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企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
① 広告・マーケティング事業
当該事業においては、クライアントと共に考え、共に行動し、より効率的な広告戦略をイメージし、クライアント企業にとっての最高のマーケティングパートナーを目指すことを基本理念としております。そのために「いつも生活者の視点から立案し、生活者の心に届く広告の創造」を心がけ、顧客満足追及のための継続的改善を図ります。
当社グループの特色である地域密着型の広告サービスを中心として、強みである次の3点を最大限に活かして、クライアントの広告戦略立案から実行のパートナーとして信頼され頼りにされる企業であり続けることにより、クライアント、地域社会、取引先、従業員とともに成長し、その成長による利益を株主に還元し続けることを、経営の基本方針としております。
1)社内に制作部門を有し、当社独自の企画・立案、ビジュアルデザイン、コピーを制作し、クライアントの要望に応えること。
2)クライアントの要望に応えるために、特定の広告媒体に特化することなく、デジタル広告を中心とした新たな広告手法と既存の広告手法を掛け合わせて最適な広告手法を提案すること。
3)当社グループが創る広告を中心とした情報の受け手である地域消費者の動向や意識を理解して、クライアントと地域消費者の間で価値ある双方向のコミュニケーションを展開すること。
② 債権投資事業
当社グループが債権投資事業を営む目的は、当社グループの主たる事業地域である北海道経済の影響、ならびに広告業界の動向の影響を受けにくい収益基盤を追加し、広告・マーケティング事業による収益を補完することにあります。したがって、広告・マーケティング事業の運営に支障をきたすことのないような適切な事業規模を設定し、慎重にリスクを分析して可能な限り安定的な収益を確保することを基本方針としております。
(2)経営戦略等
① 広告・マーケティング事業
広告費の費用対効果検証の傾向が強まることに対応するために企画提案力の充実を図り、次の5点を重点戦略として営業活動を展開して参ります。
1)「マーケティングパートナーの位置付け」としてのクライアント企業を増やす。
「マーケティングパートナーの位置付け」とは、クライアントの広告戦略立案時点から関与し、その策定をクライアントの営業部門や販促部門と共同で行い、結果として年間における個々の案件受注が当社グループに導かれるという意味です。当社グループを、そのような「マーケティングパートナー」と位置付けをしていただくクライアントを着実に増やしていくべく営業活動を展開します。
2)既存顧客からの受注を拡大する
広告戦略への関与においては、常に有効で新規性のある当社独自の企画を提案し続け、クライアントのイメージと業績向上に寄与することで、当社グループに対する価値を高いものとして認識し続けて頂き、当社グループへの受注をより一層拡大するべく営業活動を展開します。
3)新規顧客の獲得
北海道、札幌圏の都市を拠点とするクライアントに対しては、引き続き当社独自のマーケティングリサーチに基づいた広告戦略の提案を行い、道外のクライアントに対しても協力会社との連携による幅広いサービスラインナップと当社の培った地域密着型の広告展開のノウハウを活かした提案を通じて、全国での新規顧客獲得に注力します。
4)デジタルマーケティングの強化
クライアント企業による広告戦略の見直しや広告宣伝費の費用対効果の検証の傾向への対策として、Web広告やSNS等のデジタルマーケティングを効果的に取り入れ、マスメディア4媒体等の従来の広告手法と組み合わせた広告・販促手法を「ワンストップ」で提供できる企画提案力を強化します。
5)地方創生に貢献する
当社グループの特色である地域密着型の広告サービスとして引き続き「北海道の魅力」を効果的に発信するためのコンサルティング力を高めてまいります。また、全国の各地方自治体の地方創生の取り組みに関する支援ニーズも拡大していくものと予測しており、当社グループの地域商社における業務と併せ全国で地方創生や観光開発に関する専門コンサルティング業務を展開する計画です。
② 債権投資事業
