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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1.会社の経営の基本方針

 当社グループは「自分が関わること1つ1つに Impact を与え続けよう。人々の心に伝わる小さな Impact の積み重ねが、やがて世界を揺るがす大きなうねりとなるから。」という想いを「Impact On The World」というミッションに定め、データとテクノロジーによって世界中の企業によるマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せをつくる企業を目指して事業展開を行っております。

2.経営環境

 当社グループは、拡大しているインターネット広告市場において、広告効果測定とともに、運用型広告の効果最大化及び運用効率化のニーズ、さらには広告効果測定から運用型広告の一連の動きを一貫して最適化するマーケティングDX分野のニーズが高まってくると考え、これらのニーズに応えるため、マーケティングプラットフォーム事業において、広告効果測定プラットフォームの「アドエビス」や運用型広告のレポートを自動作成するツール「アドレポ」等の、多様化・分散化する消費者行動をメディア・デバイスに関わらず横断的に測定、活用するためのサービスを展開してまいりました。

 折しも、新型コロナウイルス感染症の拡大を機にDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されておりますが、マーケティングの業界におけるDX実現のためには、当社主力サービスである「アドエビス」の提供価値であるデータの計測や活用等が必要不可欠になってくるものと考えております。

 また、商流プラットフォーム事業においては、EC構築のためのオープンプラットフォーム「EC-CUBE」を提供し、「EC-CUBE」と連携する各種サービス(決済代行等)の提供事業者からマージン収入を得ております。コロナウイルス感染症の拡大により外出機会が減少する中、巣ごもり消費としてEC市場の流通額が一時期急増いたしましたが、直近ではECカート市場の競争も激化していることから、「EC-CUBE」の展開に加えて、競争力強化のためにEC構築・運用支援領域への再参入を行い、ECサービスの垂直統合モデル構築に取り組んでおります。

3.経営戦略等

 当社グループは、2023年11月に発表いたしました中期経営方針「VISION2027」において、マーケティングプロセス支援領域、EC構築・運用支援領域の2つの領域を柱に事業展開を行う方針を掲げております。

 既存事業で培ってきた基盤を軸に、ツール提供に留まらず、顧客それぞれの状況に応じた課題を解決するために人的支援サービスの提供を行うなど、当社サービスを拡大していくことで、顧客企業のマーケティングDXの推進に貢献することを目指します。

4.目標とする経営指標

 当社グループの売上の大半を占めるマーケティングプラットフォーム事業はサブスクリプション(継続課金)を主な契約形態とするビジネスであり、契約の積み上げが安定的な売上計上につながるビジネスモデルとなっております。このため、当社グループでは、最重要視する経営指標として売上高を掲げており、同時に適正な利益計上及び株主還元についても重視しております。

 中期経営方針「VISION2027」では、既存事業の継続的な成長を推進するとともに、新たな収益の柱とするべくマーケティングプロセス支援領域、EC構築・運用支援領域の拡大で成長を加速し、連結売上高100億円達成への道のりを明確なものにしてまいります。

5.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、主にインターネット広告市場を中心に事業を行っており、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

(1) 事業展開について

 中期経営方針「VISION2027」として、マーケティングプロセス支援領域、EC構築・運用支援領域の2つの領域を中心にサービス拡大を図ることを掲げております。マーケティングプロセス支援領域では、当社が強みを持つマーケティング施策の効果測定をはじめ、適応学習、投資選択、実行・管理に至るまでのマーケティングプロセスの円滑な循環を目指し、顧客のDX推進に貢献いたします。EC構築・運用支援領域においては、長年EC構築プラットフォームを提供してきた知見を活かし、カスタマイズ性に富んだECサイトの構築から運用伴走支援に至るまで、垂直統合モデルの実現に取り組んでまいります。

 なお、重点戦略は以下のとおりであります。

① マーケティングプロセス支援領域の新サービスローンチ及びクロスセルの促進

② コマース支援事業の垂直統合と生産性の向上

(2) 環境変化への対応について

 オンラインにおけるプライバシー保護とパーソナルデータの適切な活用への関心が高まるとともに、情報セキュリティに対する脅威も年々増大し、加えて個人情報保護に関する国内外の法規制も強化されております。このような状況下において、プライバシーへの配慮や情報セキュリティ強化とパーソナルデータの利活用を両立させるための技術開発を推進してまいります。

(3) 人財について

 当社グループでは、これまで開発部門、営業部門、カスタマーサクセス部門の体制強化を行いながら業容を拡大してまいりましたが、今後の継続的な成長のためには、これらの部門のさらなる強化はもとより、新規事業開発の人員体制拡充も必要となります。

 また、事業の成長拡大や多角化により、高い専門性を有する人財の獲得及び育成については重要な経営課題となっております。今後も、多様な働き方を支援する制度・環境の整備や、人財成長を促す教育の充実を行いながら、持続的な雇用の創出に取り組んでまいります。

(4) 研究開発について

 昨今、AI*のビジネス活用が注目されておりますが、当社グループの事業領域であるマーケティングデータの計測、分析、活用の分野においても様々な可能性が考えられます。マーケティング分野におけるAI活用により新しい価値提供を実現するため、新技術の開発を推進してまいります。

* Artificial Intelligence:人工知能

(5) グループ経営管理について

 当社グループのさらなる企業価値向上を目指すため、M&Aによる事業拡大や社内事業部の分社化等にも引き続き取り組んでまいります。この施策の効果を最大化するためにも、グループ経営管理体制の強化やコーポレート・ガバナンスの強化は必須のものとして取り組んでまいります。

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