ウェーブロックホールディングス 【東証スタンダード:7940】「化学」 へ投稿
企業概要
(1)経営方針
当社は、安定的且つ継続的な成長を長期的目標とし、中長期的視野に立った事業ポートフォリオの構築を重視し、既存事業の強化と新規事業の確立を車の両輪と捉え、バランスの取れた資源配分・事業展開を目指しております。
この方針を明確化するために、2021年4月に新体制を迎えるにあたり、グループのビジョン・ミッション・バリューズを新たに制定いたしました。
「ビジョン」とは、実現を目指す、将来のありたい姿であり、ウェーブロックグループのステークホルダーの幸せを最大化するために、業界の中でも世界トップクラスの収益性を誇る存在感のある企業になることを目指します。
「ミッション」とは、企業が果たすべき使命・存在意義であり、ウェーブロックグループの製造技術、ノウハウ、ビジネス上のリレーションやネットワークを駆使して、社会が抱えるさまざまな「不」を解決することを目指します。
「バリューズ」とは、組織の共通の価値観であり、個人を尊重し、正直であり誠実に行動し、前向きな失敗は問わない、とするものです。
このような方針のもと、当社グループは、安定的成長を前提とした長期利益の獲得を企図し、利益率やROE、ROIC等、収益性や効率性を重視した経営を行っていくことを目指します。
(2)経営戦略等
当社グループは「異なる特徴を持つモノを複数組み合わせることで新たな価値を生み出すこと」すなわち『マテリアルシナジー』を事業キーワードとして、売上の伸張、収益性の向上、および事業領域の拡大に取り組んでおります。
当社グループが特に重視している「組み合わせ」は以下の5つです。
第一に、技術や素材の「組み合わせ」です。当社グループの製品は樹脂を中心に、異なる性質を持つ素材の組み合わせや、複数の加工を加える事で付加価値を提供しています。素材としては樹脂、紙、糸、金属等、技術としては接着、溶着、ラミネート、表面加工、印刷、エンボス加工、編織、蒸着、発泡等であり、それらを複数組み合わせて製商品を提供しております。
第二に、事業の「組み合わせ」です。複数の異なる事業を組み合わせる事で、1つの業界、1つの市場の趨勢だけで会社全体の命運が左右されないような事業ポートフォリオの構築に努めております。また、事業の成熟度・成長性のステージが違う事業を組み合わせることで、成熟した事業が生み出すキャッシュ・フローを、成長が期待できる分野へ投入することも可能となります。
第三に、成長手段の「組み合わせ」です。スピードある成長を可能にするM&Aやパートナー企業との事業提携、JVの設立などの外的成長と、雇用の創出・士気高揚に繋がる内的成長(オーガニックグロース)の組み合わせをバランス良く取り入れる事が重要だと考えています。
第四に、ジオグラフィック上の「組み合わせ」です。事業を展開する地域に関しても、特定地域に集中せずバランスが重要と考えております。工場および事業所、海外子会社等は、日本国内においてのみならず、海外においても1つの国や地域に集中しないよう意識しております。
第五に、パートナー企業の「組み合わせ」です。当社グループの製品の多くは中間加工製品です。このため、前工程(材料メーカー、シートメーカー等)、後工程(加工メーカー、最終メーカー等)に携わる企業との継続的な協力関係が極めて重要と考えております。単なる取引先という関係ではなく「パートナー」としての友好関係が重要であり、分野毎に、国内・国外を問わず、パートナー企業との関係作り、関係強化は当社グループの業績の成否に直結します。
また、多角化戦略として、マテリアルソリューション事業、アドバンストテクノロジー事業それぞれの事業領域において、既存領域分野における深化と新規領域分野の探索を通じて、多角化を実現するとともに、2既存事業以外の分野における新規事業の探索も「樹脂の加工」に拘らず行っていく所存です。
(3)経営環境
当社グループの事業領域の中心である日本国内の樹脂製品、樹脂加工業界および当社グループは、近年、以下にあげる構造的な状況に直面しております。
第一に、当社グループの事業は、主として建設資材、住宅資材、農業資材等の国内の成熟市場に依拠しており、今後の人口減少に伴い、市場全体の成長性が乏しいことがあげられます。
第二に、成熟した国内市場に海外からの廉価品が輸入され、価格競争が激化しております。
第三に、当社グループの製品は、原材料に占める樹脂依存度が高く、その収益性を樹脂材料の価格に大きく依存しております。とりわけ、昨年度後半からのナフサ価格の急騰は当社製品製造における原価上昇に直結し、利益率を下げる要因となっております。今年度におきましても、世界における樹脂の需給状況や為替等により原材料価格の動向はきわめて変動的であり、加えて、主要原材料メーカーの統合により当社グループの価格交渉力が低下していることが、収益性に大きく影響する可能性があります。
このような経営環境の下で、当社グループは、上述した経営方針・経営戦略のもと、売上の伸長、収益性の向上、および事業領域の拡大に取り組んでおります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、以下のような課題に優先的に取り組んで参ります。
①事業戦略の見直し:事業ポートフォリオのゼロベースでの見直しと製品の取捨選択
②ハード(製品)だけでなく、ソフトやサービスとの三位一体化による差別化、収益化
③生産合理化による継続的なコストダウン
④原材料価格上昇に伴う製造原価上昇をカバーする製品価格への転嫁
⑤海外関連ビジネスの強化:日本依存度の低減
⑥組織の再編と人材強化
マテリアルソリューション事業においては、生産性の向上・資材調達の見直し等による全般的なコスト削減を進め、同時に、一定の利益率を維持する為に、原材料価格の上昇に伴う製品原価上昇をカバーする製品価格への転嫁など、機動的に対応することで競争力を強化しつつ、成熟した国内市場でのプレゼンスの向上に努めます。また、採算性の良い製品の一層の充実を図るための商材の選択と集中に努めつつ、市場のニーズを捉えた新製品を投入するため、技術開発や海外の廉価原材料の調達、海外企業への技術指導や提携等による高品質な製商品の輸入等、海外への積極的な展開を図ります。
アドバンストテクノロジー事業においては、成長が見込まれる金属調加飾フィルム分野への経営資源の重点投入と収益の拡大を最優先課題として取り組みながら、世界市場に対応できる独自の差別化された高付加価値製品の開発や新商材の発掘を進めて参ります。
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