インテリックス 【東証スタンダード:8940】「不動産業」 へ投稿
企業概要
当社グループは、企業理念に基づき、事業と一体となってサステナビリティ課題に取り組むと共に持続的な成長に向けた重要課題(マテリアリティ)を特定し、事業を推進しております。
マテリアリティ
マテリアリティ | ESG | 取り組み方針 | 具体的な取り組みの方向性 |
循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現 | E | 自社や顧客の循環型経済(サーキュラーエコノミー)に資するビジネスモデルを構築・推進することにより、バリューチェーン全体の脱炭素化/カーボンニュートラルに取り組む。 | ・省エネリノベーション「エコキューブ」の推進 ・温熱計算業務の標準化、効率化 ・省エネ性能の見える化推進 ・GHG排出抑制に向けた取り組み |
多様な人材の活躍 | S | 多様な人材が潜在的能力を発揮できる企業文化を育み、変化に強い社員・企業へと変革する。 | ・企業理念の浸透 ・女性活躍に向けた取り組み ・承認する職場づくり |
責任あるビジネスプロセスの構築 | G | サプライチェーン全体を通じてESGリスクの最小化を図り、ステークホルダーの信頼を獲得する。 | ・コンプライアンス研修実施 |
当社グループでは、「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」というVISIONを掲げ、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現を目指しております。主力事業であるリノベーションが果す役割は、単に中古住宅を改修することで機能や価値を再生するだけではありません。そこに住む人々に対して、新たな住まい方、健康で豊かな暮らし、さらには環境負荷軽減に貢献する「エコキューブ」などの普及を促進することにより、地球環境にやさしい生活を提案することこそが、当社グループの担う重要な役割であると言えます。
「循環型リノベーションモデル」は、リノベーションを通じて循環型経済の実現に貢献することのできる「新しいビジネスモデル」であり、当社グループが掲げるVISIONを実現するための「成長戦略」でもあります。
(1)サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社グループでは、取締役会の諮問機関として、2022年6月に社長を委員長とするサステナビリティ委員会(委員の構成等は下図のとおり)を発足させ、コーポレート部門や営業部門等と連携しながらサステナビリティ経営を推し進めています。
同委員会では、分科会としてE(環境)グループとSG(社会・ガバナンス)グループを組織し、Eグループが気候変動に関して、SGグループが人的資本及びガバナンスに関して、それぞれ対応方針作成や具体的な施策の取り纏め等の活動を行っております。また、同委員会にて定期的にリスクや機会の評価、戦略・計画・予算の見直しの状況等をモニタリングし、取締役会へ報告・提言を行っております。
②リスク管理
当社では、財務または戦略面で重大な影響をもたらすリスクについては、コンプライアンス・リスク管理委員会とも連携しつつサステナビリティ委員会にて当該リスクに対する分析を行い、適切な対応を定めると共に、定期的に取締役会に報告しています。このうち、気候変動関連については、自然災害により不動産が直接被害を受けるリスクだけではなく、エネルギーや資材価格の高騰等、その他バリューチェーンで発生し得るリスクについても、想定される発現時期も含めて評価しております。
(2)気候変動への対応
①ガバナンス
当社では、マテリアリティの1つに「循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現」を掲げ、全社的に取り組んでおります。気候変動への対応は、当社が取り組むべき最も重要なテーマの1つであり、着実に進めるため、サステナビリティ委員会を中心として各部門との連携を強化して取り組みを推進しております。サステナビリティ委員会に気候変動戦略の立案と推進を行うEグループを設置し、気候変動に関するリスクや機会について審議し、取締役会にその審議内容や対応方針について提言を行っております。
②戦略