事業の性格上、不確定要素を排除することは困難であるため、適正な事業規模を維持するとともに可能な限り複数の投資対象債権にリスクを分散することが重要であると考え、中長期的には、投資回収が完了した資金を順に充当することによって、常時数件の投資債権(個別債権の集合体)に投資する計画です。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
① 広告・マーケティング事業
当社グループの広告・マーケティング事業における収益構造の特徴は、社内に印刷等の製造部門を有しないために生産設備投資がなく、多店舗展開事業のような営業拠点投資がないことから、設備投資は極めて限定的であり、売上原価の殆どを社外発生原価としての変動費が占めることです。また、社内発生原価および販売費及び一般管理費は、人件費および人員数に対応する性格の費用が殆どを占めることから、中長期的には準変動費ですが短期的には固定費的な性格です。
以上のことから、当該事業における重要な経営指標は、当該セグメントの営業利益率であり、その目標値ならびに達成状況は下記のとおりです。
セグメント利益率
目標:8%以上 当連結会計年度実績:12.0%
② 債権投資事業
当該事業の性格上、不確定要素を排除することは困難であるため、融資による利息収入部分を除き、他の事業へ支障をきたすことのないような適切な分散投資を行うことが重要であり、投資債権(個別債権の集合体)ごとの収益目標を高く設定すること、ならびに投資回収期間を可能な限り短期に設定することが重要と考え、次の1点を重要な目標として経営指標としております。
投資債権(個別債権の集合体)ごとの粗利益率
目標:25%以上 当連結会計年度実績:平均30.9%
(4)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
社会経済活動の正常化が進み今後も緩やかな景気回復基調での推移が期待されるものの、引き続き各国の景気変動リスク、為替動向、ウクライナ情勢等の地政学的リスクなどにより、国内経済、企業収益及び個人消費などすべてにおいて不透明な状況が想定されます。当社グループは、課題に対処しながら各事業セグメントの事業環境にあった積極的な事業展開を講じてまいります。
① 広告・マーケティング事業
当該事業が今後も継続して発展拡大していくためには、デジタルマーケティング分野を中心として、新たなサービスを拡大し続けることで、クライアント企業の集客戦略及び販売戦略を実現する総合的な広告・マーケティングを企画・実施し、より広い範囲でクライアント企業の業績向上に寄与する「マーケティングパートナー」として広告業界の中で地位を確立することを課題としており、課題の達成を通じて競合他社と自社グループを差別化することが最も重要であると認識しております。
当社を取り巻く事業環境としては、クライアント企業は引き続き広告販促費の費用対効果の検証を重要視し広告販促戦略の見直しの傾向が継続するものと想定されます。そのため、広告業界の競争は一段と激化し、価格優位性に加えて、効果的な企画提案力の充実と実績が求められる傾向が継続するものと予想されます。 また、地方創生事業を中心とした官公庁事業受託拡充への取り組みにおいて、制度改正による自治体へのプロモーションの影響や再構築の必要性も考えられます。さらに今後はインターネット広告分野での競争環境も激化すると考えております。
そのような中で、費用対効果の検証が可能なデジタルマーケティング分野への広告販促戦略の移行は今後も継続すると想定されるため、クライアントの要望を汲み取り、よりターゲットを絞り込んだ、よりキメ細かな広告伝達による、直接的な集客効果や売上拡大効果の高く検証可能な広告手法を提案する能力を高めていくよう取り組んでまいります。
1)広告宣伝の企画・立案力の強化
クライアント企業の要望に基づき、より絞り込んだターゲット層に対して訴求するメッセージを明確にするとともに、多様化した広告媒体から最適な手法を選択して、より具体的でより効果のある広告手法を提案する能力を高める必要があります。
2)新規顧客の獲得とサービスの充実
当該事業は、経済全体の好不況もさることながら、発注していただくクライアント企業個々の業績や広告戦略に大きく影響されます。また、事業の性格から顕著な参入障壁がなく、更にクライアント企業は重要な障害なく発注先を変更可能です。
当社グループが継続的に発展拡大するためには、常に新規クライアント企業の獲得を可能にする能力を高める必要があります。
