ウエストホールディングス 【東証スタンダード:1407】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループの経営理念は「ウエストグループに働く人は皆豊かで幸福でなければならない。そのためには常に変化に挑み、無限の可能性を信じ、顧客に満足願える仕事を通じて社員の幸福を増進し、会社の発展と繁栄を念願するものである。」であり、創業以来、不変の哲学として貫徹しております。その内容は、変化を恐れず、常にあらゆる可能性を模索し、お客様に感動を与え続けることで、実現する社員の幸福と会社の発展を、更なる挑戦意欲に連続的に繋げていくことを企図するものです。
(2) 経営戦略
トータルエネルギーマネジメントの創造、日本一のファブレス再生エネルギー電力会社を目指す
① 独自のビジネスモデルを構築
1.太陽光発電周辺事業への積極展開による再生可能エネルギーのプラットフォーマーとしての地位確立
2.発電所販売によるフロー収益とO&M、グリーン電力電源確保によるストック収益の同時追求
3.全国の提携地方金融機関からの情報提供をベースとした地域密着型営業の展開
4.不断のコスト削減による圧倒的な発電効率の実現
② 再生可能エネルギー事業
1.分散型電源としての自家消費モデル、グリーン電力供給用の非FIT対応モデルの拡充による環境貢献、地域貢献
観点での市場形成
2.特別高圧案件の開発及び施工の具体化
3.蓄電所の開発及び風力発電への事業展開
③ 省エネ・ウエストエスコ事業
1.設備を「所有」するから「利用」するへ
2.対象商材の随時追加による省エネ効果の拡大(蓄電池、冷蔵設備制御システム等)
④ 電力販売
1.グリーン電力事業の垂直立ち上げ
⑤ O&M事業
1.安心・安全・感動を提供できるO&M
2.当社グループが設置発電所以外の需要への受注拡大
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
目標とする経営指標として、企業の付加価値を如何に高めることができるかを重視し、今後もROE(株主資本利益率)の上昇を目指してまいります。収益改善を図り、資本効率の向上、経営資源の有効活用等を通して、企業価値を高めてまいります。具体的な収益性については、継続的に売上高営業利益率10.0%以上を確保することとし、2025年8月期においては23.4%(2024年8月期実績21.0%)を目標とします。
また、中長期的にわたる持続的な成長を確保するため、グリーン電力事業、自社売電事業、エスコ事業及びO&M事業を中心にストックビジネスの強化に取り組み、今後3年間は営業利益前期比15%増を目指します。成長戦略にも積極的に取り組み、自家消費用発電所の急増するニーズへ全力で対応するとともに、O&MやウエストFITの仕組みを最大限に活用し、資産を増やすことなく将来的なグリーン電力調達電源を大幅に増加させてまいります。
(4) 経営環境
当連結会計年度における我が国の経済は、世界的なインフレの継続や金融・為替動向等による様々な影響が懸念されるものの、海外経済が緩やかな成長を続けるもとでの引き続き緩和的な金融環境等を背景としたマクロ的な需給ギャップの改善に伴う、賃金と物価の好循環が定着する兆しが見受けられる等、景気は徐々に持ち直しの気配を示しつつあります。
一方で事業環境は、2020年10月の菅政権による、我が国が2050年までにカーボンニュートラルを目指す宣言、及び2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減する目標設定を契機とする、環境意識の高まりが一層加速しつつあり、自社消費電力の再生可能エネルギー調達へのシフトはRE100参加企業等の一部の大企業のみならず、サプライチェーンに関連する多くの企業にとっても、既に最重要課題と位置付けられております。2012年のFIT制度開始に伴い、安定投資対象として拡大してきた太陽光発電所をはじめとする再生可能エネルギー発電所は、環境問題の解決に向けた脱炭素化のための設備へと、大きくその位置づけを変え、再エネ発電所の取得ニーズ、グリーン電力の利用ニーズは日に日に膨らんでいる状況にあります。
このような状況の中、当社グループは2023年8月期より、再生可能エネルギーを取り巻く環境変化に迅速に対応するため、事業構造の大幅な転換に舵をきりました。自家消費型産業用太陽光発電所請負事業と非FIT太陽光発電所開発事業を二本柱として経営資源を集中し、非FIT関連事業を大きく伸ばしていく内容であり、それぞれの事業の立ち上げに注力した昨年度に引き続き、今年度からは着実な施工能力拡大に取り組みつつ、本格的な成長に向けてスタートを切りました。また、将来に向けての取組みとして、大規模蓄電所の開発着手、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を使った施工体制の確立、陸上風力発電所案件の事業化、使用済太陽電池モジュールのリユース・リサイクル等、新規事業へも積極的に取り組み、様々なアライアンス強化にも努めてまいりました。
(5) 会社の対処すべき課題
持続可能な社会、脱炭素社会の実現に向けて世界的なCO2削減、ESG投資の流れが起きている中で、今後ますます企業や自治体における再生可能エネルギーの導入ニーズが高まってくることが想定されます。このような市場環境の中で、当社グループは引き続き太陽光発電のEPC事業を中心とした総合エネルギーマネジメント事業を、新規事業への積極的な取組みと、アライアンス強化を軸に展開してまいります。
再生可能エネルギー事業のうち、産業用太陽光発電所請負事業におきましては、引き続きウエストサステナブルスタンダードを事業の基本方針と位置付け、短期需要剥落後のベース需要を元に着実な成長を企図するとともに、お客様ニーズの多様化に最速で対応できる態勢、機能の確立を図ってまいります。その一環として「GreenBee株式会社」との資本業務提携を行い、設計・提案のIT化によりソリューション提供力の質とスピードを強化してまいります。非FIT発電所開発販売事業におきましては、今後本格展開する高圧非FIT発電所を成長ドライバーと位置付け、トップラインの引き上げを図ってまいります。軌道に乗せることができた低圧非FIT発電所は、施工の平準化、施工前工程の効率化追求により、着実な成長と品質向上を重視してまいります。さらに第3の柱として、蓄電所の開発を進めてまいります。太陽光発電所への不適格用地の再活用により候補案件を一気に拡大、「EPC&メンテナンス」事業モデルと「自社保有・運営」事業モデルの併用により、案件に応じた適切な開発をおこなってまいります。
省エネルギー事業では、LED照明、空調設備に次ぐ商材として冷凍冷蔵設備の温度制御システムを展開してまいります。
電力事業では、ウエストFITの仕組みを用いたグリーン電力供給力の拡大を進め、フロー収益とストック収益の同時強化を行ってまいります。
メンテナンス事業では、非FIT太陽光発電所を中心とした低圧発電所の保守管理契約が大幅に増加する見込みであり、効率的かつ高品質なO&Mを強力に推進してまいります。
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