当社グループにおける、前述のサステナビリティに関して特定された重要課題(マテリアリティ)の解決に向けた取り組みの方向性を認識すると共に、気候変動に関するリスクと機会が自社にもたらし得る影響について、シナリオ毎の違いも考慮して把握し、サステナブルな社会の実現に向けて取り組みを行っていきます。
(気候変動に関するリスクと機会)
リスク
機会
なお、特に炭素税についてはIEA(世界エネルギー機関)の「NZE 2050」シナリオ値を参照し財務影響の定量化を試行的に実施し(※現在精査中)、それ以外のリスク・機会については、移行リスクの高まるシナリオ(1.5/2℃シナリオ)および物理的リスクの高まるシナリオ(4℃シナリオ)の両面から定性的に評価しております。
③リスク管理
気候変動に関するリスク管理については、前述のサステナビリティ全般・リスク管理と同様となります。
④指標及び目標
当社グループでは、2023年5月期のGHG排出量の実績については、Scope1、Scope2、Scope3別に算定しました。気候変動に関するリスクと機会を管理するためのGHG以外も含めた指標や目標についても今後検討いたします。
(温室効果ガス(CO₂)実績)
算定期間:2022年6月~2023年5月
Scope2算定方法:マーケットベース
開示対象:Scope1,2およびScope3 カテゴリ3,6,7,13は、インテリックスグループ全体を対象としています。
Scope3 カテゴリ1,4,5,11,12は、リノヴェックスマンション事業を対象としています。
なお、Scope3のカテゴリ分類は、下記の通りです。
カテゴリ1 :購入した製品・サービス
カテゴリ2 :資本財
カテゴリ3 :Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動
カテゴリ4 :輸送、配送(上流)
カテゴリ5 :事業から出る廃棄物
カテゴリ6 :出張
カテゴリ7 :従業員の通勤
カテゴリ8 :リース資産(上流)
カテゴリ9 :輸送、配送(下流)
カテゴリ10:販売した製品の加工
カテゴリ11:販売した製品の使用
カテゴリ12:販売した製品の廃棄
カテゴリ13:リース資産(下流)
カテゴリ14:フランチャイズ
カテゴリ15:投資
(3)人的資本
当社及びグループ会社は、「インテリックスグループ人的資本経営方針」を定め、重要な経営資産である「人的資本」の価値を最大限に引き出すことを通じて中長期的な企業価値向上につなげる経営である「人的資本経営」を目指します。
(人的資本に対する取り組み姿勢)
当社グループでは、MISSION「人と社会と新しい価値をつなぎ、幸せをつくる」を掲げ、「つぎの価値を測る」をSLOGANに、持続的な企業価値向上を目指しています。全社員一丸となってVISION「すべての人にリノベーションで豊かな生活を」を実現できるように取り組んでいます。
この考えのもと、当社グループにとって重要な経営資産である「人材」が持続可能な競争源泉であると位置付け、マテリアリティに『多様な人材の活躍』を設定します。多様化する従業員の就業意識や、社会の公器として企業に求められる機能や役割などに対応し、多様な「人材」を惹きつける組織としていきます。多様な人材が持てる能力を最大限に発揮しうる環境を醸成し、経営戦略と連動した人事戦略を実現していきます。
①戦略
(人事戦略の3つの柱)
●「多様性を活かす」 → 人材育成方針、社内環境整備方針
人材の多様性を、急速に変化する世の中に「柔軟に対応する力」や、迅速に次の打ち手を創り出せる「組織の力」に変えることが重要だと考えています。
●「戦略的な人材育成」 → 人材育成方針
自己変革に挑戦する社員を尊重し、「成長・活躍・自己実現の場」を提供することが重要だと考えています。
●「いきいきと働きやすい風土づくり」 → 社内環境整備方針
「心身ともに健康で働ける」かつ「パフォーマンスを最大限発揮できる」職場の提供をし続けることが重要だと考えています。
当社グループの成長に向けた「人材戦略VISION」と「人材戦略の3つの柱」
(戦略実現に向けた取組と課題)
人材戦略VISIONに基づき、社員が自発的に行動、ともに連携しながら、自社のさらなる発展を目指し、活躍し続けられる環境構築のために全社員対象に意識調査を実施。企業・社員双方にとって有用な人材育成方針及び社内環境整備方針の策定にあたり、今後優先的に対応したい課題の抽出を行いました。
●抽出された課題
a.経営の方向性やMISSION VISION VALUEに対してより高いレベルでの共感及び実行主体としての当事者意識醸成
