エムスリー 【東証プライム:2413】「サービス業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、さまざまな要因により実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
(1) ESG戦略
① 戦略およびマテリアリティ
当社グループは「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を1人でも増やし、不必要な医療コストを1円でも減らすこと」をミッションに掲げています。
医療分野は、この地球上に生きるすべての方にかかわりがあり、世界のGDPに占める割合も大きく、社会的意義の高い事業領域です。一方で、この分野には医療従事者や患者にとどまらず、複雑かつ多様なステークホルダーが存在することに加え、バリューチェーンも多岐にわたり、それぞれに高い専門性・想像力・解決への執着が求められます。
当社グループは、日本に限らず世界中の難易度の高い医療課題に向き合うべく、当社グループだからこそ選択することができるユニークなアプローチで、課題解決・業界の改善につながる、価値あるサービスやプロダクトを創出していくとともに、各種取り組みを通じて、我々が掲げるミッションの実現を目指し、すべての人の健康と福祉の充実、社会の持続的な発展に貢献していきたいと考えております。
このような考えのもと、2022年に当社グループのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。当社の経営戦略やミッションとの関連性を評価し、取締役会での議論を経て決定しております。
<E>
温室効果ガス排出量
エネルギー管理
<S>
顧客のプライバシー/データセキュリティ
医療アクセスの拡大
サービス・製品の品質と安全性
労働慣行および従業員の健康と安全
従業員エンゲージメント、多様性とインクルージョン
<G>
ビジネスモデルの優位性・柔軟性
経営倫理
これらのマテリアリティの取り組みにあたり、個別の項目に対して定量的な評価を行っています。この指標の一部を、当社HPを通じて社外にも公表し、当社グループの取り組みの進捗を確認するとともに、世界的な情勢や社会の要請を踏まえ適宜見直しを実施しております。
② ガバナンス
当社グループは、社会的課題の解決に向け、事業機会の拡大と価値あるサービスやプロダクトの創出を目指しております。また、これらの価値創造の活動を支える重要な資本として、当社グループが有する人的資本・プラットフォーム・経営基盤を一層強化・整備していくことが重要と考えており、取締役会等においても、定期的にサステナビリティ、ESGの方針・取り組みにつき議論を行い、ESGに関する取り組みのレビューやリスク管理を行っております。
また、当社は組織が小規模かつ簡素で、きわめて簡潔な業務執行体制を敷いております。ガバナンス・内部統制においては、この主たる業務執行体制の運用の徹底に主眼を置いております。このような背景のもと、当社における適正な業務の執行を確保するため、以下のような体制を整備しております。詳細は当社グループのコーポレート・ガバナンス報告書に記載しております。
a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
b.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
c.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
d.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
e.子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制その他の当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
f.監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該従業員に関する事項
g.監査等委員会の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項及び監査等委員会の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
h.当社の取締役及び使用人並びに子会社の取締役、監査役等及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が監査等委員会に報告をするための体制
i.監査等委員会又は監査役へ報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
j.監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
k.その他監査等委員会の監査が実効的に行なわれることを確保するための体制
③ リスク管理
ESGの重要性に鑑み、リスク低減と事業機会及びエコシステムシナジーの創出機会を着実に捉えるため、リスク管理及び機会管理を強化しています。
リスク管理においては、リスクの重要性を経営会議・取締役会等で定期的にモニタリングしております。各部門やグループ会社で管理可能なリスクは、各組織が中心となって対応しています。機会管理においては、当社グループ全体で重点テーマを管理しつつ、グループ全体のシナジーについて検討する部署をオーナーとし、優先順位の設定とミッションに適う取り組みを推進する仕組みを構築し、戦略的な事業展開につなげています。
(2) 気候変動への対応
① 概要
当社グループは環境に配慮した経営を実践しております。当社グループの手掛けるビジネスは、インターネットを活用したサービス提供が中心となっており、固定資産の保有も限定的なため、環境負荷の小さい事業です。当社が提供しているサービスを通じて医療業界全体のDX化に貢献しており、さらなる環境負荷の低減を支援することができると考えております。
また、当社グループのオペレーションにおいても、リモートワークを基本とした新しい働き方を導入するとともに、電子契約や社内書類の電子化によるペーパーレス化推進により、ヒトやモノの移動、紙資源利用の削減に取り組んでおります。また、エネルギー効率のよいサーバ等の調達をはじめとする省エネ推進等の取組を進めています。
② 具体的な取り組み
当社グループは気候変動への対応を重要な経営課題の一つと捉え、2021年には、気候変動に対する取組の一環として、TCFD提言への賛同を表明しました。
現在グループ会社全体での二酸化炭素排出量について、SCOPE1・2に該当する排出量の算定を進めており、当社の二酸化炭素排出量については、当社HPで公表しております。
(3) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標
① 人的資本に関する戦略
当社グループは、多様な人材こそが当社及びグループ全体の強みの源泉であるとの考えから、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障害の有無等による制限を受けることなく、それぞれの社員が持つ可能性を引き出せることが重要と考えています。この考えは採用方針のみならず、入社後も、多様な状況下にある社員が働きやすく、かつ働きがいのある職場環境の整備方針の前提にもなっています。
また、それぞれの社員が持つ可能性を十分に引き出すため、一人ひとりが生き生きと、自律的かつ自由にキャリアを描けるような組織づくりに注力しています。特に、自ら新たな価値を創り出す社員が高く評価されることで、結果として医療業界がより良い方向に向かい、個人も会社も成長する形が当たり前に実現できる組織を目指しています。
② 指標及び目標
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 |
全取締役に占める女性取締役比率 ※1、2 | 30% (10名中3名) | 33% (9名中3名) | 44% (9名中4名) |
女性管理職比率 ※3 | 33% | 35% | 37% |
女性従業員比率 ※3 | 57% | 58% | 57% |
有給休暇取得率 ※1 | 58% | 74% | 84% |
※1 エムスリー単体
2 期中に行われた株主総会での選任結果を反映
3 2021年3月期及び2022年3月期はエムスリー単体及び国内連結子会社における比率
2023年3月期はエムスリー単体及び連結子会社における比率
今後の目標は以下の通りです。
・女性取締役比率(エムスリー単体)について、40%を維持
・2030年までに女性管理職比率を40%
人的資本経営に関連した取り組み事例については、当社HP(https://corporate.m3.com/esg)にも掲載しております。
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