企業兼大株主オイレス工業東証プライム:6282】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)経営方針

 当企業グループは、『オイルレスベアリングの総合メーカーとして世界のリーダーとなり、技術で社会に貢献する』をグループの経営理念としており、一貫性をもって持続的な成長を目指しております。創業から脈々と続く「技術で社会に貢献する」理念は、当企業グループの普遍的な価値観であります。軸受機器事業において省エネや環境負荷低減の実現、構造機器事業において世界に対して「安心・安全」を提供、建築機器事業において排煙や換気により「安心・安全」や「快適さ」を提供しております。当企業グループの事業そのものは高い社会貢献性を持ち、「技術で社会に貢献する」経営理念を具現します。

 わたしたちは、持続可能な社会を実現することは当企業グループの企業価値向上につながるという信念をもち、トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)とダンピング(振動制御)の2つのコア技術のたゆまぬ探求と、社会の持続的な発展に貢献するという飽くなき挑戦を続けてまいります。

①事業への取り組み

 グローバルな市場創造企業として、他社の追従を許さない性能を持つ独自の製品開発をおこない、お客さまの課題を革新的に解決し、お客さまと共に世界初・世界一を実現するための技術や製品の提供を続けます。そのために、お客さまや社会からの期待に応える高い品質水準と生産性向上をおこないます。

②社会とのかかわり

 企業価値の創出は、さまざまなステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であります。ステークホルダーとの適切な協働に努めるとともに、その期待に応えてまいります。

③サステナビリティへの対応

 サステナビリティはESGを含む長期的に重要な経営要素として積極的かつ能動的な活動を進めます。

④人的資本対応の強化

 人材は「人的資本」であり、企業価値創出の中核は人的資本にあります。企業価値向上を実現する人材戦略を経営戦略と連動して推進します。

(2)経営戦略等

 当企業グループは、持続的な成長や中長期的な企業価値の創出を実現するため、経営理念に則った長期ビジョンや中長期の経営方針・経営戦略を策定し、計画で定めた成長目標の実現に向けて、グループ全体で取り組んでまいります。

 当企業グループでは、このたび“2030年のありたい姿”として新たな長期ビジョン「OILES 2030 VISION」を策定いたしました。当企業グループのコア技術である摩擦・摩耗・振動の技術「トライボロジー&ダンピング」によって社会課題の解決と企業価値向上をはかるとともに、さらに「新技術・新規事業創出」と「経営基盤の高度化」による「+X」でサステナブルな社会の実現に貢献します。

OILES 2030 VISION

『サステナブルな社会の実現を、摩擦・摩耗・振動の技術+Xで貢献する』

 この新たな長期ビジョンに基づき、2030年のありたい姿に向かう3年間として2024年度を起点とする新たな“中期経営計画2024-2026”を策定いたしました。当中期経営計画においては、事業部門はオイレスグループの事業成長を牽引するための積極的な設備投資を実施するとともに、本社組織はその成長の支えとなる社内基盤や経営インフラを高度化し、事業部門と本社組織の両輪で「変革」と「進化」へ取り組んでまいります。

 中期経営計画2024-2026では以下の方針を掲げ成長戦略と経営基盤の高度化の実現に向け挑戦をし続けます。

中期経営方針2024-2026

1.次世代の飛躍成長を実現するために成長市場へ経営資源を全力投球

2.業務改革と生産技術の追求によって全部門が生産性を向上する

3.すべてのステークホルダーに貢献する企業価値向上

4.資本効率性を意識した財務運営

 事業ごとの中期戦略等は以下のとおりです。

(軸受機器)

 成長の柱である軸受機器事業では成長市場へ経営資源を積極的に投資し、2030年度の飛躍成長を確固たるものにします。一般産業向けでは半導体製造装置等の成長性の高い分野への注力に加え、再生可能エネルギー市場への戦略製品の投入、積極展開をおこないます。自動車向けではEVの普及や自動運転化に対応した製品開発と積極投資をおこない、新規案件の獲得を目指します。

(構造機器)

 構造機器事業では、増加するインフラリニューアル、及び都市再開発や都市型データセンターへ採用される大型製品のシェア拡大をはかります。また免震製品の販売強化及び性能評価能力の増強のため大型性能試験機を導入し、厳格化する検査基準に対応するとともに信頼される製品を提供し続けます。

(建築機器)

 建築機器事業は、建築物の長寿命化要求の高まりとともに拡大するリニューアル市場、リフォーム市場へ重点をシフトし、社会へ安心・安全・快適、省エネを提供します。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当企業グループは、売上高営業利益率と自己資本当期純利益率(ROE)を経営指標として重視します。売上高営業利益率は事業の利益水準を明確化するため、ROEは資本収益性を意識した経営を実践するため、重要な経営指標としております。

 なお、この両指標を高めることで、企業価値向上が図れるものと考え、売上高営業利益率は15%以上、自己資本当期純利益率は10%以上を目指しております。当連結会計年度における売上高営業利益率は10.6%であり、自己資本当期純利益率は7.6%でした。引き続きこれらの目標が達成されるように取り組んでまいります。

(4)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 成長戦略を支え企業の持続的成長を支えるには事業部門の成長に加え、非財務資本のさらなる進化が重要との認識のもと、経営基盤の高度化を重点課題としております。特に、人的資本への取り組みとしては、従業員エンゲージメントが高まるよう人材育成やダイバーシティの推進、ワークライフバランス、健康経営の推進等に積極的に取り組んでおり、こうした取り組みの結果、2023年6月には子育てサポート企業の証である「くるみん認定企業」の認定、2024年1月には女性活躍推進度を表す「えるぼし認定」を取得しました。

 サステナビリティ課題への取り組みでは、当企業グループは2030年度までにCO2総排出量を2013年度比46%削減という目標を2021年に定め、これに続いて2023年度からは当企業グループ全体で「2050年カーボン・ニュートラル」の実現を目標とし、環境に対する取り組みを推進しております(CO2総排出量の対象はScope1及びScope2)。自社設備によるCO2排出量削減の取り組みに加えて、環境負荷低減を実現する製品や技術を社会に提供するという本業での環境対応についても、バイオマスプラスチック軸受の製品化や、電気自動車、再生可能エネルギー、水素エネルギー分野などに向けた取り組みを強化しています。当社の技術や製品が地球環境に貢献できる可能性は高いと考え、技術・製品開発を進めております。

 経営理念に基づきOILES 2030 VISIONへ向けた「変革」と「進化」への強い決意のもと、持続的な企業価値向上を目指します。持続的な成長シナリオの実行や資本効率性を改善することで株式市場の評価をより高めることにつなげたいと考えており、事業戦略で収受するキャッシュ・フローについては、成長に向けた積極投資と株主還元をバランスよく実施してまいります。

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