b.組織やチームの課題に対し、自分事として解決に挑む個々のリーダーシップ開発及び今後の組織マネジメントを担う若手・中堅メンバーへの教育強化
c.多様な人材活躍のための企業風土の醸成、採用・育成の新しいシステムの構築
d.達成感や成長実感、貢献性などの働きがいを実感できる制度・職場環境の向上
会社・組織としての競争力強化・優位性を保つために、今までの能力ある個人がそれぞれで活躍をする「個」の組織から、相互信頼のもと連携し「チーム」として課題を解決していく組織への意識変容が必要であると考えます。
社員の成長・能力向上と会社の発展が相互的に作用し、企業としての更なる価値向上・持続的な成長を実現する為に、抽出された課題に対して人材育成方針及び社内環境整備方針を定め、多様な人材が活躍できる組織づくりに取り組んでまいります。
(人材育成方針および社内環境整備方針)
a.人材育成方針
インテリックスグループ 人材戦略VISION「社員が、企業理念に共鳴し、お互いに信頼し合い、ともに成長し続ける」に基づき、ひとりひとりが「気づき、考え、行動する」人となることを目的として計画的な採用、教育、異動、キャリア開発等を積極的に実施します。多様な人材が活躍できる企業になることを目指します。
人材育成方針に関する取り組み
重点項目 | 概要 |
採用活動の見直しと強化 | 人材要件の再設定など、採用活動の見直しを行い、新たな方法や仕組みづくりで必要な人材を確保する。 |
教育体系の再構築 | 階層別や職種別の研修制度設計など、教育体系を再構築して、早期戦力化、能力向上、高度な人材の育成を図る。また、若手・中堅社員に対して、未来を創る次世代リーダーとしての自覚、挑戦の機会を創出する。 |
ダイバーシティへの取り組み | 年齢や性別、身体能力に関わらず、多様な人材がそれぞれの能力を十分に発揮できるように、ダイバーシティへの取り組みを推進する。 |
b.社内環境整備方針
人材育成方針と連動した社員の自主性とチャレンジ精神を評価する評価制度、公正性・透明性を確保した給与制度、社員の心理的安全性を高める取り組みなどを実施することで、すべての従業員が、能力を最大限に発揮できる環境整備、達成感や貢献実感などの誇り・やりがいを持ち活躍できる組織づくりを行い、従業員のエンゲージメント向上を目指します。
また、自部署だけでなく他部門・メンバーの状況について積極的に知り、かかわり合おうとする意識変容の促進・環境整備に取り組んでまいります。
社内環境整備方針に関する取り組み
重点項目 | 概要 |
社内コミュニケーションの活性化 | 社内報や交流イベントなど、部門・チームを超えたコミュニケーションを活性化させることで、相互理解促進によりお互いを信頼・称賛し合える企業文化を醸成する。 |
最適な人材配置によるパフォーマンスの最大化 | 社員情報の一元管理によって、個々の能力や強みを把握・分析し、人選を適切に行い、企業全体の業績アップや生産性向上を図る。 |
人事制度の見直し | 新たな評価制度・給与制度など、社員にとってより公平・公正で、活力を引き出す人事制度の導入を検討する。 |
②指標と目標
a.社員が仕事と子育てを両立させることができ、働きやすい職場を作ることによって社員の能力を発揮できるように、積極的な推進とその実現を行ってまいります。
●有給取得率
年末年始、夏季休暇、GW休暇では、有給を合わせて取るように促す有給奨励とすることで、結果として2021年度の指標を上回りました。今後も積極的な取得促進を行ってまいります。
| 2022年度 | 2021年度 |
有休取得率(%) | 65.5 | 56.6 |
※有給取得率=消化日数/付与日数×100(%)として計算しています。「付与日数」は繰り越し日数を除き、「取得数は」実際に取得した日数です。
※有給付与期間は、1/1~12/31の間の付与日数で計算しています。
※厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」より、令和3年の年次有給休暇取得率の平均は、56.6%(不動産業単体:58.3%)
参照:令和3年就労条件総合調査の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaikyou.pdf
b.人材戦略の3つの柱の「いきいきと働きやすい風土づくり」に向け、離職率の低減、働き方・モチベーション向上を積極的に推進し、また多様なスキル・バックグラウンドを持った人材を積極的に採用することで、社員とともに成長し続ける企業を目指します。