新規クライアント企業の持つ要求に対して最適な提案をするためには、既存の広告手法の充実とともにデジタルマーケティング分野や地方創生事業分野を中心としたサービスラインナップの拡大を図ることで、当社グループが広告業界の変化を創り出し、常に魅力あるパートナー企業として地位を確立することが必要です。
3)人材の確保・育成
当該事業は、製品や店舗によって差別化されるものではなく、クライアント企業との打合せとそれに基づく提案内容によって差別化を図るという特徴があります。このことから、他業種と比較して、営業、制作、マーケティング、各部門の社員一人ひとりの能力がより一層重要であります。社員一人ひとりの能力をいかに高め、いかに引き出すかが当社グループの取り組むべき最も重要な課題のひとつであります。
② 債権投資事業
当該事業においては、債権の性質上、債権回収が進むと回収困難な債権の比率が高まり、回収額は逓減する傾向が今後も継続します。引き続き、新たな投資債権(個別債権の集合体)の購入を図ってまいりますが、広告・マーケティング事業の運営に支障をきたすことのないように適正な事業規模を維持するとともに、可能な限り複数の投資対象債権にリスクを分散することが重要であるため、次の2点を維持することが当該事業の安定的な収益確保のために対処すべき課題であります。
1)当社グループの財務状況に基づいた投資資金の継続的確保
2)リスク分析のうえで適切な投資対象(機会)の継続的確保
(5)具体的な取り組み状況
各セグメントにおける対処すべき課題に対する取り組み状況は以下のとおりになっております。
① 広告・マーケティング事業
1)インサーチ(INSEARCH® https://www.insearch.jp/)の運営
当社グループは、独自の市場調査及び広告効果測定インターネットサイト「インサーチ(INSEARCH®
https://www.insearch.jp/)」を運営し、クライアントの要望に応えるべく生活者の声を反映した広告戦略を企画立案しております。この「インサーチ」のマーケティング調査をより一層充実したものとし、当社グループ独自の企画提案に活用することにより、一層の競合差別化を図る所存です。
2)戦略的提携
当社グループは、自社のサービスラインナップの充実を図り、クライアントにとってより費用対効果の高い広告手法を提案する能力を高めるため、デジタルマーケティング分野において様々な新規的サービスを展開する企業との協力関係構築を進めております。
3)当社独自の目標管理制度と教育訓練
当社グループ独自の人事評価制度を導入し目標管理制度を実施しております。これは、社員一人ひとりについて、きめ細かく目標を設定し評価するとともに、適時その目標に対しての実績及び当月以降の計画について上司と本人が話し合うものであります。当社グループの小規模組織運営の強みを活かすため、個人別OJT等により社員個人一人ひとりの成長について、適時具体的に本人と上司が話し合い、指導及び助言を実施しております。
② 債権投資事業
1)貸金業法に基づく貸金業者としての事業
投資債権(個別債権の集合体)への分散投資による安定的かつ継続的な回収と、より安定的な回収を一定期間にわたって想定可能な回収との組み合わせを実現するため、貸金業法に基づく貸金業者の登録を受けております。引き続き投資債権(個別債権の集合体)の投資購入に加えて、貸金事業者として、債権投資事業者等に対する融資事業による安定的な回収を複合的に実施することにより、高収益化による利益の確保と継続的な投資資金の確保を図る計画です。
2)サービサーとの協力関係の維持強化
不良化した金融債権等のセカンダリー市場において、一定規模の投資債権(個別債権の集合体)を継続的に購入するために、投資案件に関する情報収集として、現在債権回収管理業務を委託しているサービサーからの投資債権(個別債権の集合体)情報の積極的獲得並びに当該サービサーとの協力関係の維持強化に努めております。また、投資債権(個別債権の集合体)の査定評価は、実務経験と実績のあるサービサーに鑑定評価を委託することで、回収率の見込みと回収期間のリスクを低減できると判断しております。リスク分散に関しては、債権内容の異なる投資債権(個別債権の集合体)に複数投資することによって、外的な経済環境の変化への対応を図っております。
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