかったことや、中国での景気低迷、処理水問題によって伸びが失速したものの、韓国、台湾といった国々への輸出が伸張しており、今後も拡大を続けるものと予想されます。さらには、入国規制緩和によるインバウンド需要の盛り上がりにより、免税売上の拡大が期待されます。
当社グループは、これらの市場のニーズの変化を成長に繋がるチャンスと捉え、当社グループの強みを活かした企業活動を進め、これらの変化に対応してまいります。
令和6年度は、「長期ビジョン100」で掲げた5本の柱を軸として、「重点事業における取組みの強化」「収益力の強化」「環境問題への対応」「経営基盤の強化」という4つの課題に取り組んでまいります。
1.重点事業における取組みの強化
(1) 焼酎事業への特化
市場優位性のある「博多の華」・「すご」シリーズの、各カテゴリーにおける絶対的なポジショニングの確立を目指してまいります。チューハイにおきましては、引き続き、消費者の嗜好の多様化に対応した商品の開発・提案を進め、販売拡大に繋げてまいります。
(2) 販売用アルコールの利益確保
原料・エネルギーの調達コストの変動に合わせた価格戦略を実行し、適正な利益確保に努めてまいります。
(3) 輸出酒類の強化
海外現地輸入業者及び国内輸出事業者との取引強化、マーケットインの商品開発により、輸出拡大を進めてまいります。
(4) 酵素医薬品事業の収益拡大
高精製・高濃縮といった中性ラクターゼの改良品や酸性ラクターゼを市場に投入し、収益拡大を図ってまいります。製造工程の見直し等によるコスト低減により、収益力を強化してまいります。また、発酵受託ビジネスにつきましては、乳酸菌を軸に、宗教対応、食品添加物対応ができるメーカーとして、独自のポジションを構築し、事業拡大を目指してまいります。
2.収益力の強化
(1) 適正価格の維持
安定供給及び適正な利益確保のため、適切なタイミングで販売価格の見直しを行い、必要に応じて価格改定を実施してまいります。
また、不採算商品については、整理またはリニューアルによる収益性の改善を図ってまいります。
(2) 消費の二極化への対応
物価上昇により消費者の節約志向が高まる一方で、消費者の本物志向に対応した高付加価値商品の需要も堅調に推移しております。これまで培ってきたグループ独自の技術・ノウハウを最大限に活かし、低価格商品・高付加価値商品を開発・上市し、拡売を図ってまいります。
(3) コスト低減の徹底
調達から生産、販売に至る全てのコストの低減に徹底的に取り組み、収益性の改善に努めてまいります。
(4) 不適合品発生の撲滅
不適合品の発生は、費用増大や取引先からの信用信頼の失墜に繋がると認識し、適正な生産管理体制を確立するとともに、従業員一人ひとりが、3H(初めて・変更・久しぶり)4M(人・設備・材料・方法)を意識し、危険予知を徹底し、不適合品発生の撲滅に努めてまいります。
3.環境問題への対応
環境問題への対応は地球規模の課題であるとの認識の下、引き続き低炭素社会の実現に向けた取組み及び循環型社会の形成に向けた取組みを進めてまいります。
令和6年度は、グリーン電力への切替えの拡大、フロン排出抑制法対応等に取り組んでまいります。
4.経営基盤の強化
グループの持続的成長と企業価値向上には、その原動力となる従業員の価値を高め、その価値を有効に活用できるシステムの整備が不可欠であると考えております。従業員が安心して働くことができ、多様な人材が活躍できる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
また、コーポレートガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底を図り、「納得性」「公正性」「透明性」の高い経営の実践に努めてまいります。
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