●働き方
・リモートワーク率
時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方を進し、育児・介護等の家庭と仕事の両立や、多様な人材の能力発揮が可能になることをねらいとし実施しております。
・育児休業復職率
育児休業から復職する社員は100%となっております。個人毎に勤務時間を柔軟に設定できる短時間勤務制度や、リモートワークやフレックスタイム制を活用し雇用継続を図っております。
・宅地建物取引士取得率
資格取得支援制度や資格手当を付与するなど社員へのモチベーションアップ・人材育成に繋げられるよう取り組み、知識量向上として業務での活用を推奨しております。
| 2022年度 |
リモートワーク率(%) ※1 | 65.8 |
育児休業復職率(%) | 100 |
宅地建物取引士取得率(%) ※2 | 46.2 |
※1 リモートワーク率=リモートワーク申請数/全正社員雇用数×100(%)として計算しています。
※2 宅地建物取引士取得率=宅地建物取引士取得者数/正社員雇用数×100(%)として計算しています。(連結子会社を除く)
●多様な人材活用
・シニア世代の活躍推進
定年到達社員の再雇用人数や、知識・経験を有するシニア人材の雇用により、業務・技術伝承や後進育成を推進する環境を充実し、知識・技能の維持向上による競争力強化に取り組んでまいります。
・障害者の安定雇用
誰もがいきいきと働ける社会の実現に向け、障害者雇用を推進しております。
ハローワークや就労支援機関などと連携した採用活動を進め、(法定雇用率を上回る人材が在籍・活躍しています。)障害者の就労継続のため、勤務時間や働き方、業務内容について個々人に応じ柔軟に設定し、環境整備にも継続的に取り組んでおります。
今後も一人ひとりの可能性を大切にし、それぞれの能力を最大限に発揮して活躍できる職場づくりに取り組んでいきます。
| 2022年度 |
再雇用人数(名) | 8 |
障害者雇用(名) | 9 |
●離職率
厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、不動産業界平均離職率は11.4%であり、こちらの数値を下回る結果となりました。今後、職場環境整備および個々人の能力開発・最適配置等を行うことで、社員一人ひとりがモチベーションを高く持ち業務を遂行できるような環境づくりをしてまいります。
| 2022年度 | 2021年度 |
離職率(%) | 10.3 | 12.4 |
※不動産業界平均11.4%
参照:令和3年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf
●採用実績
中途・新卒採用共に、前々期と比較し増加傾向にあります。また当社では、仕入営業職での募集割合が高く、既存社員においても男性の割合が多く占めています。その中で、時短勤務やキャリア選択の機会を積極的に増やし、活用することで女性割合も今後増やしていくよう努めております。
中途採用では、後継者育成の観点からも、多様な知識・経験を有する人材採用を引き続き行ってまいります。中途経験者人材獲得が難しいいま、2024年5月期に関しては20名以上の新卒採用を積極的に行い若手人材の獲得・育成にも注力してまいります。
| 2022年度 | 2021年度 | |
新卒採用 | 男性(名) | 5 | 5 |
女性(名) | 3 | 1 | |
全体(名) | 8 | 6 | |
中途採用 | 男性(名) | 30 | 23 |
女性(名) | 18 | 15 | |
全体(名) | 48 | 38 |
●平均勤続年数、年齢
| 2022年度 | 2021年度 |
平均勤続年数(年) | 7.5 | 7.4 |
平均年齢(歳) | 39.5 | 40.0 |
※正規雇用労働者における数値です。
●総労働時間
働き方改革の推進を目的に、下記当社従業員一人当たりの月平均労働時間を指標とし、今後はフレックスタイム制をさらに有効的活用・柔軟な働き方を推進し労働環境の改善、意識向上に務めていきます。
| 2022年度 | 2021年度 |
年平均総労働時間(時間) | 2,193 | 2,174 |
月平均総労働時間(時間) | 182 | 181 |
※短時間勤務者および休職中従業員を除く数値です。
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